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 Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.517 - 2010年12月10日

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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」

・インダ indah はインドネシア語で「美しい」──との検索結果。

・東京動物園友の会に入会しませんか? 年会費は、 2,000円。機関誌「どうぶ
 つと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジットカー
 ド&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/

■目次■----------------------------------------------------------------

 ・上野動物園
   ├─カナダからスマトラトラの「インダ」来園
   ├─シマリスの冬眠
   ├─「アイアイの飼育・展示」知事表彰受賞
   └─旧岩崎邸庭園の老木を動物園で活用

 ・多摩動物公園
   ├─新たなペアを作るために佐渡と多摩の間でトキを移動
   ├─アムールトラ「リング」、多摩から円山動物園へ
   ├─シロオリックスの子どもの成長とサバンナデビュー
   └─クリスマスイベント第2弾、
       動物へのプレゼントやガイドツアー、スポットガイド開催

 ・葛西臨海水族園
   ├─毒をもつ生物(12)イソギンチャクの毒を利用するヤドカリ
   └─「深海ボトルウォッチング」開催

 ・井の頭自然文化園
   ├─アズマヒキガエルが産卵!
   └─特設展示「『100かいだてのいえ』のどうぶつたち」開催

■上野動物園■==========================================================

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 ▼カナダからスマトラトラの「インダ」来園
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  2010年12月14日(火)、カナダのトロント動物園からスマトラトラ「インダ」
 が上野動物園にやってきます! インダは2006年6月28日生まれのメス。

  現在、日本で飼育されているスマトラトラは、オス3頭、メス4頭。そのう
 ち3頭は血縁関係にあります。また、日本では1997年を最後に繁殖していませ
 ん。

  そこで、今回海外から別系統の若い個体を導入し、遺伝学的な多様性を保持
 しながら、繁殖を目指すことになりました。これは、スマトラトラを生息域外
 で保全することを目的としています。

  インダが来園すると、上野動物園のスマトラトラは、オス2頭、メス2頭に
 なります。検疫終了後に公開する予定。しばらくお待ちください。

 ・トロント動物園(英語) http://torontozoo.com/

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 ▼シマリスの冬眠
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  上野動物園の「クマたちの丘」では、動物の生態を伝え、その生理に合った
 展示を目的として、ニホンツキノワグマの冬眠展示をおこなってきましたが、
 エゾヒグマ放飼場とニホンツキノワグマ放飼場の間で展示しているシマリスや
 ヤマネなど小動物も冬眠もしていました。今回はクマやヤマネより一足先に冬
 眠に入ったシマリスを紹介したいと思います。

  シマリスは10月から4月ごろまで約200日にもおよぶ長い期間冬眠しますが、
 シマリスの冬眠はクマとは少し違った仕方をします。
  クマは冬眠前餌をたくさん食べ、脂肪を体に蓄えます。冬眠中に目覚めるこ
 とはありますが、何も食べず排泄もしません。

  一方シマリスは、冬眠前に脂肪を蓄えることはせず、代わりに1~2メート
 ルほどの深い穴を掘り、この中に餌を貯めます。穴の中に10リットル近くのど
 んぐりが貯めてあったという記録もあります。そして、冬眠中でもたびたび目
 覚め、貯めていた餌を食べ排泄をします。シマリスは冬眠中、食べ物を消化・
 吸収する機能はある程度維持していますが、体温を下げエネルギーの消耗を少
 なくすることで、あまり食べなくてもいい体にしているのです。

  今はシマリスだけが冬眠していますが、もう少し経つととなりに展示してい
 るヤマネやツキノワグマも冬眠に入ります。この冬は「クマたちの丘」に来て、
 動物たちの冬の過ごし方を見くらべてください。

 ※東京ズーネットBBの動画「ツキノワグマの冬眠展示」
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0802_03/index.html

                  〔上野動物園東園飼育展示係 野島大貴〕

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 ▼「アイアイの飼育・展示」都職員表彰
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  2010年11月30日、「アイアイの飼育・展示」が平成22年度東京都職員表彰を
 受け、12名の職員から成るアイアイ飼育繁殖展示グループのリーダー細田孝久
 職員に石原慎太郎都知事から表彰状が授与されました。

  これは、アイアイの飼育繁殖に日本で初めて成功し、世界の動物園でトップ
 クラスの繁殖実績をあげるとともに、展示の仕方を工夫し、夜行性であるアイ
 アイが活動するようすを来園者に見やすくするため、「昼夜逆転展示」によっ
 て成功したことを評価されたものです。

  2001年のアイアイ来園当初は、世界で飼育する動物園が少なく、飼育繁殖の
 ノウハウがほとんどないなかで飼育が始まりました。現在は、世界の動物園の
 なかで最多の8頭を飼育しており、オスの「マミルア」とメスの「ソア」のペ
 アから生まれて育った子どもは5頭です。これは、同一ペアから成育した数と
 して動物園一です。成功の裏には、給餌に関してさまざまな調整をおこなった
 り、ペアリングのタイミングを測るためにメスの生理状態に関する膨大なデー
 タを蓄積したり、地道な努力があります。(なお動物園以外の研究施設では、
 アメリカのデューク大学レムールセンターで19頭飼育しています。)

  また「アイアイのすむ森」では、夜行性であるアイアイが夜行動して昼休む
 姿を同じ施設内で観察することができます。また、透明のアクリルパイプに餌
 を入れ、アイアイが長い中指を使って餌をかきだして食べるようすを見ていた
 だく工夫もしています(午後3時30分)。

  今後もさらに、アイアイはじめ多くの動物たちの飼育や展示の工夫を進めてい
 きたいと思います。

 ※東京ズーネットのBBの動画「アイアイの指の動きを観察」
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1011_02/index.html

                   〔上野動物園西園飼育展示係 寺田光宏〕
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 ▼旧岩崎邸庭園の老木を動物園で活用
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  旧岩崎邸庭園(台東区池之端)を管理している東京都公園協会から、庭園の
 太い老木を処分するが動物園で使用できないか、との電話連絡を受けたのが半
 年前の春でした。

  さすが歴史のある旧岩崎邸です。今回伐採される木々はどれも樹齢が高く、
 幹が太くて適度に湾曲しており、中には大きな洞があるものもありました。そ
 の老木の伐採に立ち会い、ほしい部分や切る長さなどをお伝えした上で、動物
 園まで運んでもらいました。動物園に運んだ木は加工して、クレーン車で各所
 に設置しました。東園のクマの丘、西園のレッサーパンダ舎、子ども動物園の
 マレーヤマアラシ舎に入っています。

  子ども動物園のマレーヤマアラシ舎では、ヤマアラシの隠れ場所として利用
 するために、チェーンソーで洞を大きくし中に床暖房を設置しました。ヤマア
 ラシ用に使ったのはスダジイで、江戸時代の文献に出てくる由緒ある老木でし
 た。どれも決して人間の手で作り出すことのできないもので、大きく太い幹に
 は圧倒的な迫力があります。

  動物たちは新しいものに強く興味をもつもので、それぞれの場所でうれしそ
 うに使っています。ぜひ、子ども動物園でごらんください。

 ※旧岩崎邸庭園についてはこちら↓
   http://teien.tokyo-park.or.jp/contents/index035.html

                   〔上野動物園子ども動物園係 高藤彰〕

■多摩動物公園■========================================================

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 ▼新たなペアを作るために佐渡と多摩の間でトキを移動
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  多摩動物公園では、環境省のトキ保護増殖事業に協力するため、2007年12月
 13日に佐渡トキ保護センターから4羽(雌雄2組)を預かり、非公開で飼育を
 開始しました。

  3年連続で順調に繁殖してきましたが、今年(2010年)は新たなペアを作る
 ため、佐渡トキ保護センターから3羽がやってきます。

  来園するのは、Zペア(オスは2008年5月24日生まれ、メスは2008年4月17
 日生まれ)と2004年7月3日生まれのオス。3羽は2010年12月18日夕方に佐渡
 トキ保護センターを出発し、12月19日の朝、多摩動物公園に到着する予定です。

  また、2009年と2010年に多摩動物公園で誕生したトキ4羽を、2010年12月18
 日に佐渡へ移送することになりました。

  移動するのは、2009年5月12日生まれのオス1羽と2010年生まれのメス3羽
 (5月6日、9日、13日生まれ)。この4羽は野生復帰計画に沿って、今後放
 鳥される予定です。今回の移動で、多摩動物公園のトキは9羽(オス5羽、メ
 ス4羽)になります。

  2010年の繁殖期には、佐渡トキ保護センター、いしかわ動物園、多摩動物公
 園で合計59羽のトキが繁殖しました。なお、2010年の時点で中華人民共和国の
 野生のトキは 約1,000羽に達し、北京動物園や陝西省トキ救護飼養センター等
 飼育下のトキと合わせると、1,600羽を超えています。

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 ▼アムールトラ「リング」、多摩から円山動物園へ
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  多摩動物公園が釧路市動物園から繁殖のため借り受けていたアムールトラの
 オス「リング」が、2010年12月16日に札幌市円山動物園へ旅立ちます。

  リングは2003年4月30日にロシアのチェリャビンスク動物園で生まれました。
 2004年に釧路市動物園に来園。2009年10月14日、繁殖のため多摩動物公園にや
 ってきました。2010年7月には、多摩動物公園生まれのメス「シズカ」とのあ
 いだに子ども3頭が誕生し、順調に成長しています。

  リング出発後、多摩のアムールトラはオス1頭、メス3頭になります。

 ・ニュース「トラの子3頭すくすく成長しています」
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=16616

 ・動画「アムールトラ『リング』登場」(2009年11月18日撮影)
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0911_03/index.html

 ・札幌市円山動物園 http://www.city.sapporo.jp/zoo/

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 ▼シロオリックスの子どもの成長とサバンナデビュー
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  2010年6月に多摩動物公園で生まれた2頭のシロオリックス、「モンド」と
 「サラ」は、それぞれのお母さんに育てられすくすくと成長しています(誕生
 のニュースはこちら↓)。
 http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=15253

  生まれてすぐは茶色だった体の色も、すっかり大人のシロオリックスと同じ
 白い色に変わり、黒豆のようにちょこんとしていた角も、今では40センチ以上
 に伸びてきて、自信ありげに振りかざして威張ってみせる姿も見られます。

  多摩動物公園のサバンナでは、シロオリックス、キリン、シマウマたちが広
 い運動場で一緒に生活しているようすを展示しています。2頭の赤ちゃんもい
 ずれ、この中に入っていかなければなりません。いきなりでは、大きなキリン
 やシマウマに蹴られたり、落ち着けずに乳も飲めなくなってしまうことが考え
 られます。そこで赤ちゃんの成長ぶりに合わせ段階を踏み、少しずつ環境を変
 えて慣らしていきました。

  出産後赤ちゃんが落ち着いて乳を飲み体力をつけられるまでの間、親子は藁
 を敷きつめた部屋とフェンスでしきられた小放飼場で、2頭だけで生活してい
 ました。

  赤ちゃんがしっかりしてきたころ、まず親子2組での同居を試みました。こ
 のようなやりかたは、今回が初めてでした。お母さん同士は初め走り回り、相
 手の子を追いかけるようすが見られましたが、それを何度か繰り返すうちに、
 一緒にいることに慣れ、お互いの子に乳を与えるまでになりました。
  この期間に、2組の親子に良好な関係を作ることができたので、10月13日に
 サバンナ大放飼場にデビューさせたときは、とてもスムーズに連れだって仲間
 入りできました。
  モンドとサラはよく一緒に遊び、微笑ましい光景を見せてくれます。お母さ
 んたちは、どちらの子も区別なく面倒をみているようで、親子とも今ではすっ
 かり群れになじんでいます。

  シロオリックスは野生では絶滅し、現在その生活ぶりを見ることはできませ
 んが、かつては何百頭もの群れで、季節にあわせ長距離を移動して生活してい
 たといわれています。
  今回2組の親子のようすを見ていると、シロオリックスは、たくさんの子を
 大規模な群れの中で、かなりおおらかに育てる動物なのかもしれないなと思い
 ました。

  2頭の子が加わり、多摩動物公園サバンナのシロオリックスは8頭になり、
 ずいぶん群れらしく華やかになっています。
  これからも、新しい赤ちゃんを生んで大きな群れになっていってほしいと思
 います。シロオリックスの群れの変遷にご注目下さい。

                〔多摩動物公園北園飼育展示係 松井由希子〕

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 ▼クリスマスイベント第2弾、
  動物へのプレゼントやガイドツアー、スポットガイド開催
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  多摩動物公園では、2010年12月23日(木・祝)から26日(日)まで、「クリ
 スマスイベント」を開催。昼間は動物たちへのクリスマスプレゼント等のイベ
 ント、夕暮れ時には、ライトで照らされた園内でガイドツアーやスポットガイ
 ドを開催! 詳しくはこちら↓のお知らせをごらんください。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=16654

■葛西臨海水族園■======================================================

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 ▼毒をもつ生物(12)イソギンチャクの毒を利用するヤドカリ
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  イソギンチャクの触手には毒があります。そのイソギンチャクの毒を利用し
 て自分の身を守るヤドカリがいます。

  ヤドカリは自分にあったサイズの巻貝の殻を利用してくらしています。巻貝
 の殻は固くて丈夫なので身を守るのに好都合ですが、タコや強い歯を持った魚
 には通用しません。そこで、殻にイソギンチャクをつけているヤドカリがいる
 のです。タコは、イソギンチャクが殻に付いていると、毒がこわくてヤドカリ
 に手(足)が出せません。

  イソギンチャクも、一方的に利用されているわけではありません。ヤドカリ
 が歩くとイソギンチャクは引きずられて、モップにゴミがついてくるのような
 感じで、食べ物が自然にとれるようです。また、ヤドカリは食べ物を細かく刻
 みながら食べるので、まわりには細かいカスが散乱し、これもイソギンチャク
 のごはんになるのでしょう。

  イソギンチャクとくらすヤドカリは、イソギンチャクにとても人気があるよ
 うです。貝殻には、もうこれ以上くっつく場所がないくらいびっしりとイソギ
 ンチャクがついていることがよくあります。飼育下では、ヤドカリが元気で環
 境に問題がなければ、イソギンチャクがヤドカリを見捨てることはありません。

  成長に伴い、宿となる巻貝を変えるのがヤドカリの宿命です。イソギンチャ
 クは、飼育係の言うことは聞きませんが、ヤドカリの言うことは素直に聞きま
 す。ヤドカリが別の巻貝に引っ越しするときは、脚でイソギンチャクをはがし、
 新しい宿となる殻に移動させるのです。

  ヤドカリとイソギンチャクの関係は微妙です。特定のヤドカリには特定のイ
 ソギンチャクがついています。
  葛西臨海水族園「東京の海」エリアでは、アオリイカといっしょにベニヒモ
 イソギンチャクを殻に付けたソメンヤドカリを展示しています。ベニヒモイソ
 ギンチャクの触手には毒があり、ちょっと刺激すると薄紅色の紐のようなもの
 を口やからだから出します。この紐にも毒が仕込まれています。

  水槽内のヤドカリはイカを多少は気にしているようすですが、隠れる場所の
 ない砂底を歩きまわり、水槽の底掃除を頑張っています。

                   〔葛西臨海水族園飼育展示係 荒井寛〕
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 ▼「深海ボトルウォッチング」開催
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  葛西臨海水族園では、2010年12月から2011年2月までの第4土曜日に「深海」
 をテーマにしたボトルウォッチングを開催!

  水槽やボトルに入った生物を見ながら、深海やそこにすむ生物の特徴について、
 水族園スタッフがわかりやすく解説します。また、特殊な水槽を使用した加圧実
 験や、水深 1,000メートルの水温の疑似体験など、内容も盛りだくさん! 水族
 園の調査で採集された貴重な生物の標本に触れることもできます。

  ふだん見ることができない深海生物を間近に観察できるチャンスです。ぜひご
 参加ください。

    日時 2010年12月25日(土)
       2011年1月22日(土)
       2011年2月26日(土)
       各日午前10時30分~正午
       開催時間中、自由に参加できます。

    場所 葛西臨海水族園本館2階「レクチャールーム」

■井の頭自然文化園■====================================================

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 ▼アズマヒキガエルが産卵!
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  2010年12月7日、井の頭自然文化園水生物館で展示しているアズマヒキガエ
 ルが産卵しました。水槽内で初めて産卵が確認されたのは今年1月です(産卵
 の記事はこちら↓)。
 http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=13658

  それから1年経たずに本格的な冬を前にして2度目の産卵が始まったのです。
 水槽の中では、現在4ペアできており、あぶれたオスがペアの妨害をするよう
 すも見られます。

  アズマヒキガエルは、都内の池などで、ふつう2月から3月に産卵します。
 これは、1年でもっとも寒い時期が過ぎ、ほんの少し暖かくなるころにあたり
 ます。

  今年1月に水槽で産卵したときは、水槽内の温度がもっとも低くなった後、
 少し上がったころに産卵が見られました。

  しかし今回は、これからどんどん寒くなっていく時期です。何がきっかけと
 なり産卵したのでしょう。水生物館周辺の野生のアズマヒキガエルの産卵は、
 もちろんまだ観察されていません。産卵に至る条件などまだ分からないことが
 多くあります。

  ヒキガエルの産卵は、ふつう1週間程度で終わってしまいます。この機会に
 ぜひお見逃しなく!
             〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 児玉雅章〕

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 ▼特設展示「『100かいだてのいえ』のどうぶつたち」開催
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  井の頭自然文化園では、2010年12月21日(火)から特設展示「『 100かいだ
 てのいえ』のどうぶつたち」を開催します。

  多くの子どもたちに読まれている絵本「100かいだてのいえ」「ちか100かい
 だてのいえ」には、子どもたちにとって身近な動物がたくさん登場します。作
 者の岩井俊雄さんは井の頭自然文化園の近隣に住んでおり、これらの絵本を描
 くために、文化園に通って動物たちを観察しながら構想を温めていきました。

  この展示では、絵本に登場する動物たちの興味深いすがたや行動を、生体展
 示や標本、映像などをとおして紹介します。絵本に描かれた岩井俊雄さんのイ
 マジネーションの世界と、実際の動物のおもしろさを同時にお楽しみください。

   会期   2010年12月21日(火)~2011年4月10日(日)
   会場   井の頭自然文化園本園の資料館「ネズミコーナー」
   生体展示 ハツカネズミ、ヨツユビハリネズミ、ニホンアマガエル、
        アオダイショウ、ニホントカゲ、クサガメ、ミスジマイマイ、
        オカダンゴムシ、ワラジムシ など

  詳しくはこちら↓のページをごらんください。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=16652

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 N E W S C L I P S
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●コアラ会議開催、日豪2国間で情報交換──鹿児島市にて(毎日)
http://kyushu.yomiuri.co.jp/nature/animalia/zoo/20101209-OYS8T00261.htm

●韓国のソウル大公園の動物園からマレーグマ脱出(聯合ニュース)
http://bit.ly/eSpD01

●12月5日に誕生したホッキョクグマの子2頭死亡──姫路市立動物園(産経)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/101207/trd1012071903009-n1.htm

●カンガルーに麻酔をして顎放線菌症の治療──イスラエルの動物園

日本語動画ニュースでは「歯磨き」と書かれていますが、薬物による治療の一環。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00189384.html
イスラエル北部にあるガングルー・オーストラリアパークにて(FNN)

●「戦争の犠牲となった動物たち」展──大阪市にて開催(産経)

天王寺動物園で薬殺された動物の剥製も展示
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/101208/acd1012081243005-n1.htm

●牧野伊三夫展、2010年12月17日から22日、渋谷のHBギャラリーで開催

東京動物園友の会の雑誌「どうぶつと動物園」でもお世話になっている画家の牧
野伊三夫さんの個展。東京都渋谷区のHBギャラリー http://www.hbc.ne.jp/hbg/
で開催。

●池田学展「焦点」、2010年12月8日から2011年1月15日、新宿区のギャラリー

同じく「どうぶつと動物園」の目次頁にイラストをお願いしている池田学さんの
個展がミヅマアートギャラリー http://mizuma-art.co.jp/ (最寄駅:市ヶ谷)
で開催されます。また、池田さん初の作品集が12月に羽鳥書店から刊行されます。
羽鳥書店 http://www.hatorishoten.co.jp/ の書籍紹介ページ
http://www.hatorishoten.co.jp/56_85.html

●天敵の存在で殻が左巻きになったカタツムリの進化の謎、解明(47NEWS)

東北大学の細将貴さん(進化生物学)らのグループがまとめ8日、英科学誌ネイ
チャーコミュニケーションズ電子版に発表、とのニュース。上記の東京動物園友
の会の雑誌「どうぶつと動物園」2009年夏号にもカタツムリの殻の巻き方とヘビ
の捕食の共進化の研究成果を執筆していただきました。
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010120801000020.html
※東京動物園友の会についてはこちら http://www.tokyo-zoo.net/member/

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 つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
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 てください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/

▽編集後記

 ◎12月を代表する生き物って何かな、と俳句の季語などを見ていたら冬鳥はい
  ろいろ、魚はフグ、アンコウ、ズワイガニなど生唾ゴクンの名前がたくさん
  出てきました。哺乳類は、狩りの対象となるようなオオカミ、キツネ、タヌ
  キ、ウサギなどがみな12月の季語なんですね。雪の上を縦横に彩る動物の足
  跡とそれを追う狩人の攻防、そんな冬景色が浮かんできました。  (萩埜)

 ○‥: → ‥: → ‥: ウサギ足跡(フォントを選ぶかも。明朝推奨)。
  などと記号文字で遊んで大丈夫だろうかシステム上。       (大平)

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メールマガジン ZooExpress No.517 - 2010年12月10日
公益財団法人 東京動物園協会
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電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL  : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2010 Tokyo Zoological Park Society
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