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カイツブリをいつまでだませるのか
 └─井の頭 2009/08/07

 井の頭自然文化園水生物館で擬卵(ぎらん:本物に似せて作った人工卵)を温めているカイツブリの近況をお知らせします。

 これまでお知らせしたとおり、カイツブリのペアは2009年7月5日から12日にかけて5つの卵を産みました。擬卵と本物の卵の交換、擬卵の追加、本物の卵の破損などを経て、7月30日の時点で巣内に残っていたのは4つの擬卵でした。そして、卵が本物だと仮定すると、産卵日から推定される孵化予定日は7月26日から8月2日とお伝えしました。

 カイツブリは2009年の4月8日から30日ごろにかけて10個の卵を産みましたが、1羽も孵りませんでした。このときは、おおむね孵化予定日のころ、親鳥が卵をつぎつぎに巣外へ捨ててしまいました。なんらかの判断基準によって、親鳥は孵化の可能性のない卵を選んでいたのだと思います。

 8月5日現在、すでに孵化予定日を過ぎていますが、親鳥は4つの擬卵をこれまでと変わりなく雌雄交代で温め、巣の補修をつづけています。いつまで擬卵を捨てずにいるのか、興味深いところです。

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 荒井寛〕

◎これまでのニュース(2009年)

(動画)「カイツブリのひな、成長中」(06月18日撮影)
カイツブリのひなが親鳥の背中から顔を出しました(06月23日)
カイツブリのひなの成長(06月26日)
大きくなったカイツブリのひな(07月03日)
カイツブリの子育て順調、さらに産卵(07月10日)
カイツブリのひなのようすと産卵調整(07月17日)
カイツブリのひなの展示ひとまず終了(07年24日)
カイツブリの卵、今回は孵化にいたらず(07月31日)

(2009年08月07日)




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