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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.198 - Jan 07, 2005
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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」。
・ほぼ45年の歴史をもつクマ舎。自分が生まれたときは……(略)。
・東京動物園友の会に入会しませんか? 入会・継続の手続きは、クレジット
カード&オンラインでもOK! → http://www.tokyo-zoo.net/member/
※なお、友の会の年会費は本年(2005年)より年会費 2,000円に値下げいた
しました。また、機関誌である月刊「どうぶつと動物園」は季刊誌に生ま
れ変わります。くわしくは http://www.tokyo-zoo.net/member/ をごらん
ください。
■上野動物園■========================================================
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▼クマ舎の中に入ってみたら……
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お知らせしたとおり、間もなくとりこわすクマ舎の中を公開しています。
1月10日(月)まで。クマ舎は老朽化がすすんだため全面改修し、作りなお
します。
1月5日の午後1時、集まった方々といっしょに中に入ってみました。ク
マ舎はまん中に通路があって、一方に放飼場、一方に寝小屋がならんでいま
す。もちろん、クマたちはみな移動していなくなっていますが、子どもをは
じめ、おとなの方も「クマはいないんですよね?」とコワゴワたずねていた
のがちょっとフシギ。
これまでクマ舎には、エゾヒグマ、マレーグマ、クズリ、さらにホンドタ
ヌキなどがいましたが、エゾヒグマは東武動物公園へ、その他は園内の別の
場所に移動。
放飼場と寝小屋のあいだを遮断するしくみや、寝小屋の大きさ(地中の穴
ぐらや木のほらを巣とするクマは、狭い方が落ち着くんです)を見ていただ
いて、いざ、エゾヒグマの放飼場へ。
放飼場へは、飼育係が使うドアから出てもいいですし(人間コース)、少
し低い位置にある寝小屋に入り、寝小屋から通路の下をくぐって放飼場に出
てもかまいません(クマコース)。
放飼場の木組みの台にのぼってもOK。でも、3~3.5メートルの高さのモ
ート(空堀)には落ちないよう、気をつけてください(写真は東京ズーネッ
ト http://www.tokyo-zoo.net/ のニュースページをごらんください)。
クマ舎の裏側通路では、かつてのクマ舎のようすを写真パネルで解説して
います。残るは1月8、9、10日。午後1時から2時、東園の「クマ舎入口」
にお集まりください(ペンギン舎とツル舎のあいだです)。
■多摩動物公園■======================================================
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▼改修工事のため、アムールトラとヨーロッパオオカミが室内展示に
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多摩動物公園では、アムールトラとヨーロッパオオカミの展示場改修工事
にとりかかりました。そこで、2005年1月6日(木)より、これら2種は室
内で展示をおこなっています。場所は放飼場の裏側にあたる部屋。時間は午
前10時から午後4時です。
室内での展示は、2005年3月17日(木)に終了する予定です。どうぞご了
承ください。
・東京ズーネット「どうぶつ図鑑」のアムールトラはこちら↓
http://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?code=8
■葛西臨海水族園■====================================================
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▼子守りをするハダカゲンゲの一種
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極地のコーナーの北極海の水槽で、昨年(2004年)11月25日、ハダカゲン
ゲ属 Gymnelus の一種が産卵しました。
「ハダカゲンゲ属の一種」というと、正式な種名はないのかなと思われる
方もいらっしゃるかもしれません。じつはハダカゲンゲ属の魚は、多くが北
極海など極寒の海に分布しているためか、調査も分類作業もまだ十分ではあ
りません。葛西臨海水族園にいるこの魚も、まだ同定できていないのです。
ですから、水族園では「ハダカゲンゲ属の一種」として展示しています。
展示水槽には本種が4尾入っていますが、1尾はやや体が大きく、オレン
ジ色の強い体色をしており、他の3尾はうす茶色です。
卵の大きさは直径5ミリほどで、 100個くらいがひとかたまりになってい
ます。そしておもしろいのは、親が卵の「子守り」をすることです。
産卵したてのころは、卵を守る場所が少しずつ動いていましたが、いまで
は水槽の左手、中央寄りの石と海藻の陰になるところに落ち着いています。
水槽の端の方なのですこし見づらいのですが、卵塊はまわりが白、中がやや
黄色味を帯びています。これを、メスと思われるうす茶色をした1尾が、体
を巻きつけるようにして守っています(写真は東京ズーネットのニュースペ
ージをごらんください http://www.tokyo-zoo.net/ )。
本誌No.196でご紹介したアークティックアイソポッドの記事でも説明しま
したが、極寒の海にくらす生き物には、大きな卵を産んで大切に育てる種類
が多く見られます。このハダカゲンゲ属の一種も、孵化した子どもは親と同
じかたちをしています。
No.196 http://www.tokyo-zoo.net/ROOT/express/express_back?record=1537
過去7~8年のあいだに、非公開エリアで本種を育てたことがあるのです
が、産卵から孵化まで数か月から半年かかった個体も見られました。今回も
水温などの条件はほとんど同じですので、うまくいけば春頃に赤ちゃんが誕
生することと思います。
ところで、オスと思われるオレンジ色の強い個体は、卵を守っている個体
に寄りそったり、別のうす茶色の個体に寄り添ったりして、どうも落ちつき
ません。この、別のうす茶色の個体もメスらしく、おなかが大きくなってい
ます。近々、ふたたび産卵が見られるかもしれません。
〔葛西臨海水族園普及事業担当係 池田正人〕
■ B O O K S ■=======================================================
『野鳥を録る──野鳥録音の方法の楽しみ方』
蒲谷鶴彦・監修、松田道生・著、東洋館出版社
2004年10月25日刊、本体2,800円、ISBN4-491-02035-3
「採る」「撮る」ではなく「録る」。まさに「その道」の丁寧な入門書。
当然、録音機材の解説もくわしいのですが、鳥たちにどう接近するか、ロケ
地選択、服装など、フィールドでの具体的なコツも紹介されています。もち
ろん、鳥の習性や行動を知ることの大切さも説かれています。
そして、鳥の種類に応じた録音の方法や、コンピューターで声紋を分析す
ることによって見えてくる鳥のヒミツ、地鳴きの意味、コーラスの構成など。
ちなみに花粉症の方は野外録音の際、やはり苦労されるようです。
・著者・松田道生さんのサイト
その1、野鳥の書籍のエッセイなどのサイト「鳥の道くさ」
http://homepage2.nifty.com/t-michikusa/
その2、野鳥の録音と声のサイト「Syrinx」
http://birdcafe.net/syrinx-index.htm
■おたより紹介■======================================================
ゾウの大好きなアッキーさんより、おたよりをいただきました。
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以前ご紹介したチェコの外交官夫人から、うれしいクリスマスカー
ドがとどきましたのでお伝えします。
「(略)どうぞプラハ動物園の大きな喜びを共にして下さい。
(2004年)12月12日の夜、ゴリラの赤ちゃんが生まれました。
チェコで初めて生まれたゴリラの赤ちゃんなので、国中が喜
んでいます。
また、先月プラハ動物園では、「インドネシア・ジャング
ル」という、たいへん広い温室型の建物がオープンしました。
自然な環境の中で、インドネシア・ジャングルの動物たちが
くらしています。コモドドラゴンもいます。今度プラハへお
出かけになるとき、いっしょに行きましょう」
ゾウと同様に愛するコモドドラゴンを見に、2005年はぜひチェコを
訪れたいと思っています。
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2002年8月、チェコ動物園は洪水に見舞われました。そのときのようすを
書いた手紙が、この元駐日外交官夫人からアッキーさんに届いたのでした。
ご紹介いただいた手紙は本誌No.080でご紹介しました。
http://www.tokyo-zoo.net/ROOT/express/express_back?record=81
アッキーさん、ありがとうございました。チェコ動物園レポートもぜひお
願いします!
・プラハ動物園 http://www.zoopraha.cz/ のゴリラ誕生レポートはこちら。
http://www.zoopraha.cz/reportaze.php?idsk=246 (チェコ語ですが写真11点)
・インドネシア・ジャングルができるまで(なんと1頁に写真100数点!
ちょっと重いです) http://www.zoopraha.cz/stavby.php?idsk=86
・インドネシア・ジャングルの「パノラマフォト」10点
http://www.zoopraha.cz/panorama_s.php
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N E W S C L I P S
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●ゾウの生地、スリランカへの義援金募る──とくしま動物園
セイロンゾウのペア(オスの「ランガ」とメスの「マリー」)を飼育してい
るとくしま動物園では、スマトラ沖地震による津波被害を受けたスリランカへ
の義援金を受付中。2頭は1996年5月、当時の「徳島市立動物園」にスリラン
カから来園。セイロンゾウが雌雄そろっているのは国内ではとくしま動物園の
み。詳細は http://www.topics.or.jp/News/news2004123002.html (徳島新聞)
●ぞうさんペーパーのスリランカ工場など──植田紘栄志さんのブログ
上野動物園でも販売している「ぞうさんペーパー」は本誌No.127でもご紹介
しましたが、作っているミチコーポレーションはスリランカに事務所や工場が
あります。代表取締役・植田紘栄志さんのブログには、関連するスリランカ情
報が掲載されています。
・ブログ「ぞうさんペーパー日記」 http://blog.livedoor.jp/nishada/
・本誌No.127 http://www.tokyo-zoo.net/ROOT/express/express_back?record=140
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つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
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録してください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/
▽編集後記
・上でご紹介した『野鳥を録る』。ちょうど人間の会話の録音機材を検討し
ていたところなので、機材のページをじっくり読んでしまいました。もっ
とも、鋭い指向性はあんまり必要ありません。それよりデジタル時代につ
いていけません。DATでさえ、もう過去のもの……(遠い目)。
・はっ、と気づくとまもなく 200号。いや、ここは小声になって、そっとや
りすごすのも一法──なワケありません。なんとかします(謎)ので、よ
ろしくお願いします。 (大平)
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メールマガジン ZooExpress No.198 - 2005年1月7日
財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
URL : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
携帯サイト: http://www.tokyo-zoo.net/ (PC版と同じです)
(c)2005 Tokyo Zoological Park Society
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