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35周年企画「水族園リーダーたちの夢」[12(最終回)]事業課スタッフの想いと日々
 └─ 2025/03/28
 葛西臨海水族園には飼育展示係や教育普及係など、さまざまな部署があります。

 今年35周年を迎える記念企画の一つとして、各部署のリーダーたちが「理想の展示・水族館」や「今後の仕事でやりたいこと・夢」などをテーマに執筆してきた連載「水族園リーダーたちの夢」。今回で最終回です。

第12回「事業課スタッフの想いと日々」

 私の所属する事業課という部署には、「案内係」「業務係」「販売係」の3つの係があります。

 どの係も来園者のみなさまと密接に関わり、さまざまなサービスを提供する役割を担っています。実際水族園内で具体的にどのような仕事をしているのか、これまでの企画記事を読み返していただくと、「想像どおりだった」と感じる部分や、「思っていた内容と少し違った」と感じる部分の両方があるかもしれません。

 事業課は、水族園内で直接飼育生物に関わる部署ではありませんが、もしかすると水族園の印象に少なからず影響を与える可能性があるかもしれません。その理由は、事業課スタッフも来園者のみなさまと直接会話する機会が多い課の一つであるからです。

 案内係は入退園ゲートや案内カウンターで、業務係や販売係はギフトショップやレストランで、お客さまとさまざまな内容についてお話しします。来園者のみなさまにとって、入場してすぐ(入場ゲート・案内カウンター)、観覧最後(レストラン・ギフトショップ)に決まった場所でお会いするスタッフです。

 最初と最後にお会いするスタッフの印象が水族園全体の印象に直結することもあります。

 水族園では、案内係・業務係・販売係が主役となる場面は多くはありません。しかし、スタッフ一人ひとりの対応が、良くも悪くも施設全体の印象を左右する可能性があることを意識し、緊張感をもって日々業務に取り組んでいます。

 私たちの仕事は、ヒトが中心となる仕事です。その中でとくに求められているスキルの一つが「想像力」です。

 たとえば、

・「この場所ではどのような事故が起きそうか」
・「急病人が発生した場合、どう対応すべきか」
・「子ども向けにはどのようなメニューが喜ばれるか」
・「お客さまにはどのようなお土産(商品)が求められているか」


……などを常に想像し、形にすることが求められます。日頃から準備を整え、緊急時には慌てることなく最適な対応ができるよう準備しておくことが重要です。緊急時の対応など、「備え」が役立つ場面が来ないことを願いながらも、しっかりと想像力を働かせた準備を進めます。

 商品やメニュー開発では想像力を活かして、お客さまに喜んでいただける商品やメニューを企画します。

 水族園内で多くの来園者のみなさまと関わり会話をし、想像力を働かせて備え、快適に観覧いただける環境を整え、よりよい思い出をお持ち帰りいただくお手伝いをするのが事業課の役割です。水族園にはこのような仕事も存在します。もし「水族園で働いてみたい!」と思ったら、事業課の仕事もぜひ候補に入れて考えてみてください。水族園で、お客さまがよりよい思い出をお持ち帰りいただけるよう、お手伝いしませんか?

 これからのみなさまといっしょに働けることを、心より楽しみにしています。お待ちしております!


ガラスドームとともに35年

 また葛西臨海水族園は、開園以来多くの方々に支えられ、35周年を迎えました。現施設の運営は残り数年となりますが、今後も変わらず葛西臨海水族園をよろしくお願いいたします。スタッフ一同、みなさまのご来園を心よりお待ちしております。

〔葛西臨海水族園事業課長 篠﨑龍太〕

・連載:35周年企画「水族園リーダーたちの夢」
 [1]水族園の展示に込める思い
 [2]水族園の目指す道──ずっと身近でいてほしい
 [3]水族園を背後で支える施設の維持管理の仕事に携わってみませんか
 [4]楽しく学べる水族園
 [5]海をつくりたい
 [6]アクア・ポジティブ
 [7]インクルーシブな水族園を目指して
 [8]夢見るおじさん
 [9]水族園の「船頭」のお仕事──「夢の続き」をご一緒に!
 [10]ホスピタリティを大切に
 [11]ショップ・レストランから伝えたい!! いきものの魅力・大切さ
 [12(最終回)]事業課スタッフの想いと日々

(2025年03月28日)



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