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 Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.565 - 2011年12月02日

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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」

・今年もご用意しました。年賀状にお困りの貴方に。厳選の1点。
 http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2011_11/2012dragon/

・東京動物園友の会に入会しませんか? 年会費は、 2,000円。機関誌「どうぶ
 つと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジットカー
 ド&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/

■目次■----------------------------------------------------------------

 ・東京ズーネット
   └─2012年は辰年、タツというかドラゴンの写真で年賀状をどうぞ!

 ・上野動物園
   └─熊猫的新聞(パンダニュース)──15
      ……ハズバンダリートレーニング[2]

 ・多摩動物公園
   ├─2011年のオランウータンの「スカイウォーク」
   └─12/17観察デーはチョウの観察

 ・葛西臨海水族園
   ├─深海生物採集の本格シーズン到来
   ├─「水辺の自然」に冬の訪れ
   └─12/10、12/24 スタッフトーク「海の宝石たち──ウミウシ&ウミホタル」

 ・井の頭自然文化園
   └─2011年対馬体験ツアーに行ってきました

 ・大島公園動物園
   └─猛獣脱出対策訓練をおこないました

■東京ズーネット========================================================

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 ▼2012年は辰年、タツというかドラゴンの写真で年賀状をどうぞ!
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  さて、早くも月は12月に変わり、年賀状の準備にとりかかるころ、でしょう
 か。2011年は卯(ウサギ)年でした。来たる2012年は辰(タツ)年。辰にあて
 られた動物は竜(龍)。音読みでリュウ、訓読みでタツ、西洋だったらドラゴ
 ン(英語の場合)。

  想像上の動物なので、写真におさめることができませんが、「ドラゴン」の
 名をもつリーフィシードラゴンなら辰年にふさわしいはず。こちらに1点をご
 用意しました。http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2011_11/2012dragon/

  ※個人の非営利目的に限ってご利用ください。

■上野動物園■==========================================================

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 ▼熊猫的新聞(パンダニュース)──15 ハズバンダリートレーニング[2]
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  2011年9月27日から上野動物園のジャイアントパンダ、リーリー(オス)と
 シンシン(メス)が、ハズバンダリートレーニングを始めました。

 ・前回の記事「熊猫的新聞──14 ハズバンダリートレーニング」
 http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=20155

  しかし、「ハズバンダリートレーニング」って何? と思われた方も多いで
 しょう。それもそのはず、まだ日本では馴染みの浅い言葉です。一部で繁殖の
 ための専門トレーニングと報道されていましたが、それは間違いです。ダイエ
 ットのトレーニングでもありません。

  じつはハズバンダリートレーニングをひとことで表現する日本語はありませ
 ん。わかりやすく説明すると「動物を長期に健康的に、なおかつ動物も人も安
 全に飼育するためのトレーニング」ということができます。これには「動物の
 生理や生態、心理面での飼育管理を可能とするために必要な行動」が含まれま
 す。

  具体的には、部屋の掃除のためにほかの部屋に動物を追い出すのではなく自
 ら移動するようにトレーニングする、捕まえて体重計に乗せるのではなく自ら
 乗るようにさせる、爪切りやレントゲン撮影、歯の掃除といった受診のための
 動作をとらせるなど様々です。

  ここで重要なのは「動物が自らその行動をとる」ことです。しかもこのトレ
 ーニングは、褒めたりご褒美を与えたりしながら伸ばす訓練で、叩いたりする
 ような罰は一切与えません。動物たちは褒められたくて、ご褒美をもらいたく
 て自ら行動します。

  日本でも水族館ではイルカやアシカなどに対して日常的にかなり高度なトレ
 ーニングもおこなわれていますが、動物園では、飼育動物、とくに野生動物に
 対するトレーニングは不自然なものとみなされ、敬遠されてきた経緯がありま
 す。
  しかしここ数年、野生とは違う動物園という環境下では、動物の健康管理や
 ストレスを軽減する方法として徐々に広まってきています。
  ただ、トレーニングによるデメリットもあります。動物園動物を家畜のよう
 な人慣れした動物にしてしまう恐れがあることや、その動物の行動を変えてし
 まう可能性もあるので、トレーニングの計画を立てる際には注意が必要です。

  リーリーとシンシンは、中国ですでに、部屋への移動、体重測定、採血する
 ために腕を出してじっとするなどのトレーニングを受けてきているので、日本
 でもすぐに思い出しました。

  そして新たに、中国では教えていなかった「鈴の音を聞かせるとおしっこを
 するトレーニング」をシンシンにおこないました。目的は採尿です。新しく教
 えるのは時間がかかるだろうなと思っていましたが、飼育担当者の意図をしっ
 かりと理解したようで、すぐにできるようになりました。これらのトレーニン
 グによって採取した血液や尿は、検査にまわし体調のチェックに役立てます。
 今後は妊娠の可能性があるときに、超音波検査などができるようなトレーニン
 グをしていく予定です。

  トレーニングを通しても2頭の性格の違いが現れます。シンシンは完璧思考
 で「こうでしょ? こうすればいいんでしょ?」とこちらの意図を読んで動き、
 合っているとスカッとするくらいすぐに覚えますが、よく分からないと「だか
 らどうすればいいのっ!」とイライラしてきてしまいます。

  一方、リーリーは「だいたいこんな感じでしょ?」とまずは大雑把に探りを
 入れて、あとから微調整するタイプです。同じパンダでも、こんなにも性格が
 違うところがおもしろいですね。

  ちなみに、この褒めて伸ばすトレーニングはうまく使うと人にも効果があり
 ますので、よりよい人間関係の構築にぜひお試しください。

                   〔上野動物園東園飼育展示係 藤岡紘〕

■多摩動物公園■========================================================

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 ▼2011年のオランウータンの「スカイウォーク」
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  多摩動物公園では、オランウータンの「スカイウォーク」が2011年冬季の休
 止期間に入りました(お知らせはこちら↓)。
 http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=20538

  そもそもスカイウォークとは、樹上生活をするオランウータンが木々を渡り
 歩く行動を再現するために作られたものです。高さ15メートル前後のタワー9
 基を150メートルのロープで繋ぎ、そこをオランウータンが渡ります。

  今年のスカイウォークは次の2組でにローテーションを組んでおこないまし
 た。チャッピー、ポピー、ミンピーグループと、ユキ、キキグループです。チ
 ャッピーグループは、チャッピーが母、ポピーが息子(兄)、ミンピーが娘
 (妹)の親子、もう1つのキキ、ユキグループは血縁関係はありませんが、と
 ても仲のよい2頭のペアです。スカイウォークをおこなう上で、今年はある困
 ったことが起きました。

  午前11時30分、スカイウォーク出発地点へつながるシュート(動物用通路)
 の扉を開きます。しかし、チャッピー親子グループは、ミンピーが運動場をグ
 ルグル逃げ回り、出発地点になかなか出ません。こんなとき、チャッピーが捕
 まえにいき、これまでは事なきを得ていました。しかし、めきめきと運動能力
 を身につけているミンピーを、チャッピーは捕まえることができなくなってき
 ました。ミンピーが楽しげに逃げ回るのを、チャッピーは呆然と眺めるはめに。

  キキ、ユキグループでは、遊び好きのキキが飼育係を困らせます。シュート
 の扉が開くと、自分で扉を上げ下げするのに夢中になってしまうのです。最初
 はなぜ? と思っていましたが、どうやら困り果てる飼育係の反応を見るのが
 楽しいようです。

  ミンピーもキキも、スカイウォークをしたくないというより、遊びの気持ち
 が強いように見受けられます。それならば、と私たち飼育係も身を隠したり、
 夏の暑い日にはホースの水をチョロチョロ出して水鉄砲にしたり、興味をそそ
 るようなアイテムを使うなど、あの手この手を使って誘い出します。どれも初
 めは効果があるのですが、飽きてくると遊びを再開してしまうといういたちご
 っこの末、最終的には出発地点へ出ていきます。

  しかし出発地点まで来ても、オランウータンがすぐにスカイウォークを渡る
 とは限りません。渡るのはオランウータンの気分次第なのです。スカイウォー
 クタワー上の台座で日向ぼっこしたり、人間観察をしたり、自由にその場を楽
 しんでいます。いつ渡るのか、こればかりは私たち飼育係でも読めません。

  お客さんの中には、しびれをきらしてその場を去ってしまう方もいらっしゃ
 いますが、じつは渡らない日はありません。遅くなっても必ず渡ります。予測
 不可能なこのスカイウォークも、考え方を変えれば、生き物だからこそ起きる
 ことで、オランウータンにも気分があるのだなと私は思います。見ている方に
 とっても、渡り方がその日によって変わるので、何度見に来ても違う楽しみ方
 ができるでしょう。
  今年のスカイウォークは残念ながら終了し、来年春までお休みです。来年の
 スカイウォークはどうなるでしょうか、どうぞお楽しみに!

                 〔多摩動物公園南園飼育展示係 徳田雪絵〕
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 ▼12/17観察デーはチョウの観察
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  第3土曜日に開催している多摩動物公園の「観察デー」。動物解説員ととも
 に動物をじっくり観察します。

  12月の観察デーは、2011年12月17日(土)。午前11時から12時までチョウの
 観察をします。

  寒くなってきて屋外のチョウは姿を消しましたが、多摩動物公園の大温室は
 絶好調です。今年の冬は思いのほかたくさんのチョウが飛んでいます。大温室
 の中のチョウたちは、幼虫時代はそれこそ「蝶よ花よ」と大事に育てられます
 が、いざチョウとなったら「自力で生きるんだよ」と大温室に放されます。温
 室を一周すればチョウの一生を垣間見ることができます。観察シートがそれを
 サポートします。

  観察シートは大温室の中央で配布します。ご希望の方は、時間内においでく
 ださい。観察デーと観察シートについて詳しく知りたい方はこちら↓をどうぞ。
 http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=11310

■葛西臨海水族園■======================================================

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 ▼深海生物採集の本格シーズン到来
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  葛西臨海水族園には、深海の生物を展示するコーナーがあります。じつは、
 深海コーナーには、われわれ水族園のスタッフが採ってきた生き物がたくさん
 います。

  冬が訪れ気温が低くなってくると、海の表層近くと、深海生物採集をおこな
 う水深数百メートルあたりの水温差が小さくなります。このため、深海生物へ
 の水温差による影響がもっとも少ない冬から春が、深海生物の採集に適してい
 て、この時期を狙って採集に出かけます。

  2011年11月下旬、深海採集シーズンの幕開けとして、静岡県沼津市戸田の漁
 業者に協力してもらい、深海底曳き網漁に同行してきました。
  戸田の底曳き網漁では、水深300メートル付近の海底に袋状の網を落とし、
 しばらく引きずった後、船上に引き上げて漁獲します。漁業者が主に狙ってい
 るのは、タカアシガニ、アカザエビ、アオメエソなどです。

  深海は、高い水圧がかかり、太陽の光が届かず、低い水温という特殊な環境
 のため、底曳き網漁で漁獲される深海生物の多くは、生きた状態では上がって
 きません。漁獲物の中から運よく生きたまま上がってきた生物を、スタッフが
 選別・採集し、水族園まで輸送しています。

  採集当日は、夜明け前の5時に出港し、日の出とともに漁を始め、午後2時
 ぐらいまで5回にわたり操業を繰り返し、ミドリフサアンコウやキホウボウ、
 メンダコなどを採集することができました。

  なお漁獲した深海生物の中には、めったに入手できないものが多く、標本と
 しても価値が高い生物が多数います。今回の採集では、深海ボトルウォッチン
 グに用いる標本用生物を集めることも目的の一つで、発光器を持つハダカイワ
 シやサンゴイワシ、深海性小型サメ類のフジクジラなどを持ち帰ることができ
 ました。

  深海ボトルウォッチングの第1回目は2011年12月3日(土)です。詳細は、
 こちら↓を確認の上、ぜひご参加ください。
 http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=&link_num=20493

  今後は、水族園のホームグラウンドである東京湾に生息する深海の生き物を
 収集する計画もあります。深海コーナーの展示生物をますます充実させていく
 予定ですので、どうぞご期待下さい。
                   〔葛西臨海水族園調査係 小野瀬拓也〕
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 ▼「水辺の自然」に冬の訪れ
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  葛西臨海水族園の「水辺の自然」エリアは、昭和30年代の東京近郊で見られ
 た昔懐かしい景観の再現を目指し、日々管理しています。ここには人工の河川
 があり、その周りでは、さまざまな植物が見られます。

  春はフキやフクジュソウ、夏はヤマユリやミソハギ、秋はヒガンバナなど、
 水族園で四季を感じることのできる場所の一つです。

  現在、「水辺の自然」エリアを歩いていると、あちらこちらで、垂直に伸び
 た茎の先に黄色の花が咲いている植物が目に入ってきます。「ツワブキ」です。
 花期は10~12月で、冬が近付くと花が咲き始めるため、初冬の季語にもなって
 います。海岸や海辺の山などで見られる植物で、葛西臨海公園でも普通に見ら
 れます。「水辺の自然」への冬の訪れを知らせてくれる植物です。

  茎が極端に短いので、葉は根から直接生えているように見えます。葉と葉の
 あいだから、高さ30~70センチメートルの太い花茎を伸ばし、5センチメート
 ルほどの黄色い花をつけます。葉はフキに似た形をしていますが、深緑色で表
 面につや(光沢)があるので違いが分かります。このことから、「ツヤブキ」
 転じて「ツワブキ」になったといわれています。
  ツワブキは、花や葉が美しいので観賞用として庭などにもよく植えられます。
 また、若い葉柄はフキと同じように、つくだ煮(きゃらぶき)などの食用とし
 て利用されるほか、切り傷や湿疹、打撲などの外用薬や胃腸薬など、薬用とし
 ても利用されており、わたしたちにとってなじみの深い植物のようです。

                 〔葛西臨海水族園飼育展示係 戸村奈実子〕

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 ▼12/10、12/24 スタッフトーク「海の宝石たち──ウミウシ&ウミホタル」
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  葛西臨海水族園の「スタッフトーク」は、毎月第2・第4土曜日の催し物。
 葛西臨海水族園で飼育展示している生き物や水族園の仕事など、ふだん聞けな
 い話をスタッフが楽しくお伝えします!

  今回のテーマは「海の宝石たち──ウミウシ&ウミホタル」

  奇抜なデザインと色彩の美しさでデザイナーからも注目を集めるウミウシ。
 あやしく光る海の宝石ウミホタル。でもウミウシっていったい何者? ウミホ
 タルってどうして光るんだろう? そんな疑問に少~しだけお答えします。

  日時 2011年12月10日(土)、24日(土)午後3時から3時30分
  場所 本館1階「東京の海」エリア 実験展示コーナー

■井の頭自然文化園■====================================================

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 ▼2011年対馬体験ツアーに行ってきました
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  現在、野生では80~110頭ほどしか生息していないと推定されるツシマヤマ
 ネコ。井の頭自然文化園では、飼育下での繁殖に取り組むとともに、ツシマヤ
 マネコを知ってもらうためのさまざまな普及活動をおこなっています。

  2011年10月15、16日には、小学4~6年生を対象に「ヤマネコミニ講座」を
 開催しました。ツシマヤマネコの生態や現状を学んだ参加者から「ヤマネコへ
 の手紙」を募集し、対馬市長賞に選ばれた4人の子どもたちが対馬に招待され
 ることになりました。

  11月26~27日にかけて、受賞者とともに「対馬体験ツアー」に参加してきま
 したので、その様子をお伝えします。

  対馬に到着後、まずは財部市長にお会いするため対馬の中心地「厳原」にあ
 る対馬市役所に向かいました。市長からひとりひとりに「対馬市長賞」の賞状
 を授与され、「東京に戻ったら家族や学校のみんなに、君たちが感じた対馬の
 ことをしっかり伝えてください」とのお言葉をいただきました。

  昼食は対馬名物「ろくべえ」です。サツマイモのでん粉を固めて団子にした
 ものを、さらに水でもどし麺状にしたうどんのようなソバのような食べもの。
 手間のかかる工程のためか、対馬でも食べる人は少なくなってきているそうで
 す。

  途中、烏帽子岳展望台へ登りました。日本有数のリアス式海岸である浅茅湾
 のおだやかな海と連なる山々が360度広がる景色は、まさに別世界。子どもたち
 もその美しさに惚れ惚れしていました。

  対馬野生生物保護センターでは、公開中のツシマヤマネコ「福馬」にご対面。
 子どもたちを歓迎するかのように寝小屋から出てきて、爪とぎ、オシッコ、毛
 づくろいなど、立て続けにさまざまな行動を見せてくれました。

  佐渡、奄美大島に次いで大きな島である対馬の移動手段はおもに自動車です。
 道路にはさまざまなタイプの「ヤマネコ注意」の道路標識が立てられています
 が、残念なことに野生動物の交通事故はなくなりません。今回もナイトウォッ
 チングの途中で、車と衝突し横たわっているツシマジカと遭遇し衝撃を受けま
 した。人間の生活のためとはいえ、交通事故の犠牲になる野生動物に胸が痛み
 ます。

  2日目は「舟志の森」を見学。ここでは地域の人々が、ネズミなどの食べ物
 となるどんぐりがなる木を植え、ヤマネコのための森づくりをしています。そ
 していよいよヤマネコの痕跡調査体験です。子どもたちは決められたルートを、
 フンや足跡などヤマネコが残した痕跡を探しながら歩いていきます。道路際に、
 毛がたくさん入ったヤマネコの糞を見つけました。サイズや形状、発見場所な
 どを詳しく調査票に書き入れていきます。また、各所に設置されている自動撮
 影カメラのチェックもおこないました。カメラには、ヤマネコの姿こそなかっ
 たものの、ツシマジカやイノシシなどの姿がしっかりと確認できまし

  そのほか、三宇田浜散策や、廃校を利用した自然の森学校での昼食、万関橋
 見学、対馬の在来馬「対州馬」(たいしゅうば)の乗馬体験など、短期間で対
 馬の魅力を味わうための盛りだくさんな内容でした。

  この2日間で、ツシマヤマネコをとおして対馬の自然の豊かさや、そこにく
 らす人々のあたたかさをあらためて実感しました。参加した子どもたちは、初
 めて会う仲間と共に経験した旅で、多くのことを吸収してくれたことと思いま
 す。きっとこれから、市長から託された対馬の大使としての役目を果たしてく
 れることでしょう。

 ※今回受賞した4人の「ヤマネコへの手紙」はこちら↓のニュースをどうぞ。
 http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?detail_kind=&link_num=20543

                〔井の頭自然文化園教育普及係 高松美香子〕

■大島公園動物園■======================================================

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 ▼猛獣脱出対策訓練をおこないました
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  2011年11月24日、大島公園動物園では災害などの緊急事態で動物が脱出した
 場合に備え、脱出動物の捕獲訓練をおこないました。

  「猛獣」といえば真っ先にトラやライオンなどの肉食獣を思い浮かべますが、
 大島公園ではこれらの動物は飼育していません。

  それでは、体高2メートル以上、体重およそ500キログラムはあるラクダが
 パニック状態になってこちらに突っ込んできたらどうでしょう? これも非常
 に危険です。

  今回は、災害などで倒壊した屋外放飼場の外柵から大型獣のラクダが脱走し
 たというシナリオで捕獲訓練にあたりました。

  訓練中、職員はヘルメット、皮手袋、六尺棒などを装備し、無線機により通
 信連絡をとりながら捕獲網を使って園内通路を一つ一つ遮断し、徐々にラクダ
 を捕獲しやすい場所に追い込みました。最後は獣医師が脱出動物に麻酔銃を発
 射して(訓練なので実際には発射していませんが)、脱走した動物を動物舎に
 収容するという流れを確認しました。

  猛獣の脱出は人命に関わるため未然に防ぐことが一番重要です。しかし、す
 べての想定を越えて動物が脱出した際の対策も訓練しておくことが重要です。
 今回の訓練を通じて、常日頃から万が一の場合に備えておくことの大事さを改
 めて痛感しました。
                       〔大島公園動物園 大賀幹夫〕

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▽本文中にしめしたリンクによって表示されるページには、ほかのページへの移
 動リンクが含まれていない場合があります。とくに東京ズーネットの「どうぶ
 つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
 http://www.tokyo-zoo.net/search/ から検索してください。

▽ズー・エクスプレスでは、みなさんからのおたよりを募集しています。匿名や
 ペンネーム希望の方はその旨をおつたえください。 webmaster@tokyo-zoo.net
 まで。ご意見・ご要望・お問い合わせもこのアドレスまでどうぞ。

▽メール配信先変更、配信停止は下記URLにてお願いいたします。配信先の変
 更をご希望の方は、いったん解除をおこない、あらためて新アドレスを登録し
 てください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/

▽編集後記

 ◎井の頭から「対馬体験ツアー」の様子が紹介されましたが、東京ズーネット
  をごらんになれる方は、子どもたちの書いた「ヤマネコへの手紙」もぜひお
  読みください。大人はつい現状を憂えるばかりですが、子どもたちは「自分
  の出来ることで将来を良くしていく」という希望に満ちています。(萩埜)

 ○シンシン「こうでしょ? こうすればいいんでしょ?」……。一瞬、叱責さ
  れている気がしましたが、そうじゃないはず。いやでも、「だからどうすれ
  ばいいのっ!」って……。わかりづらくてすいません。詳しくはウェブをい
  や本文を!                          (大平)

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公益財団法人 東京動物園協会
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電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
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URL  : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2011 Tokyo Zoological Park Society
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