田んぼや小川をあまり見ることがなくなってしまった東京に、まだメダカはすんでいるのでしょうか?
わたしたちは、みなさんから寄せられた情報などをもとに、2006年から東京の川や池でメダカの生息調査を行っています。2019年までに、下の「メダカMAP」で示したポイントで細々とくらすメダカが見つかっています。
しかし、見つかったメダカのDNA(遺伝子)を調べてみると、関西や九州など他の地域のメダカやヒメダカのDNAが混じったメダカがほとんどでした。
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メダカ調査の様子 |
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【メダカMAP】 都内でのメダカ生息状況 (2006年~2019年) ※メダカ生息地保護のため、プロットの位置は実際の調査地点、メダカ生息地点とは多少ことなります。 |
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関東地方には本来、ミナミメダカがすんでいて(<コラム>実は日本のメダカは2種だった!!)、特有のDNA(遺伝子)型(東日本型または関東型)を持っています。
ところが、上の図からもわかるように、関東地方には、他の地域からのメダカ(瀬戸内海沿岸や北九州地方に特有の型をもつミナミメダカ)が多く見られます。また、観賞魚用に大量に作られているヒメダカとの交雑も確認されています。
これは、わたしたち人間が、減ってしまったメダカを増やそうと、あるいは家庭や学校で飼育されていた他の地域のメダカを安易に放流してしまったことに、原因があります。
同じメダカだから放してもいいのでは?と思うかも知れません。しかし、その行いや考え方が問題をひき起こしかねないのです。