保全と教育普及活動
動物園や水族館が野生動物の保全に貢献するためには、希少動物の保護・繁殖や調査・研究だけではなく、「伝えること」も重要な役割です。
国内そして世界各地から訪れる多くの方々に向けて、動物展示や園内でのプログラム、さまざまな情報発信媒体など、さまざまな手法で動物への興味関心を引き出し、動物を守ることの大切さを伝えることは動物園・水族館の大切な役割です。
地球規模の環境破壊が進み、多くの野生動物が絶滅の危機に瀕している中、私たちは教育普及活動を通じて、「人と動物の共存への貢献」を果たしていきます。
保全をテーマとした講演会やシンポジウム
都立動物園・水族園では年間を通じてさまざまな教育プログラムを実施しています。保全を主なテーマとしたプログラムも少なくありません。そのひとつが講演会やシンポジウムです。研究者や市民団体、動物園水族園の職員など、保全に関る人や組織が、希少野生動物の現状や保全の取組み、その課題など、最新の情報を発信し、議論する場を提供しています。
たとえば都立動物園・水族園がおこなっているアカハライモリの域内保全のフィールドでは、事前応募型の観察会や地域の学校と連携した学習プログラムを長年継続しておこなっています。
通常おこなっている多様な教育プログラム、たとえば飼育担当者がお話をするキーパーズトーク、動物解説員の案内で観察するガイドツアー、子ども対象の体験型プログラム、フィールドでの動物観察会などの際も、動物の体やくらしをご紹介するだけでなく、動物が置かれた危機的状況や保全活動の現状についても積極的にお伝えしています。
今後も都立動物園・水族園は4園が連携しながら「伝えること」に取り組んでいきます。
動物園・水族園での研究に関する情報発信
都立動物園・水族園では飼育動物や野生動物に関する調査・研究や、教育普及活動に関する調査・研究に取り組んでいます。その成果を論文誌や研究会などで積極的に発表し、情報発信に努めています。