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 Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.327  - 2007年06月08日

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・イヌの5千倍の嗅覚をもつ男、それは……。

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 ぶつと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジット
 カード&オンラインでもOK! → http//www.tokyo-zoo.net/member/

■目次■----------------------------------------------------------------

 ・上野動物園─────ヤブツカツクリの塚を掘ったら……

 ・多摩動物公園──┬─シフゾウの赤ちゃん、生後1か月
          ├─ヨーロッパオオカミ、今年も誕生!
          └─ライオン赤ちゃん、群れ入り訓練開始

 ・葛西臨海水族園──┬─深海の大きなスパイダー? タカアシガニ
           ├─夏休み開園時間延長と休園日の開園
           └─スタッフトーク「アオウミガメのお話」

 ・井の頭自然文化園───カエル上陸用スロープ──文化園四季折々

 ・書籍紹介──内山晟著『ミーアキャットの一日』

■上野動物園■==========================================================

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 ▼ヤブツカツクリの塚を掘ったら……
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  5月最後の休園日(2007年5月28日)のことです。園内のあちこちで、飼育
 担当者が集まって、臨時作業を進めています。西園では、ケープペンギンをす
 べて捕まえ、体内に埋め込まれているマイクロチップを装置で読み取り、同時
 に足につけたリングをチェックして、個体確認が行なわれています。これは、
 ペンギン池のペンキ塗りかえにともなう引っ越し準備です。

  東園ではプレーリードッグの全頭捕獲が進行中。地中に穴を掘って暮らす動
 物なので、飼育係は全員スコップを手に、土を掘り続けます。毎年、繁殖シー
 ズンが終わった今ごろ、全頭を捕まえて繁殖個体を調べるのです。また、生ま
 れた個体にマイクロチップを埋め込む作業もおこないます。同時に、外に逃げ
 出しそうな箇所がないか調べ、処置をします。

  西園のヤブツカツクリ展示場では、ヤブツカツクリが作った塚を、飼育担当
 者が1人で掘り返していました。ヤブツカツクリは、オスが落ち葉などを集め、
 大きな塚を作る鳥です。メスはこの中に産卵します。

  塚の表面から20センチほど掘り進んだとき、汚れひとつない真っ白な卵が、
 いっぺんに5個あらわれました。おどろいたことに、卵はすべて、尖った方が
 下になっていました。家庭でニワトリの卵を冷蔵庫に保存するとき、尖った方
 を下にした方が鮮度を保てるとされています。これと同じことなのでしょうか。

  ヤブツカツクリの塚の中では、微生物による発酵熱が生じ、そのおかげで卵
 が温められるのですが、この塚は枯葉の分量が足りず、温度不足になってしま
 います。そのため、卵は取り上げてしまうのです。それに、今いるオスは交尾
 がうまくできず、結果的に無精卵なので孵化しません。

  作業が終わってから、飼育担当者は卵に鼻を近づけて、ひとつひとつ匂いを
 嗅いでいました。そして、こうつぶやいたのです──「こいつは腐ってる」。
 上野動物園で一番鼻がきく彼にしかできない芸当です。検卵器さえ不要のもの
 としてしまう、人間ばなれした感覚に驚きました。1時間ほどしてから、ヤブ
 ツカツクリの放飼場に戻ると、塚のそばに、枯葉がたくさん置いてありました。

 ・東京ズーネットBB、動画「ヤブツカツクリ」(2006年4月)
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0604_05/index.html

                  〔上野動物園子ども動物園係長 高藤彰〕

■多摩動物公園■========================================================

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 ▼シフゾウの赤ちゃん、生後1か月
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  2007年5月6日、多摩動物公園のシフゾウにオスの赤ちゃんが生まれました。
 父親は「マック」(14歳)、母親は「ナターシャ」(12歳)。ナターシャは、
 3回目の出産です。第1仔は1999年5月3日生まれの「メイ」。第2仔が2002
 年5月8日生まれの「薫」。そして今回の第3仔もやっぱり5月の初旬に生ま
 れました。青葉の季節に誕生したので、「青葉」と命名しました。

  生まれた直後は、足がやっと立つくらいのよちよち歩きでしたが、すでに1
 か月が経ち、体もずいぶん大きくなりました。元気に走るすがたも見られます。

  5月25日から観覧通路の奥の放飼場での親子を公開していましたが、5月31
 日から、大放飼場で他の個体といっしょに生活しているところが見られます。

  まだ赤ちゃんなので、お母さんのナターシャにぴったり寄りそっています。
 赤ちゃんだけがもつ背中の白い斑点を見ていると、まるで子鹿のようです。シ
 フゾウはやっぱりシカのなかま(偶蹄目シカ科)だったんですね。

                 〔多摩動物公園南園飼育展示係 松本徹郎〕

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 ▼ヨーロッパオオカミ、今年も誕生!
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  2007年5月13日(日)、多摩動物公園のヨーロッパオオカミに赤ちゃんが生
 まれました! 昨年と同様、自然に近い環境で出産と育児をさせているため、
 生まれた数も性別も今のところ確認できない状況です。

  出産前には穴を掘る行動が観察されました。出産は直接観察していませんが、
 5月14日(月)には母親のお腹が小さくなっていたため、前日に出産したもの
 と判断しました。現在、巣穴を定期的に変えるので、母オオカミが赤ちゃんを
 くわえて歩くすがたが見られるかもしれません。

  母親は「モロ」(9歳)、父親は「ロボ」(7歳)。いずれもモスクワ動物
 園生まれで、2001年8月3日に来園しました。今回生まれた赤ちゃんを除き、
 多摩動物公園のヨーロッパオオカミは、オス3、メス3の6頭です。

 ・東京ズーネット、2006年のニュース「ヨーロッパオオカミの名前決定!」
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=4877

 ・東京ズーネットBB、2003年のヨーロッパオオカミの動画
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0309_02/index.html

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 ▼ライオン赤ちゃん、群れ入り訓練開始
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  2007年2月13日に多摩動物公園で生まれたライオンの赤ちゃん4頭。名前も
 つきました。オス2頭はダイとフク。メス2頭はナナとミキ。

 ・誕生のニュース
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=6357

 ・名前決定のニュース(動画へのリンクもあります)
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=6777

  赤ちゃんたちはこれまで、産室で母親と過ごしていましたが、順調に成長し
 ているため、ライオン園に出し、他の個体といっしょにさせる訓練を始めまし
 た。5月24日からライオン園にデビュー。ライオンバスから、赤ちゃんたちの
 すがたが見られます(状況によっては、赤ちゃんの群れ入り訓練を中止するこ
 ともあります)。

■葛西臨海水族園■======================================================

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 ▼深海の大きなスパイダー? タカアシガニ
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  「スパイダー」(クモ)といっても、陸上のクモのことではありません。今
 回ご紹介するのは、「深海の生物」コーナーの3番目の水槽で展示しているタ
 カアシガニです。

  タカアシガニは、クモガニ科に属する世界最大のカニです。成長したオスは、
 両脚を広げると、なんと4メートルちかくあります。クモガニという科の名前
 の由来は、長い脚がクモに似ているところから来ているのでしょう。よく知ら
 れたカニでは、ズワイガニなども同じクモガニ科に属します。

  カニは横にすばしっこく歩くイメージがありますね。かれらは、脚の関節の
 つくりにより、横に歩くのが得意なのです。しかし、このタカアシガニは、甲
 羅が丸く、脚の関節の部分に余裕があるので、前に進むのもじょうずです。

  現在展示しているタカアシガニは、4メートルとまではいきませんが、脚を
 ひろげると2メートルちかく(甲羅の幅は約30センチ)あるオスです。クモの
 ような長い脚で甲羅を持ちあげるようにして、ゆっくりと歩きます。写真は、
 東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/  のニュースページをごらんくだ
 さい。

  オスはメスに比べると大きなハサミをもっています。交尾の際、メスをかか
 えるのに、この大きなハサミが役に立つのです。以前、葛西臨海水族園でオス
 がメスを抱えていたところを撮影しました。こちらも、上記ニュースページを
 ごらんください。

  大きな体のタカアシガニも、生まれたばかりの幼生は 1.5ミリほどの小ささ
 です。その後、脱皮をくり返しながら、大きく成長していきます。広げて4メ
 ートルになるまでに何度脱皮をして何年かかるのか、その成長の詳細について
 はまだ知られていません。
                 〔葛西臨海水族園飼育展示係 高濱由美子〕

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 ▼夏休み開園時間延長と休園日の開園
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  先週お知らせした葛西臨海水族園の夏休み開園時間延長期間ですが、8月13
 日(月)~17日(金)の期間が抜けていました。訂正いたします。

 ○葛西臨海水族園

  ・開園時間延長期間
     2007年8月中の土曜日と日曜日
      (8月4日[土]、5日[日]、11日[土]、12日[日]、
         18日[土]、19日[日]、25日[土]、26日[日])
     および、8月13日(月)~17日(金)

   延長日の開園時間
      午前9時30分~午後6時(入園は午後5時まで)
      ※通常の開園時間
      午前9時30分~午後5時(入園は午後4時まで)

  ・休園日の開園 2007年8月中は毎日開園します。

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 ▼スタッフトーク「アオウミガメのお話」
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  2007年6月のスタッフトークは、「6月23日(土)」午後3時から3時30分、
 本館2階のレクチャールームにて開催します。先週号(No.326)のお知らせの
 本文中、日付がまちがっている箇所がありました。訂正いたします。

  くわしくは、こちら↓のニュースをごらんください。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=event&inst=&link_num=7010

■井の頭自然文化園■====================================================

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 ▼カエル上陸用スロープ──文化園四季折々
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  井の頭自然文化園の熱帯鳥温室前には、コンクリート製の池があります。こ
 んな場所でも、アズマヒキガエルにとって生の営みのためには欠くことのでき
 ない大事な環境なようで、この春、ここでオタマジャクシがたくさんかえりま
 した。

  最近では、池のオタマジャクシに劇的な変化がおきています。後肢が生え、
 前肢が生え、さらにはこうした外見の変化だけでなく、えら呼吸から肺呼吸へ
 と変わっていきます。いわゆる「変態」という過程です。

  ところが、この池を取り囲む垂直の壁は、最上部が張り出しているため、苦
 労して這い登ってきた体長7~8ミリほどの小さなカエルたちは、ことごとく
 そこで立ち往生してしまいます。わずかな勝利者を除き、ほとんどのカエルが
 力つきてしまうのです。あるいは、登っている最中、強烈な直射日光にさらさ
 れ、そのまま壁面で干からびてしまうこともあります。

  そんな過酷な状況に置かれている彼らですが、ほかに選択の余地はなく、居
 心地のよかった池でおぼれ死ぬ可能性も出てきました。

  そんな彼らの手助けをしたいと考え、以前お伝えした「ヒキガエル御一行様
 用階段」に引き続き、今回は子ガエルたちのために、上陸用スロープを製作し
 ました。写真は東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/  のニュースペー
 ジをごらんください。前回の「階段」のニュースはこちら↓です。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=6430

  杉皮を張った板と板をちょうつがいでつなぎ、板の裏面に取り付けたペット
 ボトル製のフロートによって、水位の増減に対応させました。また、スロープ
 の始点付近にエノキの枝を挿し、子ガエルたちの注意をひきつけるようにしま
 した。

  設置してから数日たちましたが、むなしいクライミングに精を出していた子
 ガエルも、みずからの進むべき道をはっきりと認識したようで、壁面からすっ
 かりすがたを消し、スロープを登っていくところがたびたび目撃されるように
 なりました。どうやらスロープはすっかり認知されたようです。

  アズマヒキガエルは都下の住宅地の庭先などでも見られますが、上陸したカ
 エルのうち、生き残るのはほんのわずかでしょう。この先も見守っていこうと
 思っています。
                   〔井の頭自然文化園施設係 浜中和晴〕

■ B O O K S ■=========================================================

 『ミーアキャットの一日』
               内山晟著、青菁社、2007年6月21日刊
                   本体780円、ISBN978-4-88350-218-9

  動物写真家、内山晟(うちやま・あきら)さんによるミーアキャット写真集。
 ミニブックシリーズとしてすでに十数点が刊行されています(内山晟『コウテ
 イペンギンの幸せ』も同シリーズ既刊の一つ)。

  本文40ページ、約12×12センチで豆本なふんいきもただよわせていますが、
 この中にミーアキャットの生活が凝縮されて紹介されています。ごく短い、セ
 リフ的な文章が添えられているのが、このシリーズの特徴のようです。

  早朝は零下8度、昼はTシャツに短パンでも暑いほどの厳しい気候の中での
 撮影。巻末に1ページ、内山さんのミーアキャットに対する思いが綴られてい
 ます。

 ・青菁社(せいせいしゃ) http://web.kyoto-inet.or.jp/org/s-s-s/ 内の
  書籍紹介ページ http://web.kyoto-inet.or.jp/org/s-s-s/mini-mi-a.html

 ・内山晟さんのサイト   http://www.c-channel.com/c00428/ (日記を拝見
   すると、4月には谷中にネコを撮影にいらっしゃったようですね!)

 ・内山晟動物写真事務所 http://www.animalphoto-uchiyama.co.jp/

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  N E W S  C L I P S
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●箕輪義隆 野鳥原画展「うみどり」

2007年6月5日(火)~23日(土)(日曜休)、東京都渋谷区の日本野鳥の会バ
ードプラザで、箕輪義隆さんの海鳥の原画展開催中。

・「箕輪義隆挿絵工房」 http://www11.ocn.ne.jp/%7Ey-minowa/
       展示情報 http://www11.ocn.ne.jp/%7Ey-minowa/information.html
       ブログ  http://sashiekoubou.de-blog.jp/weblog/

●脇田智写真展「動物たち・光と影 '07」

写真家の脇田智さんの写真展が、2007年6月14日(木)から6月19日(火)の期
間、代官山フォトギャラリーで開かれます。脇田さんのサイト Photo Gallery Zoo
http://http://bigtiger.aquasky.jp/の中の About me をごらんください。

●「カエルツボカビフォーラム2007」──麻布大学

2007年6月10日(日)、麻布大学で「カエルツボカビフォーラム2007」開催。講
演、ポスター討論会など。参加費無料。詳細はこちら↓のPDFをどうぞ。
http://www.azabu-u.ac.jp/wnew/detail07/070427/tsubokabiforum_2007.pdf

●野生生物保全論研究会シンポジウム「野生動物の『守り手』になるには?」

2007年6月30日(土)、野生生物保全論研究会(JWCS)総会とシンポジウム「野
生動物の『守り手』になるには?」が、東京都千代田区で開催されます。参加費
は一般1,000円。先着100名。くわしくは http://www.jwcs.org/event_sinpo.htm 。

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 動リンクが含まれていない場合があります。とくに東京ズーネットの「どうぶ
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▽編集後記

 ・あ、バッテリー残量がっ! で、電源ケーブルが手元にないっ! 編集後記
  書いてるヒマがありませんっ! 言い訳っ?                     (大平)

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財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL  : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2007 Tokyo Zoological Park Society
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