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Profile 20/昆虫園のトノサマバッタ トノサマバッタ
 「殿様」の名のとおり、りっぱな風貌のトノサマバッタ。昆虫生態園では、トノサマバッタが卵から1令幼虫~5令幼虫まで脱皮を繰り返し成長していくようすが、一目でごらんになれます。
 天気のよい日には、飼育箱の床に全員が集まり、体をかたむけて日光浴をしていることがあります。そんなすがたを見て、「バッタが死にそう! 弱って動かない!」とおどろく方もいます。これは、変温動物であるバッタが体温をあげるための行動です。ご安心ください。
・孤独相と群生相
 同じ種類のバッタでも、幼虫のときから生息密度が低い環境で育ったものを「孤独相」といいます。体色は緑色で、からだに丸みがあり、翅は比較的短く、後脚が長いのが特徴です。
 一方、高密度で数世代飼うと体色は黒褐色になり、体つきがほっそりとした個体が現われます。翅は長く、後脚は短くなり、集まって生活する行動が見られます。こうした個体を「群生相」といいます。
 群生相は、なかまの糞のにおいなどが刺激となって現われます。昆虫園では飼育箱でたくさんのバッタを飼育しているため、黒っぽい群生相ばかりになります。一方、孤独相の個体を育てるために、一つの容器に1匹ずつ入れて飼育していますが、完全に緑色の個体はなかなか現われません。
孤独相を作るための飼育容器
孤独相を作るための
飼育容器
バッタ周年展示の裏側とバッタ釣り
 野外では、トノサマバッタは初夏から秋くらいまでしか見ることができませんが、多摩動物公園の昆虫生態園では、一年を通して幼虫と成虫を見ることができます。この展示のために、飼育係はバッタに毎日えさをやり、卵を産ませて幼虫を得ています。
 バッタの展示コーナーの裏側にあたる「バッタ育成室」では、幼虫・成虫あわせておよそ5,000匹ものトノサマバッタを飼育しています。トノサマバッタは日光浴が好きなので、バッタ育成室はほぼ全面がガラス張りになっています。晴れた日の室内は、最高気温が冬場でも27~28℃、真夏などは40℃を超えるときがあります。猛暑になると、飼育係は汗だくです。
 バッタには、夏は購入したススキの葉を、それ以外の時期は購入した牧草と、飼育係が自分たちで栽培したコムギの葉を与えています。一つの飼育箱に400~500匹のバッタを入れているので、中に餌を入れると、ものすごい勢いで食べ始めます。葉をかじる音がシャリシャリと聞こえるほどです。
 また、成虫の飼育箱には砂を入れた容器が入れてあります。この砂の中にメスが産卵するのです。卵は50~80個くらいまとまり、泡のようなものに包まれています。泡でできた「さや」を砂から掘り出し、保温器に移し替え、約30℃に保つと、ほぼ毎日幼虫が生まれてきます。こうして、バッタ育成室の温室の効果と保温器の利用によって、1~5齢すべての幼虫、および成虫の周年展示が可能になるのです。
 ところで、昆虫生態園の「バッタの楽園」や成虫の展示コーナーでは、トノサマバッタが別のトノサマバッタをおんぶしていることがよくありますが、これは交尾中のバッタたちです。ところが、交尾している2匹の上にさらにもう1匹オスが乗っていることもあります。
 オスがメスに乗ろうとするこの習性を利用して、バッタを釣ることができます。釣り竿がわりの細長い棒を用意し、糸をつけ、糸の先には長さ10センチ、太さ1センチくらいの黒い木片をくくりつけます。その木片をオスの前に垂らしてゆっくり動かすと、オスは木片をメスと勘ちがいし、飛び乗ってくるのです。
どうぶつ図鑑 Animal Encyclopedia
20 バッタ科の昆虫たち
 | オンブバッタ | コバネイナゴ | ショウリョウバッタ | トノサマバッタ | 

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