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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.675 - 2014年01月25日
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■目次■----------------------------------------------------------------
・上野動物園
├─ガイアナカイマントカゲを展示しました
├─オオアリクイ「フジオ」静岡へ
├─2/6 ゴリラ脱出の想定で猛獣脱出対策訓練
└─2/16「不忍池のカモ観察会」開催
・多摩動物公園
└─目撃!シフゾウの決定的瞬間
・葛西臨海水族園
├─ただいま「ペンギンの生態」工事中
├─3/20-5/6 開園25周年プレイベントを開催します
└─2/14-3/14 平日限定クイズラリー「海の中のオス♂メス♀事情」開催
・井の頭自然文化園
├─2014年ガンカモ調査の結果
├─井の頭自然文化園でフンボルトペンギン今春公開
├─3/21、3/29 彫刻館特設展関連イベント、木炭で「はな子」を描いてみよう
└─1/22-2/11 4園巡回展「たまごのあいうえお」、井の頭自然文化園で開催
■上野動物園■==========================================================
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▼ガイアナカイマントカゲを展示しました
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上野動物園両生爬虫類館では、ガイアナカイマントカゲの展示を開始しまし
た。このトカゲは2012年3月から12月まで特設展示場で展示していましたが、
このたび常設展示として広い展示槽でごらんいただけるようになりました。
ガイアナカイマントカゲの生息地は南米大陸北部のブラジル、コロンビア、
エクアドル、ペルー、そしてギアナ地域と呼ばれる複数の国々にわたっていま
す。展示個体は全長40センチくらいですが、最大では120センチ、体重は4キ
ロを越えるほどまで成長します。
自然の生息地では熱帯雨林下の湿地や川、湖沼など暖かく湿潤なところを好
み、長くて平たい尻尾で上手に泳ぐことができるなど、水中での生活にも適し
た体の構造をしています。
餌は、トカゲ類の中ではちょっと変わっていて淡水産の巻貝、二枚貝、魚、
ザリガニなどですが、何といっても巻貝が一番の好物です。しかし、南米の巻
貝は手に入らないので冷凍のタニシを解凍して与えています。食べるときは巻
貝を奥歯で噛み割ったあと殻を出し、貝の身だけを上手に飲み込みます。
・東京ズーネット動画
「貝を食べるガイアナカイマントカゲ」(2012年02月25日撮影)
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1203_04/index.html
常設展示の水槽には、さまざまな生態を見ていただくための工夫を施しまし
た。来園者が観覧する表側に水の溜まる部分があり、アクリルガラス越しにト
カゲが水中に入ったときの姿を見ることができます。展示槽の奥側には土を入
れ、陸地でのようすも見ることができます。さらに、樹木を水中から奥に向か
って立てかけてあるので、水中から登ってくるところも見られるようにしまし
た。また、は虫類は自分では体温を維持できないので、バスキング(日向ぼっ
こ)などで体を温める必要がありますが、この水槽では太陽光のように熱を出
すランプを右上から当てるようにしました。こうしておけば、好きなときに陸
に上がって体を温めることができます。
カイマンという名前がついているのは、中南米に棲むワニのなかま「カイマ
ン」に、このトカゲの見た目が似ているのでこう呼ばれているようです。実際、
ある程度成長したこのトカゲが水面付近を泳いでいると、ワニと間違えそうに
なります。自らをワニに似せ、外敵から身を守るための工夫ではないかともい
われています。よく見るとなかなかかわいい顔のこのトカゲを、ぜひごらんく
ださい。
〔上野動物園両生は虫類館飼育展示係 江川紳一郎〕
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▼オオアリクイ「フジオ」静岡へ
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上野動物園のオオアリクイは2013年7月にメスのガンコが死亡。ガンコ死亡
直前に帝王切開で生まれた子どもは現在非公開。そして2014年1月20日、繁殖
をめざしてオスのフジオを静岡市立日本平動物園に移しました。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=22042
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▼2/6 ゴリラ脱出の想定で猛獣脱出対策訓練
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地震で倒木→ゴリラが脱出!→避難誘導&捕獲という想定で「猛獣脱出対策
訓練」を実施します。2014年2月6日、上野動物園にて。園内の緊急時態勢だ
けでなく警察署や消防署との連携も実地に確認します。詳しくは↓
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=22046
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▼2/16「不忍池のカモ観察会」開催
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「VisitほっとZoo 2014」の「ほっとイベント」として開催する「不忍池のカ
モ観察会」。2014年2月16日(日)開催。お申し込みはEメールか往復はがきで。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=22041
■多摩動物公園■========================================================
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▼目撃!シフゾウの決定的瞬間
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みなさんの中には、2014年に受験を控え、初詣で合格祈願をした方もいらっ
しゃるかと思います。そんな方にとってはふさわしくない話題ですが、毎年必
ずこの時期に「落ちる」ものがあります。それはシフゾウの角です。
シフゾウはシカのなかまでオスだけに角があります。その角は、繁殖期の終
わる12月下旬から1月上旬にかけて落ち、夏の繁殖期に向けまた新しく生えて
きます。シフゾウの担当になってまだ1年目の私にとって、立派に生えている
角がどう落ちるのか楽しみにしていました。
多摩動物公園にいるオスの「アオバ」は、年が明けたころから角の頭と接し
ている付け根部分に隙間ができ始め、そろそろ落ちるころかと注意して見てい
ました。2014年1月6日の朝にシフゾウのようすを見に行くと、アオバが右側
の角のない状態で座って休んでいました。片方の角だけという非常に不安定な
状態のはずですが、気にするでもなく休んでいるアオバを見て少し拍子抜けし
ました。しかし餌を食べるときだけはバランスが悪いのか、頭を少し傾けて食
べているのが印象的でした。
これまでの記録によると、片方の角が落ちると残りの角は翌日までに落ちる
ことが多かったようです。ぜひとも落ちる瞬間を目撃したいと考えていたため、
その日はいつもよりこまめにアオバを観察しました。
夕方、いつものようにシフゾウたちを部屋に戻していると、「ガン!」とい
う鈍い音とともにアオバが急に走り出しました。突然のことで何が起きたか最
初は分かりませんでしたが、残った角がフェンスにぶつかった瞬間に取れてし
まったのだと理解できました。念願の瞬間を目撃し驚く私をよそに、すぐに我
に返ったアオバは、何事もなかったかのようにまっすぐ部屋に帰り餌を食べ始
めました。
あっけなく取れてしまった角ですが、2本あわせて約3キロの重さがあり、
持ってみるとかなり重く感じます。シフゾウの運動場前にアオバの父親のもの
だった実物の角を展示しているので、みなさんもぜひ手にとって重さを感じて
みてください。
現在アオバは角が落ちてから1週間ほど経ち、早くも次の角が成長してきま
した。角は皮膚で覆われた「袋角」と呼ばれる状態で成長しますが、5月ころ
までには今年と同じくらいの大きさに成長すると思います。日々成長を続ける
アオバの角をぜひ見に来てください。
〔多摩動物公園南園飼育展示係 伊藤達也〕
■葛西臨海水族園■======================================================
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▼ただいま「ペンギンの生態」工事中
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葛西臨海水族園「ペンギンの生態」展示では、2014年1月15日から工事が始
まりました。今回の工事では、擬岩(コンクリート製の人工的な岩)の補修と
フェアリーペンギンを観察しやすくするために擬岩の一部を撤去しています。
工事に伴い展示場の一部を閉鎖し、またフェアリーペンギンについては3月中
旬までの予定で展示を中止しています。
工事が始まると、フンボルトペンギンにふだんとは少し違った行動が見られ
るようになりました。フンボルトペンギンは、それぞれの夫婦が決まった巣を
もちますが、工事のために展示場の一部を閉鎖したところ巣がなくなってしま
った夫婦も出てきました。そうなると巣をめぐってペンギン同士のつつき合い
叩き合いの争いが始まります。「ペンギンのケンカ」というと何だか可愛らし
く聞こえるかもしれませんが、イメージとはかけ離れ、ときには流血を伴う激
しいものにもなります。
そこでこうした争いを避けるため、工事期間中はすべての巣を閉じることに
しました。争いのもとはいっそのことなくしてしまおうという訳です。
本来であれば巣の中で休むペンギンたちが、休息場所を岩の上に変え始め、
130羽を超えるフンボルトペンギンが岩の上に集まっている景観は、こんなに
いたのかと飼育係でも驚くほど圧巻な眺めです。休む場所は変わっても夫婦の
絆は強く、2羽が並んで休んでいるところも多く見かけられます。
工事開始から1週間が過ぎ、ペンギンたちもだんだん落ち着きを取り戻して
きました。1月11日から公開を開始したオウサマペンギンのひなもすくすく成
長しています。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 山本達也〕
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▼3/20-5/6 開園25周年プレイベントを開催します
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葛西臨海水族園は今年(2014年)で開園25周年を迎えます。記念プレイベン
トとして水族園の歩みをご紹介する写真展を開催。また、水族園にまつわる思
い出写真を募集します。詳しくは↓
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=22049
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▼2/14-3/14 平日限定クイズラリー「海の中のオス♂メス♀事情」開催
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館内で楽しめる大人向けの平日限定クイズラリー「海の中のオス♂メス♀事
情」、「2014年2月14日(金)から3月14日(金)」中の平日に開催します。
開催時間など詳しくは↓
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=22048
■井の頭自然文化園■====================================================
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▼2014年ガンカモ調査の結果
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井の頭自然文化園では、環境省の依頼を受けて毎年1月に井の頭池に生息し
ているガンカモ類の生息調査をおこなっています。この調査は、定められた日
に全国一斉におこなれわるため、通称「全国ガンカモ一斉調査」といいます。
ガンカモ類とは、ガン、カモ、ハクチョウのなかまの鳥のことで、日本で見
られるものの多くは、ユーラシア大陸で繁殖し、冬になると日本へ渡ってきま
す。調査の目的は、これらの渡来傾向や生息地の状況などを把握することです。
調査当日の2014年1月12日、天候には恵まれましたが、池のようすはいつも
と違います。この冬におこなわれる井の頭池の「かいぼり」の準備のために、
数日前に池の周囲にオレンジ色のシートが張られたのです。「かいぼり」とは、
池の水を抜いて干す作業のことです。水抜き開始は調査後ですが、鳥たちがオ
レンジ色のシートを意識して、調査結果に影響が出るのではと気になりました。
しかし、とくにふだんとは変わらないようで一安心しました。
調査は3つのグループに分かれ、弁天池、お茶の水池、ボート池にいる鳥た
ちを、双眼鏡を使って種ごとに数を数えていきました。
調査結果は、カルガモ54羽、オナガガモ28羽、キンクロハジロ28羽、ホシハ
ジロ2羽、ハシビロガモ1羽、コガモ1羽、マルガモ(カルガモとマガモの交
雑個体)1羽、合計カモのなかま115羽でした。2013年の結果と比べると、合
計数が4割ほど増えましたが、増加分のほとんどはカルガモでした。ホシハジ
ロ、ハシビロガモ、コガモ、マルガモは、昨年は見られなかったカモたちで、
オシドリは、今年は見られませんでした。
今年の冬は「かいぼり」のため、1月下旬から3月上旬まで井の頭池を干す
ことになります。カモは徐々に姿を消していきますが、浅くなった池で魚など
の餌が取りやすくなったサギのなかまが集まってくるのではと、その経過に注
目しています。
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 金原功〕
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▼井の頭自然文化園でフンボルトペンギン今春公開
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井の頭自然文化園では、2014年3月中旬からフンボルトペンギンを飼育展示
する予定です。動物園(本園)のコールダック池を改修しますので、工事を開
始する2014年1月27日以降、コールダックの展示は水生物園(分園)のみにな
ります。詳しくは↓
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=22044
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▼3/21、3/29 彫刻館特設展関連イベント、木炭で「はな子」を描いてみよう
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木炭で「はな子」を描いてみませんか。井の頭自然文化園でデッサンワーク
ショップ開催。講師は園内で作品展開催中の笛田亜希さん。事前申込制です。
詳しくはこちら↓のお知らせをご覧ください。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=22047
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▼1/22-2/11 4園巡回展「たまごのあいうえお」、井の頭自然文化園で開催
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「たまご」をテーマにした4園巡回企画展「たまごのあいうえお」。2014年
1月22日から井の頭自然文化園でスタートしました。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=21933
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▽編集後記
◎今年も「全国ガンカモ一斉調査」が実施されたとのこと。秋口に各地の池が
渡来した鳥たちでいっぱいになると、ようこそ!と何だか嬉しい気分になり
ます。地道な調査データの蓄積は、生息地状況の変化を伝えることでしょう。
(萩埜)
○不忍池ではカモ観察会開催。現在の状況は? 事前申込制です↓
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=22041
(大平)
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メールマガジン ZooExpress No.675 - 2014年01月25日
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