上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園──都立動物園・水族園の公式サイト

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 Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.417 - 2009年01月30日

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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」

・ハイラックスの背中がッ!

・東京動物園友の会に入会しませんか? 年会費は、 2,000円。機関誌「どうぶ
 ぶつと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジットカ
 ード&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/

■目次■----------------------------------------------------------------

 ・東京ズーネット
   └─2009年最初の動画6点、お見逃しなく!

 ・上野動物園
   ├─ケープハイラックスのふしぎな行動
   ├─「大人のための1日飼育体験」参加者募集
   └─「国際生物学オリンピック」プレイベント第1弾

 ・多摩動物公園
   ├─ペリカン池の迷惑鳥、アオサギ
   ├─俳句上位入賞作品16句を園内に掲示しました!
   ├─アフリカゾウ「アイ」の旅立ちを祝う会
   ├─第2回「サイエンズーカフェ」参加者募集
   ├─開園50周年「月間動物」2月は「日本固有の動物」
   └─「初心者野鳥観察会」参加者募集

 ・葛西臨海水族園
   ├─こんにちは、赤ちゃん! フェアリーペンギン編
   ├─国際カエル年イベント「カエルフィギュア教室」参加者募集
   ├─バレンタインデー企画!「恋シート」と「恋フォト」
   └─「季節のスタンプ」を集めてみませんか?

 ・井の頭自然文化園
   ├─ミズグモの結婚用の部屋
   ├─井の頭池の水鳥の数を調査しました
   ├─水生物館特設展
   │  「買った生き物を逃がさないで 飼った生き物も逃がさないで」
   └─「大人のためのゆったりガイドツアー」参加者募集

 ・書籍紹介──上野吉一『キリンが笑う動物園──環境エンリッチメント入門』

■東京ズーネットBB■====================================================

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 ▼2009年最初の動画6点、お見逃しなく!
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  「東京ズーネットBB」は、動画でおつたえする動物園ニュース。「東京ズー
 ネット」 http://www.tokyo-zoo.net/ のトップページから、「TokyoZooNetBB」
 をクリックしてください。

 ◎うごく!どうぶつ図鑑

 【スローロリスの餌タイム】──────────────────────

   上野動物園のスローロリスの餌箱は透明のアクリル板製。ここに餌を入れ
  ると……。独特な動きの食事風景をごらんください。

 【ミツクリザメ展示!】────────────────────────

   葛西臨海水族園にやってきたミツクリザメ。古代に生息していたサメの特
  徴を残し、「生きた化石」とも呼ばれています。

 【「日本の鳥」の餌箱】────────────────────────

   上野動物園の「日本の鳥」では、アクリル板で作った餌箱を展示室の観覧
  スペース側に設置しています。餌を懸命に探す鳥の行動が見られます。

 【スッポンモドキとアロワナ同居】───────────────────

   上野動物園の両生爬虫類館でスッポンモドキとアロワナの同居展示を開始。
  スッポンモドキの独特な形態と遊泳のようすをごらんください。

 【葛西臨海水族園のハナイカ】─────────────────────

   葛西臨海水族園のハナイカは、花のように鮮やかな色彩をもつイカ。外敵
  が近づいてきたり、餌を捕食したりするときに、体色が変化します。

 ◎動物園よりおしらせ

 【アムールトラとユキヒョウに遊具をプレゼント】────────────

   多摩動物公園でユキヒョウとアムールトラに遊具をプレゼント。干草を詰
  めた麻袋を放飼場に投げ入れると、どんな反応を見せたでしょう……?

 ※「東京ズーネット」のモバイルサイトでも、動画を公開しています(約30
  秒)。動画再生対応機種でごらんください。アクセス先は、パソコン版と
  同じく、 http://www.tokyo-zoo.net/  です!

■上野動物園■==========================================================

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 ▼ケープハイラックスのふしぎな行動
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  上野動物園西園の小獣館では、ケープハイラックスの雌雄ペア、そして、そ
 のあいだに生まれたメス、計3頭を飼育しています。2009年1月16日、ちょっ
 と早い繁殖期に入りました。

  繁殖期に入ったといっても、気があるのはオス親だけ。オス親はメス親に対
 して、「危ないことはしないから……」とでもいうように、お尻から近づいて
 いくのですが、メス親にはまだその気がないらしく、オスが後ろから乗りかか
 って交尾姿勢をとると激しく威嚇してきます。

  威嚇されてもオスは引かないため、最終的にはメスを追いかけまわしてしま
 います。激しいときは娘も巻き込み、オス親VSメス親&娘という構図になり、
 最後にはオス親があきらめます。

  今年もオス親がメス親を追いかけ始めたな、と思いながら、小獣館の昼の巡
 回をしていたときです。目に飛び込んで来たのはオス親の背中でした。「オス
 の背中が盛り上がって、しかもハゲてるっ!!」。たまに興奮しすぎることがあ
 るので、あのするどい牙でおたがいにケガでもしないかと心配になるのですが、
 このときは、「ついにメスの逆襲に合い、背中にケガを負ってしまったか?!」
 と思いました。

  しかし、見ていると、毛のないところのまわりの毛が立ったり寝たり、動い
 ています。他の飼育係に尋ねても、「そんな行動は見たことがない」との返事
 でした。調べてみると、ケープハイラックスの背中には臭腺という特別な臭い
 を出す穴があり、毛を立てて臭腺を露出させることによって、臭いによる重要
 なコミュニケーションをとるようです。ケガではなくて一安心しました。

  毛が立つのは、興奮している10秒間程度。頻度が高いときには、これが約5
 分おきに起こります。

  よく観察すると、背中の一部に毛がないことがわかりますが、ふだんはまわ
 りの毛によって隠されています。毛が立つと臭腺が露出するのですが、毛が寝
 てしまうと、いつもどおりのようすです。

  繁殖期を迎えた今、その臭腺から黄色い液が出ています。おそらくこの液の
 臭いがオスの発情のサインで、メスがこの臭いに気づいて応えると、交尾が見
 られるものと思います。

  このぎこちないドタバタ騒ぎの中でケガをするのではないかと、今はハラハ
 ラしながら見守っているのですが、この時期をうまく越えれば、今年の秋ごろ
 には赤ちゃんを見られることでしょう。赤ちゃんの誕生を期待して、今後もケ
 ープハイラックスの観察を続けるつもりです。

  なお、私のいちばんの関心は、オスの背中の臭いです……。一度はぜひとも
 嗅いでみたいと思っています。
                     〔上野動物園飼育展示係 藤岡紘〕

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 ▼「大人のための1日飼育体験」参加者募集
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  毎年大人気の「大人のための1日飼育体験」を2009年2月22日(日)と2月24
 日(火)に開催。締切は2009年2月10日消印有効。くわしくはこちらをどうぞ↓
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10840

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 ▼「国際生物学オリンピック」プレイベント第1弾
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  2009年7月に「国際生物学オリンピック」の国際大会が日本で開催されます。
 そのプレイベントを上野動物園で開催。第1弾は「進化をテーマにしたスタン
 プラリー」。2009年2月11日(水・祝)~15日(日)開催。くわしくはこちら↓
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10839

■多摩動物公園■========================================================

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 ▼ペリカン池の迷惑鳥、アオサギ
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  ペリカン池には、モモイロペリカンとコシベニペリカンがくらしています。
 しかし、ここにはもう一種類、鳥がやってきます。それは、アオサギです。

  アオサギは全長90~98センチ、翼開長175~195センチ。人間のおとなが両腕
 を広げた幅よりも大きく、日本産サギ類では最大です。

  多摩動物公園の園内にあるアオサギの巣は推定約100個、約200羽のアオサギ
 が住んでいる見積もられています。今の時期は、林の木々が葉を落としており、
 アオサギの巣がよく見えます。ちなみに、巣がよく見える場所はモウコノウマ
 展示場からサル山、そしてアフリカ園食堂までの一帯で、山の木々にたくさん
 営巣されています。

  本来アオサギは、川の浅瀬や干潟、水田など、浅い水域で魚やエビ、カニ、
 カエルなどを捕まえて食べています。しかし、園内に住んでいるアオサギは、
 いつでも手っ取り早く手に入る餌、つまり、ペリカンに与えているアジを狙っ
 て、毎日ペリカン池に集まってきます。

  ペリカン池は、深いところで水深約55センチあります。脚の長いアオサギに
 とって、池の底に沈んだアジを食べるのは難しそうですが、慣れとは恐ろしい
 もので、器用にアジを持っていってしまいます。

  今はアオサギの繁殖期なので、集まってくる数も少なくありません。午後2
 時、ペリカンの餌の時間が近づくと、サバンナ内のケヤキの枝にアオサギがた
 くさん止まっています。

  アオサギも飼育係とお客さんとの区別がつくらしく、飼育係がペリカンにア
 ジを与えているあいだは遠くの木の上からこちらのようすをうかがっています
 が、私たちが立ち去ると、ペリカン池を目指していっせいに降りてきます。

  ペリカンとアオサギのあいだには特にトラブルは見られませんが、アジを横
 取りするアオサギは、私たちにとってあまり嬉しい存在ではありません。でも、
 来園するお客さんにとっては格好の被写体らしく、アオサギに向けてさかんに
 シャッターを切る音を耳にします。

  この時期、アオサギの数はさらに増えていきます。アジを横取りされないた
 めにも、飼育係vsアオサギとの攻防と駆け引きはしばらく続きそうです。

                 〔多摩動物公園北園飼育展示係 横田利明〕

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 ▼俳句上位入賞作品16句を園内に掲示しました!
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  下記ニュースでお知らせしたとおり、昨年(2008年)秋に募集した俳句投稿
 作品の選考がおおなわれ、入賞作品が決定しました。そのうち、推薦4句と特
 薦12句を園内に掲示しました。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10760

  掲示場所は、正門を入って左手にあるウォッチングセンターのエントランス
 ホールと、実際に句が読まれた(であろう)場所。

  ウォッチングセンターでは上位16句を一挙に掲示。作品をくらべながら、味
 わうことができます。動物舎など、句が詠まれたと考えられる場所での掲示は、
 臨場感とともに作品を鑑賞することができるでしょう。

  お知らせしたとおり、2009年2月7日(土)当日、表彰式の開催とともに、
 俳句大会を開催します。この当日の記念大会でも選考をおこない、推薦・特選
 に選ばれた計16作品は、同様の展示方法でみなさんにごらんいただく予定です。

  展示期間は2009年3月3日(火)まで。ふだん俳句になじみのない方も、動
 物を見ながら日本の文化にも親しめます。

                   〔多摩動物公園教育普及係 野口友子〕

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 ▼アフリカゾウ「アイ」の旅立ちを祝う会
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  アフリカゾウ繁殖計画のために群馬サファリパークに旅立つアフリカゾウの
 メス「アイ」。2009年2月14日(土)、「アイの旅立ちを祝う会」を開催↓
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10838

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 ▼第2回「サイエンズーカフェ」参加者募集
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  科学について動物園で語り合うサイエンズーカフェ。2009年2月21日(土)、
 第2回を開催します。事前申込締切は2009年2月10日消印有効。くわしくは↓
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10837

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 ▼開園50周年「月間動物」2月は「日本固有の動物」
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  多摩動物公園開園50周年を記念して毎月開催している「月間動物」イベント。
 2009年2月の月間動物は「日本固有の動物」です。イベント詳細はこちら↓
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10836

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 ▼「初心者野鳥観察会」参加者募集
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  2008年3月15日(日)、「初心者野鳥観察会」を開催します。園内の野鳥を
 観察してみませんか? 要申込。締切は2009年3月1日消印有効。くわしくは↓
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10835

■葛西臨海水族園■======================================================

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 ▼こんにちは、赤ちゃん! フェアリーペンギン編
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  葛西臨海水族園の「ペンギンの生態」で展示しているフェアリーペンギンに
 赤ちゃんが生まれています。孵化した直後は片手にのるほど小さかった赤ちゃ
 んですが、今はずいぶん大きくなって、両手で支えてもおしりがはみ出してし
 まうくらいになりました。むくむくした幼綿毛に包まれて、今が一番かわいら
 しい時期かもしれません。

  フェアリーペンギンは巣穴の中で子育てをします。赤ちゃんが小さいうちは
 自分で体温を保つことがむずかしいため、親は赤ちゃんのそばを離れません。
 羽の中に抱き込んであたためたり、半分消化した魚を吐き戻して与えたり、つ
 きっきりで面倒をみます。

  赤ちゃんが大きくなってくると、その旺盛な食欲にこたえるため、巣穴に赤
 ちゃんを残して、両親はそろって餌をとりにいくようになります。この赤ちゃ
 んも、年明けからひとりでお留守番をする時間がだんだん長くなってきました。

  おとなのフェアリーペンギンは虹彩が白いせいか、近くでみると意外と目つ
 きがするどく、精悍な顔立ちをしています。赤ちゃんもはじめは真っ黒でつぶ
 らな瞳でしたが、だんだん虹彩が白くなってきて、りりしさあふれる表情にな
 ってきました。
                  〔葛西臨海水族園飼育展示係 山口香子〕


 ・ニュース「こんにちは、赤ちゃん! フンボルトペンギン編」はこちら
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9214

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 ▼国際カエル年イベント「カエルフィギュア教室」参加者募集
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  リアルなニホンアカガエルの模型に着色すると、オリジナルのカエルが完成!
 「国際カエル年」のイベントです。2009年2月21日、3月7日、3月8日開催。
 要申込。締切は2月21日分が2月7日消印有効、他の2日分が2月21日消印有
 効。くわしくは、こちら↓をごらんください。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10834

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 ▼バレンタインデー企画!「恋シート」と「恋フォト」
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  2009年2月11日、14日、15日、バレンタインデーにちなんで、生物の「恋」
 (=繁殖)戦略に関するワークシート、名づけて「恋シート」をお配りします。
 また、2009年2月14日と15日は、「水族園で恋フォト♪」。スタッフがお二人
 を撮影し、オリジナルフォトフレームに入れてプリントします。くわしくは↓
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10833

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 ▼「季節のスタンプ」を集めてみませんか?
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  季節の行事などにちなんだ生き物を紹介するスタンプコーナーを設置します。
 2009年1月30日~2月3日は節分、2月9日~2月15日はバレンタインデー、
 2月26日~3月3日はひなまつり。くわしくはこちら↓をどうぞ。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10832

■井の頭自然文化園■====================================================

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 ▼ミズグモの結婚用の部屋
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  わかっているだけでも3万種以上が知られるクモの中で、ミズグモはただ1
 種、水中生活に適応して一生を水中で過ごすことができる変わったクモです。
 水中の水草などに糸を張りめぐらして、そこに空気の粒を水面から繰り返し持
 ち運んで、空気部屋(巣)を造ってくらしています。

  ふだんメスは自分で造った巣の中にとどまっていますが、オスは出歩いてい
 ることが多く、食事などの必要なとき以外にはあまり巣を利用しません。そし
 て、ふつうはオスとメスが同じ巣にいっしょにいることはありません。

  ヨーロッパのミズグモでは、メスの巣のとなりにオスが結婚用の巣(交尾控
 室)を造り、巣をつなげて交尾する、というとても興味深い行動が報告されて
 います。ぜひともそんな状況をこの目で見てみたいとずっと思っていますが、
 飼育を始めて3年以上にもなり、産卵は何度も観察しましたが、交尾行動を見
 たことはありませんし、ふたつ並んだオスメスの巣を見たこともありませんで
 した。

  そのかわり、メスが造った立派な巣(産卵用の巣)にオスが入り込んでいる
 ときがあります(写真は東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/  のニュ
 ースページをごらんください)。早ければ、その後1日~数日で産卵が始まり
 ます(上記ニュースページの写真をどうぞ)。このことから、雌雄の同居と産
 卵に何らかの関係があるのではないかと考えていますが、何をしているのか、
 どんな意味があるのかは今のところわかっていません。

  結婚用の巣(交尾控室)を造るほかのクモの場合では、成熟したオスが、成
 熟直前のメスの巣のすぐ隣に自分の巣(結婚用の部屋)を造り、交尾できるよ
 うになるのを待っています。日本のミズグモでも同じような状況が整えば、結
 婚用の部屋が観察できるかも知れません。うまく観察できたら、みなさんにも
 ぜひ紹介したいと思います。
              〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 荒井寛〕

  ※ミズグモ展示のきっかけとなったアニメーション映画「水グモもんもん」
   (2006年、宮崎駿監督作品)が、ふたたび井の頭自然文化園の近くにある
   三鷹の森ジブリ美術館 http://www.ghibli-museum.jp/ で上映されます。
   ミズグモが主人公の映画です。上映期間は2009年2月1日(日)から2月
   28日(土)、上映時間は毎時間15分、35分、55分、最終上映は17:35です。

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 ▼井の頭池の水鳥の数を調査しました
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  井の頭自然文化園では毎年1月、越冬のために井の頭池に来る野生の水鳥の
 数をカウントしています。手元の記録によれば1966年以来継続しています。今
 年(2009年)も1月13日朝に実施しました。飼育係職員が4班に分かれ、井の
 頭池のまわりを歩いて、カモをはじめとする水辺の鳥を探して記録しました。
 この結果は、こちらの表のとおりです。
  http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2009_01/waterfowl_inokashira.jpg

  カモのなかまの総数は、40年以上の記録の中でもっとも少ない225羽でした。

  2007年の冬から東京都環境局は、上野の不忍池を中心に「野鳥は自然のまま
 見守ってください!──エサやり防止キャンペーン」をおこなっています。井
 の頭池でも、鳥に餌を与えないよう呼びかける立札が設置されています。

  このお願いが功を奏し、私が見ている範囲でも、鳥に餌を与える人は少なく
 なっています。カモのなかまの飛来数が少ないというと、この「エサやり防止
 キャンペーン」が原因だとか、「地球温暖化が原因でカモが渡りをしなくなっ
 たのですか」という声が聞かれますが、過去の記録を見ると、年によって飛来
 数の増減があり、カモ類観察総数が 200羽台だったこともあります。

  また、この15年ほど、それまでほとんど見られなかったキンクロハジロ、ホ
 シハジロ、ハシビロガモが増えています。一方で、以前は 500羽近くも見られ
 たコガモが、この10年以上ほとんど記録されていません。40年のあいだに、池
 だけでなく、まわりの都市も大きく変化したはずです。

  こうした調査記録は、ある程度長い年月にわたる水鳥の増減の傾向を知るた
 めに貴重な資料になりそうです。

                〔井の頭自然文化園水生物館長 浅井ミノル〕

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 ▼水生物館特設展
  「買った生き物を逃がさないで 飼った生き物も逃がさないで」
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  購入した生物や飼育していた生物を野外に逃がすと、さまざまな問題を引き
 起こす可能性があります。生き物の購入や飼育に関してパネルで解説するとと
 もに、外来生物の展示をおこないます。会期は、2009年2月21日(土)~4月
 5日(日)。くわしくは、こちら↓をごらんください。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10831

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 ▼「大人のためのゆったりガイドツアー」参加者募集
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   動物解説員とともに園内でじっくり動物を観察するスペシャルガイドツア
 ー。2009年3月14日(土)開催。16歳以上。要申込。くわしくはこちら↓
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=10830

■ B O O K S ■=========================================================

 『キリンが笑う動物園──環境エンリッチメント入門』
  (岩波科学ライブラリー154)

            上野吉一、岩波書店、2009年01月27日刊、本体1,200円
                          ISBN978-4-00-007494-0

  近年の動物園にまつわる話題をコンパクトにまとめた本。副題ともなってい
 る「環境エンリッチメント」は、「動物がもつ本来の要求を少しでも多く満た
 してあげるための飼育管理技法」と定義されています。

  動物園の歴史を概観するとともに、生きた動物を見せる施設としての動物園
 における展示手法を、生態的展示や行動展示、ランドスケープイマージョンと
 いった観点から紹介。さらに、動物の福祉という課題のもと、著者は「環境エ
 ンリッチメントは、展示技法である前に飼育管理技法です」と明確化をはかっ
 ています。

  動物園での「研究」について触れた後は、動物に芸を仕込んで見せる「ショ
 -」との比較にもとづき、「ショーは単純に否定されるものではありません」
 と書き、何をどう見せるかについて明確な意図をもつことを重視。

  最後に、動物から人間が受け取るメッセージとして、知識だけでなく、出会
 いの感動、生息環境への思い、動物たちへの尊敬のまなざし、異なるものへの
 まなざしを挙げ、さらには、著者の勤める東山動物園では、「来園者自身がラ
 イフスタイルを見直すきっかけになる動物園」を目指していると書いています。

  動物園に関する知識の体系化にとりくんだ一冊。B6判、128ページ。

 ・岩波書店 http://www.iwanami.co.jp/ の書籍紹介ページ
   http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0074940/top.html

 ・毎日放送「情熱大陸」での著者プロフィール
   http://www.mbs.jp/jounetsu/2008/11_16.shtml

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▽本文中にしめしたリンクによって表示されるページには、ほかのページへの移
 動リンクが含まれていない場合があります。とくに東京ズーネットの「どうぶ
 つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
  http://www.tokyo-zoo.net/search/ から検索してください。

▽ズー・エクスプレスでは、みなさんからのおたよりを募集しています。匿名や
 ペンネーム希望の方はその旨をおつたえください。 webmaster@tokyo-zoo.net
 まで。ご意見・ご要望・お問い合わせもこのアドレスまでどうぞ。

▽メール配信先変更、配信停止は下記URLにてお願いいたします。配信先の変
 更をご希望の方は、いったん解除をおこない、あらためて新アドレスを登録し
 てください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/

▽編集後記

 ・動物園と関係ないですけど、先日Googleロゴがジャクソン・ポロックをモチ
  ーフにしたものになってました。その関連でこんなサイトを発見。
   http://www.jacksonpollock.org/  アクション・ペインティング風? クリ
  ックすると色が変わります。……仕事しよう。

 ・……も、もりだくさんで今週もゴー。              (大平)

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メールマガジン ZooExpress No.417 - 2009年01月30日
財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL  : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2008 Tokyo Zoological Park Society
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