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 Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.378 - 2008年05月09日

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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」

・ヒツジよヒツジ、もう動かない……。

・東京動物園友の会に入会しませんか? 年会費は、 2,000円。機関誌「どう
 ぶつと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジット
 カード&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/

■目次■----------------------------------------------------------------

 ・上野動物園
   └─ヒツジに催眠術をかけるには──毛刈りの工夫

 ・多摩動物公園
   ├─カッコウアザミに集まるツマムラサキマダラ
   ├─今しか見られない?! ムフロンの赤ちゃん
   ├─5月の観察デーはアフリカゾウを観察!
   ├─ホタル見学会2008、参加者募集!
   └─50周年記念スタンプラリー、スタンプ帳配布!

 ・葛西臨海水族園
   ├─どこからやってキタ?“ムシ”の話
   ├─「磯の生物観察会」「干潟の生物観察会」参加者募集
   └─企画展「TOKYOカエルさわぎ」開催!

 ・井の頭自然文化園
   ├─ミヤコタナゴの繁殖
   └─ツシマヤマネコのガイドを実施中!

■上野動物園■==========================================================

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 ▼ヒツジに催眠術をかけるには──毛刈りの工夫
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  こちら↓のニュースでお伝えしたとおり、2008年5月3日と6日、上野動物
 園の子ども動物園ではヒツジの毛刈りをおこないました。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=9096

  子ども動物園のヒツジは2タイプ、セントクロイとコリデールです。セント
 クロイは背が高くてスラリとしているので、あまりヒツジらしく見えません。
 それに、全身に生えている毛は刈り取らずとも、引っぱれば抜けてしまいます。
 モコモコになった毛を刈ってやったのはコリデールです。もともとスラッとし
 たようすのセントクロイ、そして、毛を刈ってサッパリしたコリデール──子
 ども動物園のヒツジは今、全員スッキリしたすがたとなりました。

  さて、前号で「ヒツジに催眠術をかける」と書きましたが、今回はその種明
 かしをしてしまいましょう。私たち飼育係は、動物を運んだり治療をしたりす
 る際、捕まえなければいけないことがあります。その場合、できるだけ動物に
 負担をかけず、人間も安全に作業ができるよう工夫をします。こうして動きを
 制限することを「保定」といいます。保定の方法は動物の種類によってさまざ
 まですが、今回はヒツジに最適な保定法をおこないました。

  毛刈りの際、ヒツジが腰をおろすような姿勢でクタッと脱力していたり、横
 向きに寝てじっとしていたりするのも、ヒツジ向けの保定法のおかげだったの
 です。とくに、私たちが触れていないのに横になったヒツジが動かないのを見
 て、お客さんは不思議に思われたようで、「麻酔をかけてるの?」「どうして
 動かないの?」といった質問を受けました。

  じつは! 横になったヒツジの肩の下にモノを置いて肩を少し押してやると、
 ヒツジはじっとしてくれるのです。ヒツジをあつかうのが本職の方は、一人で
 毛刈りをする際、自分の足の爪先を立ててヒツジの肩の下に入れ、肩のポイン
 トを押してヒツジをじっとさせるそうです。私たちも同じようにしてみたり、
 爪先で押さえるかわりに小さな餌皿を置いて、肩のポイントを押すようにして
 みました。

  こうして「催眠術」をかけてから、専用のバリカンで毛を刈ります。一年に
 一度しか使うことのないヒツジの毛刈り専用の大きな大きなバリカンなのです
 が、今年は新しい刃をつけて切れ味も抜群になりました。おかげで、すっきり
 としたヒツジが2頭誕生!

  すっきりヒツジたちは、子ども動物園のたくさんの動物たちとともに、これ
 からの暑さを元気に乗り切ってくれるはずです。

                 〔上野動物園子ども動物園係 齋藤麻里子〕

■多摩動物公園■========================================================

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 ▼カッコウアザミに集まるツマムラサキマダラ
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  多摩動物公園の昆虫生態園では、ツマムラサキマダラを飼育しています。翅
 に紫色の光沢があるため、オオムラサキとまちがわれることもあるチョウです。

  昨年(2007年)12月から今年1月にかけて、昆虫生態園では、ツマムラサキ
 マダラの食樹であるガジュマル、キョウチクトウ、オオイタビに幼虫が大量自
 然発生しまた。そこで、大きく育った終令幼虫を集め、育ててやると短期間で
 蛹になりました。

  2008年1~2月には 200以上の個体が羽化。成虫は昆虫生態園に放しました。
 しかし、どうしたわけか、明るく暖かい日でも、薄暗い場所に生えた植物の葉
 裏にとまっていることが多く、あまり飛び回るすがたが見られませんでした。

  たくさん放したわりに目立ちたないと思っていたところ、3月に入ると少し
 ずつ飛ぶ個体が増え、ランタナの花から吸蜜するすがたが見られるようになり
 ました。

  観覧通路の足もとに生えているカッコウアザミ(別名アゲラータム)が咲き
 出すと、花に集まるようになりました。花に集まるのは多くがオスです。カッ
 コウアザミの花には誘引物質があるのかもしれません。花にとまったツマムラ
 サキマダラは、蜜を吸うように「ストロー」状の口吻を伸ばしています。あま
 り近寄ると飛んで行ってしまいますので、そっと近寄って観察してください。

             〔多摩動物公園昆虫園飼育展示係 チョウ班担当者〕

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 ▼今しか見られない?! ムフロンの赤ちゃん
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  4月29日といえば世間では大型連休の始まりですが、多摩動物公園では、こ
 の日“初出勤”を果たしたムフロンがいます。それは、生後約2か月のオスの
 「蓮」(レン)。蓮が生まれてくるときのようすをレポートします。

  2008年3月4日午前8時29分、母親サトミの陰部から赤ちゃんの片足がほん
 の少し出ているのを発見。サトミは呼吸が荒く苦しそうです。去年難産だった
 ため、今回も難産を予想していました。8時40分、両足と鼻先が出てきました
 が、結局人の手で引っ張り出すことになりました。

  飼育係2人が母親を押さえます。わずかに出ている赤ちゃんの鼻先がヒクヒ
 ク動いていました。「よかった、生きてる!」。獣医がサトミのいきみに合わ
 せて赤ちゃんの足をゆっくり引っ張ると、そのたびにサトミは背中を丸めてい
 きみ、足をバタつかせます。「もう少しだから、がんばれ!」──その場にい
 た誰もが思ったはずです。

  引っ張り始めて5分後の9時18分、赤ちゃんが出てきました。すかさず獣医
 が赤ちゃんを逆さにして羊水を吐き出させてから、口の中の羊水を吸いとりま
 す。生まれた赤ちゃんは、かわいらしい大きな目が印象的。タオルで体を拭い
 てやってから、赤ちゃんをサトミにこすりつけ、人の匂いを消し、母親の匂い
 をつけます。

  それから私たちは部屋を出て、親子を見守りました。サトミは不思議そうに
 赤ちゃんを見つめていましたが、すぐに近づいて体を舐め始めました。そして
 赤ちゃんが立ち上がったのが生後たったの10分。生まれたばかりの赤ちゃんが
 力を振り絞って立ち上がるすがたは感動的でした。

  蓮と名づけられた赤ちゃんはすくすく育ち、4月29日の朝、に群れ入りの時
 を迎えました。これまでと違う環境の中、おとなのムフロンたちとの初対面。
 群れ入りは動物にとっても、飼育係にとっても緊張の瞬間です。扉を開けて連
 とサトミを群れの方へ導きますが、警戒した親子はなかなか足を進めません。
 見守る私たちも少し不安でしたが、お昼ごろには群れにまじってえさを食べる
 ようになりました。

  そして2008年5月11日には、蓮の弟分であるラルフが群れ入りを迎えようと
 しています。ラルフは4月1日にトモコが生んだオス。ラルフも蓮と同じく難
 産での誕生でしたが、すくすくと成長してきました。何事もなく群れ入りして
 れるはずです。

  さて、ムフロンのおとなのオスには立派な角が生えていますが、赤ちゃんオ
 スも、生後1か月経つと小さな角が毛の間に見え始めます。そう、記事タイト
 ルで「今しか見られない?!」と書いたのは、この角のことなのです。3月生ま
 れの蓮には長さ約3センチの角がすでに生えていますが、4月生まれのラルフ
 の角は毛のあいだに少し見える程度で、まるでつむじのようです。

  ラルフが群れ入りを果たすこの週末(5月11日)は、赤ちゃんムフロンたち
 の角のちがいを観察できる絶好のチャンスです。担当者も驚くほどのはやさで
 成長するムフロンたちに会いに多摩動物公園にいらっしゃいませんか?

          〔多摩動物公園南園飼育展示係 小林香緒里・吉田真理子〕

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 ▼5月の観察デーはアフリカゾウを観察!
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  毎月第3土曜日に開催している多摩動物公園の「観察デー」。動物解説員と
 ともに、動物をじっくり観察します。今月の観察デーは、2008年5月17日(土)。

  若葉の季節を迎え、気温の高い日にはアフリカゾウたちが水浴びをするよう
 になりました。今回は、リニューアルした観察シートを使って、アフリカゾウ
 のからだやしぐさを観察します。

  参加ご希望の方は、午前10時にウォッチングセンターにおこしください。動
 物解説員がごいっしょにアフリカゾウの前に行って、みなさんの観察をサポー
 トいたします。時間は、11時30分くらいまでです。

  観察デーと観察シートについて詳しく知りたい方は、こちら↓をごらんくだ
 さい。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=tama&link_num=6713

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 ▼ホタル見学会2008、参加者募集!
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  初夏を迎え、美しい季節の多摩動物公園。閉園後、日が沈んで暗闇がホタル
 舎を包みます。そこで輝くホタルの光をごらんください。

  日時 2008年6月13日(金)~6月15日(日)午後6時30分~8時30分
  場所 多摩動物公園昆虫園ホタル舎
  定員 各日 100名(中学生以下は保護者同伴)
  応募 往復はがきに希望日、参加希望者全員の氏名・年齢、代表者の住所・
     電話番号を明記し、返信面に返信先を記入して、〒191-0042日野市程
     久保7-1-1 多摩動物公園「ホタル見学会2008」係までお送りください。
     定員を超えた際は抽選をおこない、当落にかかわらずご連絡します。
  締切 2008年5月31日(土)消印有効

  ※大雨の際は中止。小雨の場合は開催します。開催の有無は当日午後1時に
   判断します。

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 ▼50周年記念スタンプラリー、スタンプ帳配布!
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  下記リンクのニュースでお伝えしたとおり、多摩動物公園開園50周年を記念
 して、2種類のスタンプラリーをおこないます。

 その1──「月間動物スタンプラリー」(2008年5月8日~31日配布)
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=9098

   2008年5月から3月まで毎月特定の動物に焦点をあて、飼育担当者が動物
  の魅力を伝えます──それが「月間動物」。毎月の代表動物のスタンプを集
  めると「特別賞」をプレゼント。2008年5月8日(木)~5月31日(土)、
  多摩動物公園「情報テント」付近で配布。先着30,000名様(1人1冊)。

 その2──「開園50周年記念スタンプラリー」(2008年5月10日から配布)
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&link_num=8471

   2008年5月10日(土)から6月1日(日)の土曜日と日曜日(計8日)、
  多摩動物公園と、京王多摩動物公園駅隣の「京王れーるランド」を回るスタ
  ンプラリーを開催します。時間は午前9時30分から、情報テント前でスタン
  プ帳をお配りします(雨天中止)。各日先着2,000名。

  スタンプ帳の画像は、こちら↓のお知らせをごらんください。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=9153

■葛西臨海水族園■======================================================

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 ▼どこからやってキタ?“ムシ”の話
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  路地に生える草花など、身近なものからふと季節の変化を感じると、何とな
 くうれしい気分になるものです。先日、葛西臨海水族園「渚の生物」エリアで、
 夏の到来を感じさせる生物の出現に「そろそろ海のシーズンだよねぇ」と心を
 弾ませてしまいました。その生物こそ、昨年(2007年)7月の記事↓でも紹介
 したフナムシです。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=7292

  「渚の生物」エリアには、関東近辺の海岸で採集したフナムシが入れられて
 いて、飼育係が餌を与えるなどの世話をすることなく、ずいぶんと前から住み
 ついています。寒い時期には水ぎわの石の下などでじっとしていて、暖かくな
 るとワサワサと活動を始めます。

  水族園のすぐ目の前の海である葛西臨海公園の干潟にもフナムシはたくさん
 いますが、磯などで私たちがよく見かけるフナムシとは別種の「キタフナムシ」
 であることが、近年報告されています。

  以前、キタフナムシは北海道だけに分布していると考えられていましたが、
 今では、北海道から東北地方に分布し、それより南の地域では西日本まで断続
 的に分布していることがわかっています。そこで、「渚の生物」エリアのフナ
 ムシを10匹ほど捕まえて種類を調べてみました。

  2種の見分け方は、第2触角と尾肢(びし)の長さがポイントとなります。
 第2触角とは頭から長く伸びる「むち状」のもので、尾肢とは第2触角とは逆
 に、体の一番うしろから伸びている器官です。キタフナムシはフナムシよりも
 第2触角と尾肢が短いため、並べて見比べると区別ができます(写真は東京ズ
 ーネット http://www.tokyo-zoo.net/  のニュースページをごらんください)。

  調査の結果、調べたフナムシはすべてキタフナムシでした。「渚の生物」エ
 リアに、いつごろ、どこで採集したフナムシ類がどれくらい入れられたのか記
 録が残っていないのは残念ですが、フナムシ類は移動能力が低い生物で、生息
 地ごとに独自の遺伝的な特徴をもっているといわれています。葛西臨海水族園
 のフナムシ類の遺伝子を調べることで、そのルーツを推測することができるか
 もしれませんね。
                   〔葛西臨海水族園飼育展示係 金原功〕

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 ▼「磯の生物観察会」「干潟の生物観察会」参加者募集
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 ◎磯の生物観察会

  葛西臨海水族園の職員といっしょに磯の生物を観察しよう! 磯の生物のく
 らしや、観察のポイントをわかりやすく解説。子ども向けのやさしい内容です。

  日時 2008年6月21日(土)午前10時~午後2時
  場所 神奈川県横須賀市走水
  定員 30名(小学3年生以上のお子さんと保護者の方)
  参加費 100円(資料代・保険料)
  集合 京浜急行馬堀海岸下車→京急バス「南谷戸」に午前9時45分
  応募 往復はがきに参加希望者全員の氏名・年齢と代表者の氏名・住所・電
     話番号を明記し、返信面に代表者の氏名・住所を記入して〒134-8587
     東京都江戸川区臨海町6-2-3 葛西臨海水族園「磯の生物観察会」係ま
     でお送りください。定員を超えた場合は抽選をおこない、当落にかか
     わらずご連絡します。
  締切 2008年6月5日(木)消印有効

  ※濡れてもよい靴や服装でご参加ください(マリンブーツ含む)。裸足やサ
   ンダルでの参加はお断わりします。

 ◎干潟の生物観察会

  葛西臨海水族園のそばにひろがる「西なぎさ」。ここで干潟の生物を観察し
 てみませんか? スタッフが解説します。お子さん向けのやさしい内容です。

  日時 2008年7月5日(土)午前10時~午後2時
  場所 葛西臨海公園「西なぎさ」
  定員 30名(小学3年生以上のお子さんと保護者の方)
  参加費 100円(資料代・保険料)
  集合 葛西臨海公園「西なぎさ」に午前9時45分
  応募 往復はがきに参加希望者全員の氏名・年齢と代表者の氏名・住所・電
     話番号を明記し、返信面に代表者の氏名・住所を記入して〒134-8587
     東京都江戸川区臨海町6-2-3 葛西臨海水族園「干潟の生物観察会」係
     までお送りください。定員を超えた場合は抽選をおこない、当落にか
     かわらずご連絡します。
  締切 2008年6月20日(金)消印有効

  ※濡れてもよい靴や服装でご参加ください(マリンブーツ含む)。裸足やサ
   ンダルでの参加はお断わりします。

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 ▼企画展「TOKYOカエルさわぎ」開催!
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  2008年は「国際カエル年」。葛西臨海水族園では、東京に生息するカエルに
 焦点をあて、カエルの生態やその危機的状況について、企画展「TOKYO カエル
 さわぎ」を開催します。東京のカエルたちがさわいでいます。身近なカエルの
 くらしぶり、カエルと人間の関係など、さまざまな角度から取り上げます。会
 場では、アズマヒキガエル、ニホンアマガエル、トウキョウダルマガエルなど
 を展示し、解説パネルなどで解説します。

  期間 2008年6月5日(木)~10月14日(火)
  会場 葛西臨海水族園「水辺の自然」エリア・淡水生物館

 ※財団法人東京動物園協会による「国際カエル年活動宣言」はこちら(PDF)
   http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2008_01/YOTF_statement.pdf

■井の頭自然文化園■====================================================

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 ▼ミヤコタナゴの繁殖
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  井の頭自然文化園分園の水生物館ではミヤコタナゴを飼育展示しています。
 ミヤコタナゴは生きた二枚貝の殻の中に卵を産むため、展示水槽に二枚貝を2
 個体入れています。体が大きく色の鮮やかなオスと、お尻から産卵管の長く伸
 びたメスが、二枚貝の近くで繁殖の機会をうかがっているようすを、毎年8月
 から9月ぐらいまでごらんいただくことができます。

  ミヤコタナゴをはじめ、タナゴのなかまは二枚貝の殻の中に産卵し、殻の中
 で卵が孵化するという変わった習性をもっています。二枚貝にはいろいろな種
 類があり、タナゴの種類によって産卵する二枚貝に好みがあります。ミヤコタ
 ナゴにはカワシンジュガイという二枚貝を使っています。

  水槽に入っている貝は毎週交換し、裏側の飼育スペースにある孵化専用の水
 槽に移しています。その際、貝を横にしたり、急に水温や水質を変化させたり
 すると、貝が卵を吐き出してしまうことがあるため、貝の移動は慎重におこな
 います。貝を移動してから3~4週間後に仔魚が貝から出てきます。出てきた
 仔魚の体長は約1センチで、すぐにえさを食べ始めます。

  ミヤコタナゴは絶滅が心配され、国の天然記念物に指定されていますが、当
 園で繁殖に使用しているカワシンジュガイも絶滅が心配されている生き物です。
 ミヤコタナゴの産卵が終わると、中に卵や仔魚が残っていないことを確認して
 から、もともとすんでいた川へ返しています。

  今年産まれた仔魚もすでに貝から出てきています。産まれた仔魚は、およそ
 1年から2年後に展示水槽に移され、繁殖に参加します。野生ではほとんど見
 ることができなくなってしまったミヤコタナゴを守るため、水生物館ではこれ
 からもミヤコタナゴの繁殖に力を入れていきます。

           〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 小木曽正造〕

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 ▼ツシマヤマネコのガイドを実施中!
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  井の頭自然文化園では、2006年から環境省の飼育下繁殖事業に協力し、ツシ
 マヤマネコを飼育していますが、現在オス1匹を公開しているヤマネコ舍前で
 は、土日を中心にガイドを2種類おこなっています。

  一つはボランティアによる「ヤマネコガイド」。特製のぬいぐるみを使った
 ガイドです(写真は東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/  の催し物ペ
 ージをごらんください)。

  特製ぬいぐるみは、外見はもちろんのこと、細部まで本物そっくりに作って
 あり、イエネコとヤマネコのちがいをじっくり確認することができます。重さ
 も本物と変わらず、ぬいぐるみを抱いて体重を実感することができます。しか
 も、季節ごとの成獣オスの体重を再現し、夏毛個体は 3.5キログラム、冬毛個
 体は 4.5キログラムにしてあります。

  ツシマヤマネコを見て、「あっ!ネコだ!」と言う来園者の方が多いのです
 が、そういう方にまずイエネコとヤマネコのちがいを知ってもらうのがねらい
 です。そこを入口に、ツシマヤマネコの生態や絶滅の危機に瀕している状況を
 知っていただければと思います。

  もう一つは、 NPO法人「どうぶつたちの病院」の協力を得ておこなっている
 「ツシマヤマネコスペシャルガイド」です。「どうぶつたちの病院」は、ツシ
 マヤマネコの生息地である対馬に拠点をもち、対馬の野生動物と島の飼育動物
 にどうぶつ医療を提供しています。またツシマヤマネコの保護活動もおこなっ
 ています。

  「どうぶつたちの病院」のスタッフが野生のツシマヤマネコの保全活動の最
 新情報や対馬の自然をガイドするとともに、ヤマネコ商品も販売します。商品
 の売上はツシマヤマネコの救護活動や感染症防止活動などに使われます。お店
 の名前は「青空市場やまねこ」。この機会にすてきなヤマネコグッズをお買い
 求めください。

 ◎ヤマネコガイドは、本園のヤマネコ舎前で、第2・第4土曜日、第2・第3
  日曜日に開催。時間は13:30~14:30。

 ◎ツシマヤマネコスペシャルガイドは、やはり本園・ヤマネコ舎前で、毎週日
  曜日の11:00~15:00に開催。

■ B O O K S ■=========================================================

 『飼育係が見た動物のヒミツ51』

              多摩動物公園・著、築地書館、2008年05月15日刊
                   本体1,600円、ISBN978-4-8067-1369-2

  2006年4月から2007年10月に朝日小学生新聞に掲載された記事をまとめた本。
 基本的に一つの記事で1種をあつかい、タイトルどおり51編の記事で構成され
 ています。本書の特徴は、なんといっても、飼育担当者が執筆したこと!

  毎日のように動物に接し、体調を観察し、行動をチェックし、特徴的な行動
 を展示するための試行錯誤を繰り返し、繁殖の成功を目指して工夫したり研究
 したり、病気の経過に気を揉んだり──身近に接している飼育係だからこそ書
 ける「ヒミツ」や「ウラ話」が紹介されています。

  台風で落ちた巣が落ちたイヌワシ、人工くちばしをつけたニホンコウノトリ、
 野生では見られなくなったモウコノウマ、舌を手術したコンゴウインコ、冬で
 も温室を舞うチョウたち、華麗なジャンプを見せるサーバル、爪に速さの秘密
 をもつチーター、新人飼育係に意地悪をするチンパンジー、多摩動物公園開園
 からずっといるスリランカゾウ、国内栽培のユーカリを与えているコアラなど
 など、さまざまなエピソードが紹介されています。

  コラムとして、動物の運搬や、飼育係の一日、動物園内のさまざまな職種、
 夜の動物園、休園日の動物園など、さまざまな角度から動物園が紹介されてい
 ます。

  築地書館 http://www.tsukiji-shokan.co.jp/ の書籍紹介ページ↓
  http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1369-2.html に
 は、目次と「はじめに」が掲載されています。

  また、築地書館トップページ http://www.tsukiji-shokan.co.jp/ でも紹介
 されていますが、2008年5月16日(金)午後7時から、本書を執筆した園長や
 飼育係によるトークイベントが開催されます。定員40名。入場料1,000円(1
 ドリンク付)。要予約(先着順)。電話03-5363-1300か、ジュンク堂書店新宿
 店7Fカウンターにてご予約下さい。お早めに!

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  N E W S  C L I P S
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●国立科学博物館「ダーウィン展」ワークシート公開

 特別展「ダーウィン展」を効果的に見るためのワークシート。新学習指導要領
に「進化」が盛りこまれたそうですが、授業の教材としても活用できる内容。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2008/darwin/school.html

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▽本文中にしめしたリンクによって表示されるページには、ほかのページへの移
 動リンクが含まれていない場合があります。とくに東京ズーネットの「どうぶ
 つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
  http://www.tokyo-zoo.net/search/ から検索してください。

▽ズー・エクスプレスでは、みなさんからのおたよりを募集しています。匿名や
 ペンネーム希望の方はその旨をおつたえください。 webmaster@tokyo-zoo.net
 まで。ご意見・ご要望・お問い合わせもこのアドレスまでどうぞ。

▽メール配信先変更、配信停止は下記URLにてお願いいたします。配信先の変
 更をご希望の方は、いったん解除をおこない、あらためて新アドレスを登録し
 てください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/

▽編集後記

 ・ゴールデンウィークも終わりましたね……


        ……あ、今ちょっと気絶してました……。ご紹介した『飼育係
  が見た動物のヒミツ51』。そこらのライターには書けない視点や情報は、や
  はり日々動物に接している飼育係ならでは。多摩動物公園へ行く前に読むと
  じつに吉。                          (大平)

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メールマガジン ZooExpress No.378 - 2008年05月09日
財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL  : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2008 Tokyo Zoological Park Society
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