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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.225 - 2005年07月15日
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・エー、上野は小獣の三題噺でごきげんをうかがいますの巻。
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カード&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/
■上野動物園■========================================================
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▼ヒメハリテンレックが生まれました
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小獣館の地下は夜行性動物の世界。1階から地下におりていって、展示場
に入るとすぐ左手にヒメハリテンレックがいます。今現在展示しているのは
メス2頭ですが、飼育準備をする裏側では子どもが生まれています。
東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/ のニュースページに写って
いるのは、2005年7月4日生まれの赤ちゃんです(7月14日撮影)。数頭生
まれたうち、生き残った1頭ですが、親が育児放棄をしたため、人工哺育を
しています。最初は1日に5回授乳していましたが、今は1日3回ほど。も
う目が開きました。
7月9日にも裏で5頭が生まれました。こちらは、ちゃんと親が子育て中。
今後、現在展示している2頭を裏側に移動し、子どもたちを表に出して、見
ていただく予定です。
ヒメハリテンレックは、ハリネズミと同じく、「食虫目」の動物。マダガ
スカルでくらしています。ヒメハリテンレックのとなりにはヨツユビハリネ
ズミも展示していますので、くらべてみてください。
・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」のヒメハリテンレックはこちら↓
http://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?code=349
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▼ミーアキャットに双子誕生
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2005年6月22日、小獣館の1階にいるミーアキャットに双子が生まれまし
た。巣箱にこもっていることが多かったのですが、約2週間で目が開き、外
でチョロチョロと動きまわるようになりました。2頭とも元気です。写真は
東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/ のニュースページをごらんく
ださい。
親も子も、目のまわりに黒い縁取りがありますが、子どもの方が頭部に比
して目の割合が大きいせいか、目立ちます。そこがラブリー。
赤ちゃんはまだ足もとがおぼつかず、放飼場内の小さな斜面をズザザ……
とすべり落ちたりもしています。2003年8月に生まれた赤ちゃんの動画は、
「東京ズーネットBB」の↓こちらをごらんください。
http://www.b-bat.tv/zoo/mov_book/0308_01/
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▼プレーリードッグ放飼場復活!
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2005年5月19日にプレーリードッグ放飼場の土を掘り起こし、捕獲大作戦
を繰りひろげたことは、東京ズーネットのニュースでお伝えしました↓。
http://www.tokyo-zoo.net/topic/topics_detail?kind=news&link_num=2675
捕獲した個体は飼育舎の裏側に収容し、一部は小獣館で展示していました
が、工事終了後、6月14日からおとなの個体を放しています。改修といって
も、土の下にコンクリートを打ち、その上に金網をはるというものなので、
新放飼場は、以前とさほど変わらないように見えるかもしれません。写真は
東京ズーネット http://www.tokyo-zoo.net/ のニュースページをどうぞ。
また、7月17日には、子どもを放す予定です。
・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」のプレーリードッグはココ↓
http://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?code=85
(2004年生まれの赤ちゃんの動画もあります。)
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▼特別企画「真夏の夜の動物園」
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お知らせしたとおり、上野動物園は、2005年8月13日(土)、14日(日)、
15日(月)の3日間、東園は午後7時まで、西園は午後8時まで開園します
(いずれも入園は午後6時まで)。
このたび催し物の詳細が決まりました。もうメールマガジンでは載せきれ
ないほどのボリューム!
全イベントを2ページのPDF(約1.7MB)にバッチリまとめましたので、こ
こ↓からダウンロードしてください。1枚の用紙に両面印刷すると便利!
http://www.tokyo-zoo.net/event/temp/2005_07/ueno_summer_2005.pdf
すでにお伝えした催し物にくわえ、動物園ホールでは「わくわく映画祭」
を上映します。1日2作品、計6作品のドキュメンタリー映画を上映します。
上映作品の一つ「カバの約束」(約50分)は、世界各地の映画祭でグラン
プリを受賞した作品。その紹介動画(約3分)が、映画祭の共催者 「NPO法
人地球映像ネットワーク」のサイトにあります。
トップページ( http://www.naturechannel.jp/ )から「ネイチャー・チ
ャンネル」をクリックし、フラッシュ画面の次のページで「哺乳類・爬虫類・
両生類」→「カバ」をクリック。
■葛西臨海水族園■====================================================
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▼東京湾から消えたアオギス──アオギスの展示
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「キス」という魚を知っていますか? 白銀色の細長い体は、華奢で美し
く、味も淡白でじつに上品。天ぷらやフライにすると最高! 砂浜での投げ
釣りや船釣りなどで簡単に釣れ、釣り人にも人気のある魚です。でも、この
「キス」とは「シロギス」のこと。
今回ご紹介するのは、シロギスに姿形がとても似た「アオギス」です(写
真は「東京ズーネット」 http://www.tokyo-zoo.net/ のニュースページを
ごらんください)。
アオギスは「東京湾」のコーナー、「東京湾の漁業」水槽に展示されてい
ます。でも、正確には、ここに展示するのはふさわしくないかもしれません。
というのも、かつて東京湾に漁業の対象となるほどたくさんいたアオギスは、
昭和40年代頃から急速に減り始め、その約10年後、昭和51年に確認されたの
を最後に、東京湾からすがたを消してしまいました。今でも東京湾でふつう
に見られるシロギスとは異なり、アオギスは悲しい運命をたどったのです。
アオギスはなぜいなくなったのか? 残念ながらアオギスの生態的な研究
が少ないことなどから、その理由は明らかではありません。しかし、産卵や
子育てのために河口とその周囲に広がる干潟を必要とするアオギスにとって、
干潟の減少がその大きな要因であることはたしかでしょう。開発により東京
湾の干潟がつぎつぎと埋め立てられ、水質が悪化したのと時を同じくして、
アオギスはすがたを消していったのです。
消えたのはアオギスだけではありません。「脚立釣り」と呼ばれる、アオ
ギスをねらった釣りは、江戸時代の夏の風物詩だったそうで、釣り方や釣場
についてかかれた書物がたくさん残っています。船陰や物音に敏感なアオギ
スを驚かさぬよう、船で沖の干潟まで出て、高い脚立を立てて座り、長い竿
から釣り糸をたれて待ちます。当たりが微妙であわせにくいところ、かかっ
た時のひきの強さが、江戸の人々を魅了したそうです。かつて、東京湾には
何キロも沖まで続く広大な干潟が広がっていました。空と海だけが広がる干
潟の上で釣り糸をたれる、なんと風流な釣りだったことでしょう!
アオギスは全国的にも激減し、現在ある程度まとまって生存が確認されて
いるのは大分県の豊前海のみとなりました。現在、様々な機関で、アオギス
の絶滅の原因を明らかにするための生態的な研究が進められています。干潟
の減少とともに、減ったり、またすがたを消したりした生き物はアオギスだ
けではありません。ユニークな釣り文化とともにすがたを消したアオギスの
展示をとおして、ぜひその事に関心をもっていただければと思います。
〔東京動物園協会調査係 天野未知〕
■ B O O K S ■=======================================================
『どきどきにらめっこ さかなとあっぷっぷ!』
文=白田久美、写真=小林安雅、指導=近江卓
学習研究社、2005年7月17日、本体1,000円
ISBN4-05-202329-3
魚の写真は、たいてい顔がヨコを向いています。でも、正面から顔を見た
ら? 水中写真家の小林安雄さんが、種類ごとにちがうユニークな正面顔を、
ばっちりとらえています。
見ひらきページで正面顔とにらめっこしたら、つぎの2ページで、その魚
のくらしを紹介。
ホウボウの派手なヒレ、ほかの魚の体をキレイにする「そうじ屋」ホンソ
メワケベラ、ウツボをそうじするゴンズイの群れ、父親が卵を口の中に入れ
て守るキンセンイシモチなどなど──。親子で楽しめる写真絵本です。
・学習研究社 http://www.gakken.co.jp/
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N E W S C L I P S
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●安佐動物公園動画ニュース更新(6月)
http://www.asazoo.jp/news/vtr/vtr.html
●大型のシカ、ワピチの赤ちゃん誕生──秋田市大森山動物園
http://www.city.akita.akita.jp/city/in/zo/default.htm
●特設展「海の街道 大辺路をゆく Part2」──和歌山県の串本海中公園
http://www.kushimoto.co.jp/tokubetu_ooheji.htm
●カクレクマノミの大量養殖に成功。生存率95%(Yahoo!Japan、共同)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050714-00000019-kyodo-soci
●ヒトの皮膚の患部をなめとってくれる魚「ガラ」を展示&体験
登別マリンパークニクスにて。 http://www.nixe.co.jp/ibento.htm
●ツキノワテリムクとスンバゴシキセイガイの巣立ち
埼玉県こども動物自然公園最新ニュースより。
http://www.aya.or.jp/%7Esczoo/news/news.html
●昆虫のメリーゴーラウンド完成──米ブロンクス動物園
http://bronxzoo.com/278313/13686901
●希少動物のペルシャヒョウが繁殖──独ケムニッツ動物園
2005年7月1日、3頭誕生。同園では初繁殖。写真あり。
http://www.tierpark-chemnitz.de/cgi-bin/news_besucher.pl
●ジャイアントパンダ妊娠?偽妊娠?にやきもき──米アトランタ動物園
人工授精後、まだ妊娠確定できず。動物園ロケ取材のビデオ。(News11)
http://www.11alive.com/video/player.aspx?aid=41838&sid=66202&bw=
●全身ほとんどピンク色のジャイアントパンダ──赤ちゃん誕生
中国の臥龍ジャイアントパンダ保全研究センターで生まれた双子2組のうち、
1組の写真。白黒の模様はまだ。
http://news.nationalgeographic.com/news/2005/07/0712_050712_babypandas.html
●ブエノスアイレスの動物園に日本から贈られたレッサーパンダが話題に。
http://news.bbc.co.uk/cbbcnews/hi/newsid_4670000/newsid_4677000/4677031.stm
(↑BBC)。ロイターの生動画は、 http://tv.reuters.com/ から、やや下の
方のLife! の「LOAD CHANNEL」をクリック。その後、ページ上部の「SELECTED
CHANNEL」の中からレッサーパンダを見つけてください。
●猛暑に見舞われたエジプトの動物園で、水浴びをする動物たち
●モスクワ動物園でオランウータンが育児放棄。赤ちゃんは人工哺乳中
これら2編もロイターの生動画。↑すぐ上の方法でロイタービデオのLIFE!
チャンネルの中からどうぞ。
●ミシシッピーアカミミガメの受け容れ施設──仏トワリー公園
放棄されるカメが生態系に与える影響を心配して、ミシシッピーアカミミガ
メの受け容れ施設が、動物展示施設も持つトワリー公園で正式にオープン。
http://www.courrierdemantes.com/news/fullstory.php/aid/13269/Un_centre_d%92accueil_pour_les_tortues_abandonn%E9es.html
●米サンフランシスコ動物園のドーセント講習
サンフランシスコ動物園では「ドーセント」(動物解説員)を募集中。園外
にも動物といっしょに出張するそうです。その研修内容は、飼育動物 250種に
ついて簡単な動物学講習や飼育法の研修、野生生物保全や生物多様性・環境問
題、教授法の習得。2005年10月19日から毎週水曜日が研修日。最初の5回が基
礎コース、翌年1月から始まる5週はアフリカの動物コース、3月から始まる
4週はアジアとオーストラリアの動物コース、そして5月から始まる5週はア
メリカの動物コース。基礎コースに加え、どれか一つ動物コースを修了すれば、
活動に参加できるとのこと。 http://www.sfzoo.org/new/
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つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
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▽編集後記
・ご紹介したロイターの動画は、ニュースが追加されると、古いものはどん
どん押し出されていくかもしれません。動画そのものの URLは非常に長い
ので掲載しませんでした。閲覧はお早めに。
・「ドーセント」とは、動物園や美術館・博物館などのガイド役のこと。ア
メリカのドーセント募集について、参考情報として少しくわしく上で紹介
しました。 「250種」って、かなりの数のような……。 (大平)
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メールマガジン ZooExpress No.225 - 2005年07月15日
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