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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.530 - 2011年03月04日
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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」
・ションマオダシンウェンその1。
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つと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジットカー
ド&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/
■目次■----------------------------------------------------------------
・東京ズーネットBB
└─ジャイアントパンダも動画でどうぞ、2月の6点大公開
・上野動物園
├─熊猫的新聞(パンダニュース)──1
│ 2頭が飼育されている雅安から中国を発つまで
├─アナグマがアクリル水槽に入るようになりました
└─子ども動物園、柳の木のゆくえ
・多摩動物公園
├─レッサーパンダ「メイメイ」の旅立ち
├─チンパンジー「ジン」、道具を使ってジュースを
│ なめるようになりました!
└─昆虫園、ミカンの植え替えをしました
・葛西臨海水族園
├─魅力的な老婆、オールドワイフ
├─ウリクラゲを展示しています
├─第5回「かさりん体操の時間だよ!」レポート
└─スタッフトーク「東京湾にも深海ギョ!?」
・井の頭自然文化園
├─ヤマネコ舎まえケヤキしたのちいさなおうち
├─ちいさな企画展「ノウサギをみたことがありますか?」
└─文化園いきものクラブ「春のいきものさがし」参加者募集
■東京ズーネットBB■====================================================
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▼ジャイアントパンダも動画でどうぞ、2月の6点大公開
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ネット」のトップページから 「TokyoZooNetBB」をクリックしてください。
◎うごく!どうぶつ図鑑
【ジャイアントパンダ、中国でのようす】────────────────
2011年2月21日夜、上野動物園にジャイアントパンダ2頭が到着。オスは
2005年8月、メスは2005年7月に四川省臥龍保護センターで生まれた個体で
す。2011年1月に研修に訪れた職員が撮影した動画をどうぞ。
(オス) http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1102_01/index.html
(メス) http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1102_02/index.html
【アジアゾウ「はな子」64歳のお祝い会】────────────────
2011年1月29日、井の頭自然文化園でアジアゾウ「はな子」のお祝い会を
開催しました。はな子には、バナナやイチゴなど好物をつかった誕生日ケー
キをプレゼント。お祝いのメッセージや果物のプレゼントもいただきました。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1102_03/index.html
【カバの歯みがき】──────────────────────────
上野動物園にカバがやって来たのは1911年2月23日。日本初渡来でもあり
ました。それからちょうど 100年たった2011年2月23日、カバの歯みがきを
みなさんに披露。飼育係が指示をすると、機嫌よく(?)口を開けるカバ。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1102_04/index.html
【クチバシカジカ】──────────────────────────
昨年末、葛西臨海水族園にクチバシカジカが登場。胸びれを使って岩や砂
の上を歩くように動く魚。フジツボの殻に入る習性が知られています。身を
守るだけでなく、餌を待ち伏せしているともいわれています。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1102_05/index.html
◎動物園よりおしらせ
【ジャイアントパンダ、中国から到着】─────────────────
2011年2月21日夜、上野動物園にジャイアントパンダ2頭が到着。中国ジ
ャイアントパンダ保護研究センターの碧峰峡基地(四川省雅安)からの長旅
です。現在は2頭とも落ち着き、元気なようすです。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/information/1102_01/index.html
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■上野動物園■==========================================================
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▼熊猫的新聞(パンダニュース)──1
2頭が飼育されている雅安から中国を発つまで
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2011年2月21日深夜、上野動物園に2頭のジャイアントパンダが無事にやっ
てきました。
ジャイアントパンダの来園にあたり、2011年1月3日から半月ほど、飼育係
と獣医師が四川省にある雅安碧峰峡基地へ飼育研修を受けに行きました。基地
は山の上にあり、時折降り積もる雪の中で、オスの比力(中国名ビーリー)と
メスの仙女(中国名シィエンニュ)が飼育されていました。
初対面の際、仙女は餌がもらえると思ったのか、そばまで寄って来たので、
物怖じしない性格だなと感じました。一方、比力は「ん、誰?」とでも言うよ
うに、少し距離を置く態度でした。この2頭は、新しい環境への適応能力が比
較的高いといわれており、研修の後半では採血もできるまでになりました。
2月18日、日本への輸送のために、再び中国へ入りました。2頭と再会した
とき、比力はこちらを覚えていたのか初めて会ったときほどの警戒心は見せず、
仙女のほうは相変わらず誰がいても近づいてきました。2頭とも健康状態良好
のようでした。
輸送当日、「いざ日本へ!」と準備のため飼育舎へ到着すると、呼びかけて
も反応せず丸くなって動かない比力がいました。これは体調不良ではなく、ジ
ャイアントパンダ特有の粘膜便を排泄するときのポーズです。こうなるとテコ
でも動きません。参ったなと思ったのですが、中国側の飼育担当者は問題ない
よと言います。どうやら朝早くからこのポーズでうずくまっているので、そろ
そろ粘膜便が出るころらしかったのです。たしかに、少しして100グラムほど
の粘膜便を排泄し、もとの動きに戻りました。
夕方、2頭を輸送用のトラックに載せ、パトカーの先導で約2時間かけて成
都空港近くのホテルに到着しました。
翌日未明、2頭のようすを確認しに行ったところ、輸送箱の中で竹をよく食
べていたので少し安心しました。早朝、空港の貨物エリアで積み込まれると、
しばしお別れです。経由地の上海空港で、積み替えをするときに健康チェック
をさせてもらうまで、2頭のようすはわかりません。無事を祈るのみでした。
正午前、上海空港に無事到着しました。さっそく空港の貨物エリアへ向かい
ます。比力は長旅で少し疲れたように見えましたが、仙女はまったく動じず、
食べるものを食べたら寝てしまいました。仙女は肝っ玉かあさんになる素質を
もっているようです。出国のため最後の清掃をおこなったあと、貨物室へ載せ
たのを確認して、我々も機内へ入りました。
機内では、パンダも一緒に乗っていることを知らせる機長の粋な計らいのア
ナウンスが流れました。我々の「いよいよ日本だ!」という気持ちとほんの少
しの不安を乗せて、飛行機は中国を発ちました。
・中国雅安での2頭、そして日本までの旅を動画でどうぞ。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1102_01/index.html
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1102_02/index.html
http://www.tokyo-zoo.net/movie/information/1102_01/index.html
〔上野動物園東園飼育展示係 藤岡紘〕
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▼アナグマがアクリル水槽に入るようになりました
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2011年1月7日の記事(下記リンク)でお伝えしましたが、カワウソ展示場
ではニホンアナグマ、ハクビシン、ユーラシアカワウソの3種をいっしょに展
示しています。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=16920
カワウソ展示場の一番の目玉であるアクリル水槽にアナグマが入るようにな
りましたのでご紹介します。
今ニホンアナグマはジェット(オス、推定6歳)ココ(メス、推定7歳)の
2頭を飼育しています。
アナグマは夜行性で警戒心も強く、環境に慣れるのに時間がかかるだろうと
思っていました。ところが1週間ほどでジェットは展示場全体を歩きまわり、
アクリル水槽へ行く階段の中段まで登るようになりました。餌を置く位置を少
しずつ変えて誘っていくと、1月28日にはココが階段を上りきり、水槽の入口
付近までやってきました。
そして2月5日、ジェットが突然水槽に入って餌を食べました。この日から、
ジェットは水槽内で寝るようになりましたが、慎重なココは閉園後でないと入
りません。
ジェットの一番のお気に入りの場所が水槽内になったため、これまでいつも
一緒にいたオスとメスが日中は別々に過ごし、夜になると一緒にいます。そん
な姿を見ると、人間の夫婦みたいだなと思ってしまいます。
じつはアナグマより先にハクビシンが水槽内に入っていたのですが、今はジ
ェットに占領されています。今後はアナグマとハクビシンが時間差で住みわけ
るようすを展示できるようくふうしたいと思います。
ジェットが水槽内で落ち着いて寝ているときは、穴を掘るために進化した前
肢をはじめ、体の隅々を間近で観察してみてください。
〔上野動物園東園飼育展示係 野島大貴〕
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▼子ども動物園、柳の木のゆくえ
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上野動物園子ども動物園のウサギ広場などにある、長さ50センチメートルほ
どの木の棒をごらんになりましたか?
この棒は園内に生えている柳を剪定したときに出た枝です。たくさんあるう
えに、とてもおいしそうなので、そのままゴミにしてしまうのももったいない、
ウサギたちに与えてみようということになりました。
ウサギたちはすぐにかじりはじめ、1、2日ほどであっという間に木の皮を
食べつくしてしまいました。ところがその後はまったくかじらなくなり、木は
まる裸のままでした。
そこでウサギのかじった木をマレーヤマアラシに与えてみたところ、どうや
ら気に入ってくれたようで、次の日の朝、くびれた棒を巣穴で発見しました。
ヤマアラシは夜行性なので、暗くなってから棒を巣穴に持ち込み、かじり続け
ていたようです。3日ほどで1本の棒を自家製のウッドチップへと変えてしま
いました。残念ながら、そのチップは朝になると汚れているので、掃除のとき
に取り除いてしまいます。
ウサギたちは暖かい日の午前中によくかじっています。ぜひ見に来てくださ
い。
〔上野動物園子ども動物園係 島村直子〕
■多摩動物公園■========================================================
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▼レッサーパンダ「メイメイ」の旅立ち
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2011年2月28日朝、レッサーパンダの「メイメイ」(メス、3歳)が繁殖の
ために千葉市動物公園へ旅立ちました。
メイメイは、双子のルンルン(オス)とともに、2007年6月28日、メスの花
花(ファンファン)とオスの淡々(タンタン)との間に生まれました。ちょっ
とのんきで人見知りもあまりしないルンルンに比べ、メイメイは見慣れない物
があると、すぐ走って逃げてしまうような警戒心の強い個体です。
しかし、搬出のためには、輸送箱に慣れてもらわなければなりません。その
ため、毎朝おこなっている馴致(健康管理やコミュニケーションをとるため人
に慣れるよう訓練すること)の時間に、輸送箱に入る練習をしました。方法は
大好物のリンゴを使って、輸送箱の中に誘い込むだけです。
初日は、初めて見る輸送箱を警戒し、なかなか近付いて来ませんでしたが、
毎日続けていると、なんとか奥まで入るようになりました。後は扉を閉めるだ
けですが、それは本番の一発勝負です。
搬出当日、メイメイは、私が扉を開けるとすぐにやってきたので、リンゴを
与えながら体のチェックをしました。「もう、こうやって触ることもないんだ
ろうな」と思うと、なんとなく名残惜しい気もしました。
輸送箱にリンゴを投げ入れるとすんなり中に入りましたが、片足が外に残り、
これでは扉が閉められません。何度か挑戦し、全身が中に入ったところで扉を
閉めました。メイメイは驚いたようで、「ガガッ」と声をあげて怒っています。
メイメイが暴れて扉が一瞬開きかけ、ヒヤッとする場面もありましたが、何と
か無事に入れることができました。
・メイメイを輸送箱に入れるシーンを動画でごらんください。
(上:Windows Media形式、下:QuickTime形式)
http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2011_03/red_panda_meimei.wmv
http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2011_03/red_panda_meimei.mov
そのまま動物輸送専用の車に乗せ、職員たちに見送られながら、千葉市動物
公園に向けて旅立ちました。
2010年には双子のお豆姉妹「ダイズ」と「アズキ」を出産し、立派に育て上
げたメイメイ。千葉市動物公園でも元気で活躍し、お豆たちの弟妹誕生のニュ
ースを聞く日が来ることを楽しみにしています。
〔多摩動物公園南園飼育展示係 高村里美〕
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▼チンパンジー「ジン」、道具を使ってジュースをなめるようになりました!
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多摩動物公園には、枝を器用に使って人工アリ塚の中のジュースを取り出し、
一生懸命なめているチンパンジーがいます。それはオスの「ジン」(2歳8か
月)です。ジンがこうしてジュースをなめるようになったのは最近のこと。群
れで育ったほかの子どもにくらべると、1年遅い成功でした。
チンパンジーは子どものころ大人の行動を観察し、生きていくための知恵や
群れのルールを学び、練習しながら身につけていきます。とくに1歳ごろまで
は母親のそばをあまり離れず、母親の行動をいちばん近くで見て学びます。ア
リ塚でのジュースなめ行動も、多摩生まれの子どもたちは、たいてい1歳のこ
ろにできるようになります。
一方、母親による育児がうまくいかなかったジンは、飼育係の手で育てられ
ました。学習のための大切な時期を群れから離れて過ごしたジンが、チンパン
ジーとしてうまくやっていけるのか、私たちはずっと心配していました。
しかし、メスのサザエを「養母」とすることで群れ入りに成功したジンは、
これまでの遅れを取り戻すかのように日々たくましくなり、その成長ぶりは私
たちをたびたび驚かせました。
・ニュース「飼育係の見たチンパンジー『ジン』の群れ入り」(2010年08月13日)
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=15637
ジンは当初、サザエがアリ塚を使うところをじっと見つめていました。その
後、サザエが利用する枝に触り、また、ジュースをなめさせてもらうようにな
りました。そしてある日、自分で枝を手に取り、サザエのまねをしてアリ塚の
穴に差し込みました。ジュースのついた枝を引き抜くとジュースをなめ、何度
も同じ行動を嬉しそうに繰り返すようになりました。今では自分で使いやすい
枝を探し出し、ぎごちなかった動作もさまになってきました。
最近はアリ塚だけでなく、ほかの遊具「UFOキャッチャー」や「知恵の木」
の穴にも、ときどき枝を差し込んで挑戦しています。
群れには、サザエ以外にもお手本となるお兄さん・お姉さんチンパンジーが
大勢います。彼らと一緒にすごしながら、ジンはこれからもたくさんのことを
学んでいくでしょう。ジンの成長に今後も目が離せません。
〔多摩動物公園北園飼育展示係 東川上 純〕
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▼昆虫園、ミカンの植え替えをしました
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多摩動物公園昆虫園では、暖かくなって芽や根が伸びる前に、鉢植えのミカ
ンの植え替えをしています。鉢植えのミカンは、主にチョウの卵を採るために
用意しています。鉢のままチョウのいる生態園におき、アゲハ類がある程度卵
を産みつけたら引き上げます。
2年ぶりの植え替えなので、鉢の中にパンパンに張った根や、余分に伸びた
枝を整理し、育ち具合によっては一回り大きな鉢に移します。
持ち歩くには重くなった鉢植えのミカンは、昆虫生態園の周りのミカン畑に
地植えし、幼虫の餌として使用します。
植え替えをしたミカンばかりではなく、温室内には現在、ツマベニチョウの
食草であるギョボクの鉢が約300鉢も待ち構えています。温室内ですが、やは
り日差しが強くなって気温が上がりだすこの時期が植え替えにはよいようです。
チョウを育てる技術も大事ですが、いい餌を作る技術もまた大事です。昆虫
園飼育係は、植え替えばかりでなく、種をまいたり取り木をしたりして、食草
の増産に努めています。
〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 深谷高司〕
■葛西臨海水族園■======================================================
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▼魅力的な老婆、オールドワイフ
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葛西臨海水族園では、世界中のさまざまな海の生き物を展示しています。派
手で目立ちたがりのものや、地味で隠れ上手なものなど、その姿はいろいろで
見飽きることがありません。
そして、彼らの「名前」もじつにいろいろで、どうして? と気になってし
まうものもたくさんあります。
今回ご紹介する生き物は、「オールドワイフ」という名前です。そのまま日
本語にするとold(オールド)=古い、wife(ワイフ)=女房で「古女房」と
いう意味になりそうですが、現地では「老婆」という意味でも使われているよ
うです。いったいどんな生き物でしょうか?
その正体は、オーストラリア沿岸にすむとても美しい魚です。体に縞もよう
があり、上下にのびた鋭いひれが特徴です。岩礁や藻場、入り江などにすみ、
ときには数百匹の大きな群れをつくることがあります。
それではなぜこのような名前がついたのでしょうか。ゆうゆうと泳ぐ姿を見
ていても、なかなか連想することができません。一説には、釣り上げたときに
ギシギシと歯をこすり合わせて嫌な音を出すことから、ぶつぶつと小言がうる
さい老婆に例えられたといわれています。
でも、オールドワイフの格調高い色彩や優雅な泳ぎを見ていると、「いつま
でも美しい大人の女性」を連想します、よね?
海のなかの魅力的な老婆、オールドワイフは、「オーストラリア南部」水槽
で展示しています。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 中沢純一〕
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▼ウリクラゲを展示しています
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2011年1月、葛西臨海水族園の目の前に広がる「西なぎさ」でウリクラゲが
採集されました。今回、「実験展示」コーナーで展示を始めましたので、ご紹
介します。
ウリクラゲは、その名の通り「ウリ」(冬瓜)のような形をしています。体
の表面には、キラキラと輝くひだのようなものが縦に8本走っています。これ
は、小さな板状の「櫛板」(しつばん、くしいた)がたくさん並んだもので、
櫛板は繊毛という細かい毛が束になってできています。ウリクラゲはこの櫛板
を、波打つように動かして泳ぎます。
一般に「クラゲ」と呼ばれるなかまは、大きく有櫛(ゆうしつ)動物と刺胞
(しほう)動物という二つのグループに分けられます。ウリクラゲのように櫛
板をもつクラゲは、クシクラゲとも呼ばれ、有櫛動物に入ります。
一方、刺胞動物には、ミズクラゲやアカクラゲなど、よく知られたクラゲが
多く含まれています。刺胞動物の特徴は、刺胞という毒針をもっていることで、
イソギンチャクやサンゴなどもこのグループに含まれています。
ウリクラゲは、櫛板が光を反射するため、七色に光って見えます。しかし、
その幻想的な姿からは想像できないような食事の仕方をします。ウリクラゲが
食べるのは、カブトクラゲなど同じ有櫛動物のなかまのクラゲで、ときにはウ
リクラゲ同士が共食いをすることもあります。
ウリクラゲの口は、普段は閉じていて目立ちませんが、食事のときには大き
く開き、スルッと吸い込むようにして食べてしまいます。以前私は、2センチ
メートルほどのウリクラゲが自分の体の倍以上もあるカブトクラゲに吸いつい
ているのを見て、とても驚いたことがあります。
今回ご紹介したウリクラゲは、2011年3月末まで展示する予定です。近くで
は刺胞動物のミズクラゲも展示していますので、ぜひその違いを比べてみてく
ださい。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 戸村奈実子〕
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▼第5回「かさりん体操の時間だよ!」レポート
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こんにちは!「かさりん体操」大使のうたおです。寒さももう少しの辛抱で
すね。葛西臨海水族園内の桜も花芽が徐々にふくらみ、暖かくなるのを今か今
かと待っているようです。
第5回「かさりん体操の時間だよ!」は、2011年2月27日(日)におこない
ました。おどった曲は、「カニ・ラップ」です。
この「かさりん体操」も残すところあと1回となりました。
次回は、2011年3月13日(日)、曲は「なまこまこまこ」です。場所はレク
チャールームです。スタンプカードを忘れずにお持ち下さい。最終回には何か
いいことがあるかもしれません。お待ちしています!
第4回「かさりん体操」のようすが、2011年3月16日(水)午後12時55分か
らテレビ朝日「東京サイト」で放映される予定です。どうぞご覧ください。
・「かさりん体操」楽曲とビデオ
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=16130
・第1回~4回レポート
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=16699
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=16921
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=17074
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=17333
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▼スタッフトーク「東京湾にも深海ギョ!?」
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葛西臨海水族園の「スタッフトーク」は、毎月第2・第4土曜日の催し物。
葛西臨海水族園で飼育展示している生き物や水族園の仕事など、ふだん聞けな
い話をスタッフが楽しくお伝えします!
今回のテーマは「東京湾にも深海ギョ!?」
メールマガジン「ズー・エクスプレス」に掲載した「アメケンの深海調査航
海リポート」でおなじみ(?)の雨宮健太郎がお送りします。深海というと特
別な世界のように聞こえますが、じつは水族園の目の前に広がる東京湾にも、
深海と呼ばれるところがあります。どのような生き物が、どのようなくらしを
しているのところなのでしょうか? 写真や標本などを使ってご紹介します。
あなたもアメケンと一緒に深海の不思議をのぞいてみませんか?
日時 2011年3月12日(土)午後3時から3時30分
場所 本館2階レクチャールーム
・「アメケンの深海調査航海リポート」
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9399
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9452
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9592
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9619
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9694
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=15493
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=15551
■井の頭自然文化園■====================================================
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▼ヤマネコ舎まえケヤキしたのちいさなおうち
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井の頭自然文化園の本園、フェネック舎とヤマネコ舎の間にある小さな木製
ハウスが生まれ変わりました。屋根や壁を張り替え、塗り直し、窓にはニホン
リスやアオゲラがデザインされたステンドグラスをはめました。
内側も壁を張り替えるとともに、ちょっとおもしろい工夫をしています。ベ
ンチや壁に、ケヤキやイチョウ、トチ、カキなど、園内も含め身近にある樹木
の板をはめ込んでいるのです。板には樹木の種名が彫ってあるので、それぞれ
のもようや手ざわりを確かめることができます。ぜひベンチの上で、座り心地
も比べてみてください。
さて、この木製ハウスにはとくに名前がついていなかったので、「ヤマネコ
舎まえケヤキしたのちいさなおうち」という名前をつけました。
今後は、園内観覧中の休憩所として、また不定期ですがミニ企画展を開催す
る場として利用していくつもりです。おうちのなかのベンチに座ると、ちょう
ど運動場に出ているアジアゾウの「はな子」を見ることもできますよ!
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▼ちいさな企画展「ノウサギをみたことがありますか?」
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2011年2月22日(火)から、上記ニュースでもお伝えした「ヤマネコ舎まえ
ケヤキしたのちいさなおうち」で、ちいさな企画展「ノウサギをみたことがあ
りますか?」を始めました。この企画展は福島県天栄村のEIMY湯本地域協議会、
天栄村と福島県立会津高校講師岩崎雄輔さんの協力を得て開催しています。
「うさぎ追いしかの山~」は誰もが知っている唱歌のフレーズですが、ノウ
サギはかつて日本人にとってとても身近な存在でした。各地でウサギ猟がおこ
なわれ、その一つ「ウサギ追い」は地域の伝統行事にもなっていました。しか
し現在、ノウサギを見たことがない人が増え、ウサギ追いの文化もなくなりつ
つあります。
この企画展では天栄村のノウサギを例に、そのくらしぶりや、数が減りつつ
ある現状を標本や解説パネルで紹介しています。
企画展を開催するきっかけとなったのは、2011年2月26日~27日に東京動物
園友の会会員を対象に実施した「ウサギ追いと里山のくらし体験」ツアーです。
ツアーでは、天栄村でおこなっている「巻き狩り」によるウサギ猟をヒントに
開発された観察プログラム「フォトハンティング」を体験しました。ウサギを
追う側と、待ち伏せしてカメラで撮影する側に分かれ、雪上を歩きながら、休
息しているノウサギを追い出して観察する、という内容です。
その後、宿泊先となる地元の温泉宿で、地域の方々との交流会の時間を設け
ました。また、ノウサギの減少と人間のくらしの変化についてお話を聞いたり、
EIMY湯本協議会の方に人と自然の関係を見直す取り組みについてお話しいただ
いたりしました。
このツアーも企画展も、天栄村でのノウサギと人のくらしの関わりを知るこ
とで、野生動物と人の関係を考えるきっかけを提供するのがねらいです。企画
展は5月8日(日)まで開催しています。
〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕
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▼文化園いきものクラブ「春のいきものさがし」参加者募集
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「文化園いきものクラブ」は、毎月違うテーマのもと、動物解説員といっし
ょに、飼育動物や園内の自然を観察する催し物。5月から3月まで、年に10回
開催します。2011年3月21日(月)のテーマは、「春のいきものさがし」。応
募方法など、くわしくはこちら↓のお知らせをごらんください。
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N E W S C L I P S
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●動物園研究会「動物園と大学等の学術的な共同“ズー学共同”」
2011年3月12日(土)、日本大学歯学部3号館にて。
http://photozou.jp/photo/photo_only/1163829/70115159?size=800
●野生生物総合研究所「北の希少野生生物講座」
北海道東部を中心とした野生生物講座。2011年3月24日(木)、3月25日(金)、
釧路市生涯学習センターにて。
http://www.wildlife.co.jp/kitakouza.html
●京都大学野生動物研究センター「ず~どすえ。動物園大学 in 京都」
2011年3月21日(月・祝)、京都会館、京都市動物園にて。
http://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/zoodosue/
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▽本文中にしめしたリンクによって表示されるページには、ほかのページへの移
動リンクが含まれていない場合があります。とくに東京ズーネットの「どうぶ
つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
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▽ズー・エクスプレスでは、みなさんからのおたよりを募集しています。匿名や
ペンネーム希望の方はその旨をおつたえください。 webmaster@tokyo-zoo.net
まで。ご意見・ご要望・お問い合わせもこのアドレスまでどうぞ。
▽メール配信先変更、配信停止は下記URLにてお願いいたします。配信先の変
更をご希望の方は、いったん解除をおこない、あらためて新アドレスを登録し
てください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/
▽編集後記
◎先週の多摩動物公園・昆虫野外観察会。指導者の「虫の気持ちになって~」
との言葉がけに従い、幼虫になったつもりで考えると居心地のいい安全な場
所は私の考えと同じね、という気持ちになりました。3月6日は啓蟄。私が
虫ならまだ出て行きたくない寒さです。 (萩埜)
○葛西臨海水族園での「解説スタッフ」募集。書類提出は3月6日必着です。
まずは電話で。即記入即投函。くわしくは↓
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=17412
○撮影担当職員熱烈編集完了。動画完成一挙大公開、請閲覧下記頁、謝謝。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/index.html (大平)
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メールマガジン ZooExpress No.530 - 2011年03月04日
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