 |
======================================================================
Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.249 - 2005年12月31日
======================================================================
・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」。
・2005年はどのような年だったでしょうか。
----------------------------------------------------------------------
・上野動物園、多摩動物公園、葛西臨海水族園、井の頭自然文化園は、2006年
1月2日(月)からオープンします! 1月4日(水)は、葛西のみお休み
です。
----------------------------------------------------------------------
・東京動物園友の会に入会しませんか? 年会費は、 2,000円。機関誌「どう
ぶつと動物園」を年4冊お届けします。入会・継続の手続きは、クレジット
カード&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/
■東京ズーネットBB■==================================================
----------------------------
▼12月の新作動画6点、公開!
----------------------------
今年(2005年)最後の動画ニュースをお届けします。「東京ズーネット」
のトップページ http://www.tokyo-zoo.net/ から、「TokyoZooNetBB」をク
リックしてください。12月も以下の6点を公開します!
◎動物園よりおしらせ
【幻の犬「川上犬」が来園】─────────────────────
「川上犬」は、長野県で猟師が飼い慣らしたヤマイヌが祖先。絶滅した
と思われていましたが、昭和30年代に山小屋で生き残っていたことがわか
り「復活」! 上野動物園では長野県川上村から3頭のメスを借り受け、
2005年12月15日から展示しています。ビデオは公開翌日のようす。
ビデオ撮影日以降も、元気なすがたを見せてくれています。年賀状は新
年になってから書く!という方は、こちら↓のページから、川上犬の年賀
状用画像をどうぞ。
http://www.tokyo-zoo.net/news/temp/2005_12/kawakami_ken/index.html
◎うごく!どうぶつ図鑑(2~3分)
【元気なアイアイの子「フアーヴィ」】────────────────
2003年7月9日に生まれた、上野動物園のアイアイの子ども「フアーヴ
ィ」。業務用ヒーターを設置し、外側の放飼場の覆いもはずしました。昼
の餌の時間には、すぐ目の前ですがたを見せてくれることも。ビデオでも
わかりますが、長い中指を使って餌を穴からかき出したり、ハチミツをす
くって食べたりするようすもわかります。アイアイを間近でごらんになり
たい方はぜひ!
【シマウマに甘えるバーバリーシープ】────────────────
2005年4月に上野動物園で生まれたバーバリーシープの子ども「アシタ
バ」。母親が死亡し、ひとりぼっちになってしまいました。ただし、ハー
トマンヤマシマウマと同居中。アシタバは、シマウマのメス「パンジー」
に甘えています。パンジーの困った(?)ようすをビデオでどうぞ。
ビデオ撮影後、大島公園動物園から2頭のバーバリーシープ、「シオ」
と「マオ」が来園しました。シマウマになつくアシタバを見て「えーっ!?」
と思っているのかどうか、2頭はシマウマには近よりません。さて、今後
3頭とシマウマ2頭の関係はどうなるでしょうか。
【インドホシガメ】─────────────────────────
上野動物園の両生爬虫類館にいるインドホシガメたち。撮影時には3頭
が展示されていましたが、いまはもう少し展示数を増やしています。オス
ばかりなのに、ビデオでは交尾の姿勢を見せています……。
また、ビデオ撮影後、ビルマホシガメの放飼場にもインドホシガメを入
れました。甲羅の模様をくらべてみてください。
【マグロの餌やり】─────────────────────────
葛西臨海水族園のマグロ水槽。1日1回、午後2時半ごろの餌やりのよ
うすです(木曜日は午前と午後の2回)。餌は、イワシ、アジ、イカ、ウ
シエビなど。水面に向かっていく迫力ある泳ぎをごらんください。水槽内
には、クロマグロ、キハダ、コシナガ、ハガツオ、スマ、カツオがいます。
【タマカエルウオ】─────────────────────────
魚なのに水に入るのがニガテ……。それがタマカエルウオ。変わってま
すね! 葛西臨海水族園にいます。水槽内には水を吹き出すしかけがあり
ますが、水が来た瞬間、水の中は嫌ーッ!とばかり、タマカエルウオたち
はピョンピョンとはねまわります。胸びれを使い、体を曲げてジャンプす
るようすをビデオでごらんください。
※東京ズーネットBBの動画は、ISDNでは再生できません。ご了承ください。
※「東京ズーネット」のモバイルサイトでも、動画を公開しています(約30
秒。川上犬、アイアイ、バーバリーシープ、インドホシガメがごらんにな
れます。動画再生対応機種でごらんください。アクセス先は、パソコン版
と同じく http://www.tokyo-zoo.net/ です!
■多摩動物公園・葛西臨海水族園■======================================
----------------------------
▼オストメイト対応の設備設置
----------------------------
多摩動物公園と葛西臨海水族園で、オストメイト対応のトイレを設置しま
した。多摩動物公園では2005年9月23日から、葛西臨海水族園では11月17日
からのオープンです。
多摩動物公園はウォッチングセンター内のトイレ、葛西臨海水族園は改札
ゲート近くのトイレに設置しました。
「オストメイト」という言葉は聞きなれない方も多いと思いますが、病気
等によって臓器に障害を負い、体に人工的な孔(ストーマ)をもつ方のこと
をいいます。排泄行為の際、さまざまな苦労をされることも多いようです。
トイレという設備は、動物園・水族園でもたいせつな設備です。これまで
も、清潔で匂わないトイレをめざすとともに、さまざまなご要望にお応えす
るようつとめてきました。種々のハンディキャップをもつ方のために、「だ
れでもトイレ」と称して、使いやすい施設を設置しています。
今日、駅や高速道路のトイレなどにはオストメイト対応の設備が増えてお
り、都立動物園でも、多摩動物公園につづいて葛西臨海水族園でオープンし
ました。
暖かいお湯を出すために電源工事をおこない、出入口は自動ドアにすると
ともに入口の間口をひろげ、着替え用の台も設けました。姿見は、倒れたり
した場合を考慮し、安全性の点からステンレス製の鏡にしました。匂いがこ
もらないように、換気設備もつくりました。床にはタイルを貼り、出入口に
はオストメイト対応施設であることを示すシンボルマークを表示しました。
このほか、ウォシュレット化、手洗いの自動水洗化、身障者トイレの自動
ドア化などを手がけています。高齢化社会に対応するため、手すりの設置な
どもおこなう予定です。
多くの方が動物園・水族園を楽しく、快適に利用していただくため、今後
もトイレをはじめ、施設の改善を目指しています。どうぞ、ご利用ください。
〔東京動物園協会水族園事業所施設係長 橋本定雄〕
・社団法人日本オストミー協会東京支部 http://www.ostomy.jp/tokyo/
■葛西臨海水族園■====================================================
----------------------------------
▼春が待ち遠しい、ヤマメの稚魚たち
----------------------------------
葛西臨海水族園は海の生物ばかり、と思っている方も多いかと思いますが、
ガラスドームを出た後の帰り道、屋外に「水辺の自然」コーナーが続いてい
ることをごぞんじでしょうか?
「水辺の自然」では日本の淡水魚や両生類、水草などを展示しており、一
角にある「渓流」水槽では、おもにイワナ、ヤマメ、カジカ、ボウズハゼな
どを展示しています。すでにお伝えしたとおり、ここにあらたな水槽を設置
し、2005年12月1日からヤマメの卵と稚魚の展示を始めました。卵は、東京
都農林水産振興財団奥多摩さかな養殖センター(旧・東京都水産試験場奥多
摩分場)で10月末と11月上旬に生まれました。これを水族園が11月下旬にゆ
ずり受けたのです。卵の直径は4~5mmで、全体にオレンジ色をしています。
卵が到着したときにはすでに発生が進んで眼ができており、稚魚が卵の中で
動くところも確認できました。
卵は裏側の水槽で約1週間経過観察してから、展示水槽に入れました。卵
は底に沈む「沈性卵」です。孵化間近で卵膜が弱くなっているため、砂利の
上に静かに移したところ、展示開始後、徐々に孵化が始まりました。最初に
孵化した稚魚のからだには、色素が黒くあらわれてきました。写真は東京ズ
ーネット http://www.tokyo-zoo.net/ のニュースページをごらんください。
ふくらんで見える透き通ったオレンジ色の袋は「さいのう」(臍嚢)といい、
生まれたばかりの稚魚はこの袋を水槽の底につけてじっとしています。彼ら
は、さいのうの栄養を吸収しながら少しずつ大きくなるのです。
じつは葛西臨海水族園の「渓流」水槽では、例年、紅葉の時期になって水
温がさがり始めると水槽内でヤマメの産卵行動が観察されています。何度か
卵を回収してみましたが、残念ながら孵化にいたったことはありません。
ヤマメなどサケ科の魚は、多数の研究機関で研究されており、生態や卵発
生についてもすでに多くのことがわかっています。ヤマメの卵や稚魚の成長
は水温に左右されますが、孵化などの各成長段階に必要な目安には、「積算
水温」というものが使われます。これは1日の平均水温に日数をかけたもの
で、受精後、眼ができるまでが約 300℃、孵化までにはさらに約 180℃かか
ります。そして、孵化した稚魚が浮上して泳ぎ回るまでには、さらに約 400
℃が必要になります。現在、水槽の水温は8℃なので、稚魚展示開始から約
50日後の2006年1月20日頃には元気に泳ぐ稚魚が見られると思います。稚魚
のすがたを見に「水辺の自然」コーナーまでおいでください。
〔葛西臨海水族園飼育係 杉野隆〕
■ M A G A Z I N E ■=================================================
「畜産の研究」第60巻第1号
特集「動物園──動物園の主役たちとその舞台裏」
養賢堂、B5判、定価税込3,600円
雑誌コード 06123-1、ISSN 0009-3874
総勢30名の執筆者による特集。記事タイトルと執筆者・肩書は、下記養賢
堂の紹介ページにあります。通常号よりも厚い 230ページですが、特集ペー
ジは全198ページ!
動物園の歴史、展示、研究、教育、保全、繁殖、輸送、検疫、飼料、感染
症、情報発信、ボランティア、動物ガイド、動物園グッズ、動物園写真、マ
スコミと動物園など、テーマは多岐にわたります。
動物園のいま、動物園がかかえる問題、そして動物園のこれからを考える
ためには必読の特集号です!
・養賢堂 http://www.yokendo.com/ 内の雑誌詳細ページ
http://www.yokendo.com/julbook/chikusan/c_60_1.htm
----------------------
N E W S C L I P S
----------------------
●ヘビとハムスターがなかよし?
東京ムツゴロウ動物王国で、餌として与えたハムスターが、なぜか食われず、
とぐろの中で眠るほどの仲に。(Yahoo!Japan、時事通信社)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051230-04170292-jijp-soci.view-001
●砂漠の動物園にもペンギンを──トゥルクメニスタンの動物園
トゥルクメニスタン大統領は、カラコルム砂漠にある動物園でペンギンを飼
うべしと命を下しました。地球温暖化にともなう危機からペンギンを救うため
とのこと。ちなみに、動物園が建設の地は、40℃にもなる砂漠地帯。
http://www.int.iol.co.za/index.php?set_id=1&click_id=29&art_id=iol113467128866P623
●財政改善のため、動物園職員を一時解雇──米デトロイト
市の財政改善のため、デトロイト歴史博物館の閉館や、デトロイト動物園職
員 151人の一時解雇(レイオフ)の方針が打ち出されました。運営をデトロイ
ト動物園協会に移し、市の職員は同じ給与で協会に採用されるとのこと。
http://www.detnews.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20051214/METRO/512140394/1003
●ユキヒョウに整形手術──ノヴォシビルスク動物公園
眼の感染症のために手術を受けたユキヒョウに対し、術後の状態をきれいに
するための整形手術が行なわれました。その美しさは損なわれなかった、との
記事。
http://fr.rian.ru/russia/20051228/42758452.html
======================================================================
▽本文中に示したリンクによって表示されるページには、他のページへの移動
リンクが含まれていない場合があります。とくに東京ズーネットの「どうぶ
つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
http://www.tokyo-zoo.net/search/ から検索してください。
▽ZooExpressではみなさんからのお便りを募集しています。匿名やペンネーム
希望の方はその旨をお伝えください。webmaster@tokyo-zoo.net まで。ご意
見・ご要望・お問い合わせもこのアドレスまでどうぞ。
▽メール配信先変更、配信停止は下記URLにてお願いいたします。配信先の
変更をご希望の方は、いったん解除をおこない、あらためて新アドレスを登
録してください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/
▽編集後記
・わー、メルマガ編集中、コンピューターの液晶モニタのバックライトが切
れちゃいました、なんにも見えません……。暮れも押しせまったこんな時
に。応急処置でなんとかしのいでいます。
・今年も残すところ10分となりました。今年一年、ご愛読いただき、ありが
とうございました。大晦日を静かに迎えてはいますけれども、2005年、都
立動物園・水族園のみならず、全国的にさまざまなニュースが各方面から
伝えられました。うれしいニュース、悲しいニュース──振り返ると、さ
まざまな思いが去来しますが、読者のみなさま、動物たち、動物に関わる
人々、すべての人々にとって、新しい年がよい年となりますよう、お祈り
申し上げます。
・では、万感の思いをこめて、送信ボタンをポチッとすることにします。ホ
ントに寒い日がつづいておりますが、くれぐれもご自愛ください。2006年
も引きつづき、東京ズーネット&メールマガジンをよろしくお願いいたし
ます! (大平)
======================================================================
メールマガジン ZooExpress No.249 - 2005年12月31日
財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2005 Tokyo Zoological Park Society
|
 |