上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園──都立動物園・水族園の公式サイト
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01 ユキヒョウの鳴き声コミュニケーション
02 知らずぎらいにならないで――ヘビ
03 オシドリ千羽計画
04 フェアリーペンギンの人工哺育
05 コアラのふしぎ
06 アジアゾウ豆知識
07 クロマグロの秘密
08 ゆっくりふわり、オオゴマダラ
09 珍獣オカピ
10 イヌのなかま、フェネック
11 軟体動物の食生活いろいろ
12 ライオン、キング・オブ・ビースツ
13 マダガスカルから初来園、アイアイ
14 日本固有種、ヤマドリ
15 南極でくらす生き物たち
16 ツートンカラーのマレーバク
17 知られざるフクロウ
18 世界最大の両生類、オオサンショウウオ
19 磯でくらす生き物
20 昆虫園のトノサマバッタ
21 人気者、ジャイアントパンダ
22 棘皮動物のからだのヒミツ
23 アフリカゾウ豆知識
24 ゴリラの繁殖をめざして
25 アムールヤマネコの飼育と展示
26 軟骨魚類ってなに?
アフリカゾウは、現存する陸生哺乳類の中で最も大きい草食動物です。全長6~7.5メートル、体高3~4メートル、体重は5,000~7,000キログラムといわれています。
アフリカゾウは以下の2亜種に分けられます。
・アフリカゾウ(サバンナゾウ)
一般的にアフリカゾウといわれるのがこのサバンナゾウ。多摩動物公園を含め、日本の動物園で飼育している亜種です。
・マルミミゾウ(シンリンゾウ)
茂みや木の多い場所に生息しています。体毛が多く、オスの体高は2.1~2.4メートルで、サバンナゾウより小型です。また、サバンナゾウより原始的とされ、日本では北海道の旭山動物園と山口県の徳山動物園にわずかな数が飼育されているだけです。
・えさ
アフリカゾウは完全な草食性で、アフリカの厳しい気候でも生き残れるよう、粗食に耐えるといわれています。1日の大半を食事に費やし、おとなのゾウは200~300キロもの草や木を食べ、水も1日に100リットル以上飲みます。
動物園では主食として乾牧草を与え、補助食としてリンゴやニンジン、サツマイモなどの根菜や、草食動物用ぺレットを与えています。不足しがちな栄養素は、えさにまぜたビタミン剤などで補給しています。ちなみに、えさの中では、甘い果物が大好物です。
多摩動物公園は多くの木々にかこまれており、園内で剪定した雑木(カシ、ナラなど)の枝を与えることができます。もともと木などを主食にしている動物なので、木の枝を与えるととても喜びます。意外かもしれませんが、葉より幹を好んで食べます。
オスが一晩で食べる
えさの量
・糞
アフリカゾウの糞は、1個で約2キログラムあります。大きなオスでは約3キログラムにもなります。これを1回に5~6個、1日に約10回排便します。したがって、おとなのゾウの1日の排便量は、およそ100キログラム(2キログラム×5個×10回)にもなります。
1回の排便量
・食事
ただ見ていると、ほんとうによく食べるなと感心するかもしれませんが、口に物を入れることについて、ゾウは非常に慎重です。とくに鼻は目と同程度に敏感です。口に入れる物は、すべて一度鼻で触れるかにおいをかいで確認します。水も一度鼻に吸い上げ、それを口に噴き出して飲んでいます。
それだけ敏感なので、ゾウに薬だけ与えても、鼻で確認した後、吹き飛ばしてしまいます。そこで、好物の中に隠したり、甘い水に溶かしたり、工夫して与えます。
また、鼻を手のように使って、物を上手にはさんだり、つまんだりすることができます。わら一本をつまみあげることもできるのです。唇のように吸いつくこともできます。
ゾウの鼻 人の手からでもじょうずに物をつかみます
・アフリカゾウとのコミュニケーション
多摩動物公園では、飼育係は柵ごしにゾウと接しながら飼育しています。そのときに使うのが、「ターゲットコントロール」という方法です。たとえば、飼育係が「ハナ」という号令をかけたとき、ゾウが飼育係が持つ棒の白い部分を鼻でつかんだら、ごほうびとして餌を与えます。この場合、棒が「ターゲット」であり、最終的にはごほうびがなくても、号令だけで行動するように憶えさせるのです。この方法でさまざまな動きをさせ、柵ごしでも健康管理ができるようになりました。
ターゲットトレーニング
子象誕生
多摩動物公園では、アフリカゾウの繁殖に2回成功しています(2006年3月1日現在)。最初の子ども「パオ」(オス)が生まれたのは1998年4月25日でした。現在、富士サファリパークで姉さん的存在のゾウたちといっしょに暮らしています。ぜひとも将来は、多摩動物公園のタマオのような、りっぱな父親になってほしいものです。
その後、2002年6月13日にマオ(メス)が誕生。パオのときと同様、交尾の時期から出産予定日を予測し、予定日が近づいてから泊まりこみで観察をおこないました。というのも、前回初産だったアイは、興奮して出産直後の子どもを激しく蹴ったり踏んだりする行動が見られたからです。この行動は、舐めるという行動ができないゾウにとって、体のぬめりをとったり、呼吸をうながす行動なのではないかと考えられていますが、コンクリートの部屋の中では、子ゾウが予想外のケガをおうことも考えられます。アイの動きを監視し、状況に応じてわれわれ飼育係員がサポートできる体制でのぞみました。
出産前日はいつもより早い時刻に横臥姿勢での睡眠が頻繁に見られました。2002年6月13日の深夜0時32分に破水があり、0時45分に出産を確認しました。アイは終始落ち着いており、子ゾウの体についた羊膜を前足でこすりとったり、子ゾウが立ちやすいように床をこすって乾かしたりしていました。すばらしい母親ぶりに、係員一同ホッと胸をなでおろしました。
マオはすくすくと育ちましたが、2006年の春には、オス1頭だけを飼育している盛岡市動物公園に旅立つことになりました。マオの将来の繁殖のことを考え、小さいうちから環境になじんでもらおうという計画です。
誕生直後のマオ
23 ゾウのなかまたち
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アジアゾウ
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アフリカゾウ
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