中高生のためのレポートチャレンジ
生き物の観察レポートを募集しています。都立動物園・水族園で飼育している生き物を観察し、自らが感じた不思議や興味関心をもった事象を探求し、研究レポートにまとめて送ってください。
中学生・高校生。個人でもグループでもかまいません。
毎年1月から12月末まで。期間中は随時応募できます。
応募規定
レポートに取り組むためのヒント
観察のしかたやレポートのまとめ方が知りたい方はこちらもご覧ください。
相談窓口
応募方法
エントリーシート および レポートを次の送付先までお送りください(Eメールも可)。
受付から1か月程で記念品を発送します。
送付先
〒110-0007
東京都台東区上野公園9-83 上野動物園内
公益財団法人東京動物園協会 教育普及センター「動物園・水族園レポートチャレンジ」事務局
Eメールの場合は:edu-center@tzps.or.jp
結果発表
注意点
ただし、レポートは当協会の広報資料や教育普及活動資料として活用するほか、ウェブサイトやPRなどの媒体に使用する場合があります。
これまでの受賞作品
これまでの受賞作品
年間最優秀作品
~ミズクラゲの胃の数はなぜ4つなのか~胃の数と各器官・消化・吸収の相関から考える
井上修大(高校1年生 朋優学院高等学校)
【選者コメント】
ミズクラゲは、胃の数(胃腔数)に変異があり、通常は4つである。異なる胃腔数の個体の形態的、生理学的、代謝学的な相違を明らかにする研究には、特別にセッティングした飼育環境や試供個体の準備が必要であるが、井上さんは葛西臨海水族園の展示水槽を一般来園者として詳細に観察し、分析を行った。摂餌・消化効率の測定では、胃腔に取り込まれたエサが消化される過程を2時間以上かけて観察し、通常の4つの胃腔数が最も適した数でることを考察した。井上さんの水族館で働く夢が実現したら、展示を通して生き物の面白さを伝えていく飼育係になってほしい。
夜行性のイメージを覆す?フクロウの昼間の世界~シロフクロウとフクロウの飼育下行動の比較と環境要因の影響~
飯坂太一(中学2年生 都立三鷹中等教育学校)
【選者コメント】
飯坂さんは夜行性のイメージをもっているフクロウの日中の行動に関心を持ち、生態が異なる2種のフクロウの行動観察を7月と8月の2日間の開園時間中に行った。通常、この時期は明るい時間帯の観察しかできないが、8月の観察は特別な開園時間延長日に行い、暗い時間帯の行動も分析に加えた。観察結果は、飯坂さんが立てたシロフクロウとフクロウの違いについての2つの仮説を支持していた。また、この探求を通して感じた、動物園での観察の意義についてもレポートで言及していた。飯坂さんには今後の観察の継続を期待したい。
ミーアキャットの二本足立ちはなぜ安定しているのか。
池田和真(中学2年生 都立三鷹中等教育学校)
【選者コメント】
20年ほど前に、今風に言うと、某動物園のレッサーパンダの立つ姿がバズったことを池田さんは知らないであろう。いつもは4本足でくらす動物が、2本足で立ち上がることが特別なこととして関心を向けられたのだが、レポートのテーマとしてこの行動を選んだ池田さんは、科学的に分析ができていた。生きた動物の観察で不足する、骨格のつくりについては、資料を引用し、ミーアキャットと比較したテンの2本足立ちの違いを明らかにした。筋肉の使い方、立ち上がることで得られる視野の広がりなどの残された課題にも今後取り組んでほしい。
ウシバナトビエイの泳ぎの工夫
末澤伶埜(中学2年生 都立三鷹中等教育学校)
【選者コメント】
レポートチャレンジでは、対象に選ばれやすい種や選ばれやすいテーマがあるようである。もしかしたら、何となく知っている生き物の種名をネット検索したときにヒットした話題からテーマを設定していることが多いのかもしない。一方で、末澤さんはウシバナトビエイを最初に観察した時に発見した垂直方向のユニークな泳ぎ方について、その後の探求を深めていった。実際の観察から設定したテーマは、その展示での観察で成果を出しやすく、オリジナル性の高いレポートにつながる。末澤さんも課題解決のための観察法の検討や考察のための資料調査といったプロセスを楽しめていそうなことがレポートから読み取れた。このようなレポートが増えていくことを期待する。
奨励賞
上野動物園における環境エンリッチメントの効果と可能性
星川晴香(高校2年生 鷗友学園女子中学高等学校)
アカクラゲの泳ぎ方とその利点について
大内優奈(中学1年生 東京都立大泉高等学校附属中学校)
マーラは人気があるか?
中村郁奈(中学1年生 富士見丘中学校)
多摩動物公園におけるキリンのグルーミング行動について
渡理陽斗(中学2年生 中央大学附属中学校)
歩くときに首を動かすハトの謎
大友辰馬(中学1年生 荒川区立尾久八幡中学校)
歩行方法から考察する類人猿とヒトの類似性
岡崎知紗(中学2年生 女子学院中学校)
ユニーク賞
ニホンコウノトリ
小牧莉奈(高校2年生 大妻多摩中学高等学校)
白いお腹のナゾを調査せよ!
大宮あかり(中学1年生 東京都立大泉高等学校附属中学校)
『エミュー戦争』で、なぜ人間は負けたのか
山本詩絵(中学3年生 富士見丘中学校)
年間最優秀作品
ホウボウはなぜ歩くのか-遊離軟条の動き方パターン分析と他の生物との比較-
芦谷朋樹(高校2年生 東京都立新宿山吹高校)
【選者コメント】
これまで高校生からの応募は中学生に比べて少なく、最優秀作品に選ばれたことは一度もありませんでした。今回、芦谷さんの作品が高校生として初めての受賞を果たしました。中学生とのレベルの違いを考慮する必要がありましたが、芦谷さんのレポートは、まず書籍のように整ったデザインが目を引きました。もちろん、それだけではなく、ホウボウが遊離軟条を足のように使うことに気づき、水底を前進する動き以外の、曲がる、離陸、着陸、探索では、動きにちがいがあることを論理的に示していました。さらに、さまざまな動物の足の動きを同じ手法で比較し、進化の視点での考察まで行っています。最後のまとめでは、水族園では知ることができない最新の遺伝子レベルの研究を引用し、生物進化に一石を投じる発見の可能性を論じています。関連する研究分野に進み、水族園の展示に貢献できる成果をあげることを期待します。
カイツブリの足と泳ぎ方の関係
大田原優衣(中学1年生 東京電機大学中学校)
【選者コメント】
大田原さんは、井の頭自然文化園で出会ったカイツブリについて、興味の赴くままに情報を集め、まとめています。まるでネットサーフィンをしているかのような展開ですが、マウス操作や画面タッチで得た知識ではなく、実際に目の前にいる生きたカイツブリを観察し、多くのイラストを紙に描いて記録しています。少なくとも2度は観察に訪れ、文献を参考にしながら自らイラストを描き直している点も個人的に好印象です。レポートの構成やデータ分析にはまだ工夫の余地があります。生きもの観察を楽しむ姿勢を大切にしながら、今後も研究に取り組んでください。井の頭自然文化園を舞台にするのであれば、飼育しているものと井の頭池にすむ野生のものを合わせて観察することがおすすめです。
ハシビロコウの観察 総集編~ハシビロコウは動かない…?~
木村実南(中学3年生 昭和女子大学附属昭和中学校)
【選者コメント】
2022年に続き、木村さんのレポートを2度目の年間最優秀作品に選出しました。1度目に受賞した上野動物園での観察からスタートして、その時の疑問を解決するために別個体を追跡した2年目の千葉市動物公園での観察、そして、「ハシビロコウは動くのか、動かないのか」という視点を超え、さまざまな行動を分類して記録した3年目の観察へと発展させました。また、考察を進める中で生まれた疑問を解決するための追加の観察やインタビューを行い、濃い内容のレポートに仕上げています。日本では比較的なじみがあるハシビロコウは、世界的に見ると動物園で飼われている数は多いと言えません。その背景には、野生のハシビロコウが置かれている状況の厳しさや飼育下繁殖の難しさがあります。木村さんには、今後もハシビロコウという種のサポーターとして活躍していただきたいと思います。
キリンの飼育環境による行動パターンの違いについて
渡理陽斗(中学1年生 中央大学附属中学校)
【選者コメント】
多摩動物公園(群れ飼育)と上野動物園(少数飼育)における若いキリンの行動を比較したレポートです。このテーマは難しく、もし明確な違いが見つかれば非常に興味深いものです。渡理さんは、それぞれの動物園で開園から閉園まで、キリンを公開している全時間にわたり、1頭の行動を連続して観察・記録しました。中学生になったばかりの彼にとって、大変な挑戦だったと思います。私たちの予想通り、今回のデータは、2頭の行動の違いを飼育環境と結びつけるにはまだ弱いものでしたが、観察を通じて2頭それぞれの個性を発見することができました。この2頭に限らず、個体に注目した観察を続けることで、キリンのくらしへの理解が深まり、最終的には動物園ごとの違いを明らかにできるかもしれません。
奨励賞
泳げない私が探るカイツブリの潜水の秘密
岩松明希(中学1年生 都立大泉高等学校附属中学校)
ニホンリスの行動観察
島田恵茉(中学1年生 東京女学館中学校)
"オリンピック選手のような運動能力″『ツシマテン』の観察
髙橋愛莉(中学3年生 聖徳学園中学校)
ハクビシンの生態
西脇陽花(中学2年生 文林中学校)
ルリコンゴウインコの器用で不思議な動きの秘密
長谷川瑞季(中学1年生 調布市立第六中学校)
利き足(最初に出す足)の観察
矢野未来(中学1年生 文林中学校)
ユニーク賞
動物の可愛さとその特徴との関係
中川莉摘(中学1年生 都立大泉高等学校附属中学校)
タンチョウヅルはマイペース?
山本詩絵(中学2年生 富士見丘中学校)
年間最優秀作品
ウミガラス・エトピリカとペンギンの泳ぎ方の違い
岡﨑智香(中学1年生 東京女学館中学校)
【選者コメント】
葛西臨海水族園での観覧で感じた海鳥(ウミガラス・エトピリカ)とペンギンの泳ぎ方の違いについての疑問を、①2パターンの鳥類の遊泳行動を詳しく観察する、②違いを生む理由を予測する、③先行研究を確認し、仮説を検証考察する、という研究者が行うプロセスに沿って解決した。水族園での観察では、遊泳行動の特徴を画像を使って科学的に報告し、不足する形態学的な情報を文献で補い、翼の形状だけでなく、遊泳行動に関係が深い浮力に関わる体密度も調べ考察していた。今回のレポートを発展させられる多くの疑問が残っているようなので、これからも水族園での観察を続け、フィールドでの調査にも挑戦してほしい。
アカシュモクザメの泳ぎ方の謎に迫る
浜田こと望(中学2年生 練馬区立豊玉中学校)
【選者コメント】
葛西臨海水族園で行われたクロマグロをはじめとする魚類の泳ぎ方についてのレポートは今年も多くの応募があった。その中で、このレポートは、空中を飛ぶ飛行機と水中を泳ぐアカシュモクザメの形態と機能を比較して、アカシュモクザメの泳ぎ方の特徴を端的にまとめていた。人が発明した飛行機の機能をアカシュモクザメに見つける手法であったが、反対に、自然が生み出した形、そしてその機能を人が応用して実用化しているものも多い。今後、アカシュモクザメにより近い形をした飛行機が開発されるかもしれない。私たちのくらしに役立てている自然が生み出した様々な工夫を動物園や水族園で探すことは面白い観察テーマである。
奨励賞
その瞳、四角いのはナゼ?
山下小乃葉(中学1年生 青山学院中等部)
上野動物園のスマトラトラの行動観察
今城菜々(中学1年生 東京女学館中学校)
あかぽっぽの観察
髙橋愛莉(中学2年生 聖徳学園中学校)
コウイカ~海中のFashion Model~体の色を変える秘密
田村宗資(中学1年生 青山学院中等部)
年間最優秀作品
鳥なのにトラ柄?妖怪ぬえの正体と柵の秘密
髙橋愛莉(中学1年生 聖徳学園中学校)
【選者コメント】
通いなれた井の頭自然文化園で思った素朴な疑問をきっかけに、時間をかけてトラツグミを観察し、妖怪のような鳴き声と言われる不思議さの探求にとどまらず、新たな課題も見つけて発展させている。観察だけでなく、スタッフへのインタビューやインターネットを使った情報収集でも補足しているが、何より自分の観察で得られた成果を常に大切にしてまとめている。後半の鳥類の種による展示施設の違いへの興味は目の付けどころがユニークである。自分の疑問を大切にして、これからも動物園水族園での観察を続けてほしい。
ハシビロコウの観察
木村実南(中学1年生 昭和女子大学附属昭和中学校)
【選者コメント】
「動かない鳥ハシビロコウ」という広く語られている事柄が調査のスタート地点で、動かないと言っても、まったく動かずにくらせないであろうという仮説もまた多くの人が考える展開である。このレポートの何よりも優れていたところは、この疑問を解決するために上野動物園の開園時間から閉園時間まで、1羽のハシビロコウを観察し続けたことである。30分ごとに動いた回数の分析では、統計処理により、経時変化の傾向を明らかにした。行動の内容についての分析を進めて、より詳細なハシビロコウの日周行動の記述に発展させてほしい。
奨励賞
アカハライモリの模様のはなし
三本木美空(中学1年生 山脇学園中学校)
クロマグロの回遊スピード変化範囲について
河合青祢(高校1年生 豊南高等学校)
マグロとアカシュモクザメの運動量について野生、飼育下での比較
松橋創音(高校1年生 豊南高等学校)
年間最優秀作品
海を飛ぶ鳥たち
足利駿人(中学2年生)
【選者コメント】
上野動物園と葛西臨海水族園を訪れ、ペンギンと水鳥(ウミガラス、エトピリカ)を観察してレポートにまとめてくれました。飛翔、泳ぎ方など複数の項目において比較をし、共通点や相違点を挙げ、それに関して考察するという内容です。生態に関してはこれまで学んできた知識に図鑑などでの調べ学習も追加され、内容が充実したものとなっています。観察の視点から十分な考察がされている点が評価に値します。
奨励賞
中学生1点
高校生2点

