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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.81 - Oct 11, 2002
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http://www.tokyo-zoo.net/root_frame?topics_type=2&link_num=210
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■上野動物園■========================================================
▼タイからゾウがやって来た!──アティとウタイ
本日(10月11日)午後9時10分、タイからアジアゾウが2頭到着! タイ
から日本国民への友好のしるしとして寄贈されたもので、このたび上野動物
園で受け入れることになりました。
寄贈されたアジアゾウはオスとメス。オスの名前は「アティ」Artid、メス
は「ウタイ」Authi。それぞれタイ語で「太陽」「日の出」という意味で、日
本の国旗をイメージして命名されたそうです。9月13日の体高と体重はつぎ
のとおりです。
アティ 5歳 体高 186センチ、体重1,227キログラム
ウタイ 4歳 体高 172センチ、体重1,025キログラム
さて、日本のNGO(非政府組織)である「オイスカ」は、20年以上にわ
たってタイ東北部スリン県で植林活動をつづけてきました。今回のアジアゾ
ウは、スリン県から感謝と友好の印として、また、日本の皇太子ご夫妻の
長女、敬宮愛子さま(生後10か月)御誕生の祝意もこめて贈られたものです。
オイスカは1961年創立の国際協力NGOで、アジア、太平洋、南米諸国で
農林業を通じた人材育成にとりくみ、地域開発や植林を手がけています。ス
リン県でも、のべ1,000人以上のボランティアが植林に協力しています。
・財団法人オイスカのサイト http://oisca.org/j/
本日バンコクを発った2頭は無事成田に到着。午後7時30分ごろ成田を出
発したとのことなので、まもなく上野動物園に到着するはずです(ただいま
午後8時35分、錦糸町付近を移動中の模様。では、ゾウ舎前まで出かけてき
ます!……)。
(……戻ってまいりました!)夜になって少し肌寒い中、マスコミ等の取
材陣もずいぶんかけつけていましたが、9時をすぎて、1頭ずつ載せたトラ
ック2台が到着。クレーンで檻をトラックそばにおろします。
放飼場に入れる前に、報道陣の前でお披露目なのですが、メスのウタイが
檻からあっさり出てきたのに、オスのアティは、タイからいっしょに来日し
た飼育担当者の言うことも聞いてくれません。ケージの中から押して出そう
としても、「パオーン」と鳴きながら、ふんばっています。
いつまで人間とゾウの押し合いが続くんだー、と思っていたら、30分以上
経って、やって出てきてくれました。ホッ。見守っていたスタッフや大使館
関係者などからは、拍手拍手。
在日タイ大使からサトウキビやバナナをもらったり、担当者がかけるタイ
語の号令で膝をついて地面に座ったりと、ようやく「みせて」くれました。
ゾウ舎の中に入ったのは10時半前後。アーシャーのいた場所に、小さな2
頭を収容。いや~、とりあえず、よかったよかった。
上野動物園のアジアゾウは5頭になりました。今回やってきた2頭とおな
じくタイ生まれのメナム(オス、38歳)、インドからきたダヤー(メス、25
歳)とスーリヤ(8歳)、そしてアティとウタイで、オス2頭・メス3頭で
す。
アジアゾウの国内繁殖成功例はまだありません。上野動物園での繁殖が期
待されます。
2頭は約2週間の検疫後、10月29日午前10時からに贈呈式をおこなう予定
です。詳細はあらためてお知らせします。
成田到着の写真と上野動物園到着の写真は、「東京ズーネット」のニュー
スページからごらんください。http://www.tokyo-zoo.net/
・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」のアジアゾウはこちら↓
http://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?code=2
■葛西臨海水族園■====================================================
▼はるばるカツオがやって来た
目には青葉 山ほととぎす 初がつお(素堂)
俳句や川柳にも登場し、古くから日本の食卓で親しまれてきた魚の一つ、
カツオ。そんなカツオたちが水族園にやってきました。
今回水族園にやってきたのは、今年生まれたばかりの赤ちゃんカツオたち
です。日本近海に回遊してくるカツオは、フィリピン海で生まれ、黒潮に乗
って日本までやってくると言われています。わたしたちは、そのカツオたち
が鹿児島沖を通るときを狙って採集します。
まず漁師さんにたのんで、ていねいにカツオを一匹ずつ釣ってもらいます。
釣れたカツオは、海上に設置した生け簀の中に入れ、しばらく餌をあたえて
育てます。カツオを運ぶときにむずかしいのは、大きな入れ物の中で泳がせ
ながら運ばなければいけないことです。
そこで、生きた魚を運ぶための活魚船と、うしろが水槽になっていて、ふ
だんは海水を運搬しているトレーラーを使います。また、カツオは「擦れ」
に弱いので、船やトレーラーに積み替えるときなど、人の手によって動かす
ときには特別な布で作った担架で水ごとすくったり、特別なタモ網を使った
りして、カツオへのダメージを最小限におさえます。
鹿児島県から神奈川県の三崎までは、活魚船で3泊4日の船旅です。私は
カツオといっしょにクルージング……の予定だったのですが、前線と台風の
影響で、途中二度も時化(しけ)にあい、不覚にも船酔いしてしまったので
す。しかしカツオたちは時化などものともせず、元気に餌を食べていました。
そして船が三崎に着くと、今度はトレーラーにカツオを積み込み、一路、旅
の終着点である水族園を目指します。
現在カツオたちは、長旅の疲れも見せず、なかよく群れになって、大水槽
の中をところせましと泳ぎ回っています。でも、カツオたちをよ~く見てみ
ると、あれれれれ? 魚屋さんにならんでいる死んだカツオとは何かが違う
のです。そうなんです、生きているときにはカツオのトレードマークともい
える「あれ」がないのです。
ぜひ水族園に来て、じっくり観察し、「あれ」を見つけてください。また、
カツオと同様の方法で採集し、輸送方法をするマグロ類を紹介したオリジナ
ルビデオ“水族園のマグロ”が情報資料室にありますので、ぜひご覧くださ
い。 〔葛西臨海水族園調査係 雨宮健太郎〕
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●フォーラム「ニホンオオカミその後」
10月19~20日、埼玉県秩父郡の三峯神社報徳殿にて、ニホンオオカミの「絶
滅か生存か」の周辺について研究討議。
http://www.mitsuminejinja.or.jp/topics/1410forum/
●ジェーン・グドール博士講演会
11月19日、銀座ガスホールにて、ジェーン・グドール博士による講演「アフ
リカの森の日々──わたしの愛したチンパンジー」。手話・同時通訳つき。主
催「ジェーン・グドール インスティテュート ジャパン」。
http://www.jgi-japan.org/
●市民ZOOネットワークのセミナー「旭山動物園ワークショップ報告会」
8月に旭山動物園で開催したワークショップの報告。10月30日、表参道にて。
http://www.zoo-net.org/info/seminar.html
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▽編集後記
ノーベル賞のダブル受賞 http://www.nobel.se/ が話題になって、タカラ
の「バウリンガル」 http://www.takaratoys.co.jp/bowlingual/ によるイ
グノーベル賞の平和賞受賞も注目されました。そのイグノーベル賞の2002年
の数学賞が、インドの学者による「アジアゾウの体表総面積の推定法」。こ
れっていったいナニ? ごぞんじの方、おしえてください~。(2002年の受
賞者リスト→ http://www.improb.com/ig/ig-pastwinners.html#ig2002 )。
生物学賞の「英国農場におけるダチョウの人間に対する求愛行動」も気にな
る……。 (大平)
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メールマガジン ZooExpress No.81 - 2002年10月11日
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110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
(c)2002 Tokyo Zoological Park Society
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