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Z o o E x p r e s s ■ ズー・エクスプレス ■ No.43 - Jan 18, 2002
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・都立動物園の最新情報をお届けするメールマガジン「ズー・エクスプレス」。
・メスを声で呼びよせるために“ウマヅラ”となった、のでしょうか?
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■上野動物園■========================================================
▽ウマヅラ? キツネヅラ?──西園にウマヅラコウモリ登場!
先週そっと告知した上野動物園の“ウマヅラ”の動物……それはコウモリ
の一種です。名前はそのまま「ウマヅラコウモリ」。展示場所は西園の小獣
館地階です。
1階から地階におりると「夜の動物たち」の世界です。暗い室内をすすん
でいくと、いちばん奥にフサオネズミカンガルー、その右どなりにウマヅラ
コウモリがいます。
ガラスのむこうで、からだの大きなコウモリが2頭、耳をピクピクさせな
がら木の枝からぶらさがっていることでしょう。どちらもメス(年令不明)。
昨年12月4日に来園し、12月18日から公開中。
ウマヅラコウモリはアフリカ中部から西部に生息し、マンゴーやバナナな
どの熟した果実を食べてくらしています。アフリカ最大のコウモリであり、
体長は20~30センチ。オスは翼をひろげると幅90センチくらいになるそうで
す。
現在展示しているのはメスだけですが、オスはメスよりずっと大きく、顔
つきがかなりちがうので、簡単に見わけがつくそうです。これほど雌雄でか
たちがちがうコウモリは他にない、といわれています。
展示中のメスの写真は http://www.tokyo-zoo.net/news/ をどうぞ。
餌はリンゴ、バナナ、オレンジ、ニンジン、小松菜など。これら角切りに
し、金属の円形バットに入れて飼育展示室の地面に置きます。木の枝からお
りてきたコウモリは、翼をガバッとひろげ、バットにおおいかぶさるように
して餌をゲット。それから元のところに戻って、ぶらさがったまま食事を始
めます。じっと見ていると、かなり大きな口をしているのがわかるでしょう。
舌もけっこう長いんですよ。
しばらくモグモグやっているかと思うと、線維質をペッと吐き捨てます。
ですから、地面には残りカスが落ちています。餌は1日に1回、午後2時ご
ろあたえますが、いっぺんに食べてしまうわけではないので、午後見に行く
と、風変わりな食事風景が見られることでしょう。飼育展示室内はかなりあ
たたかく、25~26度をたもっています。
オスの顔は、たとえば下記サイトをごらんください。
http://www.americazoo.com/goto/index/mammals/57.htm
あるいは、モノクロですが、口の中や唇のアップまであるのが:
http://www.press.jhu.edu/books/walker/chiroptera/images/image.chiroptera.pteropodidae.hypsignathus.html
(↑URLが2行になってしまう場合は、つなげて利用してください)
なんだろう、この不思議なかたちはー! ウマヅラコウモリという名は、
このオスの奇妙な顔を見ると納得してしまいます。メスもウマヅラではあり
ますが、オスにくらべるとキツネ顔、というところでしょうか。
じつはオスの口が大きいのは、そこで空気振動を共鳴させて大きな音をつ
くりだすためだそうです。では、なぜ大きな音をたてるのか。それは鳴き声
でメスをひきよせるため、といわれています。繁殖期になるとオスは 100頭
をこえる集団をつくってにぎやかな音をたて、メスを呼ぶのです。
文献によれば、集団繁殖行動における交尾行動の79パーセントが、たった
6パーセントのオスに寡占されているそうです。いったい何が魅力を発揮す
るのでしょう? 鳴き声の質なのでしょうか?
まずは、メスの姿を小獣館でまのあたりにしてください。そして、オスの
登場に乞うご期待!
■葛西臨海水族園■====================================================
▽WEBページコンテスト、まもなく応募作品公開です!
昨年、葛西臨海水族園開園12周年を記念する「WEBページコンテスト」 の
実施をお知らせしました。このたび応募作品が出そろい、まもなく作品公開
のはこびとなりました。
公開はウェブサイト「東京ズーネット」 http://www.tokyo-zoo.net/ 上
で、1月25日からおこないます。一般の方からメールで投票していただき、
優秀作品を選びます。
投票の詳細等は1月25日以降の「東京ズーネット」、およびメールマガジ
ン次号でお知らせいたします。
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●マンボウの「モンタン」が世界最大に──鴨川シーワールド
千葉県鴨川市の「鴨川シーワールド」で飼われているマンボウの「モンタ
ン」(性別不明)が体長193センチ、体重350キログラムになり、飼育下のマ
ンボウとしては世界最大記録をうちたてました。
モンタンは1997年10月27日に房総沖で捕獲されたマンボウで、捕獲時は体
長74センチ、体重20キログラムでした。現在、1日にアマエビ 250匹、ブラ
ックタイガー100匹、カキ80個、マグロ300グラムの餌をたいらげるそうです。
・鴨川シーワールド
http://www.kamogawa-seaworld.jp/
・モンタンの写真とニュース
http://www.kamogawa-seaworld.jp/hotnews/event.html#00023
●台北動物園と北京動物園による動物交換への試み──台湾海峡を越えて
台北で開かれた会合で、台北動物園と北京動物園は動物交換のための計画
を策定しましたが、政治的な理由から頓挫しています。
台北からはフトオコビトキツネザル、コモンリスザル、シロテテナガザル、
オランウータン、キンカジュー、北京からはコモンリスザル、ツキノワグマ、
タンチョウ、ハゴロモヅル、ナベヅルが交換種としてあがっています。しか
し、政府の許可が得られなければ、動物の移動は困難です。
「台湾海峡をはさんで続く長年の政治的確執」という観点から見れば、動
物交換計画の実現は容易ではない、というのが関係者の見方です。
しかし、台北動物園側は、「まずキンカジューを北京に送る許可を両政府
から取りつけたい。許可がおりれば、よい前例になるはずです」と語ってい
ます(2002年1月10日付、台北時報 web版 http://www.taipeitimes.com/
より)。
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▼編集後記
ユニークな評論家・唐沢俊一さんは、2000年6月15日にウマヅラコウモリ
の夢を見たそうです↓
http://member.nifty.ne.jp/uramono/olddialy/old2000_06.html 。しかも、
ウマヅラコウモリが人間になるドラマの主人公には、香取慎吾クンが抜擢さ
れる夢なのです。「なるほど、彼なら鼻も大きいし、名前も香取で似合って
いる」とのこと。ウマヅラコウモリは果実食だから「蚊採り」ではないけど、
形態的にはなんとなくナットク……? (大平)
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メールマガジン ZooExpress No.43 - 2002年01月18日
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電話 03-3828-8235 FAX 03-3828-8237
e-mail: webmaster@tokyo-zoo.net
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(c)2001 Tokyo Zoological Park Society
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