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Profile 03/オシドリ千羽計画 オシドリ
 井の頭自然文化園では、井の頭池にオシドリを呼び戻す「オシドリ千羽計画」を進めています。計画は1988年に始まりました。まずは、飼育下でオシドリを殖やすことから始め、以来、繁殖計画は順調に進んでいます。
 飼育下で繁殖したひなは、毎年2月ごろ、井の頭池に放します。オシドリは植物がうっそうと茂った場所を好みます。弁財天のまわりやオシドリ池の近くにいることが多いので、さがしてみてください。
 さて、色あざやかなオシドリは、日本では有名な鳥の一種ですが、本当のすがたはなかなか知られていないようです。その知られざるすがたをご紹介しましょう。
・オシドリの飼育舎に入っている地味な色の鳥は?
 派手な体色で知られるオシドリですが、あの色彩を見せるのは繁殖期のオスだけなのです。メスは茶色がかった灰色で、あまり目立ちません。また、繁殖シーズンが終わる6月下旬になると、オスも地味な色になってしまいます。そして8月ごろ、来年の繁殖に向けて、オスの羽はふたたびきれいな色に生えかわるのです。
 オスの派手な体色は、メスをひきつけるためと言われています。繁殖期以外のシーズンは、外敵に見つからないよう、地味な体色に変わるのでしょう。メスは卵を抱いたり、ひなを育てたりという仕事があるので、一年中地味な体色をしているようです。
・オシドリ夫婦って本当?
 なかのよい夫婦を「オシドリ夫婦」と形容したりしますが、実際のところはどうなのでしょう? じっくり観察してみた結果、飼育下では、一度繁殖行動をとったペアのうち、約半分はふたたび同じペアを組むようです。一方で、連れ合いが亡くなったわけでもないのに、あらたなペアを作る個体も少なくありません。それに、繁殖期以外は連れだって行動しているわけでもないのです。
  文献によれば、野生のオシドリは、シーズンが変われば別のペアを作っている例が多く観察されています。どうやら、ふたたび同じペアを作るのは、飼育下だからこそなのでしょう。
オシドリの飼育舎に入っている地味な色の鳥は?
オシドリの飼育舎に入っている
地味な色の鳥は?
・オシドリの好物ってなに?
 カモ類は魚をつかまえて食べる動物と思っていませんか? 弱っている小魚なら丸飲みにしますが、多くは草食に近い雑食で、水草やイネ科の植物を主食にしているものが多いようです(アイサのように魚を食べる変わり者もいますが)。
 オシドリも同様ですが、他のカモがあまり食べない「ドングリ」を好物にしています。鳥には歯がないので、もちろん噛まずに丸飲みします。以前、拾ったドングリをオシドリに与えたら、目の色を変えて群がってきました。
 また、オシドリは他のカモにくらべ、動物質のえさを好みます。オシドリのひなの脚が他のカモ類のひなより発達しているのも、虫などを追いかけるためと考えられます。以前、池に放したオシドリが、ミドリガメ(ミシシッピーアカミミガメの子ども)を丸飲みにしようとしていました。結局、あきらめましたが……。
オシドリの繁殖
 オシドリの飼育や繁殖は、さほどむずかしいものではありません。これはオシドリが10個前後の卵を産み、ひながたくさん孵化するからです。しかし、オシドリのひなを育てるのは他のカモ類にくらべると簡単ではないのです。親が卵を暖めて孵化させ、ひなを育てることを「自然育雛」(しぜんいくすう)と呼び、人間が孵卵器で卵をあたため、人間の手でひなを育てることを「人工育雛」といいます。オシドリでは、人工育雛の成功率がとくに低く、これからの技術開発が待たれます。
 私が飼育係として初めてオシドリの人工育雛をおこなったとき、他のカモ類と同じようなあつかい方で、ひなを孵卵器から取り出したことがありました。オシドリのひなのジャンプ力は私の想像をはるかに超えており、移した先の箱から飛び出してしまい、非常にびっくりしました。
 オシドリの繁殖期は、ちょうど梅雨時にピークを迎えます。ひなは雨に非常に弱く、梅雨時の雨量によって、その年の育成率も左右されます。飼育係にとっては、文字通り涙雨。梅雨入り宣言とともに、ゆううつになってしまいます。こうして育てあげたオシドリのひなたち。彼らが優雅に泳ぐすがたをぜひ見に来てください。
どうぶつ図鑑 Animal Encyclopedia
03 カモのなかまたち
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