どうぶつQ&A 魚類｜東京ズーネット

上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園──都立動物園・水族園の公式サイト

	水族園ではマグロにどんな餌をあたえているのですか？
	胎生のサメがいるって聞きましたが、胎生なのに魚なの？
	リーフィシードラゴンもタツノオトシゴのように子育て用の袋をもってるのですか？
	うろこのない魚はいますか？
	葛西臨海水族園で同じ魚に「イニシャルフェイズ」とか「ターミナルフェイズ」と書かれているのはなに？

	水族園ではマグロにどんな餌をあたえているのですか？

	アジ、イカ、イワシなどです。基本的に1日1回与えています。マグロはえさを丸飲みにするので、口の大きさに合わせてえさの大きさを調整しています。大きなマグロは丸ごとのアジやイカを一口でガバッと何匹も飲み込むことがありますが、小さなマグロは小さく切ったえさを1つずつパクパクと食べます。マグロは水槽の底に落ちたえさは食べません。水槽は深さ7mあるため、残ったえさを拾うのは大変な作業です。そのため、えさが水槽の底まで落ちないよう、作業者が水槽の上と下でトランシーバーで交信しながら与えています。

	胎生のサメがいるって聞きましたが、胎生なのに魚なの？

	胎生というのは、子どもが母親の胎内であるていど育って生まれることですね。たしかに魚類の多くは卵生ですが、サメには卵生だけでなく、胎生の種類もいます。卵生のサメは約4割、胎生のサメは約6割です。サメ以外では、シャイナーサーフパーチなどのウミタナゴ科の魚もあるていど育った子どもを産みます。胎生とはいえ、やはり哺乳類ではありません。呼吸方法や骨などがちがうのです。とくに哺乳類は子どもをお乳で育てますが、魚はちがいます。

	リーフィシードラゴンもタツノオトシゴのように子育て用の袋をもってるのですか？

	水中にただよう海藻のようなすがたをしたリーフィシードラゴンは、たしかにタツノオトシゴの仲間です。タツノオトシゴのオスには「育児嚢」があって、メスの産んだ卵を入れて育てますが、リーフィシードラゴンのオスに袋はなく、尾部の腹側に卵をランダムにつけるのです。繁殖期になると、オスの尾部はふくらみます。オスはふくらんだ尾を見せて、メスを誘います。

	うろこのない魚はいますか？

	ほとんどの魚はうろこをもっています。でも、うろこのない魚も案外たくさんいるんですよ。たとえば、ナマズやアンコウ、マンボウにはにうろこがありません。また、カツオも胸びれのまわりの側線を除いてうろこがありません。泳ぐときの水の抵抗を少なくするのに役だっているのかもしれません。また、エイの場合は、成長の途中でうろこがなくなってしまいます。なお、ヌルヌルするウナギやドジョウもうろこがないように思われますが、じつは皮膚の中に小さいうろこが埋まっているのです。同様にクロマグロもツルツルしていてうろこがないように見えますが、実際にはうろこがあり、水の抵抗を受けやすい頭の部分はうろこが皮膚の中に埋まっています。

	葛西臨海水族園で同じ魚に「イニシャルフェイズ」とか「ターミナルフェイズ」と書かれているのはなに？

	「イニシャル」は「初期の」、「ターミナル」は「最後の」、「フェイズ」は「変化の各段階」といった意味です。水族園ではベラ科とブダイ科の魚の種ラベルにこのことばをつかっています。これらの魚は、成長にともなって性別が変わる「性転換」をする種類です。体の色や模様でオス・メスを区別できるとかつては思われていたのですが、最近の研究で単純に割りきることができないことがわかってきました。そこで、成長にともなう体の色や模様の変化に応じて、初期の個体はイニシャルフェイズ、最終的な段階の個体はターミナルフェイズと呼んでいるのです。