採集地は小笠原諸島父島です。父島の二見湾では、毎年7月から9月ころにかけて、生まれて間もない全長50〜60センチの子どもが岸近くに現れます。それを夜釣りで採集しました。釣れたサメの子どもは、海水を張った水槽にすばやく入れ、輸送を待ちます。 小笠原から水族園までは、30時間を越える長旅です。東京の竹芝桟橋と小笠原を結ぶ定期客船「おがさわら丸」の甲板に輸送用の水槽を設置し、航海中も船のポンプで新鮮な海水をくみあげて水槽に流し続けます。そして竹芝桟橋で船からトラックに水槽を積み替え、水族園まで運びました。 |
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| 当初は、せっかく採集したサメも船による長時間の輸送中に弱ってしまい、水族園までうまく運ぶことができませんでした。シュモクザメは輸送中も休むことなく泳ぎ続け、口から鰓へ新鮮な海水を送り込んで呼吸をしています。最初に用意した輸送用水槽は、水槽の中の水が揺れてしまい、サメが安定して泳ぐことができず、充分に呼吸ができなかったようです。そこで、輸送用の水槽にじょうぶなふたを付け、中に海水を満たしてすき間をなくして水が揺れないようにしたところ、無事に輸送することができました。 |
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こうして輸送に成功したシュモクザメですが、飼育も簡単ではありませんでした。横に張り出した眼を水槽の壁やアクリル面にこすりつけて泳ぐので、眼が傷ついて弱り、やがて死んでしまいました。眼をこすりつける原因は二つ考えられました。 まず、水流です。シュモクザメは水流に逆らって泳ぐ習性があります。壁やアクリル面の近くは水流が強いので、その付近で泳ぐ時間が長くなり、その際、横に出っ張った眼を壁などでこすってしまうのです。 つぎに光が問題でした。明るい方向に背を向けて泳ぐ習性が強いようで、明るく反射する壁面近くでは遊泳姿勢がくずれて、うまく泳げなくなってしまうのでした。 そこで、流れが起きないように水槽に入る循環水を分散し、光は均一に、しかも壁やアクリルには当たらないように調整しました。他にもいくつか飼育方法を工夫をほどこし、ようやく長期飼育ができるようになりました。 |
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