上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園──都立動物園・水族園の公式サイト

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都立動物園マスタープラン (東京都サイトへ)

希少動物の飼育と保全

 都立動物園・水族園は、長い歴史の中でさまざまな動物を飼育・展示してきました。たとえばジャイアントパンダ、ゴリラ、ユキヒョウ、アイアイ、オカピ、シフゾウなどは、その一例です。こうした多様な種を長きにわたって飼育し、技術を蓄積してきたことにより、現在、さまざまな保全活動に貢献できるようになりました。
 都立動物園・水族園では、国や行政機関、他の動物園や研究機関、NPOなどとの連携のもと、4園で協力しながら、国内はもとより海外における保全活動にも積極的に取り組んでいます。

ニホンコウノトリ(上野、多摩、葛西、井の頭)

 かつては日本全国に生息していましたが、明治以降に激減し、国内に生息していた個体群は1971年に絶滅しました。多摩動物公園では中国から導入した個体が1988年に国内ではじめて繁殖に成功しました。その後順調に飼育数が増え、現在では兵庫県立コウノトリの郷公園が取り組む野生復帰にも協力しています。
 多摩動物公園では、このようなコウノトリの取り組みをわかりやすく伝える解説パネルを園内に設置し、来園者の皆さんにメッセージを伝えています。
 また、東京都と(公財)東京動物園協会は、都立動物園におけるニホンコウノトリの飼育繁殖技術を活用し、「コウノトリ・トキの舞う関東自治体フォーラム」が進めるニホンコウノトリの保全事業にも協力しています。

トキ(多摩)

 2003年に、日本産のトキは絶滅しました。その後環境省は、中国生まれの個体をもとに新潟県佐渡でトキ保護増殖事業を進めています。2007年12月、トキ保護増殖事業に協力するため、多摩動物公園では佐渡で飼育下繁殖した2ペアのトキを佐渡トキ保護センターから受け入れ、飼育を開始しました。鳥インフルエンザ等の伝染病が佐渡で発生した場合に備え、佐渡から離れた場所で飼育する必要があり、トキ類飼育の経験が豊富な多摩動物公園が最適な飼育場所として選ばれたのです。
 現在、伝染病の予防等に気を配りながら、非公開施設で飼育繁殖に取り組んでいます。2008~2015年に合計50羽が成育しており、佐渡トキ保護センターに搬出しています。そのうちの一部個体は、佐渡で放鳥されています。

ボルネオオランウータン(多摩)

 2005年、オランウータンの繁殖基地を目指し、多摩動物公園に新オランウータン舎がオープンしました。2007年より、私たちはマレーシア・サバ州と野生生物の共同保全に関する覚書を交わし、オランウータンを守っていく取組みを開始しました。
 サバ州のオランウータンリハビリテーションセンターで働くサバ州職員を招いたシンポジウムには、野生生物学を勉強する多くの学生が参加しました。
 その後は、ボルネオ島で、伐採により分断された森林に消防ホースで編まれたつり橋を架け、群れの孤立の解消に貢献したり、サバ州立のロカウィ動植物公園が現地での環境教育施設として自立できるよう、多摩動物公園への研修の受け入れや、現地での技術指導をおこなうなど、直接的な保全活動にも貢献しています。

※右写真は、消防ホースを利用してつくったつり橋を渡る、ボルネオ島の野生のオランウータン。監視カメラによる撮影。(ボルネオ保全トラストジャパン 提供)

ツシマヤマネコ(井の頭)

 ツシマヤマネコは長崎県対馬だけに生息するネコ科の動物で、国の天然記念物です。2005年の環境省の調査によると、野生では80~110頭しか残っていないと考えられており、絶滅の危険が非常に高い動物です。
 1999年度以降、環境省野生生物保護センターと福岡市動物園でおこなわれている飼育下繁殖事業が順調に進み、2006年、飼育個体群の危険分散等を目的として、井の頭自然文化園に雌雄各1頭、よこはま動物園ズーラシアにも雌雄各1頭が移送されました。
 ツシマヤマネコに近縁なアムールヤマネコを2000年から飼育している井の頭自然文化園では、その飼育繁殖技術を活かし、ツシマヤマネコの保全活動に取り組んでいます。
 飼育開始後、国や他の動物園、大学や研究機関等と連携しながら研究や情報交流を実施すると共に、展示を通じた教育普及活動、講演会やワークショップの開催を積極的におこなっています。

ニシローランドゴリラ(上野)

  •  上野動物園の「ゴリラ・トラの住む森」は、ズーストック計画に基づいた、ゴリラとスマトラトラの繁殖を目指す施設としてつくられました。ゴリラ繁殖のための個体の移動(ブリーディングローン)を実施しながら繁殖に力を注ぎ、2000年には繁殖に成功しました。
     また2007年には繁殖能力のあるオスを導入して家族群を形成した結果、2009年と2013年に繁殖に成功しました。このような充実した施設と長い飼育経験で培われた技術をもつ上野動物園は、日本のゴリラ繁殖についてのリーダー的存在を果たしていくべき立場にあります。

イモリ(上野、多摩、葛西、井の頭)

 かつては身近な生き物だったイモリも、環境の変化によって姿を消しつつあります。都立動物園・水族園は、少なくなった東京のイモリを守るため、多摩地域の生息地で2002年から保全活動をおこなっています。繁殖に必要な水辺環境を整えるとともに、モニタリング調査をおこなってきた結果、繁殖とともに個体数の増加が確認されています。
 また、飼育下でも同じ地域個体群を維持し、繁殖させる体制を整えています。さらに、保全活動の成果を活かした環境教育プログラムを地域の小学校で実施しています。

クロツラヘラサギ(多摩、葛西)

  •  クロツラヘラサギは世界で2,700羽ほどしか生息していません。クロツラヘラサギを飼育下で繁殖させるのはとてもむずかしく、親鳥にまかせておいてもなかなかうまくいきません。
     特に卵からかえって1週間はヒナが弱ってしまうことが多いため、その間、飼育担当者が親がわりとなってヒナに餌を与え、その後、親鳥にヒナを戻すなどの方法で育てます。多摩動物公園では1989年に導入してから順調に羽数を増やしており、飼育下における累代繁殖に世界で唯一成功しています。

アカガシラカラスバト(上野、多摩)

 小笠原諸島だけに生息するアカガシラカラスバトは、野生個体数がわずか40羽前後と推測されている天然記念物の鳥です。これまで上野動物園では、「アカガシラカラスバト保護増殖事業計画」に基づき、アカガシラカラスバトの飼育繁殖に取り組み、成果をあげてきました。
 2007年からは多摩動物公園にも移動をおこない、分散飼育を開始。2008年には小笠原父島で、地元の皆さん、大学等研究機関、行政機関、そして国際自然保護連合(IUCN)と協力して、「アカガシラカラスバト保全計画づくり国際ワークショップ」を開催しました。
 飼育開始当初3羽だった個体数は、10年後の2011年3月には25羽となり、さまざまな調査研究にも取り組んできました。現在も、環境省、東京都、小笠原村、現地のみなさん、動物園、NPO法人などが連携し、生息地の環境整備など総体的な保護活動をおこなっています。

オガサワラシジミ(多摩)

  •  アカガシラカラスバトと同様、オガサワラシジミも小笠原諸島に分布する希少種で、うすい緑色をした、きれいな蝶です。移入種であるグリーンアノールというトカゲの影響などにより、急速に数が減っています。
     多摩動物公園では、オガサワラシジミの飼育と繁殖に取り組む一方、現地で進められている環境保全や密猟監視活動を支援しています。