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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.397 - 2008年09月12日
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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」
・10月1日「都民の日」は、都民でなくても入園無料!
・東京動物園友の会に入会しませんか? 年会費は、 2,000円。機関誌「どう
ぶつと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジット
カード&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/
■目次■----------------------------------------------------------------
・上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園
└─10/1都民の日は入園無料! 4園とも開園します
・上野動物園
├─子ども動物園、手作りの砂浴び場
└─紙工作教室「カエルを作ろう!」参加者募集
・多摩動物公園
├─トウワタのわな
├─チーター「スミレ」が富士サファリパークへ出発
├─9月の観察デーは、チンパンジーのしぐさ観察
└─あいさつキャラバン隊──ザ・あいさつゲーム大会
・葛西臨海水族園
└─いつもと違うフンボルトペンギンを見に行こう!
・井の頭自然文化園
├─身近な自然を観察しよう! 先生のためのセミナー報告
├─特設展「大きく変わった井の頭池──いま、何をすべきか」
├─観察会「親子で井の頭池たんけん」参加者募集
├─講演会「井の頭池の生き物、昔と今」
└─文化園でコンサート「マーラの音楽祭」を開催します
・書籍紹介──モーリス・メーテルリンク著『ガラス蜘蛛』
■上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園・井の頭自然文化園============
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▼10/1都民の日は入園無料! 4園とも開園します
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2008年10月1日(水)は都民の日。上野動物園、多摩動物公園、葛西臨海水
族園、井の頭自然文化園、いずれも入園無料です!
通常、多摩動物公園と葛西臨海水族園は水曜日が休園日ですが、この日は開
園します。ただし、その翌日10月2日(木)、多摩動物公園は開園、葛西臨海
水族園は休園ですので、ご注意ください。
また、2008年10月10日(金)は、葛西臨海水族園の開園記念日なので、この
日、葛西臨海水族園への入園は無料です。
◎上野動物園 2008年10月1日(水)都民の日───入園無料
◎多摩動物公園 2008年10月1日(水)都民の日───入園無料
2008年10月2日(木)───────開園
◎葛西臨海水族園 2008年10月1日(水)都民の日───入園無料
2008年10月2日(木)───────休園
2008年10月10日(金)開園記念日──入園無料
◎井の頭自然文化園 2008年10月1日(水)都民の日───入園無料
■上野動物園■==========================================================
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▼子ども動物園、手作りの砂浴び場
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子ども動物園の「なかよし広場」には、さまざまなニワトリを放し飼いにし
ています。ニワトリは砂浴びが大好き。広場内の木の根元にあるわずかな砂や、
丸く盛られた砂を使って、いつも砂浴びをしています。砂浴びをすることで、
体についた小さな生物などを落とす効果あるといわれています。人間でいえば、
シャワーや水浴びのようなものですね。
しかし、最近の「ゲリラ豪雨」に見まわれたときは、広場の砂もドロドロの
状態になってしまいました。これでは大好きな砂浴びができません。
そこで、子ども動物園の高藤係長が得意の大工仕事にとりかかり、数時間で
「移動式」の木箱を完成させました! この木箱に砂を入れ、中で砂浴びして
もらおうという目論見です。
ところが、最初に入って遊び始めたのはヤギ……。何にでも興味を示す性格
のヤギですから、この砂浴び場もヤギに占拠されてしまうのか……と思ってい
ました。
しかし、数日経つと、シャモやチャボなどのニワトリ、さらには大きなシチ
メンチョウが、ヤギに負けじと木箱に入るようになりました。木箱はシチメン
チョウには少し狭いようでしたが、みんな雨の日でも砂浴びができて、うれし
そうです。
木箱で砂浴びをする、いきいきとしたようすのニワトリたち。子ども動物園
の「なかよし広場」にお越しください!
〔上野動物園子ども動物園係 高橋美紀〕
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▼紙工作教室「カエルを作ろう!」参加者募集
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国際カエル年の催し物として2008年10月18日(土)、上野動物園ではカエル
を作る紙工作教室を開催。指導はペーパークラフト作家ごとうけいさん! 対
象は小学生と保護者15組です。往復はがきでお申し込みください。しめきりは
2008年10月6日(月)消印有効。くわしくは↓
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=10054
2008年9月20日~10月26日の期間、上野動物園内で、ごとうけいさんの紙工
作展「ぺらぺらどうぶつえん」を開催します。おしらせはココ↓
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=9930
■多摩動物公園■========================================================
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▼トウワタのわな
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多摩動物公園の昆虫生態園では、チョウのえさとして水でうすめたハチミツ
を毎日与えていますが、温室内に植えられた植物の花も蜜を提供してくれます。
花にやってくるチョウの種類は、以下のとおり、植物の種類によって少しちが
います。
ランタナ(クマツヅラ科)の花──シロオビアゲハ、ナガサキアゲハ、モン
キアゲハ、ベニモンアゲハ、キチョウ類、スジグロシロチョウ、イシガケチョ
ウ、タテハモドキ、リュウキュウムラサキ、スジグロカバマダラ、オオゴマダ
ラ、ツマムラサキマダラ、アサギマダラ、リュウキュウアサギマダラなど。
ペンタス(アカネ科)の花──シロオビアゲハ、ナガサキアゲハ、モンキア
ゲハ、ベニモンアゲハ、ツマベニチョウ、キチョウ類、オオゴマダラ、タテハ
モドキなど。
ナガボソウ(クマツヅラ科)の花にはシロオビアゲハ、アオスジアゲハ、ツ
マベニチョウ、モンシロチョウ、キチョウ類、アサギマダラ、リュウキュウア
サギマダラなど。
熱帯アメリカ原産のトウワタ(ガガイモ科)の花は、ほぼ一年じゅう開花し
ています。花をよく観察すると、赤い花冠(花びら)が、一見おしべのように
も見える橙色の副花冠を取り巻いており、副花冠の内側には、おしべとめしべ
が合着したずい柱(肉柱体)があります。
ツマムラサキマダラがトウワタの花のまわりでバタバタしていることがとき
どきありますが、ストローのような口は丸まったままなので、蜜を吸っている
わけではありません。よく見ると、4本ある脚(2本の前脚は退化)のうち、
1本の脚の先が、副花冠とずい柱の間にはさまって抜けなくなっていました。
トウワタの副花冠とずい柱の隙間は基部に向かって湾曲しています。蜜を吸
いに来たり、産卵の途中で花に脚をかけたりしたとき、この「わな」にかかっ
てしまうようです。このような事故はツマムラサキマダラのメスがもっとも多
く、キチョウの一種でも見られました。
しばらくすると、わなから抜けるようで、かかりっぱなしということはない
ようです。トウワタの花には、シロオビアゲハ、ツマベニチョウ、スジグロカ
バマダラ、アサギマダラなども集まりますが、これらのチョウは脚の力が強い
せいか、引っかかっているのを見たことはありません。
東京動物園協会発行の「インセクタリゥム」のバックナンバーを見ると、ト
ウワタと同じくガガイモ科のガガイモの花で、タマナキンウワバ(ガの一種)
が、口吻をおしべの柄と子房にはさまれ、死んでいたという記録が掲載されて
いました(1970年4月号)。
〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 高橋秀男〕
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▼チーター「スミレ」が富士サファリパークへ出発
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多摩動物公園は富士自然動物公園(富士サファリパーク)とのあいだでチー
ターの繁殖計画を進めています。
チーターの繁殖は、あたらしく出会う個体どうしに多く見られることが報告
されており、2007年9月にもメスを移動させました(多摩動物公園からユリが
出発、富士サファリパークからクリンが来園)。残念ながら、繁殖には結びつ
きませんでしたが、あらためて、別のメスを移動させます。
・前回の繁殖計画に関するニュース
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=7536
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9365
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9456
今回、多摩動物公園から旅立つのはスミレ(2003年6月5日、南アフリカ共
和国生まれのメス)、富士サファリパークから来園するのはサバンナ(2004年
11月19日、南アフリカ共和国生まれのメス)です。
2頭は2008年9月24日に移動しますが、戻ってくる日程は未定です(個体の
ようすを見て判断します)。富士サファリからやってくるサバンナは、環境に
なれてから公開の予定です。
多摩動物公園のチーターは2008年9月12日現在、オス5頭、メス5頭です。
◎東京ズーネット、これまでの動画ニュース
・(動画)16年ぶりにチーター誕生!(2008年03月撮影)
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0803_01/index.html
・(動画)チーターの赤ちゃん近況(2008年04月21日日撮影)
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0804_02/index.html
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▼9月の観察デーは、チンパンジーのしぐさ観察
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毎月第3土曜日に開催している多摩動物公園の「観察デー」。動物解説員と
ともに、動物をじっくり観察します。今月の観察デーは、2008年9月20日(土)
です。
リニューアルした「観察シート」を使って、チンパンジーのしぐさを観察し
ます。チンパンジー独特の表情や動き、群れ社会ならではのやりとり、子ども
の遊びなど、じっくり見ると個性豊かなしぐさがたくさん見えてくるでしょう。
参加ご希望の方は、当日午前10時にウォッチングセンターにお越しください。
動物解説員がごいっしょにチンパンジーの前に行って、みなさんの観察をサポ
ートいたします。時間は、11時30分くらいまでです。(観察デーと観察シート
について詳しく知りたい方は、こちら↓のページをご覧ください。)
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=9830
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▼あいさつキャラバン隊──ザ・あいさつゲーム大会
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「あいさつ」をテーマにしたイベントを多摩動物公園で開催します。主催は
心の東京革命推進協議会(青少年育成協会) http://www.kokoro-tokyo.jp/
2008年10月19日(日)午後1時30分と3時からウォッチングセンター入口に
て(雨天の場合は午後2時から動物ホール)。お笑いコンビ「火災報知器」に
よるコント、あいさつをテーマにしたゲームなど。くわしくは↓
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=10053
■葛西臨海水族園■======================================================
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▼いつもと違うフンボルトペンギンを見に行こう!
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フンボルトペンギンは年に一度、全身の羽が生え替わる「換羽」(かんう)
をおこないます。葛西臨海水族園のフンボルトペンギンたちの換羽は例年、6
~8月。羽が抜けている最中はボサボサでちょっと格好悪いペンギンたちも、
新しい羽が生えそろうとまるで別人(別鳥?)! 黒と白のコントラストがは
っきりして、一年でもっとも美しいすがたを見せてくれます。
フンボルトペンギンのくちばしのつけねには、ピンク色の皮膚が露出した部
分がありますが、換羽直後、ここにもうっすらと白い羽が生えているのをごぞ
んじでしょうか? この羽はやがてすり切れて目立たなくなってしまうので、
いつもとちがうフンボルトペンギンを見るなら今がチャンス!
おすすめの観察スポットは、アクリル面をへだててフンボルトペンギンと間
近に対面できるプール側面です。ただし、泳いでいるペンギンの顔をじっくり
観察するにはそれなりの動態視力が必要かも?
動態視力のトレーニングもかねて、ぜひ葛西臨海水族園の「ペンギンの生態」
に遊びに来てください。
〔葛西臨海水族園飼育展示係 山口香子〕
■井の頭自然文化園■====================================================
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▼身近な自然を観察しよう! 先生のためのセミナー報告
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毎年夏、井の頭自然文化園ほか、上野動物園、多摩動物公園、葛西臨海水族
園の4園では、教員対象のセミナーを開催しています。井の頭自然文化園では、
おもに小学校の先生を対象にして、「動物解説実習」コース、「いきもの飼い
方」コースなど、4日間ちがうテーマでワークショップを実施していますが、
今年(2008年)はあらたに「身近ないきもの観察」コースを設けました。井の
頭恩賜公園内にある「井の頭池」の生き物を観察するという内容ですが、「ト
ラップでの水生生物の採集」という点が魅力的だったのか、4コースの中では
一番人気で、応募はすぐ定員に達しました。(セミナーのおしらせ↓)
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=9407
このコースのねらいの一つは、身近な水生生物の観察方法を学び、学校の授
業で活かしていただくことです。小型トラップを使った水生生物の採集や、双
眼鏡でのカメ類のカウントなど、だれでも簡単にできる観察をおこないました。
池のまわりを歩き、カメの種類を見わけながらおこなった個体数調査は、種
の同定にも徐々に慣れ、泳いでるカメをすばやく発見することもできるように
なりました。また、各自でしかけたトラップを回収するときは、「何にも入っ
てなかった~」「大物が入っていた!」など、童心にかえって?の盛り上がり
が見られました。お昼休みに設けたオプションメニュー「ザリガニ釣り」でも
歓声があがり、観察や採集を楽しんでいただけたようです。
もう一つのねらいは、都市公園の中にある井の頭池の現状を知っていただく
ことです。カメの観察では、在来種のクサガメに比べ、外来種のミシシッピア
カミミガメが何倍も多かったこと。トラップに入った魚類はブルーギルやブラ
ックバス(オオクチバス)ばかりで、在来種のモツゴはわずかだったこと。外
来種ばかりという深刻な状況にみなさん驚かれたようです。
最後に、井の頭池は変貌とその原因についてお話ししました。いただいたア
ンケートでは、「自分自身が体験することができたため、子どもに実感をもっ
て伝えることができる」「子どもに身近な自然とのつきあい方を教えたい」と
いった意見をいただきました。まだまだ改善点はありますが、ねらいは少なか
らず達成できたようです。当園にとってもっとも身近な自然である井の頭池を
活かしたこの企画は、来年もぜひ実施したいと考えています。
なお、分園の水生物館では、2008年9月24日から、特設展示「大きく変わっ
た井の頭池──いま、何をすべきか」が開催されます。それにともない、井の
頭池の観察会や、昔の井の頭池の生き物をテーマとした講演会もおこないます
(以下の記事をごらんください)。一人でも多くの方に、身近な自然である井
の頭池への関心をもっていただきたいと思います。
〔井の頭自然文化園教育普及係 天野未知〕
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▼特設展「大きく変わった井の頭池──いま、何をすべきか」
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明治時代まで飲み水にも使われていた井の頭池。美しかった池はすっかりす
がたを変えてしまいました。池の再生のために、何ができるでしょうか。特設
展示「大きく変わった井の頭池──いま、何をすべきか」では、井の頭池の昔
と今をパネルで紹介し、変化の原因と今後の対策について解説します。また、
昔見られた生物、今見られる生物、水草の浄化能力が一目でわかる水槽を展示
するとともに、井の頭池に関するアンケートもおこないます。
2008年9月23日(火・祝)~2009年1月25日(日)、水生物館で開催。くわ
しくは、こちら↓をごらんください。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=10051
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▼観察会「親子で井の頭池たんけん」参加者募集
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上記↑特設展「大きく変わった井の頭池──いま、何をすべきか」にあわせ
て、観察会「親子で井の頭池たんけん」を開催します。対象は小学生といっし
ょの家族。カメやカモの観察、水生生物の採集など、池の生物を観察します。
2008年10月25日(土)午前10時~午後3時、定員30名、申込は往復はがきで。
しめきりは、2008年10月10日(金)消印有効。くわしくはこちら↓。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=10051
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▼講演会「井の頭池の生き物、昔と今」
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少し上↑の特設展「大きく変わった井の頭池──いま、何をすべきか」にあ
わせて、井の頭池をテーマとした講演会を開催します。講師は、井の頭自然文
化園が開園した1942年ごろから井の頭池を観察し続けている須田孫七さん。井
の頭池の昔と今についてお話しいただきます。当日は、水生物館の見学会もお
こないます。
2008年11月2日(日)午後1時~4時30分、先着60名(高校生以上)。くわ
しくは、こちら↓をごらんください。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=10050
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▼文化園でコンサート「マーラの音楽祭」を開催します
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2008年6月におしらせした、井の頭自然文化園恒例の「文化園でコンサート」。
2008年秋は「マーラの音楽祭」と名づけ、プロの演奏家とともに、公募で受け
つけた一般の方が出演します。
・「マーラの音楽祭」出演者大募集!
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=9370
日時は10月12日、10月19日、10月26日、11月2日、11月9日(すべて日曜日)。
10月12日と11月9日は往復はがきで事前にお申し込みください。
出演はロバの音楽座、栗コーダーカルテット、知久寿焼さん他。くわしくは↓
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=10030
■ B O O K S ■=========================================================
『ガラス蜘蛛』
モーリス・メーテルリンク著、工作舎、2008年07月10日刊
本体1,800円、ISBN978-4-87502-411-8
モーリス・メーテルリンク(1862~1949)はベルギーに生まれ、ノーベル文
学賞を受賞した詩人、劇作家、エッセイスト。詩集『温室』、戯曲『ペレアス
とメリザンド』『青い鳥』、詩人の目で昆虫を観察した『蜜蜂の生活』『白蟻
の生活』『蟻の生活』などが有名ですが、本書『ガラス蜘蛛』(原著は1932年
刊行)は、なんと初の日本語訳。
「ガラス蜘蛛」とは、じつはミズグモのことなのですが、井の頭自然文化園
でミズグモの展示が始まって知名度があがったことが、訳書刊行の一助になっ
た……かどうかは不明ながら、訳者あとがきには、井の頭自然文化園のミズグ
モについて一言触れられています。
「ガラス蜘蛛」はフランス語そのままの訳で、「ガラス」とあるのはミズグ
モが水中につくる空気の泡の印象が反映されているようです。なお、一般的に
はフランス語でも「水のクモ」と呼ぶことが多いように見受けられます。
昆虫という進化の知恵のかたまりについて説き起こし、クモの分類からミズ
グモへ焦点を徐々に絞り、科学論文を参照するとともに、みずから行なったミ
ズグモ観察にもとづいて、写実的な描写が綴られています。水中にいかにして
空気の泡の巣を造るのか。繁殖時、子育て時には、どのような巣を造るのか。
そこから著者は、この不思議な生物の進化、そしてその知性に思いをめぐらし
ています。ファーブルが描く昆虫の機械的な「本能」を批判する著者にとって、
「知性」の起源は大きな関心事でした。
少年のころ目にしたミズグモに70歳近くになって再開し、ミズグモの世界に
惹きつけられてたメーテルリンク氏の博物誌的エッセイ。ミズグモの記録とし
て貴重な刊行物です。
・工作舎 http://www.kousakusha.co.jp/ の書籍紹介ページ(章ごとの詳細な
紹介があります) http://www.kousakusha.co.jp/DTL/garasugumo.html
・東京ズーネットBBから動画「水中で生活するミズグモ」。貴重な映像です。
http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0608_01/index.html
・東京ズーネットでのニュース
「水中建築家ミズグモ」(2006年08月18日)
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=5170
「ミズグモの周年展示に成功!」(2007年07月27日)
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=7336
「ミズグモの調査と採集」(2007年09月29日)
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=7713
「ミズグモの食べ物、ミズムシ」(2008年06月27日)
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=9398
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N E W S C L I P S
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●国際カエル年「かえるの学校」がスタート──大阪市天王寺動物園
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080906/trd0809062137011-n1.htm (産経)
・天王寺動物園 http://www.jazga.or.jp/tennoji/
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▽編集後記
・ミズグモを常設展示しているのは、世界でもおそらく井の頭自然文化園だけ!
そのミズグモに関する本が刊行されました。
・「締切まだだよね~」とノンビリしているうちに過ぎていたという法則にと
らわれやすいアナタ! 多摩動物公園での「写真家・今森光彦さん講演会」、
しめきりは9月13日(土)の消印有効。今すぐ往復はがきで!(詳細↓)
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=9614
・「マーラの音楽祭」でマーラーの曲が演奏されるのではないかとつい思って
しまいました(笑)──というメールを読者の方からいただいたのですが、
ものすごいタイトルのもと、堂々ととりあげられますので驚かれませんよう。
・花に脚をとられるとは……。しばらくすると抜けるとの事で一安心。(大平)
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メールマガジン ZooExpress No.397 - 2008年09月12日
財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2008 Tokyo Zoological Park Society
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