「想いを形に、GPSアートでライチョウ応援プロジェクト第1弾」参加報告

2026年6月5日

ライチョウは、日本では日本アルプスの高山帯にのみ生息するキジ科の鳥で、地球温暖化などの影響により生息数が減少し、絶滅の危機にあります。

そこで上野動物園は、環境省が取り組むライチョウ生息域外保全事業に2015年度から参加し、日本産のライチョウの飼育と繁殖、保全に関する普及啓発に取り組んでいます。このたび、上野動物園周辺を会場に、GPSアートを活用したイベントが環境省などにより開催され、上野動物園職員も参加したので報告します。

GPSアートとは、スマートフォンやGPS機器の軌跡記録機能を使って、移動した軌跡により地図上に文字やイラストを描くアート表現のことで、ウォーキングやランニングなどさまざまな移動手段で楽しむことができます。今回はライチョウの保全について広く知っていただくための全国的な取組みとして、ライチョウの保全に関わる動物園の周辺地域でライチョウの形を地図上に描きました。

ライチョウを描くための道順
(地図データ :©OpenStreetMap contributors ©OpenFreeMap)

上野動物園の東園、「日本の鳥Ⅰ」のライチョウ展示場前をスタート地点として2時間ほど歩くコースで、2026年5月9日にGPSアート協会の関係者と上野動物園職員の計16名で実施しました。まず初めに、GPSアートを描くためのスマートフォンアプリの設定をおこない、展示場で実物のライチョウを観察しました。

展示場のライチョウを観察してからスタート

上野動物園正門を出てから寛永寺まで歩き、そこで小さく周回して歩くことでライチョウの目や肉冠(目の上にある赤い肉質の飾り)を描きました。その後、東京藝術大学周辺から根津駅周辺ではライチョウの背中から尾にかけてのラインを描き、上野動物園池之端門から再度動物園に入ってからはライチョウの脚を描きました。

ルート上では計10個のポイントが設定されており、それぞれの場所でライチョウに関するクイズが出題されます。一度立ち止まり、クイズの回答を参加者それぞれで考え、回答してからまた歩き始めます。クイズに正解するとスタンプをゲットできるという仕組みです。

アイアイのすむ森周辺で出題されるクイズに回答

最後に、上野動物園の弁天門を出てから上野精養軒周辺を経由して上野動物園正門に戻りました。これでライチョウのGPSアートが完成です。ゴールをすると、アプリ上で記録画像がダウンロードできます。

参加した方にお話を伺うと、登山で野生のライチョウを見たことがある方もいましたが、ライチョウについてあまり知らない方もいました。しかし、ライチョウという一つのテーマをもってともに歩くことで参加者どうしのコミュニケーションが深まり、ライチョウにもより親しみや興味を持っていただいたように感じました。

完歩記念のライチョウGPSアート画像

ライチョウの生息地では、これまでの保全事業の成果から、ライチョウの個体数の増加が確認されたところもあります。今後のさらなる取組みとして、ライチョウを取り巻く現状や私たちの暮らしとの関係について、より多くの方に知っていただくことが、ライチョウをはじめとする希少種の保全につながります。

今回は「第1弾」と称し、主にGPSアート協会関係者や動物園職員が参加しましたが、今年の10月頃には「第2弾」として、一般の方にご参加いただくイベントとして実施する予定です。生息地から離れた場所でもライチョウの保全に参加できる「想いを形に、GPSアートでライチョウ応援プロジェクト」を通じて、みなさんもライチョウ保全の一歩を踏み出してみましょう。

〔上野動物園 東園飼育展示係〕