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Profile 26/軟骨魚類ってなに? アカシュモクザメ
 「軟骨魚類」とは、体のすべての骨が弾力性のある軟骨でできた魚です。サメやエイ、ギンザメなどが含まれます。一方、石灰質が多く含まれた硬い骨をもつ魚は「硬骨魚類」と呼ばれます。
 えらの後方にある水の出口を「鰓孔」(えらあな)といいますが、硬骨魚類には鰓孔が1対しかないのにたいし、サメやエイは数対の鰓孔をもっています。また、軟骨魚類は、歯が次々に生えかわることや、歯と同じ構造をもつうろこをもつこと、浮き袋がないことなどで、硬骨魚類と区別されます。
 軟骨魚類は世界の海の表層から深海まで広く分布し、一部の種は川や湖といった淡水でも見られます。現在、世界でサメ、エイ類は約850種、ギンザメ類は30種知られ、その中には魚類最大種であるジンベエザメも含まれます。
サメ図解
・サメの歯
 人間は永久歯が抜けたらもう次の歯は生えませんが、なんとサメの歯は何度でも生えかわります。サメの場合、今使っている歯の後ろに、出番を待つ歯が順序よく並んでいます。どれかひとつの歯が欠けたり抜け落ちると、後ろからすぐに代わりの歯が送り出されてきます。こうしてサメは、エサをとるのに大事な歯を最高の状態に保てるのです。
メジロザメのなかまの下あごの歯
メジロザメのなかまの
下あごの歯
・人食いザメ
 サメというと人を襲う危険な魚というイメージをもつ人も多いでしょう。夏に「人食いザメ」が現われ、海水浴場が遊泳禁止になったという話も耳にします。
 しかし、サメによる被害はいったいどのくらいあるのでしょうか。じつは日本では、サメによる死亡事故の報告は年間1~3件程度しかありません。ということは、被害にあうのは交通事故にあうよりも、宝くじに当選するよりも、はるかに確率が低いということになります。でも、スキューバダイビング中、不意にサメに寄って来られると心臓が止まるほどびっくりするのは、映画やテレビなどの影響でしょうか。
 人を襲った記録のあるサメは約20種が知られていますが、その中には人を一度しか襲った記録がないサメも含まれています。また、多くはスキューバダイビング中にサメにいたずらして、逆に噛まれてしまうといった例が多いようです。実際、人にとって危険なサメは、ホホジロザメ、イタチザメ、オオメジロザメの3種だけです。全世界には約400種のサメが知られていますが、ほとんどのサメは人を襲うことのない、おとなしい種類です。
 サメは高級食材のフカヒレの原料だけでなく、かまぼこなどの練り製品にも利用されている重要な食料の一つです。そのため、日本をはじめ世界各国でサメは獲られており、絶滅が心配される種類も出てきました。怖そうに見えるサメですが、どちらかといえば人間の方が危険な存在なのかも知れません。
・ふかひれ
 沿岸や外洋にすむヨシキリザメ、メジロザメ、シュモクザメなど大型のサメのひれは、ふかひれの材料として中華料理で珍重されています。これらのサメは他の魚や生き物を食べるため、海の生態系の上位に位置しています。そのため数が少なく、繁殖能力も低いので、乱獲などで数が減ると回復しにくく、種そのものが絶滅してしまう恐れもあります。
 現在、日本を含めた多くの国では、どの種類のサメがどのくらいいて、どれだけ漁獲されているのか正確にはわかっていません。今後もサメを重要な資源として利用しつづけるためには、もっとサメについて研究しなければならないでしょう。
シュモクザメの採集と輸送と展示
 葛西臨海水族園開園の2年前(1987年)から、私たちは上野動物園水族館でアカシュモクザメの展示を目指して本格的な準備を開始しました。当初困難とされていた輸送や飼育も、試行錯誤を経て1992~1995年ごろには安定しておこなうことができるようになりました。
 採集地は小笠原諸島父島です。父島の二見湾では、毎年7月から9月ころにかけて、生まれて間もない全長50~60センチの子どもが岸近くに現れます。それを夜釣りで採集しました。釣れたサメの子どもは、海水を張った水槽にすばやく入れ、輸送を待ちます。
 小笠原から水族園までは、30時間を越える長旅です。東京の竹芝桟橋と小笠原を結ぶ定期客船「おがさわら丸」の甲板に輸送用の水槽を設置し、航海中も船のポンプで新鮮な海水をくみあげて水槽に流し続けます。そして竹芝桟橋で船からトラックに水槽を積み替え、水族園まで運びました。
 当初は、せっかく採集したサメも船による長時間の輸送中に弱ってしまい、水族園までうまく運ぶことができませんでした。シュモクザメは輸送中も休むことなく泳ぎ続け、口から鰓へ新鮮な海水を送り込んで呼吸をしています。最初に用意した輸送用水槽は、水槽の中の水が揺れてしまい、サメが安定して泳ぐことができず、充分に呼吸ができなかったようです。そこで、輸送用の水槽にじょうぶなふたを付け、中に海水を満たしてすき間をなくして水が揺れないようにしたところ、無事に輸送することができました。
 こうして輸送に成功したシュモクザメですが、飼育も簡単ではありませんでした。横に張り出した眼を水槽の壁やアクリル面にこすりつけて泳ぐので、眼が傷ついて弱り、やがて死んでしまいました。眼をこすりつける原因は二つ考えられました。
 まず、水流です。シュモクザメは水流に逆らって泳ぐ習性があります。壁やアクリル面の近くは水流が強いので、その付近で泳ぐ時間が長くなり、その際、横に出っ張った眼を壁などでこすってしまうのです。
 つぎに光が問題でした。明るい方向に背を向けて泳ぐ習性が強いようで、明るく反射する壁面近くでは遊泳姿勢がくずれて、うまく泳げなくなってしまうのでした。
 そこで、流れが起きないように水槽に入る循環水を分散し、光は均一に、しかも壁やアクリルには当たらないように調整しました。他にもいくつか飼育方法を工夫をほどこし、ようやく長期飼育ができるようになりました。
岸壁でサメを釣る
岸壁でサメを釣る
サメの背びれをもって担架に収容し、運ぶ
サメの背びれをもって担架に収容し、運ぶ
どうぶつ図鑑 Animal Encyclopedia
26 軟骨魚類のなかまたち
 | トビエイ | アカシュモクザメ | スポッテッドラットフィッシュ | 

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