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Profile 15/南極でくらす生き物たち 南極の魚、プランダーフィッシュ。潮だまりのような浅い場所でくらしている。
 氷に閉ざされた南極大陸は、一年中氷が浮かぶ冷たい海に囲まれています。その冷たさのあまり、生物がいないようなイメージがありますが、じつはこのきびしい環境に適応したさまざまな生物が生息しているのです。
・孤立した海
 南極海は、南極大陸を取り囲むドーナツ型の海で、太平洋、大西洋、インド洋と接していますが、境界ははっきりしていません。しかし、南緯50~60度付近には、冷たい気候で冷やされた海水と北からやってくる暖かい海水がぶつかり、中層に沈み込む場所があります。南極大陸を取り囲むこのゾーンを南極極前線といい、他の海洋との実質的な境となっています。
 南極極前線を境に水温や水質が大きく変化するので、浅い海にすむ生物の多くはこれを越えて移動することができません。つまり、南極海の生物の多くは、冷たい海に閉じこめられ、その特殊な環境に適応して進化してきたのです。したがって、南極海には他の海域では見られない固有種がたくさんあります。たとえば、200種ほど知られる底生性の魚類は、その88パーセントが南極海だけで見られるといわれています。
・南極海の生物と氷
 南極海には、海の水が凍りついた海氷や、陸上の氷河などを起源とする氷山があり、それらは海の生物に大きな影響を与えています。冬の南極海には分厚い氷に閉ざされるところが多いうえ、浅いところでは流氷によって押しつぶされてしまう危険があります。そのため、カイメンやホヤ、ケヤリムシなど、あまり動かない生物は浅いところにほとんど見られず、氷の影響が少なくなる水深20~30メートル付近から数が多くなります。
 一方、海氷そのものを生活の場にしている生物も多くいます。氷の結晶のすきまには、小さな藻類や体長2ミリにも満たない小さな無脊椎動物がくらしています。とくに、海氷中で増殖する小さな藻類はアイスアルジーとよばれ、南極海の生物の食物連鎖の出発点として重要な存在となっています。
・ちぎれた海藻も生活の場
 葛西臨海水族園では、1989年から南極半島先端近くのサウスシェットランド諸島キングジョージ島で、おもにスキューバ潜水による生物収集調査をおこなっています。この調査では、ちぎれた海藻がたまった浅い湾内で、さまざまな無脊椎動物や魚類が観察されました。ちぎれた海藻は、冷たい海の中ではなかなか分解されず、安定した生活の場所となっているようです。
 ダスキーノトセンという魚は、海藻がたまった場所に浮かびながら流れてくるえさ食べています。私たちが近づいたときは、海藻のすきまにさっと隠れるところを目にしました。また、グリプトノートゥスアンタルクティクスやアンタークティックリンペットなどの魚介類も、海藻がたまった場所に多く見られました。ちぎれた海藻を、隠れ場所や餌場として利用しているのでしょう。
南極の生き物を飼うしかけ
 葛西臨海水族園にやってきた南極の生き物たちは、展示水槽だけでなく、裏側の予備水槽でも飼育されています。氷山のただよう冷たい海にくらしている南極の生き物たちは、約1℃の冷たい水で飼育しています。ふだんお見せできない水族園の裏側を少しのぞいてみましょう。
 新着生物は、まず予備水槽に収容されます。この水槽はマイナス20℃まで冷やせる大型冷凍冷蔵庫の中にあり、水温が約1℃を保てるように気温を約3℃に設定した部屋の中には、クーラーから冷たい風がいつも吹き出しています。水槽についたコケをスポンジで掃除するときには、水の中に直接手を入れて作業しなければなりません。数分で手がかじかみ、指の感覚がなくなってしまうこともあり、ときには冬場でも水道の水が暖かく感じられ、バケツにくんだ水で手を暖めて作業することもあります。
 南極の生き物たちは水温の変動の少ない冷たい海にくらしているため水温の上昇に弱いので、冷凍冷蔵庫の室温を3℃に保つだけでなく、冷却用のコイルで飼育用の水を直接冷やし、低い水温を維持できるよう二重の安全策をとっています。
 また南極の魚は食べることに貪欲で、えさの選り好みはあまりありません。口に入る大きさならば、ほかの生き物を食べてしまうこともあるので、同居させる生物の組み合わせには気をつかいます。たとえば、ブルヘッドノトセンはほかの魚とケンカをするので、1尾だけで展示しています。予備水槽でも、1尾ずつ水槽を仕切って飼育しています。
水を冷却するコイル
水を冷却するコイル
どうぶつ図鑑 Animal Encyclopedia
15 南極の動物
 | ブルヘッドノトセン | 

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