上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園──都立動物園・水族園の公式サイト

東京動物園協会

  • どうぶつを知る
    • 東京ズーネットBB
    • どうぶつ図鑑
    • 鳴き声図鑑
    • どうぶつQ&A
    • 動物たちの横顔
  • 保全への取組
    • 生物多様性保全活動宣言
    • 野生生物保全センター
    • 保全と教育普及活動
    • 希少動物の飼育と保全
    • これまでの繁殖賞
    • 東京メダカMAP
    • 環境への配慮
    • 東京動物園協会 野生生物保全基金
    • ジャイアントパンダ保護サポート基金
    • 東京湾のトビハゼのいま
  • ジャイアントパンダ情報サイト「UENO-PANDA.JP」
  • 東京動物園友の会
  • TokyoZooShop
  • 年間パスポート
  • 上野動物園 サイン整備事業
  • ズーライブラリー蔵書検索
  • ボランティアについて
  • ご意見・ご要望

都立動物園マスタープラン (東京都サイトへ)


リストに戻る

========================================================================

 Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.404 - 2008年10月31日

========================================================================
・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」

・動画で空き缶回収を! 動画でマンクスロフタンを! 動画でフラミンゴのひ
 なを! 動画で……。ど……。続きはこちら↓
  http://www.tokyo-zoo.net/movie/index.html

・東京動物園友の会に入会しませんか? 年会費は、 2,000円。機関誌「どうぶ
 ぶつと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジットカ
 ード&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/

■目次■----------------------------------------------------------------

 ・東京ズーネットBB
   └─10月も充実の動画ラインナップ!

 ・上野動物園
   ├─高虎ウォークスタンプラリー、先着400名
   └─プリティ長嶋さんがAEDの寄贈に来園

 ・多摩動物公園
   ├─多摩生まれのトキ、佐渡へ
   ├─バクカバ?──マレーバク「リザ」「サコ」の近況
   ├─主食は竹なのに……レッサーパンダの花花
   └─11月の観察デーは、レッサーパンダを観察

 ・葛西臨海水族園
   └─3000万年の時を経て──アカシュモクザメ

 ・大島動物公園
   └─ゾウガメの引っ越しをしました

 ・書籍紹介──矢島道子『化石の記憶──古生物学の歴史をさかのぼる』

■東京ズーネットBB■====================================================

 --------------------------------
 ▼10月も充実の動画ラインナップ!
 --------------------------------

  「東京ズーネットBB」は、動画でおつたえする動物園ニュース。「東京ズー
 ネット」 http://www.tokyo-zoo.net/ のトップページから、「TokyoZooNetBB」
 をクリックしてください。

 ◎うごく!どうぶつ図鑑

 【チンパンジーの「空き缶回収」】───────────────────

   多摩動物公園のチンパンジーは、用意されたコインを入れて缶ジュースを
  「購入」する行動は学習していました。2008年9月、メスの「チコ」が、こ
  んどは空き缶を「空き缶回収機」に入れ、コインをゲットし、そのコインで
  缶ジュースを買うことに成功しました。

 【マンクスロフタン来園】───────────────────

   山梨県の富士アニマルファームから上野動物園の子ども動物園に、ヒツジ
  のなかま、「マンクスロフタン」のオス1頭がデビュー。立派なツノを4本
  もっています。メスは2本ですが、オスの場合、6本も生えることがあると
  のこと。現在、子ども動物園で名前を募集しています。

 【ベニイロフラミンゴ誕生】───────────────────

   上野動物園でベニイロフラミンゴ2羽を人の手で育てています。フラミン
  ゴはくちばしを水中にいれてえさをとりますが、ひなは水がない場所でも、
  同様の動きを見せています。生まれてすぐのフラミンゴのひなは、くちばし
  がまっすぐです。撮影したひなは、すでにくちばしが曲がっています。

 【フェネックの人工哺育】───────────────────

   井の頭自然文化園でフェネックが4頭誕生。ところが母親がうまく育てら
  れなかったため、人の手で育てることにしました。残念ながら2頭死亡しま
  したが、残る2頭(メス)は順調に育ち、フェネック舎に引っ越しました。
  現在、2頭は跳ねたり取っ組みあいをしたり。

 【ユキヒョウ赤ちゃん元気です】───────────────────

   多摩動物公園のユキヒョウ「マユ」が2008年6月にメス1頭を出産。父親
  はシンギズです。すでに公開しています。名前はミルチャとつけました。ミ
  ルチャは「海松茶」、日本の伝統色の呼称です。マユに先立ってユキが産ん
  だ子3頭のうち、2頭にも日本の伝統色から公募して命名しました。

 ◎動物園よりおしらせ

 【スマトラトラ「マニス」歓迎式典】───────────────────

   インドネシアから上野動物園にやってきたスマトラトラ「マニス」の歓迎式
  典を開催。マニスは1歳のメス。当日は駐日インドネシア共和国大使をお迎え
  し、マニスの写真パネルの贈呈、上野動物園長からの謝辞、花束贈呈のほか、
  子どもたちによる合唱もありました。式典後、放飼場でマニスを公開しました。

 ※「東京ズーネット」のモバイルサイトでも、動画を公開しています(約30
  秒)。動画再生対応機種でごらんください。アクセス先は、パソコン版と
  同じく、 http://www.tokyo-zoo.net/  です!

■上野動物園■==========================================================

 ---------------------------------------
 ▼高虎ウォークスタンプラリー、先着400名
 ---------------------------------------

  安土桃山・江戸前期の武将、藤堂高虎。上野にはその屋敷があり、上野動物
 園内にも、ゆかりの建築物が残っています。この藤堂高虎公が現・三重県の津
 に入府してから 400年。これを記念して、さまざまなイベントが開催されます。
 主催は「藤堂高虎公入府400年記念事業実行委員会」と「津市」。

  2008年11月8日(土)には、上野動物園内の高虎ゆかりの場所をめぐるスタ
 ンプラリーがおこなわれます。参加費は大人500円、中学生以下100円。上野動
 物園の入園券がついています。受付は上野恩賜公園噴水前広場。午前11時から
 午後2時30分、随時出発です(荒天時中止)。先着 400名様まで。

  なお、元・五輪代表スケート選手の勅使川原郁恵さんもコースを歩きます。
 いっしょに歩きたい方は、11時か13時に上記噴水前広場にお集まりください。

 ・藤堂高虎公入府400年記念事業公式ホームページ
   http://www.tsukanko.jp/takatora/

 -----------------------------------
 ▼プリティ長嶋さんがAEDの寄贈に来園
 -----------------------------------

  2008年10月29日(水)、タレントで千葉県市川市議のプリティ長嶋さんが、
 AED (自動体外式除細動器)寄贈のため、上野動物園に来園されました。プリ
 ティ長嶋さんは、芸能活動や市政活動のかたわら、AED の普及に尽力されてお
 り、この日は普及キャンペーンをおこなっている株式会社ゲームポットの社長・
 植田修平さんといっしょにお見えになりました。

  受領式は園長室でおこないましたが、表門から事務所にご案内する途中、来
 園者の方写真をいっしょに撮ってほしいというリクエストが何度もあり、プリ
 ティ長嶋さんは、そのつどにこやかにカメラに笑顔を向けられていました。

  この日は、園長の小宮輝之が出張中だったため、副園長の田畑直樹が園を代
 表してAEDを受領しました。このAED購入費用は、ゲームポットが運営するオン
 ラインゲームの中でのボールの売上によるものだそうです。いただいたAED は、
 表門の案内係事務室に常時設置する予定です。

 ・プリティ長嶋さんのブログ中、当日の記事
   http://pretty333.at.webry.info/200810/article_30.html

■多摩動物公園■========================================================

 --------------------------
 ▼多摩生まれのトキ、佐渡へ
 --------------------------

  環境省のトキ保護増殖事業に協力するため、多摩動物公園では、2007年12月
 13日に佐渡トキ保護センターから4羽(雌雄2組)をあずかり、飼育を開始し
 ました。

  2008年4月22日には最初のひなが孵化し、その後も順調に産卵と孵化が見ら
 れ、8羽が育ちました。この8羽を多摩動物公園から佐渡トキ保護センター野
 生復帰ステーションに移します。出発は、2008年11月3日午後。翌日には佐渡
 到着の予定です。

  2008年9月25日には、新潟県佐渡市で10羽のトキが放されました。多摩動物
 公園から移送した個体も、佐渡における野生復帰計画の一環です。

  親となる2ペアは、それぞれ「Kペア」「Gペア」と呼ばれています。Kペ
 アは、オスが2001年5月21日生まれ、メスは2003年5月9日生まれ、Gペアは、
 オスが2001年5月5日生まれ、メスは2001年4月24日生まれ。いずれも、佐渡
 トキ保護センター生まれです。

  2008年に多摩動物公園で孵化し、育った8羽はつぎのとおりです。

    No.1 3月22日産卵 4月22日孵化 メス 親はKペア
    No.2 3月29日産卵 4月27日孵化 メス 親はKペア
    No.3 4月04日産卵 5月03日孵化 メス 親はKペア
    No.4 4月10日産卵 5月09日孵化 オス 親はGペア
    No.5 4月16日産卵 5月14日孵化 メス 親はKペア
    No.6 4月21日産卵 5月19日孵化 メス 親はKペア
    No.7 5月04日産卵 6月01日孵化 メス 親はGペア
    No.8 6月13日産卵 7月11日孵化 オス 親はGペア

   ※すべて人工孵化。No.08を除き人工育雛。No.08はKペアによる自然育雛。
   ※Gペアは計9卵、Kペアは計11卵を産みましたが、上記以外の卵は無精
    卵、あるいは途中で発生の止まった卵でした。

  国内では2008年10月21日現在、佐渡トキ保護センターで83羽(うち2008年生
 まれは16羽)、佐渡トキ野生復帰ステーションで17羽(うち2008年生まれは4
 羽)、多摩動物公園で12羽(うち2008年生まれは8羽)、合計 112羽が飼育さ
 れています(放鳥個体を除く)。

 ------------------------------------------------
 ▼バクカバ?──マレーバク「リザ」「サコ」の近況
 ------------------------------------------------

  10か月前の昨年(2007年)12月、マレーバクの「サコ」が生まれました。生
 後10か月というとまだまだ赤ちゃんというイメージがありますが、バクの成長
 は大変早く、すでに母親「リザ」の3分の2ぐらいの大きさまで育っています。

  最近は体重測定をしていませんが、誕生時は8.35キログラムだった体重も、
 現在は 150キログラムはあると思われます。とはいえ、体は大きくなったもの
 の、まだまだ母親に甘えているようで、乳房に吸いついたまま寝ているすがた
 がときどき見られます。

  しかし、そろそろ親子分けを考えなくてはなりません。前回産まれたダンは、
 オスということもあり、1歳になる前に母親から放して別室で飼育することに
 しました。サコはメスなので、1歳を過ぎても母親といっしょでいいかなと思
 っていました。しかし、物理的な問題発生。寝室が狭いのです。

  リザとダンを分けたときは、ダンの悲痛な鳴き声がバク舎に響きわたってい
 ました。またあの声を聞かなくてはならないのかと思うと少々気が重くなりま
 すが、バクたちの今後のためにもやらなくてはなりません。

  マレーバクは日中、ほとんどの時間を寝て過ごしています。もっと動くすが
 たをお見せしたいのですが、なかなかよい方法がなく、みなさんに申し訳ない
 なぁと思う日々です。

  リザとサコも、開園中は室内展示場の隅で寝ていることが多いのですが、今
 年の9月中旬以降、プールに入ることが多くなりました。今までは、入って30
 分もすると水から出てきていましたが、朝から夕方までほぼ1日中入っている
 こともありました。これほど水に入っているのは、2000年に今のマレーバク舎
 がオープンして以来、初めてのことです。

  2頭そろって水中にぶくぶくともぐると、しばらく出てきません。あまりに
 も長くもぐっているので、おいおい、大丈夫かよ、と心配になるころ、プハッ
 と顔を出し、またもぐってしまいます。どうやら水中で半分寝ているようすで
 す。なぜこんなに長いあいだ入っているのでしょう? 暑いのなら7~8月ご
 ろから水に入っているはず。秋に多いハエを避けるため?──本当の理由はわ
 かりません。

  でも、来園者のみなさんには大好評です。ぱっとごらんになって「カバ?」
 とおっしゃる方もいらっしゃいます。解説パネルやバクの顔を見てから、あら
 ためて「バクだ!」と気づかれることも。

  幼稚園児ぐらいのお子さんの場合、水面がちょうど目の高さにあるので、水
 面の上を見たり下を見たり、楽しそうです。事実、大人もしゃがむと、いつも
 とちがった景色が楽しめます。

  バクは、水に入るとほぼ確実に排便します。もちろん、陸上でもふつうに排
 便しますが、水中ですることが多いのです。この生態は、生息地の環境に関係
 があると思われます。リザとサコの場合も、プールに入るとかならずウンチを
 します。そのため、1日中プールに入っていると、プールはあっという間に茶
 色に変わってしまいます。キーパーは、バクが動くすがたをごらんいただける
 ので一安心なのですが、その一方で、プール掃除に追われることになります。
 ──さて、今日もプール掃除にとりかかろうかな。

                 〔多摩動物公園南園飼育展示係 生駒正和〕

 ------------------------------------------
 ▼主食は竹なのに……レッサーパンダの花花
 ------------------------------------------

  ジャイアント「パンダ」やレッサー「パンダ」──「パンダ」は現地の言葉
 で「竹を食べる者」を意味する niyala-ponga(ニヤラ・パンガ) から来てい
 るとも言われています。多摩動物公園では8頭のレッサーパンダを飼育してい
 ますが、かれらも毎日たくさんの竹を食べ、元気にくらしています。

  ところがある朝、いつものようにレッサーパンダたちに手渡しでリンゴを食
 べさせていると、花花(ファンファン)の口から細い竹がぴょこんと出ている
 のに気がつきました。引っ張ってみましたが、まったく動きません。担当獣医
 と相談した結果、「しばらくようすを見て、どうしても取れないようだったら
 麻酔をかけて取り除きましょう」ということになりました。

  花花は2008年6月24日にマリモを産み、現在子育て中。麻酔薬は母乳を通し
 て子に伝わってしまうので、できればかけたくありません。そう心配しながら
 しばらくようすを見ていたのですが、竹は取れるようすもなく、花花はえさを
 食べづらそうにしていたので、ついに麻酔をかけることにしました。

  麻酔当日、いつものように朝から花花親子を出し、マリモをたっぷり遊ばせ
 ました。午後、マリモが疲れて寝ているあいだに、花花の処置をパパッとやっ
 てしまおうという計画です。

  午後、寝ているマリモをそのままにして、花花を隣の部屋に移し、そこで輸
 送ケージに入れました。突然のことに花花は「ゲゲッ」と鳴いて怒っています。
 いつもはおっとりとしている花花も、やっぱり野生動物なんだなぁと妙なふう
 に感心してしまいました。

  動物病院では、輸送ケージごと大きなビニール袋で包み、その中を吸入麻酔
 で満たすという方法で麻酔をかけました。麻酔がかかったら口を開け、竹を取
 るだけです。さいわい竹は歯に挟まっているだけで、他の部位には刺さってお
 らず、化膿も見られなかったため、竹を取り除いた後は消毒をしておしまいで
 す。全所要時間は30分ほどでした。

  麻酔からさめ、部屋に戻った花花は、ふらつくこともなく、大好物のリンゴ
 もシャクシャクと食べていました。マリモも巣箱の中でおとなしくしていたよ
 うで、一同で一安心しました。

  今回のできごとは、「竹を食べる者」として、かなり不名誉なのではないで
 しょうか? それでも、なんとなく笑えてしまうのも、レッサーパンダのキャ
 ラクター(?)のおかげかもしれません。

                 〔多摩動物公園南園飼育展示係 高村里美〕

 ----------------------------------------
 ▼11月の観察デーは、レッサーパンダを観察
 ----------------------------------------

  毎月第3土曜日に開催している多摩動物公園の「観察デー」。動物解説員と
 ともに、動物をじっくり観察します。

  今月(2008年11月)の観察デーは11月15日(土)です。今回はリニューアル
 した観察シートを使って、レッサーパンダのしぐさを観察します。

  11月に入り、私たち人間は寒さに体を丸めることが多くなりますが、ふかふ
 かの毛皮につつまれたレッサーパンダはどんな動きをしているでしょうか。

  参加ご希望の方は、午前10時にウォッチングセンターにお越しください。動
 物解説員がごいっしょにレッサーパンダの前に行って、みなさんの観察をサポ
 ートいたします。時間は、11時30分くらいまでです(観察デーと観察シート
 について詳しく知りたい方は、こちらをごらんください)。

  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=9830

■葛西臨海水族園■======================================================

 ----------------------------------------
 ▼3000万年の時を経て──アカシュモクザメ
 ----------------------------------------

  みなさんはサメが人間を襲うシーンや、水中で人間が入った鉄製のオリにサ
 メが“ドカン”とぶつかる映像を、テレビなどで一度は見たことがあるでしょ
 う。こうした映像を見て、「サメは人間を襲って食べる、恐ろしい魚」なんて
 イメージをいだいている人はいませんか? サメのなかまは、世界に約 400種
 が知られていますが、実際に「サメが人間を襲った事件」は、意外に少ないと
 ことをお伝えしておきましょう。

  むしろ、人間がサメを食べることの方が比較にならないくらい多いのをごぞ
 んじですか? たとえば、スーパーの鮮魚売場で、「サメ」と書いてある切り
 身を見たことがあるでしょう。また、中華食材で「フカヒレ」を見たり食べた
 りしたことはありませんか? 怖いと考えられているサメを、人間がバクバク
 食べている──こう考えると、サメよりも人間のほうがはるかに怖い生物では
 ないでしょうか。

  さて、葛西臨海水族園でもサメを展示していますが、ふつうのサメとはちょ
 っとちがって、頭だけをみると「金づち」、体だけを見ると「サメ」という、
 なんとも変わったサメです。

  その名を「アカシュモクザメ」といいますが、もう一つ変わった外見的特徴
 があります。アカシュモクザメをお腹側から見ると、体の真ん中より少し後ろ
 に腹鰭(はらびれ)がありますが、この腹鰭のすぐ後ろに、細長い白い棒のよ
 うなものが2本ぶらさがっていることがあります。この棒のようなものは、じ
 つはサメの「おちんちん」なのです。

  魚は通常、外見でオスとメスを見わけることはできませんが、サメのなかま
 のオスが成長すると、このように「おちんちん」が見られるようになり、外見
 で雌雄がわかるようになるのです。

  シュモクザメのなかまは、3千万年近く前に地球上に出現して以来、大きく
 進化したサメの一種ともいわれています。アカシュモクザメの一風変わった頭
 やおちんちんに、3千万年の時空を超えた進化の秘密を見ることができるかも
 しれません。水槽の前でじっくりアカシュモクザメを眺めながら、さまざまな
 想像をめぐらしてみませんか?
                 〔葛西臨海水族園飼育展示係 伊東二三夫〕

■大島公園動物園■======================================================

 ------------------------------
 ▼ゾウガメの引っ越しをしました
 ------------------------------

  大島もすっかり秋めいてきました。気温も下がり、夏には見られなかったヒ
 ヨドリやモズ、ハヤブサもやってきて、にぎやかになりました。

  大島公園では、屋外の最低気温が15度以下になることを目安にして、ゾウガ
 メたちを温室内に移動させています。今年(2008年)は、いつもより少しめに
 温室内への引っ越しをしました。

  当日、職員総出で準備にあたります。まず、屋外にいるアルダブラゾウガメ
 9頭とケヅメリクガメ2頭を温室まで移動させます。体重 100キログラム以上
 あるゾウガメを持ちあげるのは簡単ではありません。

  そこで、ゾウガメたちの好物、アシタバ(伊豆諸島に自生しているセリ科の
 植物)を見せながら、根気よくゾウガメを誘導します(写真は東京ズーネット
  http://www.tokyo-zoo.net/ のニュースページをごらんください)。こうして
 温室前まで歩いてきたゾウガメを持ち上げ、体重計に乗せて記録した後、温室
 へ入れます。

  大島公園では体重の番付表を作っています。今年の横綱はアルダブラゾウガ
 メの「ロク」(オス)でした。体重は 199.4キログラムです。なお、屋外で交
 尾行動が見られたので、温室の中には産卵用の赤土を入れ、ようすを見る予定
 です。
                       〔大島公園動物園 天野典子〕

■ B O O K S ■=========================================================

 『化石の記憶──古生物学の歴史をさかのぼる』

              矢島道子著、東京大学出版会、2008年10月10日刊
                    本体3,200円、IBN978-4-13-060751-3

  生きた動物ではなく、死んだばかりの体でもなく、「石」になった生物を対
 象とする古生物学。まず「化石」とはなにかから説きおこし、化石研究の背景
 (化石学と古生物学、「化石」ということば、地層や地球の歴史など)を説明
 してから、日本をはじめ、世界の化石研究者と学説を紹介しています。

  ただし、研究者を軸として歴史をさかのぼり、19世紀から中世、古代へと進
 んでいくとろころがユニーク。また、研究の客観的な紹介に終始するのではな
 く、著者が何に疑問をもち、どのように感じ考えたかという経緯が率直に綴ら
 れており、エッセイ風なところも随所にあって、読んでいて楽しい本です。

  貝化石を見つけて「昔ここは海だったんですかー!」という感慨はよく聞か
 れるにもかかわらず、興味の追求がそこで止まってしまうことを残念に感じる
 著者は、さらなる追求が可能になるためには、現在の教育が教えない、知識の
 総合力が必要と言います。このような一節をはじめ、随所に著者の物事の根本
 を追求する姿勢が見られます。

  サメ、ゾウ、キリン、ウミホタル、オオサンショウウオ、その他、本書には
 さまざまな動物が登場します。動物園や水族園の生きた動物を見るときに、太
 古の時代から続く進化の歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

 ・東京大学出版会 http://www.utp.or.jp/ の書籍紹介ページ
   http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-060751-3.html

----------------------
  N E W S  C L I P S
----------------------

●建て替えの姫路市立水族館、飼育生物の受け入れ先を調整中(読売)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20081030-OYT8T00064.htm

●チェンマイ動物園内の水族館、オープン翌日に閉鎖(NECOS)
http://www.newsclip.be/news/20081027_021099.html

●高齢のアンデスコンドルのペアが自然繁殖──とくしま動物園(読売)
http://osaka.yomiuri.co.jp/animal/genre4/20081028-OYO8T00230.htm

●福岡市動植物園から富山市ファミリーパークにツシマヤマネコが嫁入り(中日)
http://www.chunichi.co.jp/article/toyama/20081028/CK2008102802000205.html

●海南省の金牛嶺動物園でフランソワルトンが人工繁殖、同省初成功
http://www.recordchina.co.jp/group/g25194.html (Record China)

●2008年10月29日、英チェスター動物園でヒガシクロサイ繁殖
http://www.chesterzoo.org/Home/News/October%202008/Rhino%20Calf%20Born.aspx

●研究例の少ないマンドリルの知能実験──京都市動物園(毎日、Yahoo!)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081028-00000047-maiall-soci

●ヒグマとホッキョクグマの共通祖先が約160万年前にさかのぼる?

フランスで発見されたクマの骨の分析による研究(AFPBB News)。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/2533008/3474566

●トキの分散飼育に立候補している長岡市がクロトキなどの飼育施設を完成

多摩動物公園がクロトキ、ムギワラトキなどを譲渡。トキ飼育のためのノウハウ
を蓄積する予定(新潟日報)
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=114339

========================================================================

▽本文中にしめしたリンクによって表示されるページには、ほかのページへの移
 動リンクが含まれていない場合があります。とくに東京ズーネットの「どうぶ
 つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
  http://www.tokyo-zoo.net/search/ から検索してください。

▽ズー・エクスプレスでは、みなさんからのおたよりを募集しています。匿名や
 ペンネーム希望の方はその旨をおつたえください。 webmaster@tokyo-zoo.net
 まで。ご意見・ご要望・お問い合わせもこのアドレスまでどうぞ。

▽メール配信先変更、配信停止は下記URLにてお願いいたします。配信先の変
 更をご希望の方は、いったん解除をおこない、あらためて新アドレスを登録し
 てください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/

▽編集後記

 ・今晩は電車の中でかぼちゃ祭かと思ったら何事もなく……。飛び出す絵本で
  「動物園のハロウィーン」をYouTubeから。版元のサイトにある映像です。
   http://jp.youtube.com/watch?v=XMq8AC6gYMM&eurl

 ・こちらは英国ニューキー動物園のハロウィーンイベント告知ビデオ。
   http://jp.youtube.com/watch?v=v1Hif0qwuOs ん~、この不気味さがハロウ
  ィーンなんでしょうか。日本だとカワイイさばかりが強調されているような?

 ・園内の落ち葉掃除も大変な季節。寒くなってきました。ご自愛ください。
                                 (大平)

========================================================================
メールマガジン ZooExpress No.404 - 2008年10月31日
財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL  : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2008 Tokyo Zoological Park Society
リストに戻る

ページトップへ