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 Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.481 - 2010年04月02日

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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」

・もぐってます。

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 つと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジットカー
 ド&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/

■目次■----------------------------------------------------------------

 ・東京ズーネットBB
   └─3月の動画をどうぞ! マルメタピオカガエルほか

 ・上野動物園
   ├─にぎやかになった小獣館
   ├─ケープペンギンのひなに識別リングを装着
   └─特設展「両生爬虫類鑑 あし」紹介──1「はねる」

 ・多摩動物公園
   ├─オオフラミンゴのペア形成が始まりました
   └─[トキニュース]今年も産卵が始まりました

 ・葛西臨海水族園
   ├─水中のグライダー? フライングガーナードの展示
   ├─強い毒をもつアカクラゲ
   ├─続・新たな視点で見てみると(18)
   │  ……深海調査に行ってきました「浮上~着岸」
   └─東京湾でミツクリザメを捕獲!

 ・井の頭自然文化園
   └─桜の季節、到来

 ・書籍紹介──『ほんとのおおきさ水族館』
       小宮輝之=監修、松橋利光=写真、柏原晃夫=絵、高岡昌江=文

■東京ズーネットBB■====================================================

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 ▼3月の動画をどうぞ! マルメタピオカガエルほか
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  「東京ズーネットBB」は、動画でおつたえする動物園ニュース。「東京ズー
 ネット」のトップページから 「TokyoZooNetBB」をクリックしてください。

 ◎うごく!どうぶつ図鑑

 【マルメタピオカガエル、土に潜る】──────────────────

   冬は地中に潜るマルメタピオカガエル。どうやって潜るかというと……。
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1003_01/index.html

 【マレーグマ「ウメキチ」デビュー】──────────────────

   上野動物園で生まれたマレーグマ「ウメキチ」、ついにデビュー!
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1003_02/index.html

 【続々・ゴリラ「コモモ」成長記録】──────────────────

   上野動物園のゴリラの「コモモ」、顔つきもしっかりしてきました。
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1003_03/index.html

 【木曽馬誕生!】───────────────────────────

   上野動物園で木曽馬誕生。母親にくっついたり、走ったり。
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1003_04/index.html

 【タンチョウの交尾と産卵】──────────────────────

   上野動物園のタンチョウの交尾と産卵シーンをビデオでとらえました。
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/1003_05/index.html

 ◎動物園よりおしらせ

 【ニホンザルの「お花見」(?)】───────────────────

   上野動物園のニホンザルがいるサル山にサクラの花を置いてみると……?
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/information/1003_01/index.html

 ※「東京ズーネット」のモバイルサイトでも、動画を公開しています(約30秒)。
  動画再生対応機種でごらんください。アクセス先は、パソコン版と同じく、
   http://www.tokyo-zoo.net/  です!

■上野動物園■==========================================================

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 ▼にぎやかになった小獣館
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  上野動物園西園の「小獣館」は今、子どもたちでいっぱいです!──といっ
 ても、もちろん動物の子どもたちです。

  2009年11月11日生まれのスラウェシメガネザルはまだ小さいのですが、最近
 はジャンプや採食のしかたがとても上手になってきました。最初はコオロギを
 恐がっていたものの、今ではうまく捕まえられるようになってきました。また、
 少しずつですが、体毛もおとなと同じ灰色に変わってきました。

  2010年1月26日に生まれたミーアキャットは、2頭が元気に育っています。
 好物の鶏頭をそれぞれが独り占めしたり、2頭で取っ組み合ったりしている姿
 は見ていてあきません。親のまねをして後ろ足で立ち上がったり、見張り台に
 登ったりしているので、子どもたちが見張り役を任されるようになる日も、そ
 う遠くないかもしれません。

  マタコミツオビアルマジロの子どもが生まれたのは2010年3月11日。今回出
 産した母親はこれまで9頭も出産しているベテランです。とくに大きなトラブ
 ルもなく、しっかりと子どもを育てています。

  残念ながら、日中、マタコミツオビアルマジロの母親と子どもは巣箱に入っ
 ていることがほとんどなので、見られる時間がかぎられています。毎日午後2
 時半~3時ごろに餌を与え、あわせて子どもの体重測定をしているので、ごら
 んになるのは、この時間帯がチャンスです。

  マタコミツオビアルマジロが生まれてから2日後の3月13日、ハダカデバネ
 ズミが生まれました。誕生した13頭のうち、12頭が育っています。ハダカデバ
 ネズミの群れの中で、子どもを産めるのは女王1頭だけですが、場合によって
 は女王が育児放棄をしてしまい、子どもが全滅することもあります。しかし、
 前回の出産(2009年12月25日)と同様、女王はしっかり子どもたちに授乳をし
 ています。

  このまま順調に子どもが育てば、群れの個体は計42頭になります。野生の群
 れは 約100頭で構成されているといわれています。はたして上野動物園のハダ
 カデバネズミの群れは、何頭まで増えるでしょう?

  これから徐々にあたたかくなり、ネズミやコウモリなど、いろいろな動物が
 発情したり、出産が見られたりします。今後も小獣館の子ども情報にご注目く
 ださい!

            〔上野動物園西園飼育展示係(現・調整係)廣田敦司〕

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 ▼ケープペンギンのひなに識別リングを装着
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  上野動物園西園のペンギン池では、毎年秋から春にかけて、ケープペンギン
 が産卵し、子育てをします。昨年(2009年)の秋には4羽のひなが孵り、今で
 はプールでたくましく泳ぐ一方、親鳥に餌をねだったり、親離れできないあど
 けなさも見せています。

  2010年3月23日、その若鳥たちに「名前」をつけました。名前と言っても、
 「○○ちゃん」といった名前ではなく、上野動物園でのペンギン特有のつけ方
 があります。

  それは、孵化した順番と、翼の根元につける識別用のカラーリングです。孵
 化の順番に応じた番号が名前になり、その番号に応じてリングを装着します。

  リングは10色あり、色ごとに1桁の番号がふられています。つまり、

    赤=1   青=2   黄=3   緑=4 白=5
  蛍光桃=6 蛍光青=7 蛍光黄=8 蛍光緑=9 黒=0

 となっています。たとえば 123番の個体は、右の翼に赤、左の翼に青と黄色の
 リングをつけます。こうすれば、個体ごとに色の組み合わせが異なり、外見で
 個体識別ができる、というわけです。

  肉眼による個体識別は、飼育をする上でとても大切です。たとえば、毎日の
 健康状態や採食行動のチェックも個体を見わけなければできません。また、性
 別や血縁関係を登録し、ペンギンを飼育している他施設と情報交換をしたり、
 血液更新のための搬出や搬入などをおこなうためにも、個体を区別できる手が
 かりが必要なのです。

  4羽の若鳥の番号は295、296、297、298番です。ひなは親鳥とはちがって、
 黒と白の模様はなく、全体的に灰色をしています。番号に応じた識別リングを
 見つけられるでしょうか?(写真はニュースページ↓をごらんください)
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=14415

 ・東京ズーネットBBの動画より

  「ケープペンギンに個体識別マーキング」(2004年06月14日撮影)
    http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0406_02/index.html

  「ケープペンギン生まれました」(2009年11月25日撮影)
    http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0911_04/index.html

                  〔上野動物園西園飼育展示係 坂下涼子〕

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 ▼特設展「両生爬虫類鑑 あし」紹介──1「はねる」
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  先週号(No.480)でお知らせしたとおり、上野動物園の両生爬虫類館で特設
 展「両生爬虫類鑑 あし」が始まりました。今週から個々の展示についてご紹
 介します。

  最初のテーマは「はねる」です。両生爬虫類館で、はねる動物の代表といえ
 ばカエル。多くのカエルは1回のジャンプで自分の体長の2~10倍の距離を移
 動することができますが、中には30~40倍の距離を移動するカエルもあります。

  ジャンプして移動するためのカエルのあしは、後肢の方が前肢に比べて長く、
 筋肉も発達しています。また、あしの適応は外見だけでなく、骨の構造にも見
 られます。後肢は跳躍時に力を出しやすく、前肢は着地時の衝撃を吸収するよ
 うな構造になっていると考えられています。

  カエルが跳ねるのはあたり前のことのように思えますが、よく観察してみる
 と、あたり前のことにもたくさん発見があると思います。これから陽気もよく
 なり、カエルも冬眠から目ざめ、活動を開始します。野外でカエルと出会う機
 会も増えるでしょう。その際、あしに注目し、じっくり観察してみてはいかが
 でしょうか?
                〔上野動物園は虫類館飼育展示係 齋藤祐輔〕

■多摩動物公園■========================================================

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 ▼オオフラミンゴのペアづくりが始まりました
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  多摩動物公園では、今シーズンもオオフラミンゴに繁殖の兆しを確認しまし
 た。昨年(2009年)12月末ごろから、複数の個体がそろって首を伸ばして頭を
 左右に振り、鳴きながら行進し始める姿が見られるようになり、日を追うごと
 に個体が増えて、30羽ほどの群れになりました。

  また、2010年1月5日には、首を伸ばして上を向きながら両翼を広げ、背中
 の羽を逆立てながらお辞儀をする個体が観察されました。これらは繁殖期特有
 の行動です。

  1月11日には、プールの中の水深のある場所で交尾するペアが見られました。
 2月4日、複数のペアが餌の時間になっても陸上の営巣場所から離れないよう
 になり、2月14日には、土をくちばしで集め、塚状の巣を作り始めました。

  2月23日、「白22」と呼んでいるメスが産卵し、卵の上に座っていましたが、
 残念ながら翌日には割れていました。この個体は昨年も産卵したものの、13日
 目にひなが死んでしまいました。今年こそ成功してほしいと思います。

  その後、3月3日にも1個の産卵がありましたが、産卵したペアは不明で、
 抱卵もされず、放棄されました。3月4日以降、営巣場所に執着するペアが見
 られなくなり、一時の熱気はおさまりました。

  昨シーズンは23ペアが見られましたが、今シーズンはこれまで33ペアを確認
 しました。昨シーズンと同じペアは16ペア。昨シーズン繁殖したメスのうち、
 別のオスとペアになった個体が3羽。初めてのペア形成が14ペアで、そのうち
 3歳以下の個体(性成熟に達する前の個体)を含むペアが6組でした。

  日一日と春めくこれからが、オオフラミンゴにとって本格的な繁殖のシーズ
 ンです。
                 〔多摩動物公園北園飼育展示係 田畑邦衛〕

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 ▼[トキニュース]今年も産卵が始まりました
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  2007年12月13日、佐渡トキ保護センターから多摩動物公園に2ペア、計4羽
 のトキが運ばれてきてから、もう2年がたちました。鳥インフルエンザなど感
 染症の蔓延に備えた緊急避難のため、また、トキの生理学的なことを調べるた
 めに飼育を続けています。

  最初に繁殖した一昨年(2008年)は8羽、昨年(2009年)は10羽がかえり、
 すべてが育ちました。そのうち15羽は佐渡に運ばれ、4羽は野外に放されまし
 た。現在、佐渡のトキたちも繁殖シーズンをむかえつつあり、多摩動物公園で
 育ったトキが野生で繁殖することに期待がよせられています。

  多摩動物公園での飼育も、佐渡での野生復帰も、環境省の保護増殖事業計画
 に協力するかたちで取り組んでいます。トキがとても神経質な鳥であること、
 また、将来の野生復帰を見すえ、人に馴れさせすぎないようにするという環境
 省からの指示により、みなさんにトキをお見せすることはまだできませんが、
 園内のウォッチングセンターでは、トキのライブ映像を上映中です。メールマ
 ガジンやウェブサイト「東京ズーネット」でも、トキの情報を今後もお届けし
 ます。

 ◎トキの個体紹介

  多摩動物公園のトキをご紹介しましょう。佐渡からやってきた2ペアは、そ
 れぞれ「Gペア」「Kペア」と呼ばれており、佐渡でも同じ組み合わせで繁殖
 の経験があります。個体名は、Gペアのメスが「げんき」、オスが「じろう」、
 Kペアのオスが「わたる」です。これら3羽は2001年生まれで、現在3歳です。
 残るKペアのメスは2003年生まれの7歳で、この1羽だけ愛称がついていなか
 ったため、多摩動物公園では「たまき」と呼ぶことにしました。

  また、昨年(2009年)育った若鳥のうち、3羽(Kペアの娘1羽とGペアの
 息子2羽)が多摩動物公園に残っています。これら3羽はまだ繁殖はしません
 が、いっしょに飼育して、ペア形成行動などを観察しているところです。

 ◎トキの近況

  現在、おとなの2ペアに例年どおり繁殖シーズンがやってきました。2010年
 1月から3月の近況は、こちら↓のニュースをごらんください!
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=14390

■葛西臨海水族園■======================================================

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 ▼水中のグライダー? フライングガーナードの展示
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  空を飛ぶ魚といえば、みなさんは何を思い浮かべますか? 多くの方は大きな
 胸びれをしたトビウオのなかまを想像するのではないでしょうか。トビウオは水
 面近くをダッシュして海面から飛び上がり、胸びれを広げて200~400メートルも
 の長い距離を滑空することができます。

  また、トビウオに近いなかまのダツは、光に向かって突進する習性があり、夜
 間のダイビングなどではダツに衝突されないよう、光を照らす方向に注意が必要
 です。

  葛西臨海水族園の世界の海「ブラジル」の水槽では、セミホウボウのなかまの
 フライングガーナードを展示しています。大西洋や地中海の暖かい海に広く分布
 し、水深80メートルまでの砂や泥のある海底や岩礁域などにくらしています。ト
 ビウオと同じように大きな胸びれが特徴的な魚ですが、水の上に飛び出すことは
 ありません。ふだんは胸びれを少し広げた状態で水槽の中を泳いでいますが、何
 匹かまとまってスイスイと泳ぐ光景は、飛行機の編隊のように見えなくもありま
 せん。

  この大きな胸びれは泳ぐときにじゃまになるようにも見えますが、自然の海で
 は、敵に出会ったときにウチワにように大きく広げ、急に大きな魚になったよう
 に見せて相手を驚かせ、急場をしのぐ忍術のように使うと言われています。

  フライングガーナードは水中を泳ぐだけでなく、歩くこともできます。海底に
 着地したときは体の下にある腹びれを伸ばし、歩くように前後に器用に動かしま
 すが、水槽の中では泳ぐ方が好きなのか、歩く姿はあまり見かけません。

  セミホウボウという名前は、昆虫のセミの翅のように長い胸びれのあるホウボ
 ウという意味ですが、ホウボウは胸びれの前にある細長い鰭条(きじょう:ひれ
 を支える線状の器官)を指のようにチョコチョコと小刻みに動かしながら海底を
 歩きます。鰭条は餌のにおいを感じることができ、歩くのと同時に、餌となるゴ
 カイやエビなどを探し出すセンサーの役目も果たしています。

  水槽の底を見おろすような、少しユーモラスな顔つきをしたアジのなかまのル
 ックダウンが泳ぐあいだを、飛ぶように(?)泳ぐフライングガーナード。葛西
 臨海水族園でぜひごらんください。
                   〔葛西臨海水族園飼育展示係 笹沼伸一〕

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 ▼強い毒をもつアカクラゲ
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  葛西臨海水族園では、「伊豆七島4」と「アマモ場」の水槽のあいだで「ア
 カクラゲ」の展示を始めました。アカクラゲは、オレンジ色の傘に赤い筋模様
 が入った、とても美しいクラゲです。傘の内側から伸びる口腕(餌を口に運ぶ
 器官)は、長いもので1メートルにもなります。水槽の中を漂う優雅な姿は、
 見ているだけで癒されます。

  しかし、クラゲには「刺胞」という恐ろしい毒針があります。魚のようにす
 ばやく泳ぐことのできないクラゲたちにとって、刺胞は餌を捕まえるための大
 事な道具なのです。(刺胞については、2008年3月に掲載したニュース「チク
 リ!……犯人は誰だ!?」↓をごらんください。)
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=8535

  刺胞の威力はクラゲの種類によって異なります。人が刺されたときの症状は、
 その人によってさまざまで、皮膚がかぶれたり、頭痛が起こったり、ひどい場
 合は、ショック症状が起きたりすることもあります。アカクラゲも強い刺胞毒
 をもっていますが、たいていはかぶれる程度です。しかし、刺胞毒にはアレル
 ギーを起こす物質も含まれているようで、一度刺されて何も起こらなかった人
 でも、何回も刺されると体が毒に対して過剰に反応し(アナフィラキシー)、
 死亡する例もあるそうです。

  アカクラゲは、冬から春にかけて見られ、浜辺に打ちあげられていることも
 あります。プヨプヨしていて、つい触りたくなりますが、刺胞はクラゲが死ん
 でいても刺さることがあります。むやみに触らないよう、注意してくださいね。

                  〔葛西臨海水族園飼育展示係 鈴木聡子〕

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 ▼続・新たな視点で見てみると(18)
  ──深海調査に行ってきました「浮上~着岸」
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  「深海調査に行ってきました」も4週目。今回が最終回です。今回、「しん
 かい6500」が深海の貴重なサンプルとともに浮上してきました。

 ・第1回「調査決行!~潜水開始」
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=14253

 ・第2回「しんかい6500は準備OK!」
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=14151

 ・第3回「しんかい6500は潜航中」
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=14357

 【今回の動画】
  Windows Media http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2010_03/shinkai6500_04.wmv
  QuickTime   http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2010_03/shinkai6500_04.mov

  「しんかい6500」は母船とケーブルで繋がっていおらず、自力で母船の側に
 浮上してきます。そこでダイバーが母船にたぐり寄せるためのロープをかけま
 す。母船のすぐうしろまで近づいたら、クレーンで釣り上げるための太いワイ
 ヤーを取りつけます。

  水深約5000メートルの深海から回収された貴重なサンプルは、船内にいくつ
 かあるラボラトリーにすぐ運ばれ、研究者たちは記録をとったり、分析をした
 り、大忙しになります。「よこすか」はわりと大きな船ですが、海が荒れてい
 ればそれなりに揺れます。そのため、ラボにある水槽や顕微鏡はしっかりとロ
 ープで固定してあります。

  着岸すると、研究者たちは各サンプルを自分の研究室に持ち帰り、詳細な分
 析を開始します。「しんかい6500」と「よこすか」は、燃料や食料などを補充
 し、ふたたび次の研究航海へと出航するのです。

 *協力:独立行政法人海洋研究開発機構[JAMSTEC] http://www.jamstec.go.jp/j/

 *葛西臨海水族園では、2010年5月11日(火)まで、不思議な深海生物の世界
  を紹介する特設展示「あなたの知らない深世界」を開催中。JAMSTEC の調査
  で得られた貴重な標本や、深海に沈んだ鯨の骨にすみつく「ゾンビワーム」
  の生体が見られます。この機会にぜひご来園ください。


 *(1年前にも同じ終わり方をしていますが……)私は2010年4月20日から、
  無人探査機「ハイパードルフィン」を使用した深海調査に参加する予定です。
  おもしろい映像が撮れたら、またご紹介します!
  (ハイパードルフィンに関する過去のニュースは下記リンクをどうぞ)

  「アメケンの深海調査航海リポート」その壱、その弐、その参
    http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9399
    http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9452
    http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9592

  「続・新たな視点で見てみると」(10)と(11)
    http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=11191
    http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=11233

                  〔葛西臨海水族園飼育展示係 三森亮介〕
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 ▼東京湾でミツクリザメを捕獲!
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  2010年3月28日、葛西臨海水族園が東京湾でおこなった刺し網調査で、ミツ
 クリザメ1個体を捕獲しました! 捕獲した水深は 約140メートル。全長約1
 メートルのメスです。

  3月29日、さっそく「深海の生物3」水槽に展示し、水槽の底をゆっくりと
 泳ぐ姿が見られましたが、その翌日、体調不良のため展示を中止しました。

  ミツクリザメは、世界の水深 1,200メートルまでの深海でくらしており、そ
 の生態はほとんど知られていません。飼育の大変むずかしい種類で、葛西臨海
 水族園での最長飼育記録は14日です。

 ・東京ズーネットBBの動画から

  ミツクリザメ展示(2009年01月18日撮影)
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0901_02/index.html

  ミツクリザメを捕獲!(2007年01月26日撮影)
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0702_03/index.html

■井の頭自然文化園■====================================================

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 ▼桜の季節、到来
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  テレビや新聞などで連日、各地の桜開花情報が取り上げられていますが、井
 の頭自然文化園にも桜の季節がやってきました!

  3月上旬から咲き始めたカンヒザクラ、中旬から咲き始めたシダレザクラが
 葉を出し始め、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、オオシマザクラが見ごろを迎えま
 した。園内に1本だけあるエドヒガンザクラはこれから、そして最後にサトザ
 クラが咲こうとしています。

  桜の花が散り、葉が出て、新しい枝を伸ばした後、翌春に花を咲かせる準備
 として夏には花芽を作り、秋になると蕾ができあがります。秋になって日照時
 間が短くなると、葉は成長を抑えて休眠を促すホルモンを作り、芽に送ります。
 ホルモンを送り終えると落葉し、桜は休眠に入ります。冬に入って一定期間低
 温にさらされると眠りから覚め、春に花を咲かせます。

  井の頭自然文化園では、昨年(2009年)9月中旬にソメイヨシノとシダレザ
 クラに大量のモンクロシャチホコの毛虫が発生しました。園内では農薬の使用
 ができないので、枝を払って虫を落として捕まえたのですが、葉のほとんどを
 食べられてしまいました。こうなると秋の落葉の時期に落とすべき葉がなくな
 るので心配だったのですが、夏にできていた花芽に影響はなく、無事開花して
 くれてホッとしています。

  桜は、幹に傷をつけられたり枝を切られたりすると、自力で傷口をふさげな
 いという特徴があります。その性質をふまえ、枝を切るときは融合剤を使用し、
 腐らないように予防します。

  井の頭自然文化園では、年間を通して枯れ枝点検と処理、ひこばえの処理を
 おこなっています。園内には多くの種類の植物がありますが、管理する立場か
 らしても、桜の花には格別の思いを寄せてしまいます。

  井の頭自然文化園内では、6種類約50本の桜を4月下旬まで楽しめます。み
 なさんのご来園お待ちしています。
                   〔井の頭自然文化園施設係 星野真一〕

■ B O O K S ■=========================================================

 『ほんとのおおきさ水族館』

       小宮輝之=監修、松橋利光=写真、柏原晃夫=絵、高岡昌江=文、
    学習研究社、2010年03月25月刊、本体1,500円、ISBN978-4-05-203091-8

  No.369、No.424でもご紹介した「ほんとのおおきさ」シリーズの水族館版!
  http://www.tokyo-zoo.net/ROOT/express/express_back?record=5297
  http://www.tokyo-zoo.net/ROOT/express/express_back?record=6417

  もう説明はいりません。手にとって、開いてみてください。セイウチやシャ
 チは、はみでるのでページを広げて。

  メガネモチノウオはワイドページで全身。クリオネ、クマノミのような小さ
 い生き物も登場。そのほかにも、マンボウ、クラゲ、リーフィーシードラゴン、
 タカアシガニ、ナマズ、オオサンショウウオ、ミノカサゴ、ベルーガなど、さ
 まざまな水生生物が「ほんとのおおきさ」の写真で紹介されています。

  写真撮影を担当された松橋利光さんは水族館勤務の経験もあり。水槽の中の
 生物でも写真は鮮明です。

  水生生物をこれほどアップで見るのはなかなかむずかしいのでは? 体の質
 感や細部をじっくり見て、解説を読んで、柏原さんのイラストも見て、楽しん
 でください。

 ・松橋利光オフィシャルサイト http://www.matsu8.com/

 ・イラストレーター柏原晃夫さんのブログ http://kassinikki.jugem.jp/

 ・学習研究社 http://shop.gakken.co.jp/shop/ 内の書籍紹介ページ
   http://shop.gakken.co.jp/shop/order/k_ok/bookdisp.asp?code=1020309100

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  N E W S  C L I P S
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●アジアゾウ「春子」来園60年──大阪市の天王寺動物園

天王寺動物園のアジアゾウ「春子」が2010年4月14日で来園60年。国内のアジア
アゾウでは、井の頭自然文化園の「はな子」につぐ長老。(毎日)
http://mainichi.jp/kansai/news/20100326ddf012040021000c.html

● 「猛獣館」完成、2010年3月29日から公開──日本平動物園(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20100324/CK2010032402000189.html

●シドニーの動物園、「死んだ」はずの子ゾウが生きて誕生(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-14286520100310
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2708621/5476323 (AFP)

●猛毒ガエル数万匹を捕獲、「凍死させて肥料に」 オーストラリア(AFP)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2714704/5547298

●世界の動物園広告セレクション! from Coloribus

いちばん上のバスは以前ご紹介しましたが、その他のポスターや動画がたっぷり。
http://www.coloribus.com/focus/selection_of_best_zoo_ads/

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▽どっどど編集後記どどう

 ・金曜日、関東ではエライ強風でしたが、みなさんのお近くでは大丈夫だった
  でしょうか。桜は傷の修復力が弱いそうですが(↑井の頭自然文化園の記事
  をどうぞ)、上野では早咲きのオオカンザクラが、枝折れどころか、根元か
  ら倒れてしまったとのこと。

 ・http://www.tokyo-zoo.net/movie/ ム、ムービー! クリック、プリーズ。
                                 (大平)

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メールマガジン ZooExpress No.481 - 2010年04月02日
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