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 Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.318  - 2007年04月13日

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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」

・ヒカリキンメダイが光るようになった秘訣とは?の巻。

・東京動物園友の会に入会しませんか? 年会費は、 2,000円。機関誌「どう
 ぶつと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジット
 カード&オンラインでもOK! → http//www.tokyo-zoo.net/member/

■目次■----------------------------------------------------------------

 ・多摩動物公園
   ├─シロオリックス赤ちゃんの成長
   └─浜中町とパートナーシップ協定を締結

 ・葛西臨海水族園
   ├─水族園で野山の花を楽しもう!──陽春の候
   └─“おしゃべり”になったヒカリキンメダイ

 ・井の頭自然文化園
   └─隠れたこだわり発見!──文化園四季折々

■多摩動物公園■========================================================

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 ▼シロオリックス赤ちゃんの成長
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  2007年2月2日に多摩動物公園でシロオリックスが出産したことは、すでに
 お知らせしました↓。「サフラン」と名づけられたメスの赤ちゃんは、生後2
 か月を過ぎ、順調に成長しています。
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=6356

  誕生当初のサフランは、体の白いおとなたちとはちがい、全身が淡いキャラ
 メル色をしていました。野生では、オリックスの子どもはやぶの中に身をかく
 しながら、母親が戻って来るのを待っています。やぶの中では、子どもの体の
 キャラメル色が保護色となるのです。

  ところが、子どもの体色は、生後2か月をすぎたころから急速に白くなり、
 生後3か月ごろには、ほぼおとなと変わらない白色に変化します。東京ズーネ
 ット http://www.tokyo-zoo.net/  ニュースページの写真は、生後1か月と2
 か月ごろのものです。体色が急に白くなっていくようすが、おわかりいただけ
 ると思います。

  子育てはおもに母親の仕事です。母親は授乳しながら子どものお尻をペロペ
 ロなめ、排泄をうながします。ときには子どものフンを食べてしまうこともあ
 ります。大人のフンは銀杏ほどの大きさで、黒い粒状ですが、ミルクしか飲ん
 でいない赤ちゃんはミルク色のフンをします。

  生後1週間もたつと、赤ちゃんは草を口に入れるようになりますが、まだ草
 をちゃんと食べることはできません。草を口の中で遊ばせながら、少しずつ食
 べ方をおぼえていくのです。ちゃんと草を食べるようになるには、1か月ほど
 かかります。草を食べるようになって初めて、大人と同じ黒い粒状のフンをす
 るようになります。でも、大きさはまだ7ミリくらい。これから、成長ととも
 に、フンも大きくなります。フンにも、サフランの成長があらわれるのです。

                 〔多摩動物公園北園飼育展示係 坂本千尋〕

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 ▼浜中町とパートナーシップ協定を締結
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  多摩動物公園は2005年7月、北海道厚岸郡浜中町とともに、浜中町管内でト
 ウキョウトガリネズミの採集をおこない、飼育展示を始めました。トウキョウ
 トガリネズミは体重が2グラムほどしかない、非常に小さな哺乳類です。北海
 道にしか分布していません。

  トウキョウトガリネズミの生態や生理については不明な点が多く、今後も継
 続した調査が必要です。そこで、多摩動物公園は浜中町とのあいだに継続した
 協力関係を築くために、「パートナーシップ協定」を結びました。

  協定は2007年4月1日付で締結しました。また、調印式は、2007年4月16日
 (月)、浜中町町役場でおこないます。パートナーシップは、以下のような内
 容です。

  ・多摩動物公園内で、浜中町のPRに協力する
  ・多摩動物公園内で、浜中町の事業を紹介する特別展などを開催する
   (パネル展や特産物の販売など)
  ・浜中町に生息する動物を採集し、多摩動物公園事業に協力する
  ・浜中町と多摩動物公園による共同研究や共同事業などを協力して進める

 ・東京ズーネットBB、動画「トウキョウトガリネズミ」
   http://www.tokyo-zoo.net/movie/mov_book/0602_01/index.html

 ・東京ズーネット、ニュース「トウキョウトガリネズミ初公開」
   http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=2970

■葛西臨海水族園■======================================================

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 ▼水族園で野山の花を楽しもう!──陽春の候
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  葛西臨海水族園屋外の展示エリア「水辺の自然」では、かつて東京周辺でご
 くふつうに見られた、川や池などに暮らす生物を、できるだけ自然に近いかた
 ちで展示しています。このエリアは観覧順路としては最後になりますが、あま
 り家路を急がず、ゆっくり歩くことをおすすめします。

  ところどころで足を止め、あたりを見まわせば、草木や虫、鳥などが四季お
 りおりのすがたを見せてくれることでしょう。今回は、うららかな春を想わせ
 てくれる野草をご紹介いたします。「花の名前はよく知らないんだけど……」
 という方も、まずは春を満喫する気分で、どうぞお気軽にご来園ください。き
 っとお気に入りの野草が見つかることでしょう。また、それぞれの野草がどん
 な場所を好んで生えているのかもよくわかると思います。

  写真は東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/  のニュースページをご
 らんください。

 ◎ハルユキノシタ(春雪の下)
  渓谷や山の湿った岩の上などに生えます。5枚ある花びらのうち、下の2枚
 が大きく、上の3枚が小さいのが特徴です。初夏には入れ替わりで「ユキノシ
 タ」が咲きます。この2種類の野草は、葉の形は丸くてよく似ていますが、葉
 色はユキノシタの方がやや濃い緑で、表面に白っぽい筋模様があります。これ
 を手がかりにして、2種類を区別してみてください。「渓流」水槽の中央付近、
 水ぎわの岩の上で咲いています。

 ◎シャガ(射干)
  沢ぞいの湿ったうす暗い林の下などに生えます。花の大きさは5センチ程度
 とやや小さめです。アヤメのなかまでなので、花のかたちもアヤメによく似て
 おり、すぐに見つけることができるでしょう。花は一日でしぼんでしまいます
 が、茎にはたくさんのつぼみが枝状についています。そのふくらみ具合を見く
 らべながら、明日開くつぼみはどれかなと、想い浮べてみるのも楽しいですね。
 「流れ」の上流の橋付近に咲いています。

 ◎ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)
  湿り気のある田んぼの土手などに生えます。めしべの「柱頭」という部分の
 先端はふたつに割れていて、さわると閉じてしまいます。この動きは、受粉を
 しやすくする働きがあるといわれていますが、展示しているものでは試さない
 でくださいね。野外でルーペを使って観察してみましょう。花が終わる夏ごろ
 には、イチゴのように根元から横に伸びる枝を出して増えていくようすも見ら
 れます。「田んぼ」水槽のあぜに咲いています。

 ◎ヒメオドリコソウ(姫踊子草)
  空き地や道ばたなど、いたるところに生えているのを見かけます。花のかた
 が笠をかぶった“踊り子”を思わせる「オドリコソウ」のなかまです。花の長
 さは1センチくらいですが、通路ぎわに咲いているものを、しゃがんでよく見
 てみましょう。ヨーロッパ原産の野草で、明治時代の中ごろ日本に入ってきま
 した。「水辺の自然」エリア手前の日当たりのよい芝生にたくさん咲いていま
 すが、帰化植物ということで、展示エリア内では取り除いています。

                   〔葛西臨海水族園飼育展示係 金原功〕

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 ▼“おしゃべり”になったヒカリキンメダイ
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  ヒカリキンメダイは、西部太平洋にすむ夜行性の魚です。発光する魚として
 よく知られており、目の下にソラマメのようなかたちの大きな発光器をもって
 います。ここに発光バクテリアが共生していて、緑色がかったかなり強い光を
 放ちます。ヒカリキンメダイはこの発光器を表裏に回転させて光を点滅させ、
 なかまどうしのコミュニケーションや求愛に使っていると考えられています。
 光を使って“会話”しているといったところでしょうか。

  葛西臨海水族園では以前から、「世界の海」エリアの「セレベス海」水槽で、
 中を真っ暗にしてヒカリキンメダイを展示してきました。ところが、飼育を始
 めてしばらくはきれいな光を発していたのに、やがてまったく光らなくなる、
 という事態がつづいていました。

  そこで、ヒカリキンメダイの発光をうまく見せている、ほかの水族館の飼育
 方法を調べてみると、当水族園のえさでは、量も栄養も十分ではないことがわ
 かりました。さっそく、栄養強化のためのサプリメントを加えながら、いくつ
 かのえさをたっぷり与えるようにしたところ、いったんは光が弱くなった個体
 も、興奮時には徐々に強い緑色の光を放つようになりました。

  ところが、です。発光能力はあるのに、ふだん、それをなかなか発揮してく
 れないのです。ほかの水族館の水槽では、魚たちは大きく泳ぎまわりながらピ
 カピカとよく光り、まるで大声でしゃべりながらはしゃぎまわっているように
 見えます。

  それにくらべて当園の水槽では、えさの時間以外、岩の奥の方にじっとした
 まま、あまり動きまわらず、光も弱く、まるで陰に隠れて、ないしょ話をして
 いるかのようです。会話がふつうにできる健康状態になるまで、もう少し時間
 がかかるのかな、と思っていたところ、夜中に館内がすっかり消灯し、水族園
 全体が寝静まったころになると、ヒカリキンメダイたちはしっかりと光りなが
 ら、さかんに泳ぎまわっていることがわかりました。夜行性で神経質なかれら
 のことです、日中は館内のほのかな明かりに浮かびあがる人間の影におびえ、
 おしゃべりどころではなかったようです。

  さっそく、水槽のアクリルに簡単なふたを取りつけ、小さなのぞき窓だけを
 開けて、外側の人の影響が水槽の中に伝わりにくいようにしたところ、ピカピ
 カとよく光りながら水槽内を泳ぎまわってくれるようになりました。

  一度に観察ができる人数が限られるので、当面はあまり館内が混雑しない平
 日だけの試みですが、はしゃいでいるかのような彼ら光をぜひ観察してみてく
 ださい。
                   〔葛西臨海水族園飼育展示係 多田諭〕

■井の頭自然文化園■====================================================

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 ▼隠れたこだわり発見!──文化園四季折々
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  毎週お送りしているこの「文化園四季折々」が始まって1年が経とうとして
 います。文化園のちょっとしたできごとや小さな発見をみなさんにお伝えする
 ために、井の頭自然文化園の職員が交代で執筆しています。

  昨年(2006年)5月の第1回は、園長の私が「音が消えた水琴窟」と題して、
 ゴールデンウィークのエピソードをご紹介しました(リンク↓)
  http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=4552

  そして、2007年春。「園長の番ですよ~」(えっ、悪魔のささやき?)。ふ
 たたび私にお鉢がまわってきました。「うむ~」、さて困った。何を書いてよ
 いやら……。動物の話題は、直接世話をしている飼育係にはかなわないし、植
 物もやはり専門家がいるし……うむむ。というわけで、今回はかなり地味な話
 題をご紹介することにしましょう。

  園内のソメイヨシノはすでに葉桜にかわり、花の主役は八重咲きのサトザク
 ラやハナミズキへと移ってきました。眠っていた木々も芽吹きはじめ、新緑の
 まぶしい季節到来です。来園者の方々に文化園でさらに快適に過ごしていただ
 こうと、職員一人ひとりが日々ちょっとした工夫をこらしています。名づけて、
 「文化園こざっぱり作戦」。大規模な施設整備が進まない当園ですが、ならば
 せめて質の向上をと、園内の雑草や施設のサビなどに気をつけています。

  今回ご紹介するのは、こだわりの一品(?)「散水栓」です。これは、野口
 雨情の書斎を移築した「童心居」前の散水栓を、むき出しにせず、竹でおおっ
 たしたものです。気づかずに通り過ぎる方も多いと思いますが、まわりの風情
 をこわさないよう、くふうしているのです。何気ない一品が逸品に変わるので
 す。こんなところにも細やかな心づかいがあるのです(ちょっとおおげさです
 が……)。

  もうひとつが「蓑垣」(みのがき)。蓑は、わらなどで編んだ雨具のこと。
 蓑垣は、竹穂を用いて蓑を模した垣根です。これも童心居内にあります。垣根
 ひとつでも日本文化の一端を見ることができるのです。最近では高級旅館でさ
 え、露天風呂の目隠しに人工垣根を使っているところがありますが、あのプラ
 スチック製の垣根が公園などでも幅をきかせています。たしかに管理コストを
 考えると人工垣根になるのもやむを得ないかもしれません。

  しかし、井の頭自然文化園のこの蓑垣はほんものです。職員が研修を受け、
 また資料を参考にしながら、腕をみがき作りあげています。ほかにも、「金閣
 寺垣」「銀閣寺垣」など、伝統的な垣根も再現しています。文化園では「天然
 物」にこだわり、雰囲気の醸成に気をくばっています。きわめて「地味」な話
 題ですが、こんなところにも文化園のよさがあるのです。

  動物はもちろんのこと、園内のこうした小さな演出にも目を向けていただけ
 ると、また文化園の奥深さがわかっていただけるのではないでしょうか。なお、
 今回紹介した垣根は、来月もっとくわしく説明いたします。お楽しみに。

                     〔井の頭自然文化園園長 永井清〕

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  N E W S  C L I P S
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●シンポジウム「水族館がつなぐ私たちの未来」──立教大学

副題は「“みんなのアクアリウム”をつくろう」。くわしくは↓
http://www.rikkyo.ne.jp/grp/cri/eco-opera/program/070421-aqua.html

●オオワシ人工孵化に成功──旭山動物園
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/kagaku/news/20070406ddm012040126000c.html

●円山動物園ブログ
http://sapporo.100miles.jp/special/ (札幌100マイル)

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 てください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/

▽編集後記

 ・東京湾で捕獲され、葛西臨海水族園の加圧水槽で飼育していたミツクリザメ
  は、残念ながら死亡しました。生存期間14日という最長記録。

 ・前号No.317で「GW期間の開園時間延長」のお知らせ中、「午後6時間」と
  あるのは、「午後6時」の誤りです。訂正いたします。

 ・あわわわ、電車を降りたら激しい雨と強い風。しかーし、東京地方は朝には
  やみ、週末は晴れと曇りの予報。ヤター。            (大平)

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メールマガジン ZooExpress No.318 - 2007年04月13日
財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
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URL  : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2007 Tokyo Zoological Park Society
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