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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.463 - 2009年12月04日
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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」
・あなただけにこっそり教える新作動画への直リンク。
→ http://www.tokyo-zoo.net/movie/
・東京動物園友の会に入会しませんか? 年会費は、 2,000円。機関誌「どうぶ
つと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジットカー
ド&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/
■目次■----------------------------------------------------------------
・東京ズーネットBB
└─動物たちをビデオで見よう! 11月も6点大公開!
・上野動物園
├─アジアゾウ「アーシャー」の近況
├─コビトカバ「コウメ」搬出大作戦!
├─マカロニペンギン全個体、下関へ出発
├─特別支援学校への「出前動物園」
└─上野のコモドオオトカゲ、シンガポールで孵化!
・多摩動物公園
├─指先にのる巨大(?)なキリギリス、オオコノハギス
└─12月の観察デーは、アカカンガルーを観察
・葛西臨海水族園
└─南の海からきた死滅回遊魚
・井の頭自然文化園
├─「冬の虫」コーナーがオープンしました!
├─ラクウショウの実にご注意
└─落ち葉をさがそう!
・書籍紹介──矢野亮『カワセミの子育て
──自然教育園での繁殖生態と保護飼育』
■東京ズーネットBB■====================================================
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▼動物たちをビデオで見よう! 11月も6点大公開!
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「東京ズーネットBB」は、動画でおつたえする動物園ニュース。「東京ズー
ネット」 http://www.tokyo-zoo.net/ のトップページから 「TokyoZooNetBB」
をクリックしてください。
◎うごく!どうぶつ図鑑
【ニシローランドゴリラ「モモコ」第2子出産】─────────────
上野動物園のニシローランドゴリラ「モモコ」が第2子となるメスを出産。
繊細なゴリラの繁殖は簡単ではありません。国内では6年9か月ぶりの繁殖。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0911_01/index.html
【父親ゴリラ「ハオコ」の近況】────────────────────
上野動物園で生まれたゴリラの父親は、オーストラリアから来た「ハオコ」。
母子への関心は強く、モモコと赤ちゃんのようすを見つめていることも。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0911_02/index.html
【アムールトラ「リング」登場】────────────────────
2009年10月、釧路市動物園から多摩動物公園にアムールトラのオス「リン
グ」が来園。屋外放飼場にもデビューしました!
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0911_03/index.html
【ケープペンギン生まれました】────────────────────
上野動物園でケープペンギン6ペアが2009年9月から産卵。10月に孵化。
ひなは順調に育っています。ひなは灰褐色の羽毛に覆われています。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0911_04/index.html
【リュウキュウガモのひな成長中】───────────────────
上野動物園でリュウキュウガモのひなが孵化。11月にお客さんから見える
ところに登場。外見はすでに成鳥にそっくりです。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0911_05/index.html
◎動物園よりおしらせ
【スラウェシメガネザルの介添哺乳】──────────────────
上野動物園でスラウェシメガネザルが誕生。体重の増加が芳しくなく、飼
育係が介添哺乳をすることにしました。そのようすをビデオでご紹介します。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/information/0911_01/index.html
※「東京ズーネット」のモバイルサイトでも、動画を公開しています(約30
秒)。動画再生対応機種でごらんください。アクセス先は、パソコン版と
同じく、 http://www.tokyo-zoo.net/ です!
■上野動物園■==========================================================
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▼アジアゾウ「アーシャー」の近況
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上野動物園のアジアゾウ「アーシャー」(メス、1984年9月20日にインドか
ら来園、推定32歳)は、2009年10月5日、愛知県の豊橋総合動植物に移動しま
した。繁殖のための貸借契約(ブリーディングローン)による移動です。出発
と到着のようすは、下記ニュースをごらんください。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=12736
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=12850
豊橋から届いた最新ニュースをお伝えしましょう!
到着後のアーシャーは、施設や環境に慣れる練習をしていましたが、予想以
上に慣れるのが早く、11月2日には柵ごしにオスの「ダーナ」とお見合いをし
ました。お見合い当日、午前中は2頭ともおちついていて、ときどき匂いをか
ぎあったり、寄りそったりしていたそうです。午後になると、柵ごしにもかか
わらず、ダーナがマウント(交尾のためにオスがメスに乗るような体勢をとる
こと)しそうなほどいい雰囲気だったとのこと。
このような状態を約2週間続けた後、11月16日、アーシャーとダーナを同じ
放飼場に出しました。アーシャーはダーナにお尻を向け、マウントを許容する
行動も見られたそうです。午前10時から午後2時まで同居させたところ、残念
ながら交尾には至りませんでしたが、マウントは13回見られました。写真はこ
ちら↓のニュースページをごらんください。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=13140
室内に入れるためにゾウ舎の扉を開けると、少し疲れたようすのダーナは、
さっそく寝室に入って行き、アーシャーの方が名残惜しそうにしていたとのこ
とです。
アーシャーのこれまでの発情周期からすると、次の発情は12月中と予想され
ます。この調子でダーナとなかよく過ごし、よい知らせにつながることを期待
しています。
〔上野動物園東園飼育展示係 藤本卓也〕
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▼コビトカバ「コウメ」搬出大作戦!
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下記ニュースでお知らせしたとおり、上野動物園のコビトカバのメス「コウ
メ」(2006年1月28日生まれ)が、2009年11月30日、名古屋市東山動植物園に
旅立ちました。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=13096
動物の移動には「輸送箱」を使いますが、動物たちにとって突然箱に閉じこ
められるのはとても怖いこと……。そこで、コウメへのストレスをなるべく少
なくするために、移動の2か月ほど前から、輸送箱に慣らすための「コウメ搬
出大作戦!」に着手しました。
最初は、輸送箱の手前で餌を食べる練習です。コウメはとくに怖がるようす
もなく、あっさりとクリア。続いて輸送箱の中で餌を食べる練習に入りました
が、好奇心旺盛なコウメも、さすがに少し怖がっているようす……。前足で輸
送箱にちょっと触れては離れることを繰り返していました。
しかし、輸送箱への恐怖心がうすれてくると、旺盛な食欲はもう止められま
せん。短い首を一生懸命伸ばして箱の中の餌を食べていたかと思うと、あれよ
あれよという間に体のほとんどを輸送箱の中に入れ、平気で餌を食べるように
なりました。
最終的にコウメはすっかり恐怖心がなくなったようで、移動の2週間ほど前
には、輸送箱の中にすっぽりと入って眠るようにまでなりました。写真は東京
ズーネットのニュースページ↓をごらんください。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=13139
コウメが寝ているあいだに輸送箱の扉を閉められるかも……などと考えてい
ましたが、やはりそう簡単にはいきません。移動の3日前からコウメはなんだ
かそわそわして落ち着きがなくなり、輸送箱の中で眠ることも少なくなってし
まったのです。きっと、コウメに対する私たちの接し方にも変化が生じていた
のでしょう。コウメは、私たちにもわからない、そうした小さな変化を読み取
り、何かを察していたのだと思います。
移動当日は、ふだん寝ている時間なのにコウメは部屋の中をウロウロ。いろ
いろ試してはみたのですが、最終的には板で追って輸送箱へと誘導することに
なりました。大きなストレスがかかってしまうことを心配しましたが、とくに
暴れることもなく、最後はコウメみずから輸送箱の中に小走りで入ってくれま
した。
その後、トラックの荷台に積まれたコウメは、約6時間かけて、名古屋市の
東山動植物園に到着。新居にもすぐに慣れたようで、その日の夕方にはのんび
りとプールを泳ぎ回っていたそうです。これで私もホッと一安心。好奇心旺盛
なコウメは、新しい環境でもきっと元気にくらしてくれることでしょう。
〔上野動物園西園飼育展示係 山本達也〕
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▼マカロニペンギン全個体、下関へ出発
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2009年12月現在、日本動物園水族館協会に加盟する動物園や水族館のうち、
マカロニペンギンを飼育しているのは9施設。計27羽が飼われています。
しかし、日本国内のマカロニペンギンは高齢化が進み、産卵数も減少したう
え、無精卵も多く見られるようになってしまいました。また、各施設での飼育
数が少なく、雌雄の繁殖のタイミングが一致しづらくなっています。
ペンギンは群れでくらす鳥類です。アメリカでは6羽以上の群れで飼育する
ことが推奨されていますが、日本国内でマカロニペンギンを6羽以上飼育して
いるのは、これまで宮城県のマリンピア松島水族館だけでした。そこで、国内
のマカロニペンギンを集め、大きな群れをつくって、雌雄の繁殖のタイミング
を一致させることにしました(同居させることで、繁殖に関する雌雄の行動や
生理的変化が一致するようになります)。
2009年12月4日、上野動物園から全個体(オス2羽、メス1羽)、および、
千葉県鴨川市の鴨川シーワールドの全個体(オス1羽)を、山口県の下関市立
しものせき水族館(海響館)に移動させました(搬出時のようすは、こちらの
ニュースページ↓をごらんください)。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=13138
海響館ではマカロニペンギンを4羽(オス3羽、メス1羽)飼育していたた
め、上野と鴨川からの個体が加わると合計8羽、国内最大のマカロニペンギン
の群れとなります。
海響館では、新しいペンギン飼育施設「ペンギン村」が2010年3月1日にオ
ープンします。「ペンギン村」は、亜南極圏のペンギンを健康に飼育するため
の冷房施設を備えています。あたらしい群れでの繁殖が期待されます。
〔上野動物園調整係 大賀幹夫〕
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▼特別支援学校への「出前動物園」
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上野動物園の子ども動物園は、都立北特別支援学校から比較的障害の軽い子
どもたちを受け入れ、「職場体験」の機会を提供しています。子どもたちは、
ほうきやチリトリ、ホースや熊手などを使って動物舎の清掃をしたり、餌の準
備をしたり、動物園での仕事を実際に体験します。3年前からおこなっていま
すが、担当の先生のお話によれば、「緊張していた子どもたちも、仕事を終え
た後、とてもよい顔をしています」とのことです。
しかし、同校には子ども動物園を訪れることのできない、障害の重い子ども
たちがたくさんいます。そうした子どもたちのために、「特別授業として『出
前動物園』ができませんか」と相談を受け、2009年10月23日、子ども動物園の
スタッフが動物たちとともに都立北特別支援学校に出かけました。
当日、校舎の中庭に30人ほどの子どもたちがベッドや車イスに乗って、円陣
を組んで待っていてくれました。われわれスタッフも、ハツカネズミ、モルモ
ット、ヒヨコ、フクロウを手に取り、動物とのふれあいを体験してもらいまし
た。
この日の学校の目標は「動物に親しもう」、そして「動物の生命の躍動感を
感じ、大切さを学ぼう!」です。実施時間は約30分と短かったのですが、子ど
もたちには笑顔が見えました。
後日、先生から報告書をいただきました。一部をご紹介します。
「今までただ見るだけだった動物に実際に触れるという体験を通じて、『怖い
な』『大丈夫かな』とドキドキしたり、『触れた!』『できた!』と喜んだり
といろいろな感情をもつことができたようで貴重な経験となった」
「今回は、とても良い機会だった。生徒達もおおいに楽しんでいた。動物と触
れ合うことで、心身に様々な好影響があると言われているので、できるだけこ
のような機会があるといいです」
「なかなか、障害をもつ生徒達にとって、動物園まで足を運んだり、実際に動
物に触れるということは、移動が困難であったり、機会がないというのが現実
です。今回の企画は、非常に貴重でありがたいものです。本校の生徒達だけで
なく、なかなか動物園に行けなく楽しさを味わえないたくさんの子供達がいま
す。是非、『出前動物園』の可能性も広げていってくださるとうれしいです」
とてもうれしい報告書でした。このような活動も、「子ども動物園」の重要
なものだと再確認しました。これからも要望があれば、できるかぎり「出前動
物園」で動物たちの命のぬくもりを届けに行きたいと考えています。
〔上野動物園子ども動物園係長 高藤彰〕
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▼上野のコモドオオトカゲ、シンガポールで孵化!
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上野動物園は2008年4月、繁殖のためにコモドオオトカゲのメス「ヨーコ」
をシンガポール動物園に貸し出しました。そのヨーコが交尾し、今年(2009年)
の1月に19個の卵を産んだことは、下記のニュースでお知らせしました。
・上から、「シンガポールへ出発」「交尾」「産卵」のニュース
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=8770
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=10574
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=10793
産卵状況や卵の状態などについて、シンガポール動物からたびたび報告を受
けていましたが、大部分の卵の発生状況はかんばしくなく、繁殖が成功するま
でまだまだ時間がかかるかもしれないと思っていました。
ところが、2009年11月14日、ひとつの卵(産卵は4月)が無事孵化したとい
う驚きの知らせがありました。そして、Eメールに添付されていた写真には、
まさに孵化したばかりの幼体が、卵の殻のそばで休んでいるようすが写ってい
たのです。卵殻の大きさから判断すると、全長は40センチ前後(半分は尾の長
さ)でしょう。写真はこちら↓のニュースページをごらんください。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=13136
オオトカゲのなかまは、幼体の方が成体よりも派手な色や模様をしているの
が一般的です。コモドオオトカゲの幼体も、頭部以外の全身に黄色い水玉模様
があり、親とはまったくちがう色合いをしています。顔つきも、毎日見ていた
「ヨーコ」を思い出すと、ずいぶんあどけない感じで、本当にこれがコモドオ
オトカゲなのかと疑ってしまうほどです。
野生のコモドオオトカゲは、幼体のときは樹上でくらすのですが、これは地
上にいる親のコモドオオトカゲに食べられてしまわないようにするためと言わ
れています。動物園生まれの彼(彼女?)にはそんな心配はいりませんが、体
重が増えるまでのしばらくの間、野生の本能にしたがって、巧みな木登りを披
露してくれることでしょう。
今回孵化した個体と同時に産み出された他の卵は、残念ながら発生が見られ
ないようです。しかし、11月にも「ヨーコ」は14個の卵を産んでいます。もし
かすると半年後、この卵から水玉模様の幼体がひょっこりと姿を見せてくれる
かもしれません。
〔上野動物園は虫類飼育展示係 坂田修一〕
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▼ゴリラの赤ちゃん、名前を募集します!(12月5日~13日)
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下記ニュースでお知らせしたとおり、2009年11月14日、上野動物園でニシロ
ーランドゴリラの「モモコ」が、赤ちゃんを産みました。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=12970
誕生直後の動画ニュースもごらんください。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0911_01/index.html
赤ちゃんの成長を願い、下記日程でニシローランド赤ちゃんの名前を募集し
ます! 名前は、5つの候補から選んでください。名前候補は、ゴリラの繁殖
に協力して取り組んでいる千葉市動物公園と上野動物園、2つの動物園の飼育
係が考えました。
名前の候補は下記の5つです。「ハーモニー」「モモハ」「モモカ」「コモ
モ」「モモ」。
募集は2009年12月5日(土)~12月13日(日)の開園時間中、上野動物園と
千葉市動物公園の園内にて。くわしくはこちら↓をごらんください。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=13110
■多摩動物公園■========================================================
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▼指先にのる巨大(?)なキリギリス、オオコノハギス
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オオコノハギスという昆虫をごぞんじでしょうか? メールマガジンの No.
357 でご紹介した巨大なキリギリスのなかまです(ニュースページはこちら↓)
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=8155
今年(2009年)の夏も、多摩動物公園の昆虫園では、擬態をテーマとしたコ
ーナーでオオコノハギスの成虫を展示しました。メールマガジンNo.446でご紹
介したコノハムシのとなりに、この大きなキリギリスがいたのです(ニュース
ページはこちら↓)。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=12314
秋になってオオコノハギス成虫は寿命を迎え、展示は終了してしまいました
が、その子どもたちが裏側の飼育室ですくすくと育っています。
でも、まだまだ体が小さくて、とても「オオコノハ」とは言えません(写真
はニュースページ↓をごらんください)。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=13135
大きくなって展示できるようになるまで、今しばらくお待ちください。
〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 野村友宏〕
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▼12月の観察デーは、アカカンガルーを観察
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毎月第3土曜日に開催している多摩動物公園の「観察デー」。動物解説員と
ともに、動物をじっくり観察します。
今月の観察デーは、2009年12月19日(土)です。
10時から「観察シートで動物観察」をおこないます。観察する動物は、アカ
カンガルー。カンガルーは、お腹の袋の中で子育てをする有袋類として、みな
さんもよくごぞんじのことと思います。しかし、「知っている」と思っていて
も、カンガルーは見れば見るほどふしぎさが伝わってくる動物です。
今回は、朝の食事から休息に入るころまでのようすを観察します。「からだ
シート」「しぐさシート」を手がかりに、アカカンガルーのふしぎさを実感し
てみませんか。
参加ご希望の方は、午前10時にアカカンガルー展示場前にお越しください。
動物解説員のサポート時間は、1時間くらいです。(観察デーと観察シートに
ついて詳しく知りたい方は、こちら↓をご覧ください。)
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=11310
また、午後3時30分から、「観察シート・ミーティングタイム」を開催しま
す。記録済みの観察シート(5月以降の分)を見せていただいた方には、枚数
分の「たまZOOシール」を差し上げます。 観察についてのご質問にもお答えし
ます。参加ご希望の方は、ウォッチングセンターの観察シート配布コーナーに
お立ち寄りください。
■葛西臨海水族園■======================================================
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▼南の海からきた死滅回遊魚
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関東周辺の沿岸では、夏から秋にかけて、サンゴ礁に生息しているスズメダ
イやチョウチョウウオなどの幼魚が見られます。でも、この魚たちの親を見る
ことはありません。なぜでしょうか?
この魚たちの親は、もともとの生活場所である南の海で卵を産みます。卵や、
孵化した後の子どもたちは、泳ぐことなく、潮の流れや波にのり、浮遊生活を
送ります。その一部は、日本列島を北上する「黒潮」という暖かい海流に乗っ
て流されます。
黒潮の流れは、蛇行したり枝分かれしたりとさまざまで、伊豆諸島や本州へ
の流れを作ります。そして子どもたちは、流れ着いた場所で新しい生活を始め
ます。しかし、冬になるとその姿は見えなくなってしまいます。
この魚たち、もともとは暖かい海の生き物なので、関東沿岸では冬の低い水
温に耐えられず、死んでしまうのです。このような魚を「死滅回遊魚」といい
ます。これは、少しでも多く子孫を残すための、魚たちの生き残り戦略のひと
つなのです。
冬になると死んでしまうのに?と思うかもしれませんが、今後温暖化が進ん
で水温が上がれば、冬でも生き残る魚がいるかもしれません。そうなれば、子
どもたちを広い範囲に分散させることで、分布域を拡大させることができるの
です。
しかし、この魚たちが自然の海で冬を越せるようになったとすると、それは
温暖化が進んでいるという地球からの危険信号ともとらえられます。
葛西臨海水族園では、東京の海エリアにある「渚」水槽で、死滅回遊魚の展
示をおこなっています。そっとのぞくと、真っ青なソラスズメダイや、黄色が
鮮やかなトゲチョウチョウウオが見られます。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 鈴木聡子〕
■井の頭自然文化園■====================================================
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▼「冬の虫」コーナーがオープンしました!
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夏のあいだ、来園者のみなさんから人気だった井の頭自然文化園のカブトム
シコーナーが、ガラリと展示を変え、「冬の虫」コーナーとしてオープンしま
した(カブトムシコーナーのニュースはこちら↓)。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=12071
展示ケースをチラリと見て「何にも入っていない~」と通り過ぎてしまわず
に、もう少し顔を近づけて、木の枝や落ち葉の中、土の中などをよく探してみ
てくださいね。活発に動いているわけではありませんが、さまざまな場所にさ
まざまな虫たちの姿を見ることができます。
枝の先に枯葉のようにぶら下がるミノムシ、園内でもよく目にするハラビロ
カマキリの卵、落ち葉の裏でじっと過ごしているアカスジキンカメムシの幼虫、
土の中には夏に展示した文化園産カブトムシの子孫となる幼虫など、12種類の
昆虫を展示しています。写真はこちら↓のニュースページをごらんください。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=13133
寒くて餌も少ない冬。越冬する状態は種類によって異なります。卵、幼虫、
蛹、成虫──それぞれの姿で越冬している虫たちをごらんください。
冬はこれからが本番。暖かい春を静かに待つ虫たちを目にすれば、「春にな
ったら会おうね!」と思わず声をかけたくなるはずです。
〔井の頭自然文化園教育普及係 高松美香〕
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▼ラクウショウの実にご注意
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井の頭自然文化園分園の景色を代表するものに、ラクウショウとメタセコイ
アの大木があります。これらの木は杉に近いなかまなのですが、秋になると紅
葉し、葉を落とします。紅葉はきれいなのですが、大きい木がたくさん生えて
いるので、落ちてくる葉の量も半端ではありません。この時期の“清掃担当者
泣かせ”の木です。
いっしょにたくさん落ちてくる丸い実がラクウショウの実です。写真は下記
ニュースページをごらんください。この時期にはラクウショウの実だけが落ち
てきます。メタセコイアの実はまたその季節になったらご紹介しましょう。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=13132
ラクウショウの丸い実はたくさん落ちていて目立つので、よく小さいお子さ
んが面白がって拾っています。でも、お子さんといっしょの方はちょっとご注
意を……。ラクウショウの実にはたくさんの油が含まれています。これが指に
べったりつくのです。「拾うな」とは申しませんが、遊んでいるときとその後
は注意して見てあげてください。また、ラクウショウの実は時間がたつと自然
にばらばらに割れてしまいますので、持って帰ってもリースや飾りには使えな
いと思います。
この時期、水生物館のまわりの水路に油が浮いているときがあります。これ
は、水に落ちたラクウショウの実から油が流れ出ているのです。「油が投げ込
まれている」わけではありません。お間違えなく。
〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係長 浅井ミノル〕
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▼落ち葉をさがそう!
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先週もお知らせしましたが、井の頭自然文化園の紅葉は今が見頃。色とりど
りの落ち葉が、風でハラハラと舞い落ちる美しいようすを楽しむことができま
す(先週のお知らせはこちら↓)。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=13090
いろいろな種類の落ち葉をさがしてみるのも楽しいでしょう。子どもたちに
大人気だったホオノキの大きな葉っぱは、ほとんど散ってしまいましたが、イ
ロハモミジやトウカエデなど、おもしろい形の葉っぱや、クヌギの細長い葉っ
ぱ、赤や黄色が美しいサクラの葉っぱなどを見つけることができるでしょう。
井の頭自然文化園の正門を入ってすぐのところで、園内の落ち葉をビンや袋
に入れて名前を紹介しています。いろいろな形、いろいろな色の落ち葉をさが
してみましょう。
■ B O O K S ■=========================================================
『カワセミの子育て──自然教育園での繁殖生態と保護飼育』
矢野亮、地人書館、2009年11月01日刊、本体2,600円
ISBN978-4-8052-0814-4
カワセミの魅力にとりつかれ、その観察や保護に尽力してきた矢野亮さんに
よる『帰ってきたカワセミ──都心での子育て プロポーズから巣立ちまで』
(1996年、地人書館)の続編ともいうべき著書。
カワセミに出会った1988年以来、著者は勤務先である国立科学博物館附属自
然教育園でカワセミの研究や保護、教育普及活動に取り組んできました(2008
年定年退職、現在名誉研究員)。
観察小屋を建て、記録用のビデオを設置し、テープを再生してつぶさに観察。
1995年の場合、ビデオでは撮影できない早朝と夕方は、早朝3時30分に起床し
て自然教育園に出勤。ビデオ撮影が可能となる午前5時30分ごろ帰宅し、8時
30分ごろ再度出勤。日没後の午後5時から9時ごろは観察小屋。
こうして得られた貴重な観察にもとづき、雌雄交替による抱卵、育雛、給餌、
巣立ちなど、具体的なデータとともにカワセミの生態が明らかにされていきま
す。さらに著者は、親のいなくなったひなを保護飼育するという大変な仕事に
取りくみ、放鳥にまで成功しています。
園内の池で2000年にはブルーギル、2001年にはブラックバスを確認。これら
の魚はカワセミの餌を捕食してしまうため、著者は捕獲作戦を実行します。つ
いには浚渫工事を敢行し、外来魚を根絶させたのでした。
巣内を観察するために赤外線ランプを使った撮影装置を設置して7年後(!)、
ついに営巣を確認し、繁殖したひなの撮影に成功。自然教育園ではそのようす
をモニターカメラに映し出して公開し、話題を呼びました。
カワセミの貴重な生態を解明した本ですが、読後、著者のカワセミへの情熱
が印象に残ります。巻頭写真(撮影:古橋純一)も必見。
・地人書館 http://www.chijinshokan.co.jp/ の書籍紹介ページ
http://www.chijinshokan.co.jp/Books/ISBN978-4-8052-0814-4.htm
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N E W S C L I P S
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●モラスコむぎのクリスマス水槽
http://mollusco.blog.shinobi.jp/Entry/94/
●長崎バイオパーク、 カピバラの露天風呂スタート(動画あり)
http://www.biopark.co.jp/staff/2009/12/post_382.html
●広島市安佐動物公園がオオサンショウウオをスミソニアン国立動物園に寄贈
http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009120301000477.html
●ヨーロッパ動物園水族館協会の雑誌「EAZA News」が「ZOOQUARIA」に改称
http://www.eaza.net/News/EAZA_Magazine/Pages/Magazine.aspx
●千歳サケのふるさと館、サケのメスを淡水飼育で成熟させ、受精卵を得る
1996年に標津サーモン科学館が世界で初めて成功。今回が2例め。
http://sakefuru-hitorigoto.seesaa.net/article/134727898.html
●岩手県の漁港に打ち上げられたクジラ、希少なハッブスオウギハクジラか
2009年11月12日に打ち上げられ、発見時には死亡していた個体。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20091129_1 (岩手日報)
●NHK総合、特報首都圏で「ゴリラのモモコ出産物語」(仮題)
2009年12月11日(金)、19:30-19:55放映予定。
http://www.nhk.or.jp/shutoken/program/b-det0002.html
●カナダのサン・フェリシアン動物園でホッキョクグマ双子誕生
http://www.montrealgazette.com/travel/technology/2302936/story.html
●米スミソニアン国立動物園、ジャイアントパンダを中国に返却予定(朝日)
契約満了。延長はない見通し。
http://www.asahi.com/international/update/1204/TKY200912040390.html
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タか!とお嘆きのアナタに「日月出没計算サービス」。東京だと北緯35度40
分、東経139度46分ぐらいでどーぞ。
http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOHO/automail/sun_form3.htm
・編集後記と書いて「たわごと」。えぇ、そんなもんです。 (大平)
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