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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.52 - Mar 22, 2002
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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」。
・祝 上野動物園120周年! 上野のニュースを中心にお送りします。
■目次■
・上野動物園
├─ 祝・120周年開園記念日……林家こぶ平さん「1日園長」に!
├─「家族と動物園の想い出写真展」開催中
├─ 飼育係員は語る!……キーパーズトーク
├─ 不忍池に珍客……アカツクシガモ初飛来
└─ シジュウカラガンの受難……カルガモの愛は一途だった
・TokyoZooShop
├─限定販売……「CoCoPad」と「ほ乳類の驚異」のセット
└─ミニプリントシールにニューデザイン登場!
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N E W S
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■上野動物園■========================================================
▼祝・120周年開園記念日──林家こぶ平さん「1日園長」に!
3月20日は上野動物園の開園記念日。1882年、農商務省博物局所管の施設
としてオープンして以来、ついに 120周年をむかえました。日本ではもっと
も歴史の長い動物園です。すでにおつたえしたとおり、今年はさまざまな記
念イベントを計画しています。
20日は 午前9時から「一日園長」の任命式と「120人でのテープカット」
をおこないました。一日園長をおねがいしたのは噺家の林家こぶ平さんです。
上野動物園のちかくに住むこぶ平さんは、「上野動物園は子どものころか
ら手を引かれてきた想い出の場所」と語り、さらには父親の故林家三平さん
の小咄を披露。
「パンダはなにを食べるんだい」「パンだ」
……さて、つづいて正門前でテープカット。応募いただいた中から選ばれ
た方々の中に、こぶ平さんにも加わっていただきました。
一日園長として園内をまわったこぶ平さんですが、アジアゾウのスーリヤ
の背中に乗ったときは緊張した面もちでした。
園長の任務を終えたこぶ平さんの感想は──「心なしか、昔の動物園より
動物の顔がおだやかな気がします。ゾウの乗りごこちですか? ぜんぜん怖
くなかったですよ!」。
・写真は東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/ からニュースページへ
・日本落語協会内の林家こぶ平さん紹介ページ
http://www.rakugo-kyokai.or.jp/ 内の「会員紹介」をごらんください
▼「家族と動物園の想い出写真展」開催中──5月31日まで
この写真展は、上野動物園 120年の歴史を、単に動物園サイドからの視点
ではなく、「みなさんが見て、体験した動物園」をつうじて、歴史と想い出
をふりかえろうという企画です。
12月から1月末にかけて、83名の方から約 170点の「想い出写真」がよせ
られました。3月5日から、西園のズーポケット(動物園ホール1階)で展
示しています。
会場内には、動物園の歴史をとらえた写真とともに、応募いただいた写真
を年代順にならべました。いちばん古いのは、かつてのキリン舎(現在のゾ
ウ舎プール付近)の前で撮った写真です。応募者コメントによれば、「母に
おんぶしてもらっている赤ちゃんは小生」とのこと。
1967年撮影の写真には、園内を散歩するアジアゾウのメナムのすがたが写
っています。来園した1965年から現在のゾウ舎が完成する1968年まで、西園
と東園のあいだを訓練をかねて散歩させていたのです。
開催は5月31日まで。会場は午後4時前に閉まることもありますので、す
こし早めにおいでください。
▼飼育係員は語る!──キーパーズトーク(3月31日まで)
120周年記念イベントの一つとして、飼育担当者が動物舎の前でお話をす
る「キーパーズトーク」を実施します。期間は3月21日から31日までの休園
日をのぞく毎日。午後2時から15分ていどです(同時に何カ所かでおこない
ます)。
動物について飼育担当者に直接質問できるチャンス!
3月23日(金)──東園(ゴリラ、クマ)
西園(オカピ)
24日(日)──東園(タンチョウ[五重塔前]、夜の森)
西園(サイ)
今日(22日)、西園のキーパーズトークはオランウータンでした。上野動
物園にいる唯一のオランウータン「モリー」(メス、50歳)について、飼育
舎前で担当者がトーク。ふだんの生活ぶりについての話の中で、「モリーも
すっかり丸くなった」ということばが印象的でした(昔はもっと尖った性格
だったらしい……)。
25日(月)は休園日。26日から31日の予定は、追ってウェブサイトで告知
します。東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/ をご確認ください。
▼不忍池に珍客──アカツクシガモ初飛来
不忍池にはいろいろな鳥がやってきますが、3月16日、日本国内でもきわ
めてめずらしいアカツクシガモが見つかり、関心を呼んでいます。不忍池に
飛来したのは初めてで、新聞やテレビでも報じられ、池周辺には珍客を一目
見ようと愛鳥家やカメラマンが大勢集まっています。
見つかったのはメス1羽。羽は赤褐色、頭は淡色です。アカツクシガモは
西ヨーロッパから中近東、アジア大陸温帯部で繁殖し、南アジアで越冬する
渡り鳥。日本では迷鳥として記録されています。
上野動物園の小宮輝之飼育課長によれば、「20年ほど前に千葉県の幕張で
見たけど、それ以来だな」とのこと。
現在、園内のカワウの池と、弁天堂ちかくの園外の池をいったりきたりし
ています。あまり人を恐れないようで、見物客が投げこんだパンを食べに近
よってくるシーンも見られます。しばらく滞在するつもりでしょうか。
・写真は東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/ のニュースページ
をごらんください。)
▼シジュウカラガンの受難──カルガモの愛は一途だった
3月21日、春分の日のこと。午後から強い風が吹きはじめました。東園五
重塔のまわりも花吹雪です。その五重塔手前のタンチョウ展示場へ、餌やり
を見るために出かけました。現場に到着すると、担当職員と獣医師がなにや
ら相談中。近づくと、「ちょうどいいや、はい、これ」と柄つきのタモ網の
ようなものをわたされました。「こ、これは……?」「いまからシジュウカ
ラガンをつかまえるから手伝って。よろしくねー」。た、たしかにタンチョ
ウの展示場の中でシジュウカラガンをいっしょに飼育していますが……?
じつは、シジュウカラガンがカルガモのオスに攻撃されているので、保護
して手当てしようというのです。しかし、体の小さなカルガモにシジュウカ
ラガンが攻撃されるとはいったい?──それは、カルガモの生い立ちに関係
があります。昨年5月24日発行のメールマガジンNo.9で、つぎのようにお知
らせしました。
ガンカモ類は、孵化直後に目にした動く物体についていき、一生
それに似たものに愛着を示すことが知られています。(略)担当者
の推理によれば、野生のカルガモが孵化したところにシジュウカラ
ガンが通りかかったのではないか、とのこと。カルガモの親がひな
4羽を連れているところは目撃されているので、遅れて孵化した1
羽がおいてけぼりを食い、生まれてすぐに目にしたのが、通りがか
りのシジュウカラガンだった、という可能性があります。(略)突
如として親となったシジュウカラガンは、カラスがちかくにやって
くると、カルガモのひなをかばい、“いいお母さんぶり”を発揮し
ているとのこと。
(ニュース掲載時にシジュウカラガンのメスがカルガモを育てているとお
伝えしましたが、お母さんぶりを発揮していたのは「オス」でした。当時の
写真は http://www.tokyo-zoo.net/root_frame?topics_type=1&link_num=115
をごらんください。)
この刷り込みが悲劇のはじまりだったのです。シジュウカラガンのオスを
慕うカルガモは、“母親”(=オス)のパートナーであるシジュウカラガン
のメスが近づいてくると、くちばしで攻撃するようになってしまいました。
親(じゃないけど)の心、子知らず……。
ふつうカルガモはこんな攻撃性を見せないそうです。すっかり自分がシジ
ュウカラガンだと思いこんでいるのでしょうか。“嫉妬”なのか、“親を守
ろう”としているのか。う~ん。
さて、網をもったわれわれはタンチョウ展示場の中へ。広い展示場には屋
根などなく、一面が強い風にさらされています。乾いた地面。まきあがる砂
ぼこり。荒野の三人(?)。シジュウカラガンを追い立て、誘導して隅にお
いやろうとしますが、相手もすばしこい。「あっちだ」「そっちだ!」「砂
が目に入った!」「ころんだ!(←筆者)」。展示場内ですから、来園者が
見ています。30分かけて、ようやくシジュウカラガンのペアを捕獲しました
(ゼイゼイ)。メスの首にはカルガモにやられた生々しい傷痕がありました。
シジュウカラガン2羽は無事ケージに収容。カルガモは野生個体なので、
しばらくすると放飼場からいなくなってしまうかもしれません。まずは、シ
ジュウカラガンのペアに平和が戻り、一安心です。
「どうぶつ図鑑」のシジュウカラガンはここ↓
http://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?code=137
シジュウカラガンについては、本メールマガジンNo.9の上記記事をごらん
ください。
http://www.tokyo-zoo.net/cgi/view.cgi?record=express_back_9.html
■TokyoZooShop■======================================================
▼限定販売──しゃべる絵本「CoCoPad」と「ほ乳類の驚異」のセット
3月21日より発売になったセガトイズの教育玩具「CoCoPad」 (ココパッ
ド)。アメリカで大ヒットした「しゃべる絵本」の日本版です。ココパッド
はハード部分で、これにソフト(専用絵本と音声カートリッジ)を組み合わ
せ、ペンで操作します。音声機能を利用して、文字の読み方、英語や音楽な
どを楽しく学べます。
このたび、上野動物園 120周年を記念して、ココパッドと新作ソフト「ほ
乳類の驚異」をセットで特価販売します。本体 6,980円+ソフト 2,480円=
9,460円のところ、園内ギフトショップでは特価8,980円(すべて税別)。表
門ちかくのギフトショップ「リトルトランク」と、西園モノレール駅そばの
「プチ・カメレオン」で販売中!(デモ機もあります。)
「ほ乳類の驚異」は、ライオンをはじめ、ゴリラ、イルカ、オオカミ、コ
ウモリ、有袋類と単孔類などについてページごとに解説やクイズがあり、鳴
き声が聞ける「音の出る図鑑」です。
ココパッド本体には「おためしソフト」もついています。今後の新作予定
をふくめ、くわしくはココパッドのサイト http://www.cocopad.com/ (日
本語)をごらんください。
▼ミニプリントシールにニューデザイン登場!
東園ペンギン売店横にはミニプリントシール機が2台あります(ワライカ
ワセミなどのいるバードケージそば)。3月20日より上野動物園120周年記念
のニューデザインがくわわりました。アイアイやパンダなど、よそにはない
スペシャルフレームで記念撮影をしてみませんか?
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▽ZooExpressではみなさんからのお便りを募集しています。匿名やペンネーム
希望の方はその旨をお伝えください。webmaster@tokyo-zoo.net まで。ご意
見・ご要望・お問い合わせもこのアドレスまでどうぞ。
▽メール配信先変更、配信停止は下記URLにてお願いいたします。配信先の
変更をご希望の方は、いったん解除をおこない、あらためて新アドレスを登
録してください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/
▽編集後記
オスのひなが別種のオスを“母”と思いこみ、その“母”のパートナーで
あるメスを排除しようとするのは、エディプス・コンプレックスじゃなくて、
え~と……?
今日(22日、金)、東京地方は午後から雨模様となりましたが、予報によ
れば、明日早朝にはあがり、晴れ間がひろがりそうです。
上野の桜は見ごろをむかえました。上野公園も今週末は花見客でタイヘン
なことになるでしょう。 (大平)
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メールマガジン ZooExpress No.52 - 2002年03月22日
財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
(c)2001 Tokyo Zoological Park Society
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