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Profile 16/ツートンカラーのマレーバク マレーバク
 バクと聞くと思い浮かべるのは、夢を食べるというお話でしょうか。しかし、実在する動物のバクは夢を食べません。夢を食べる「バク」は中国の想像上の動物で、体形はクマに、鼻はゾウに、目はサイに、尾はウシに、足はトラに似ているそうです。この想像上のバクの毛皮をしいて寝ると邪気をはらってくれるという言い伝えから、バクは悪い夢を食べてくれるというお話ができたようです。
 では、なぜ実在のバクにバクという名がついたのでしょうか? 想像上のバクに似ていたから? それとも、想像上のバクの方が後?──前後関係は定かではありません。
 現在の多摩動物公園のマレーバク舎は、2000年5月にオープンしました。水辺でくらすバクの生息環境を再現し、放飼場内に小川をつくりました。また、室内展示場では間近でバクを観察できます。
 野生のマレーバクは、草、木の葉、小枝、果物、水草を食べています。多摩動物公園では、干し草、草、リンゴ、バナナ、ニンジン、サツマイモ、パン、ペレット、ヘイキューブ、カシの枝などを与えています。
 マレーバクは、胴の中央部が白、体の前半分と後足が黒色のツートンカラーです。この体色は、薄暗いジャングルでは保護色になるといわれています。また、皮膚が厚く、突起が少ない流線型の体型は、やぶの中を歩き回るとき、小枝やとげなどで傷つくのを防いでくれます。また前足の指は4本、後足の指は3本あり、水辺のぬかるみ等を歩くときには、指を開いて足がとられるのを防ぎます。
マレーバク1頭の1日の食事量。朝と夕方の2回にわけてあたえます。
マレーバク1頭の1日の食事量。朝と夕方の2回にわけてあたえます。
 子どものからだには、白点と縞模様があり、「うり坊模様」をしています。この模様は、ジャングルの中の木漏れ陽を浴びると保護色となるといわれています。生後6か月ほどたつと、子どもは親と同じはっきりしたツートンカラーに変身します。
マレーバクの子ども(生後約4か月)。うり坊模様が消えて、親と同じツートンカラーになってきました。
マレーバクの子ども(生後約4か月)。うり坊模様が消えて、親と同じツートンカラーになってきました。
マレーバクを水に入れるまで
 多摩動物公園の旧マレーバク舎は築30年を超え、老朽化が目立っていたため、2005年に新マレーバク舎として生まれ変わりました。放飼場は約1,900平方メートルあります。舎内には寝室、産室、治療室等があり、最大8頭を飼育することができます。マレーバクは熱帯でくらす動物なので、寝室には遠赤外線パネルヒーターを設置しました。寝室の床にはゴム製の素材を使用し、バクの足への負担を軽減しています。このゴム製の床は、観覧通路にも使用していますので、みなさんにもバクの気持ちがわかっていただけるかもしれません。
 新マレーバク舎のいちばんの特徴はプールです。室内展示場とつながっている放飼場に水深約1メートルのプールをつくり、水中にいるバクを観覧通路側から透明アクリル板ごしに観察できるようにしました。バクにとっては、肢がつく深さですが、浮力に身をまかせて、犬かき(バクかき?)するすがたや、水中に顔をつけて水底を探るすがたを観察できます。いつも水中にいるわけではありませんが、夏の夕方にはよく入っています。
 オープン当初、マレーバクたちはせっかく作ったプールになかなか入ってくれませんでした。旧マレーバク舎にはシャワーしかなかったので無理もありません。水面にリンゴを浮かべて誘いこもうとしたのですが、足をつけるていどでした。そこで、プールの水をすべて抜いてからプールの底にえさを置き、慣らすことから始めました。そして、少しずつ水位を上げ、10日めにはやっと満水のプールに入ってくれたのです。初めて水中にいるバクを見たときは、とてもうれしかったのを憶えています。バクも気持ちよさそうでした。
 マレーバクは、森林伐採などによる生息環境の悪化の影響で野生下の生息数が減少しており,絶滅危惧種に指定されています。1987年以来、なかなか繁殖が見られませんでしたが、2005年9月22日、待望の子どもが誕生しました。母親は2000年10月にマレーシアから来園したリザ、父親は2001年3月に千葉市動物公園から来園したスリスクです。今後も繁殖に向けて取り組みをつづけるつもりです。
プールの底をさぐるユメコ(メス)
プールの底をさぐるユメコ(メス)
どうぶつ図鑑 Animal Encyclopedia
16 バク科の動物たち
 | アメリカバク | マレーバク | 

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