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 Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.563 - 2011年11月18日

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・そんな「ムシ」の展示もしています。

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 つと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジットカー
 ド&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/

■目次■----------------------------------------------------------------

 ・多摩動物公園
   ├─ハリガネムシの展示
   └─モウコノウマの赤ちゃん誕生! 名前は「ハーン」

 ・葛西臨海水族園
   ├─シーホースとシードラゴン
   ├─続・新たな視点で見てみると(35)──トビハゼ対ヤマトオサガニ
   └─2011年第5回「かさりん体操」の時間だよ!レポート

 ・井の頭自然文化園
   ├─「あおちゃんズ」デビューしました
   └─招かれざる客、ゴイサギ

 ・大島公園動物園
   └─ゾウガメを屋内放飼場に移動しました

■多摩動物公園■========================================================

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 ▼ハリガネムシの展示
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  秋になると、開けた場所にカマキリが出てくることが多くあります。そんな
 カマキリを捕まえて腹部の先端を水につけると、黒くて細長い「ハリガネムシ」
 が出てくることがあり、多摩動物公園昆虫園本館でそれらを展示しています。
 水槽の中にひもが入っているだけのように見えますが、よく見るとゆっくり動
 いています。

  ハリガネムシは、名前に「ムシ」とついていますが昆虫ではなく、まったく
 別の「類線形動物」というグループに含まれます。カマキリなどの昆虫の体内
 に寄生して成長します。

  カマキリから栄養を十分に摂ったあとは、何らかの方法でカマキリを水辺へ
 誘導し、水中へ脱出します。水中に移動したハリガネムシは餌を食べることな
 く冬を越し、春に産卵して一生を終えます。

  卵からかえった幼虫は、ユスリカやカゲロウなどの水生昆虫に飲み込まれた
 あと、体表面に丈夫な膜を形成し、いったん成長を止めます。その後ユスリカ
 などが羽化して水中から出たあと、運よくカマキリに捕食されるとそのままカ
 マキリの体内へ取り込まれ、成長を開始します。

  カマキリの中でも、とくにハラビロカマキリが寄生されている割合が高いよ
 うです。また、カマキリのほかに、コオロギやカマドウマ、カメムシなどに寄
 生するハリガネムシの種類もあります。

  なお、ハリガネムシが出たあとのカマキリは餌を与えても食べることなく、
 数日のうちに死んでしまいます。

                〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 石島明美〕

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 ▼モウコノウマの赤ちゃん誕生! 名前は「ハーン」
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  多摩動物公園でモウコノウマの赤ちゃん(オス)誕生! モウコノウマ(蒙
 古野馬)は、世界唯一の野生馬です。誕生日は2011年11月2日。名前は、「ハ
 ーン」とつけました。

  母親は「サーシャ」20歳。父親は「レオ」28歳です。レオは、ハーンの誕生
 から10日後の11月12日、残念ながら死亡しました。死因は肝機能障害でした。

  ハーンは11月15日から公開中。ただし、午前9時30分から午前11時までです。
 運動場と寝小屋を自由に出入りしており、ごらんにになれない場合もあります。
 また、体調や天候により公開できない場合もあります。くわしくは↓
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=20512
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=20513

■葛西臨海水族園■======================================================

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 ▼シーホースとシードラゴン
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  2011年も11月半ばを過ぎ、新しい年が近づいてきました。来年の干支は辰で
 す。水族館で辰年に関連することといえば、「タツノオトシゴ」が真っ先に頭
 に浮かぶのではないでしょうか? 今回はそのタツノオトシゴのなかまのお話
 です。

  タツノオトシゴは北海道以南の日本各地や朝鮮半島に生息する魚です。体長
 は約10センチメートルとそれほど大きくはなく、沿岸の浅い場所にある藻場な
 どでくらしています。体は「体輪」と呼ばれる硬い骨板に覆われ、細い口、湾
 曲した体形、小さなひれなどが特徴で、あまり魚らしくない姿をしています。
 その奇妙な形から、タツノオトシゴ(龍の落とし子)という名がつけられまし
 た。地域によってはリュウグウノウマ、ウミウマなどと呼ばれることもありま
 す。「あれ、馬?」じつは英名はsea horse(シーホース)といいます。言わ
 れてみれば、正面から見た面長の顔が馬のように見えます。

  しかし、タツノオトシゴのなかまには、立派に「龍」(ドラゴン)の名を持
 つ種類もいます。葛西臨海水族園「オーストラリア西部」の水槽に展示されて
 いるリーフィーシードラゴンです。この魚はオーストラリア南部から西部にか
 けて生息しています。体には葉っぱのような付属物があり、まるでちぎれた海
 藻のような姿です。現在展示している個体は全長30センチほどですが、最大43
 センチにもなります。タツノオトシゴはほとんどの時間尻尾の先で海藻などに
 つかまっていますが、リーフィーシードラゴンは、常にゆっくりと遊泳し、大
 きな体ともあいまって威風堂々とした龍のようにも見えます。

  辰年には龍が割り当てられますが、これは十二支で唯一の空想上の生き物で
 す。中国を起源とする龍は神話に出てくる生物で、角はシカ、頭はラクダ、眼
 はウサギ、体はヘビ、鱗はコイ、爪はタカ、掌はトラ、耳はウシにそれぞれ似
 ているとされています。そんな生物は存在しませんが、年末年始にはぜひ、海
 に住む一風変わった龍の姿を見に来てください。年賀状にリーフィーシードラ
 ゴンの姿を添えてみてもいいかもしれません。

                 〔葛西臨海水族園飼育展示係 細谷有莉沙〕

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 ▼続・新たな視点で見てみると(35)──トビハゼ対ヤマトオサガニ
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  以前のニュース「続・新たな視点で見てみると(29)トビハゼのディスプレ
 ー」「同(33)トビハゼの巣穴掘り『泥をペッ!』」「同(34)トビハゼの巣
 穴掘り『空気をパクッ』」に引き続き、2008年7月に葛西臨海水族園のすぐ側
 にある人工干潟「東なぎさ」でおこなったトビハゼの調査の際に撮影した映像
 をご紹介します。

 ・関連ニュース

 「トビハゼのディスプレー」
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=19213
 「トビハゼの巣穴掘り『泥をペッ!』」
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=20475
 「トビハゼの巣穴掘り『空気をパクッ』」
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=20483

  けっして狭くはない東なぎさですが、トビハゼが巣穴を作っているエリアは
 限られています。穴を掘るのに適した柔らかい泥が堆積している部分が限定さ
 れているのがその要因の一つのようです。その場所にはトビハゼだけでなく、
 チゴガニやヤマトオサガニなど、泥干潟に穴を掘ってくらすカニたちも多く棲
 息しています。狭いエリアに多くのカニたちとトビハゼがくらしているので、
 時には「いざこざ」も起こるようです。今回のビデオはトビハゼとヤマトオサ
 ガニの巣穴を巡る小競り合いの場面です。

 【トビハゼ対ヤマトオサガニ動画】
 (上:Windows Media形式 下:QuickTime形式)
   http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2011_11/mudskipper_crabs.wmv
   http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2011_11/mudskipper_crabs.mov

  ヤマトオサガニが掘っていた巣穴をトビハゼがチャッカリ横取りしようと、
 戦いを挑んでいるようでした。真剣に睨み合っている途中で、後ろから小さな
 カニにちょっかいを出されたトビハゼが感情的に怒っているように見えるのが
 なかなか面白く、三者の台詞が頭に浮かんで来るようでした。

  人工的に作られた干潟で繰りひろげられる生き物たちの自然な営み。次回の
 「新たな視点」ではヤマトオサガニの背中を流れる不思議な水についてお伝え
 します。(「東なぎさ」は生物保護のため、ふだんは人の立ち入りが禁止され
 ています。)
                  〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕

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 ▼2011年第5回「かさりん体操」の時間だよ!レポート
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  こんにちは。「かさりん体操」大使のうたおです。僕は毎回体操の時間には、
 季節の飾りつけの小さなおしゃれをして登場します。今回は枯葉やすすきでコ
 ーディネートしましたが、はたして気づいた方はどのくらいいたのかな?

  2011年11月6日(日)の「かさりん体操」は「カニ・ラップ」でした。あい
 にくの雨でしたが、みなさんお運びいただきありがとうございました。

  次回は2011年12月4日(日)、曲は「なまこまこまこ」です。年内最後の体
 操となります。レクチャールームでお待ちしています!

 ・「かさりん体操の時間だよ!」スケジュール
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=18238

■井の頭自然文化園■====================================================

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 ▼「あおちゃんズ」デビューしました
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  武蔵野の雑木林の中にある井の頭自然文化園には、多くの野生のアオダイシ
 ョウが生息しています。人家の屋根裏に住みついてネズミを捕食するなど、昔
 から人間のくらしに関わってきた「静かなる隣人」といった身近な生きもので
 す。しかし小鳥を飼育する者にとっては、ちょっとした隙間から侵入し、大事
 な飼い鳥や卵を食べてしまう困り者の一面もあります。

  そのアオダイショウの、しかも2メートル近い大物が2011年4月末に園内で
 捕獲されました。前記の理由で無罪放免する訳にもいかず、さりとて処分して
 しまうには忍びないので、正門にほど近い空き展示ケースで展示することとし
 ました。当初はケージに閉じ込められた不安からか、アクリル越しに咬みつこ
 うとするほど攻撃的でしたが、次第に環境にも慣れ、餌も食べるようになりま
 した。

  その2か月後に、今度は 1.2メートルほどの小柄な個体が捕獲されました。
 同じケースに収容したところ、その日のうちに交尾が見られ、図らずもオスメ
 スが判別されました。そして1か月後の7月27日朝、大きい方の個体が産卵し
 たのです。アオダイショウの卵はひと塊の卵塊の状態で産み落とされ、数える
 と17個もありました。暑い盛りにこのまま狭いケージに入れてはおけないので、
 回収して事務所で湿度に注意しながら孵化を待つことにしました。

  約2か月後の9月23日から25日にかけて、17卵すべてからかわいいアオダイ
 ショウの赤ちゃん(といっても30センチ以上あるのですが)が誕生しました。
 親とはまったく違うまだら模様の子ヘビたちは、孵化後1週間ほどで最初の脱
 皮も無事すませ、餌も食べるようになりました。

  現在資料館の特設展「小さなふしぎ 大きな発見──いきものは遊びともだ
 ち」に展示中です。体はまだ小さいのですが、17頭のヘビがひと塊になってう
 ごめく様は、まるでギリシャ神話のメデューサのようでなかなか迫力がありま
 す。2011年12月28日までごらんになれますので、どうぞかわいい「アオちゃん
 ズ」に会いにきてください。
                 〔井の頭自然文化園飼育展示係 山本藤生〕

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 ▼招かれざる客[1]ゴイサギ
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  井の頭自然文化園の水生物館(分園)では、多くの水鳥を展示していますが、
 ときとして野生の水鳥が、われわれにとって招かれざる客になることがありま
 す。今回ご紹介するのはゴイサギです。

  ゴイサギは浅い水辺で魚やカエルなどの餌を採るので、井の頭池のまわりで
 も観察されています。もともと夜行性のため日中はほとんど姿を現しませんが、
 夜餌にありつけなかったのか、朝オシドリサンクチュアリーの鉄枠の上から獲
 物をねらっている姿を度々目にします。

  このように井の頭池で餌を採ってくれていればよいのですが、現在井の頭池
 ではカエルはほとんど見られず、魚もモツゴが減り、ブルーギルが増えました。
 ブルーギルはひれのトゲが硬く、体高があって食べにくいので、ゴイサギはと
 きどき水生物館入口横の水路に来て、私たちが飼育しているウグイやイワナな
 どの魚を失敬していきます。

  2011年10月のある日、午前9時半の開園以降も水路から離れず盛んに餌を探
 しているので、一部の入園者の方には獲物を狙うゴイサギの姿を見ていただく
 ことができました。

  ところで、水生物館ではこの招かれざる客とは別にオス1羽、メス2羽の合
 計3羽のゴイサギを展示していますが、このうちオスの1羽は、今春に千葉県
 内で保護されたひなで、怪我のため右翼が少し曲がり野生復帰が難しいので、
 9月に千葉県市川市行徳野鳥観察舎の好意により譲っていただいた個体です。
 翼に難があるといってもケージの中の木に飛び移るのは得意で、最近はいつも
 左側の木に止まって、外を通るお客さんににらみを利かせています。

             〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 池田正人〕

■大島公園動物園■======================================================

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 ▼ゾウガメを屋内放飼場に移動しました
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  2011年は10月下旬になっても暖かい日が続き、ゾウガメは屋外放飼場で日光
 浴をさせながら展示していました。11月に入り最低気温が低くなって、屋外で
 のゾウガメ飼育が厳しくなってきたため、11月8日に屋内に移動しました。

  移動の際に恒例の体重測定をおこなったところ、今回もロク(オス)が一番
 重く、192キログラムありました。

  現在ゾウガメ舎は観覧通路を屋内にする改修工事中で、12月末まで屋内放飼
 場前は通行止めの予定です。改修中は屋外放飼場を開放しますので、ガラス越
 しに屋内にいるゾウガメをごらんください。

                       〔大島公園動物園 大賀幹夫〕

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▽編集後記

 ◎昨年の今ごろも各園干支に関係する催し物準備で忙しい、ということを書き
  ましたが、来年の干支は十二支中の難物、頭を悩ませます。何しろホントに
  はいないんですから。各園の知恵と工夫を楽しみにお待ちください。(萩埜)

 ○ヨンドコロない事情で竜のことを調査。東洋の竜と、西洋のドラゴン、いっ
  たい同一起源なのか、それぞれ別個に発生したのか、DNAでもあれば解析
  できるんですが、なにしろ想像上の動物。なにがなんだか!    (大平)

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メールマガジン ZooExpress No.563 - 2011年11月18日
公益財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL  : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2011 Tokyo Zoological Park Society
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