こうして輸送に成功したシュモクザメですが、飼育も簡単ではありませんでした。横に張り出した眼を水槽の壁やアクリル面にこすりつけて泳ぐので、眼が傷ついて弱り、やがて死んでしまいました。眼をこすりつける原因は二つ考えられました。 まず、水流です。シュモクザメは水流に逆らって泳ぐ習性があります。壁やアクリル面の近くは水流が強いので、その付近で泳ぐ時間が長くなり、その際、横に出っ張った眼を壁などでこすってしまうのです。 つぎに光が問題でした。明るい方向に背を向けて泳ぐ習性が強いようで、明るく反射する壁面近くでは遊泳姿勢がくずれて、うまく泳げなくなってしまうのでした。 そこで、流れが起きないように水槽に入る循環水を分散し、光は均一に、しかも壁やアクリルには当たらないように調整しました。他にもいくつか飼育方法を工夫をほどこし、ようやく長期飼育ができるようになりました。 |
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