上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園──都立動物園・水族園の公式サイト
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昆虫園のカブトムシはどうして冬でも成虫なんですか?
カにさされるとなぜかゆいの? 血を吸うだけならいいのに~。
昆虫の種類ってどれくらい?
チョウとガはどうちがうんですか?
夜「ジー」って鳴いてる声が聞こえますけど、オケラですよね?
昆虫園のカブトムシはどうして冬でも成虫なんですか?
多摩動物公園の昆虫生態園には、カブトムシの展示ケースがあります。冬でも成虫が見られますが、温室だから長生きしているわけではありません。じつは、幼虫を低温で飼育し、羽化するタイミングを遅くしたり、早くしたりしてコントロールしているのです。幼虫を8℃設定の冷蔵庫に入れると成長が抑制されます。これを取り出して暖かいところにおくと、数十日で羽化します。この方法で3月まで成虫が得られます。一方、10~11月に得た幼虫を温室におくと、2月中旬~4月中旬に羽化します。こうして、昆虫園では年間をつうじて成虫を羽化させているのです。
カにさされるとなぜかゆいの? 血を吸うだけならいいのに~。
けがをして血が出ると、かさぶたになって固まりますよね。じつは、カは血を吸うときに唾液を出します。カの唾液には血が固まるのをふせぐ働きがあるのですが、ヒトの体はこの唾液に反応してしまうのです。ヒトの体は異物が入ってくると抵抗しようとするしくみがありますが、そのために炎症が起こって、かゆくなります。なお、カが血を吸うのは、卵のために栄養をたくさん必要とするからです。卵を産まないオスは、花の蜜や樹液などを吸っています。
昆虫の種類ってどれくらい?
わかりません……じゃ答になりませんね。いま、100万種をこえる数の昆虫が報告されていますが、報告されていない昆虫の数は、まだまだ多いと考えられています。熱帯林には、100万種の10倍以上の昆虫がすんでいるともいわれています。とくに、これまで調べられてこなかった熱帯林の高い場所には、しられていない昆虫がまだまだいっぱい暮らしているようです。研究者によって答はちがいますが、すくなくとも1,000万種はいるのではないかという予想から、いや1億種はいくのでは、という見つもりまで、推定の幅はとっても広いのが現状です。
チョウとガはどうちがうんですか?
確実な区別はありません──というのがコダワリの答です。よくいわれるのは、昼間に飛び、はねを閉じてとまり、触角の先が太くなっているのがチョウという見方です。でも、トラガやツバメガは日中飛びますし、触角の先がふくらんだカストニアガというガもあります。メスの交尾孔と産卵孔がいっしょになった原始的なグループと、別々になったグループにわけると、後者のごく一部がチョウということになりますが、これでは区別したことになりません。チョウとガの区別は「学問上は」あくまでも習慣的なもの、ということになるでしょう。
夜「ジー」って鳴いてる声が聞こえますけど、オケラですよね?
よく「ミミズが鳴く」といいますが、その正体は昆虫です。春先だったらクビキリギス、初夏ならケラのことが多いようです。夏に入るとクサキリの声かもしれません。ケラは「ビー」という感じ、クビキリギスやクサキリは「ジー」という風に聞こえます。鳴く虫といえば夏や秋と相場がきまっていますが、成虫で冬を越すクビキリギスは、春になるとさっそく鳴きはじめるのです。ミミズは鳴きませんよ、念のため。