野生生物保全プロジェクト

保全プロジェクト

多くの野生生物が絶滅の危機に直面しており、そのリスクは近年さらに高まっています。
都立動物園・水族園では、野生生物保全センターを中心に「野生生物保全プロジェクト」として生息域内保全活動、環境省や他団体等の外部機関との連携、独自の調査・研究、普及啓発などの多角的アプローチで野生生物保全を進めています。

生息域内保全

生息域内保全活動とは、その本来の生息地における減少要因を取り除くことで必要な環境を確保し、絶滅を避けようとする活動のことです。
都内では、多摩地区や島しょ部に多くの自然が残っており、希少種に指定されている野生生物も生息しています。
都立動物園・水族園では、職員が実際に生息地を訪問し、生息環境の整備や野生個体の調査などを行っています。

アカハライモリ

多摩地域のアカハライモリの生息域内保全

都内では希少となったアカハライモリを守るため、多摩地域の調査地で、生息状況調査と産卵環境の整備を行っています。

ヒキガエル

多摩動物公園でのヒキガエルの調査と繁殖場所整備

最近姿を見ることが減ったヒキガエルについて、多摩動物公園内での繁殖状況を調べるとともに、繁殖場所となる水場を整備しています。

外部機関との連携

環境省の保護増殖事業など、他の機関・団体の保全活動と連携した飼育下繁殖、飼育技術開発等をおこない、ライチョウ、トキ、ツシマヤマネコなどの野生個体群保全に貢献しています。

トキ

飼育下個体の育成によるトキ放鳥計画への協力

環境省が計画しているトキの野生復帰の取組に協力するため、野外に放鳥する個体の育成に取り組んでいます。

シロハラサギ

シロハラサギ保全のためのブータンへの技術的支援

世界中で60羽ほどしか生息していないシロハラサギの生息域外保全に取り組むブータン王国へ職員の派遣や研修生の受け入れを通じて技術的支援を行っています。

マイマイ

小笠原諸島固有の陸産貝類保全への協力

小笠原諸島だけに生息する希少な陸産貝類(カタツムリのなかま)を絶滅の危機から守るため、環境省の計画に協力しています。

調査・研究

飼育生物の生理・生態学的データの取得、身近な環境に住む生物の調査等から、野生生物保全に必要な知見を集積し、大学等と連携してその成果を公表しています。

ミヤコカナヘビ

野生復帰に貢献する飼育下のミヤコカナヘビを対象とした調査・研究

野生ではわかっていない産卵場所の調査や、野生個体と飼育個体の運動能力の比較など、飼育下だからこそできる研究を通じてミヤコカナヘビの野生復帰に貢献しています。

コアラ

コアラの暮らす森の再生を目指した栄養学的研究

ユーカリの栄養組成や飼育下のコアラ栄養状態の調査など飼育下ならではの研究から様々な知見を集め、野生のコアラが健康に暮らせる森の再生に貢献することを目指しています。

西なぎさ

葛西臨海公園の人工干潟「西なぎさ」での調査

葛西臨海水族園にほど近い人工干潟に生息する生物の種類や数を継続して調査し、長期的な変化をモニタリングしています。この活動を通じて地域の自然環境の変化を把握し、広く伝える取り組みを進めています。

普及・啓発

絶滅の危機にある野生生物の現状、動物園・水族園の取組み、野生生物保全のためにひとりひとりができることなどをイベントやプログラム等で伝えています。

ウミガラス

生息地と連携したウミガラスの保全に関する普及啓発

ウミガラスの生息地での保全活動に参加し、その経験や現地とのつながりを活かしたイベントの開催や、生息地での普及活動への協力を行っています。

ゴリラとレアメタルの問題普及活動

ゴリラとレアメタルの問題についての啓発活動

電子機器に使用されるレアメタル採掘とゴリラの生息数減少との関係を広く普及し、スマートフォンのリサイクルなど私たちができることを呼びかけ、ゴリラの保全を進めています。

ヤマネコまつり

日本の希少動物の保全に関する普及啓発イベント

井の頭自然文化園では、日本の希少動物の保全について効果的な普及啓発活動を目指し、ヤマネコ祭りなどのイベントを通じて来園者の「野生動物を守りたい」気持ちを育んでいます。