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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.67 - July 5, 2002
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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」。
・W杯後燃え尽き症候群(PWBS)のアナタ! 動物園か水族園へどうぞ!
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N E W S
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■多摩動物公園■======================================================
▼チーターに仲間が増えました!──マンサクとユリ
多摩動物公園に、ひさしぶりにあたらしいチーターがやってきました。南
南アフリカのチーター繁殖センターで生まれた1歳のオス(2001年4月27日
生まれ)と11カ月のメス(2001年7月7日生まれ)です。見るからにまだ幼
く、小さくて幼獣らしさが残るチーターです(2頭の写真は「東京ズーネッ
ト」 http://www.tokyo-zoo.net/ からニュースのページをどうぞ)。
動物園に到着したのは6月初旬。動物病院での健康チェックも無事7月1
日におわり、チーター舎に移動しました。あたらしい環境にも慣れたような
ので、7月5日に公開のはこびとなりました。
オスを「マンサク」、メスを「ユリ」と名づけました。当園のチーターは、
オスには樹の名前、メスには花の名前をつけています。今回もそれに習い、
園内で美しい花を咲かせて私たちの心に印象を残す植物から名前をもらいま
した。現在、マンサクとユリをふくめ、チーターはオス4頭、メス4頭。名
前はつぎのとおりです。
オス──ヒバ (1991年1月12日来園)
ナツオ (1992年8月1日、多摩で生まれました。お父さんはヒバ。
夏に生まれたのでナツオです。例外ですね)
ソテツ (1996年6月21日来園)
マンサク(2001年4月27日生まれ)
メス──アヤメ (1991年6月8日来園)
ネム (1991年6月8日来園)
ジーナ (2001年10月15日、群馬サファリから来園。繁殖のために
借り受けている個体です。名前はついていました)
ユリ (2001年7月7日生まれ)
私たち飼育担当者は、あたらしいチーターたちが健康で立派に育ち、大人
になったときには「お父さん」「お母さん」となって、元気な子どもを生ん
でほしいなあと、心から願い、精一杯がんばっています。
現在、マンサクとユリはまだ繁殖年齢に達していないので、他のチーター
とはできるだけ離し、単独で飼育しています。そのほうが、繁殖がうまくい
くと考えられるからです。以前、多摩ではチーターの繁殖に一度成功してい
ますが、そのときも、他の施設からやってきたメスを初めてオスと一緒にし
たときにさっそく交尾が見られました。ですから、みなさんがご覧になると
き、マンサクとユリが一緒にいることはありません。
2頭はガラス越しの運動場に1頭ずつ交代で登場します。さて、みなさん
がいらっしゃるときには、マンサク、ユリ、どちらのチーターがお出迎えす
るでしょうか? 〔多摩動物公園飼育課 松井由紀子〕
・東京ズーネットの「どうぶつ図鑑」から、チーターはココ↓
http://www.tokyo-zoo.net/encyclopedia/species_detail?code=55
■東京動物園友の会■==================================================
▼「どうぶつと動物園」7月号のご紹介
「どうぶつと動物園」は、東京動物園友の会の機関誌です。友の会への入
会は http://www.tokyo-zoo.net/member/ の「入会資料申込み」でどうぞ。
年会費は3,700円。毎月「どうぶつと動物園」をお届けします。
友の会にご入会いただくと……都立動物園をふくめ、都立公園の入園料割
引や、上野動物園・多摩動物公園・葛西臨海水族園のレストラン・ギフトシ
ョップでの割引などの特典があります!
【7月号の目次から】
[生きものトーク]「保全教育の場としての動物園」再考………… 西原智昭
[飼育レポート] ハリ・ハリ一族の繁栄──ハリネズミ類とヒメハリ
テンレックの繁殖……伊東友基・小山良雄・日橋一昭
[動物たちのからだとくらし]
身近にいながらなぞも多いアブラコウモリ……三笠暁子
[飼育トピック] 都心で保護されたヒナコウモリの飼育…………大橋直哉
・会員のページ
[今月の表紙] シロガオサキ………………………………………猪股康真
[グラフ] 最近生まれた子どもたち/“アーシャー”金沢動物園へ
[あ・ら・かると] サザエさんの長い夜/罪つくり(?)な味/モリーさん、
ラーマくんに会う
・動物園ニュース
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●南方熊楠の飼育していたクサガメ消失
南方熊楠(1867~1941)は多いときには約60匹ものカメを飼っていました。大
正元年(1922)、いじめられていたところを熊楠に救われたクサガメの「お花」
は、2001年の夏に老衰で死亡。その後、熊楠の育てたカメのうち「お菊」「太
郎」がつい先日まで生きており、繁殖した「小太郎」を含めて3匹が熊楠邸の
池で飼われていました。
ところが、5月31日(推定)に3匹の姿が見えなくなり、6月4日にはお菊
が死んで発見されました。その後、この事件が初めて新聞報道されたのが6月
27日。同夜、小太郎の元気な姿が邸内で見つかりましたが、翌28日には太郎が
「変わり果てた姿で」発見されました。いたずらの可能性が高いと考えられて
います。クサガメの寿命は25年程度といわれていますが、お花は 100歳近くま
で生きたと思われます。
・紀伊民報の詳細な記事
http://www.agara.co.jp/DAILY/20020630/20020630_002.html
●沖縄の水族館でサンゴ放卵
沖縄県本部町の沖縄記念記念公園で今秋開館予定の「沖縄美ら海(ちゅらう
み)水族館」で、6月27日、飼育中のスギノキミドリイシサンゴの産卵が見ら
れました。サンゴの枝の表面から、「バンドル」と呼ばれる精子と卵の入った
赤いカプセルが絞り出されるように放出されるようすが、3時間にわたって観
察されました。
水槽内でサンゴの産卵が見られるのはきわめてまれ。このサンゴは、1998年
の白化現象以降、ほとんど姿を消してしまいました。水族館のオープンは11月
1日。同公園内に今ある海洋博公園水族館は8月31日に閉館します。
・沖縄美ら海水族館 http://www.kaiyouhaku.com/
・海洋博公園水族館 http://www.ocean-park.go.jp/aqua/
●鴨川シーワールドでイルカに国内初の人工授精
7月1日夜、千葉県の「鴨川シーワールド」では、国内初のイルカの人工授
精を実施。人工授精による鯨類の出産は、世界でも4例しかありません。人工
授精をほどこしたのは、バンドウイルカのメス2頭(36歳と18歳)。17歳のオ
スの精子の他、1996年に22歳で死んだオスから1992年に採取しておいた凍結精
子を使用(年齢はすべて推定)。妊娠の確認には、1~2カ月かかります。
・鴨川シーワールド http://kamogawa-seaworld.jp/
●福岡市「自然動物公園構想」白紙撤回
福岡市動物園が手狭になったことなどから打ち出されていた「自然動物公園
構想」(約50ヘクタール、200種 1000頭)が見なおされ、財政支出の点などか
ら白紙撤回。
・Yahoo! News http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020704-00000074-nnp-kyu
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▽本文中に示したリンクによって表示されるページには、他のページへの移動
リンクが含まれていない場合があります。とくに東京ズーネットの「どうぶ
つ図鑑」のばあい、完全なかたちで表示するためには、図鑑のトップページ
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▽ZooExpressではみなさんからのお便りを募集しています。匿名やペンネーム
希望の方はその旨をお伝えください。webmaster@tokyo-zoo.net まで。ご意
見・ご要望・お問い合わせもこのアドレスまでどうぞ。
▽メール配信先変更、配信停止は下記URLにてお願いいたします。配信先の
変更をご希望の方は、いったん解除をおこない、あらためて新アドレスを登
録してください。 http://www.tokyo-zoo.net/express/
▽編集後記
京都の平等院が、阿弥陀如来座像など、国宝の“超高精細画像”をインタ
ーネットで公開開始 http://www.byodoin.or.jp/ 。25×25cmのフィルムで
撮影後、デジタル化したそうです。なにしろファイルが約 300MBもあって、
38倍まで拡大可。専用のプラグインが必要です(Windows用。Macintosh用は
近日中)。写真のフレームそのものが小さい気もしますが……。動物写真で
やったら、どうなるだろう。
* * *
ところで、みなさんにお送りしているこのメールマガジンは、文字だけで
できている「テキストメール」です。最近、HTMLメールが普及し始めている
という評判を聞きます(HTMLメールというのは、文字を飾ったり、メールの
中に絵や写真を表示できるメールです。企業の広告メールなどで受け取るか
たもいらっしゃると思います)。通信事情やメールソフトの環境から迷惑に
思う受信者がある一方で、多彩な表現と情報量に魅力を感じる利用者もある
でしょう。ADSLがあっという間に普及したように、HTMLメールもそろそろ特
別なものではなくなる、のかな……? (大平)
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メールマガジン ZooExpress No.67 - 2002年07月05日
財団法人 東京動物園協会
110-0007 台東区上野公園9-83 上野動物園内
電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
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URL : http://www.tokyo-zoo.net/ 東京ズーネット
(c)2001 Tokyo Zoological Park Society
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