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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.148 - Jan 23, 2004
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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」。
・ヒガシクロサイのとなりで、うつらうつらとしていることもあったガンコの
夢は、どんなだったかな……。
■上野動物園■=======================================================
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▼シュアンシュアン、タケボロボロ
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メキシコのチャプルテペック動物園生まれ、同動物園育ちのジャイアント
パンダ「シュアンシュアン」(メス、16歳)は、あいかわらず元気で、放飼
場のタケもバリ食いです。東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/ の
ニュースページで写真をどうぞ。
メールマガジンNo.143で、ジャイアントパンダの定番餌メニューについて、
シュアンシュアンが「おかゆ」メイン、リンリンが麦ごはんに馬肉スープを
加えたものや、トウモロコシ団子、野菜類などとご紹介しましたが、もちろ
んタケも食べています。
タケは毎日2回、好きなだけあたえます。1日に20~30キログラムは食べ
るとのこと。
なお、「馬肉スープ」は馬肉を「具」としているというよりも、馬肉をダ
シにしたもので、栄養学的な観点から、中国のアドバイスによりあたえてい
ます。タケ中心の食生活とはいえ、野生の個体は小動物などをつかまえて食
べていることから、長年ジャイアントパンダの飼育にたずさわっている中国
の経験にもとづくレシピのようです。
・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」のジャイアントパンダはここ↓
http://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?code=45
(鳴き声と動画もあります)
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▼ミナミシロサイのガンコ死亡
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ミナミシロサイのガンコが残念ながら死亡しました。2004年1月19日(月)
未明のことでした。原因は不明です(現在調査中)。
ガンコは1965年に南アフリカ共和国で生まれたメス。1966年8月5日、オ
スのツノキチといっしょに上野動物園に到着しました。日本はもちろん、ア
ジアでも、シロサイがやってきたのはこのときがはじめてです。
2頭ともおとなしく、到着時もあばれずにすんなり寝室に入ってくれまし
たし、飼育係がデッキブラシで体をこすってやると、よろこぶようになった
のです。
到着翌月の1966年9月11日から13日にかけて、それまで別々だった2頭を
いっしょにしたところ、人間の心配をよそに、なんの問題もおこりませんで
した。シロサイがもともと温和で、また2頭とも幼獣だったからと思われま
す。角をつきあわせたり、追いかけっこをしたり、はたから見るとハラハラ
するシーンもあったそうですが、2頭にとっては遊びだったようです。
その後、園内で名前を募集し、ツノキチとガンコと名づけられました。10
月1日から9日の応募総数は7000通!だったそうです。
その後もなかよく暮らしていた2頭でしたが、1997年1月4日、ツノキチ
が肝臓破裂で死亡してしまいました。いつものようにガンコといっしょに放
飼場で青草を食べていたのですが、昼過ぎに突然倒れ、そのまま息をひきと
ってしまいました。
いつも落ちついたようすのツノキチは「奥さん思い」で、ケンカをしても
ガンコを傷つけることはなく、ケガをするのはいつもツノキチなのでした。
ガンコの歩くようすにヘンなところが見られるようになったのは2003年12
月。2004年1月3日から、寒い日には外に出さないようにしました。1月18
日には、一時、立つことができなくなり、翌19日の朝、死亡を確認しました。
ミナミシロサイは、シロサイの亜種のひとつ。アフリカ南部にミナミシロ
サイ、中央アフリカにキタシロサイがくらしています。「シロ」サイといっ
ても、体が白いわけではありません。オランダ語かアフリカーンス語の「広
い」ということばが、英語の「ワイド」(広い)をへて、英語の「ホワイト」
へつながって、シロサイとなったとか。
でも、はば広の口を、となりにいるヒガシクロサイとくらべていただくこ
とができなくなりました……。
ツノキチとガンコの写真は、東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/
のニュースページでごらんください。
・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」のミナミシロサイはこちら↓
http://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?code=50
■葛西臨海水族園■====================================================
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▼「魚ッチングシート」で生き物のヒミツを探る!
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「水族園魚ッチングシート」は、葛西臨海水族園で生き物を観察するため
のナビゲーター。このシートを片手に魚やペンギンを観察してみてください。
配布場所は、2階の情報資料室。ここでシートをもらって、順路を進もう。
※シートの配布は1月22日から。ただし、土日祝は館内が混雑するので配
布は行ないません。
・「クマノミ一家のおきて」(おとな向け)
話題の魚ですね。イソギンチャクと「共生」していることは、ごぞんじで
しょう。でも、クマノミにはまだまだヒミツがあるんです。旅に出たり、オ
スからメスに変わったり──くわしくは水族園で!
・「食べられないための工夫を探ろう」(おとな向け)
一見優雅に見える海の生き物たちも、食う食われるの世界を必死に生きぬ
いています。進化の過程で身につけた生き残り戦略を見つけてください。
・学校や団体など、子どもたちが楽しめるシートもご用意しました。
「ペンギンはどんないきもの」
「ペンギンウォッチング」
「クマノミのふしぎをさぐってみよう」
今後も新しい魚ッチングシートを随時追加していく予定です。
・問い合わせ先:葛西臨海水族園 電話03-3869-5153
■大島公園動物園■====================================================
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▼椿の色は赤だけじゃないんです
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椿の花の色というと、何色を思い浮かべますか? 多くの方は赤でしょう。
少数意見として白、ピンクといったところでしょうか。
しかし、椿の花には、まだまだ種類があります。くわしい方なら白と赤の
まだら模様があるのをごぞんじでしょう。また、めずしいところで、黄色い
花もあります。
これらの花が咲きみだれる大島公園内の椿園を会場として、1月31日(土)
から3月28日(日)まで、第49回椿まつりがひらかれます。開催期間中、椿
園入口には模擬店なども出店します。
椿園には約450種8,700本の椿があります。野生種の「ヤブツバキ」はもち
ろん、めずらしい黄色い花の「金花茶」、洋種の椿など、たくさんの椿が見
られます。
開花状況は、大島公園のホームページ http://www12.ocn.ne.jp/~umihuru/
をごらんください。
金花茶の写真は、東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/ のニュー
スページをどうぞ。 〔大島公園動物園 高橋孝太郎〕
■ B O O K S ■=======================================================
【こんなの出てます──ドードー本3点】
Dodo: A Brief History
Errol Fuller著、2002年、180頁、ISBN 0-7893-0638-7、Coolins刊
http://www.amazon.com/exec/obidos/tg/detail/-/0789308401/002-7236701-5987202
(↑amazon.com のページ)
Return of the Crazy Bird: The Sad, Strange Tale of the Dodo
Clara Pinto-Correia著、2003年、xvi;216頁、ISBN 0-387-98876-9
http://www.copernicusbooks.com/Detail.tpl?cart=32838304972031&ISBN=0387988769
(↑出版社 Copernicus Books のサイトでの紹介ページ)
The Dodo: The Bird that Drew the Short Straw
Jan den Hengst著、2003年、119頁、ISBN 90-72736-26-5
http://www.artrevisited.com/nederlands/catalogus_boeken_details.asp?id=1058
(↑出版社 Art Revisited のサイトでの紹介ページ)
ドードー本出版ラッシュ? おととし1冊、去年は2冊も出ました。いち
ばん上のフラーのは見ているだけで楽しいカラフルな本(けど、考察は少な
め。図録集)。2番めのピント=コレイアのは文字中心。3番めのもヴィジ
ュアル多し。ドードー研究希望者(?)はぜひ。
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N E W S C L I P S
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●小笠原父島で保護されたコハクチョウが福島へ
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2004/01/20e1d300.htm (都環境局)
●フェンス壊して出ちゃいました──オークランド動物園のアジアゾウ
今朝(2004年1月23日)午前7時台、ニュージーランドのオークランド動物
園で、アジアゾウのバーマが脱出。放飼場にあった丸太を電柵の上に落として
こわし、壕をこえ、フェンスもこわして外へ。かけつけた係員につれもどされ、
8時5分にはゾウ舎に入りました。
・日本語(CNN.co.jp) http://www.cnn.co.jp/world/CNN200401230029.html
・外に出たゾウ
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040123/photos_od_afp/040123030753_jsylsn37_photo0
・壊されたフェンス http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/3421967.stm
●バンテンのクローンを公開──米サンディエゴ動物園
絶滅のおそれのある東南アジア原産の野生牛「バンテン」のクローン個体が、
2004年1月22日、米サンディエゴ動物園で公開されました。1974年に採取され、
冷凍保存されたバンテンの体細胞を、家畜牛の卵に移植(AP)。写真↓
http://story.news.yahoo.com/news?tmpl=story&u=/040123/480/wxs11201230154
●サメ展準備中──米モントレー湾水族館
2004年4月2日からはじまるサメ展 http://www.mbayaq.org/efc/sharks.asp
にむけて準備中のモントレー湾水族館。係員が水槽の中に入って、サメに餌を
あたえているビデオが公開されています(エビスザメとカスザメの一種)。サ
メを満腹にさせておけば、他の魚といっしょに展示できるとのこと。
・動画 http://www.mbayaq.org/video/video_popup_sharkfeeding_mb_tank.asp
・サメ展フラッシュ(音つき)
http://www.mbayaq.org/media/sharks_preview/sharks_preview_transition_audio.html
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▽編集後記
・1966年、ミナミシロサイの体から、青磁色と橙色をした直径5ミリくらい
のダニがみつかったそうです。ダニの専門家に連絡をとると、「ぜひほし
い」との返事だったとか。「その道の専門家にとっては、高価なシロサイ
よりも、くっついてきたダニの方が貴重だったかもしれません」(「どう
ぶつと動物園」1966年10月号より)。 (大平)
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メールマガジン ZooExpress No.148 - 2004年01月23日
財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
(c)2003 Tokyo Zoological Park Society
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