【大島公園動物園】ナマケモノは本当に怠けている?──フタユビナマケモノの行動観察
2026年5月12日
公益財団法人東京動物園協会は2026年4月から、都の指定管理者として大島公園動物園の管理運営を担うこととなりました。
大島でも自然の魅力を活かし、楽しく学べる動物園を目指します。
東京ズーネットサイトでも大島公園動物園の最新情報をお伝えします。
「ナマケモノって本当に名前どおり怠けてばかりだね」
フタユビナマケモノの飼育作業をしているとよく聞こえてくる言葉です。
フタユビナマケモノはベネズエラからブラジルにかけた中南米の熱帯雨林に生息し、長い爪を使って木にぶら下がりながら生活しています。基本的に樹上ですごしますが、数日に一度だけ排泄のために地上近くまで降りてきます。夜行性で一日の半分以上を寝てすごし、起きているあいだもあまり動きません。動く量を減らすことでエネルギーの消費を抑えているため、少量の枝葉や果物で生きることができます。
では、実際にフタユビナマケモノはどのような一日をすごしているのでしょうか?
大島公園動物園ではフタユビナマケモノの繁殖を目指し、2024年から雌雄の同居を実施しています。その際、夜間や日中の交尾の有無を確認するために24時間カメラを設置しました。それにあわせて、フタユビナマケモノはどのような一日をすごしているか知るために、行動の記録をとりました。
これは6月22日に観察したフタユビナマケモノの「ショコラ」(メス)の24時間の行動記録です。
一日の85%は動いていないということになり、「これは想像以上に一日中寝てすごしているな……」という印象を受けます。
次に翌日6月23日のショコラの行動記録です。
動かなかったのは一日の63%なので、日によって差があると感じますね。
じつはこの2つ目の日は排便日、つまりうんちをする日でした。基本的にケージ内の同じ場所にするのですが、排便をする日はしない日よりも夜間に動く時間が長いことが多かったです。
ほかにも季節(温度)やまわりの騒音にも行動量は左右されている印象があります。
一日の行動を記録したことにより、ナマケモノはあまり動かず省エネ生活をすることで、野生環境を生き抜いてきたということをあらためて実感しました。
今後も行動観察の結果をヒントに、ナマケモノのアニマルウェルフェアの向上や、繁殖に力を入れて取り組んでいきます。
〔前・大島公園動物園飼育展示係 石神まゆか〕

