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Profile 25/アムールヤマネコの飼育と展示 アムールヤマネコ
 井の頭自然文化園では2000年からアムールヤマネコを飼育し、公開しています。アムールヤマネコは中国東北部からシベリア東南部、朝鮮半島に分布し、広葉樹林帯や、ヤナギ、キスゲ等の繁茂する川に沿った谷に生息しています。大きさはイエネコ程度で、外見的にいろいろな特徴があります。たとえば、額から頭頂にかけて黒と白の縦縞が目立ち、体には薄い赤褐色にぼやけた黒褐色の斑紋があります。また、耳の先端は丸く、尾は長い毛に覆われているため太く見えます。
 なお、アムールヤマネコは日本の対馬に生息しているツシマヤマネコと酷似しており、同一亜種と考える研究者もいますが、いまだ結論が出ていません。
・アムールヤマネコの検疫
 近年、イヌやネコ以外の動物も多く飼われるようになりました。しかし、外国から違法に持ちこまれた動物が飼われていたり、逃げ出して人に危害を加えるおそれのある動物がペットになっていたりします。こうした傾向とともに、動物と人を守るための検疫が強化されるようになっています。
 そこで、井の頭自然文化園にアムールネコの「ダイチ」(オス)と「メアリ」(メス)が来園(2002年)したときの検疫についてご紹介しましょう。
2002年
3月
 7日   ダイチとメアリの2頭が来園。体重測定、視診による健康チェック。
 11~26日 糞の細菌検査を実施。問題となる最近は検出されず。
 18~27日 麻酔下で全身チェック。個体識別用マイクロチップを埋め、採血。ダイチ、異常なし。
        メアリ、再検査。
4月
 1日   ダイチ、糞の寄生虫検査を実施。寄生虫検出されず。
 4日   ダイチ、猫族感染性ウイルスの予防接種(約3週間後に再接種)。
 8日   ダイチ、公開用の施設に移動。
 8~23日 メアリ、麻酔下で血液等を採取し再検査。検査結果等を総合的に判断したところ、とくに問題なし。
       ただし、全身の洗浄が必要と診断し、麻酔下で実施。
 25日   メアリ、猫族感染性ウイルスの予防接種(約3週間後に再接種)。
       糞の寄生虫検査を実施したところ、検出。
 27日~5月1日 メアリに駆虫薬を投与。
5月
 3日   メアリ、再検査で寄生虫検出されず。
 5日   メアリ、公開用の施設に移動。
 2頭の検疫には2か月余を要しましたが、動物によっては2週間ていどで終了することもあります。また、ここには記しませんでしたが、毎日の採食状況や排糞状態をチェックすることも大切です。
哺乳「3」の魔
 動物園では、母親の育児放棄や保護動物の持ち込みにより、人工哺乳をしなければならないケースがありますが、この人工哺乳には、「3」の魔があるといわれています。
 まず、哺乳を開始して「3日目」。イヌやネコの場合は哺乳用品があるていど度整備されているのですが、それ以外の動物ではいろいろな物を流用しなければなりません。最初に問題になるのが吸いつかせるための乳首です。これが合わないと、子どもはミルクを飲むことができず、衰弱して死亡してしまいます。
 次にミルクです。これが「3週間目」の魔になります。本来ならば赤ちゃんは母乳を飲むところですが、人工哺乳では代用乳を与えざるを得ません。しかし、代用乳は母乳とは成分等が異なるため、体質に合わず下痢をさせてしまうことがあります。
 そして、最後が「3か月目」の魔です。この時期は離乳期にあたることが多く、うまくミルクから固形食に切り替えを進めていかないと、生育に大きな支障をきたします。また、動物によっては母親からの移行免疫(赤ちゃんの時期に、免疫力の元となる抗体を母乳などでおぎなうこと)が消失する時期とも重なるため、感染症にかかりやすくなってしまいます。
 このように、人工哺乳を成功させるには、試行錯誤しながらハードルをひとつひとつ乗りこえていかなければなりません。しかし、子どもたちの成長を間近に見られるのは「役得」と感謝しています。
どうぶつ図鑑 Animal Encyclopedia
25 ネコ科の動物たち
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