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カイツブリの卵、今回は孵化にいたらず
 └─井の頭 2009/07/31

 井の頭自然文化園水生物館のカイツブリの繁殖の経過をお知らせします。

 2009年7月5日から12日に行なわれた産卵の結果、7月24日の時点で巣内に6個の卵があり、そのうち本物の卵は1つだけで、残りの5つは「擬卵」(ぎらん:本物に似せて作った人工卵)でした。そして、孵化の予定はだいたい7月29日から8月2日とお知らせしましたが、1つだけだった本物の卵が7月27日、割れて発見されたので、今回は残念ながら孵化は見られないことになりました。

 割れてしまった卵は、孵化日が迫り、かなり発生の進んだ状態でした。親鳥による日々の手直しによって巣の位置が徐々に移動し、最近では岸の擬岩の上に卵が乗っているような状態になっていました。擬岩はごつごつしているため、本物の卵が割れてしまったのではないかと思います。

 7月29日には擬卵が1つ水底に落ちていました。親鳥が落としたのか、落ちてしまったのかはわかりません。

 7月30日現在、親鳥は残った4つの擬卵をときには転がしたり、風を送って冷ましたりしながら、雌雄が交代で抱いて温めています。卵が本物だと仮定すると、産卵日から推定される孵化予定日は7月26日から8月2日です。今後の繁殖調整のために、親鳥がいつまで擬卵を面倒見るか、観察を続けます。

〔井の頭自然文化園水生物館飼育展示係 荒井寛〕

◎これまでのニュース(2009年)

動画「カイツブリのひな、成長中」(06月18日撮影)
カイツブリのひなが親鳥の背中から顔を出しました(06月23日)
カイツブリのひなの成長(06月26日)
大きくなったカイツブリのひな(07月03日)
カイツブリの子育て順調、さらに産卵(07月10日)
カイツブリのひなのようすと産卵調整(07月17日)
カイツブリのひなの展示ひとまず終了(07年24日)

(2009年07月31日)



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