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Profile 11/軟体動物の食生活いろいろ アオリイカ
 水中を自由に泳ぐイカ、岩場にくらすサザエ、砂地に潜るアサリ──体の軟らかな軟体動物のなかまたち。その食べ物と食べ方は変化に富んでいます。
・かじりとる
 二枚貝を除く軟体動物は歯舌(しぜつ)と呼ばれる特殊な歯を持っています。多くの巻貝やヒザラガイ類は、海藻や岩の表面に生えている小さな藻類などを、歯舌を使ってかじりとって食べます。ヒザラガイなどは、歯の表面が硬い金属でコーティングされていて、ときには岩ごとかじりとってしまいます。展示用の巻貝を水槽に入れておくと、水槽の壁などに生えた藻類を食べて片づけてくれるので一石二鳥。毎日の仕事「水槽の壁掃除」がとても楽になるので、飼育係員は巻貝が大好きです。
ヒザラガイの歯舌
ヒザラガイの歯舌
・海底の掃除屋
 巻貝の中には、他の生物の死骸や糞を食べているものも多く知られています。このような食事をする生き物を「スカベンジャー」といいます。食物連鎖におけるスカベンジャーの存在は大きく、彼らがいなければ、地球は死骸や糞だらけになってしまいます。葛西臨海水族園でも、巻貝だけでなく、ナマコやクモヒトデなど、多くのスカベンジャーの力を借りて、水槽の環境維持に役立てています。
・生きている濾過器
 ほとんどの二枚貝は、水中に漂うプランクトンや小さな生物の死骸などを濾過して食べています。水を水管から出し入れし、呼吸用の酸素だけでなく、プランクトンも取り入れているのです。
 水管から出し入れする水の量は1個のアサリでも1年間で数トン。水質浄化におおいに役立っています。しかし、そんなえさの食べ方をするがために、二枚貝は飼育しにくいのです。というのも、飼育水槽には水をきれいにするための濾過器がついていますが、この濾過器が二枚貝のえさであるプランクトンを取り除いてしまうからです。そこで飼育係は、えさのやり方に注意を払わなければなりません。
・太陽を食べる
 大型二枚貝であるシャコガイの食べ物は、シャコガイの体内に共生している微少な藻類が作り出しています。藻類は窒素などの栄養素をシャコガイから受け取り、シャコガイは藻類が光合成で作り出したものを利用するという共生関係です。葛西臨海水族園では、太陽のかわりに人工の照明を使っています。つまり、シャコガイのえさは、飼育係員ではなく、設備を担当する施設係の職員が面倒を見ていることになります。
ヒメジャコガイ
ヒメジャコガイ
・ハンティング
 軟体動物で第一級のハンターといえばイカやタコなどの頭足類ですが、動きの遅い軟体動物の中にも、たくみな方法で獲物を捕らえるものがいます。メリベウミウシは、投網を投げるかのように大きく広げた口でエビなどを囲いこみ、口を徐々に狭めて獲物をつかまえます。ババガゼというヒザラガイのなかまは、体の前半部を持ちあげるようにして獲物を待ち、体の下に来た獲物を押さえ込みます。イモガイのなかまはさらに強烈です。種によっては人をも殺せる毒を仕こんだ矢を獲物に撃ちこみ、完全に殺してから丸飲みにします。イモガイのなかまは水族園の特設展で展示したかったのですが、あまりにも危険だとの理由で、展示案はボツになりました。
想像を超えるタコの能力
 マダコは脱走の名人。マダコを飼育する水槽のふたに2~3キログラムの重しを置いても、簡単に押し開いて逃げてしまいます。両眼の幅のすきまがれば、通れるほどです。すぐれた視力と器用な腕、鋭い感覚をもつマダコは、狭いすきまも探り当ててしまうのです。
 葛西臨海水族園では、マダコの脱走をふせぐため、水槽の縁とふたに穴を開け、ひもでしばりつけるようにしました。えさやりや掃除には不便ですが、しかたありません。ところが、ある朝、タコのすがたが見あたらないのです! どうやらふたと水槽のあいだにある、小指の先さえ入らないほどの小さなすきまから、信じがたい力と体勢で脱出したようです。
 あちこちを探し回り、ようやく見つけたマダコは、なんと別の水槽の濾過器に入りこんでいました。あらためて周囲を見ると、粘液とほこりの混じった跡があり、逃亡の足取りが判明しました。自分の水槽を出て、約1.2メートル下の床に降り、床を1メートル移動して、濾過槽の壁を垂直に90センチ登ったようです。しかも、登りはじめた位置は、濾過槽のふたのすきまの真下。下から見えないはずなのに、迷ったようすもなく一直線に登っていったようです。海水のにおいがわかるのでしょうか? 耳もいいのでしょうか?
ひもでしっかり縛った水槽のフタ
ひもでしっかり縛った水槽のフタ
タコが入りこんだ穴(直径約6.5センチ)
タコが入りこんだ穴
(直径約6.5センチ)

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