これまでクマ舎のとなりにあった鳥舎「東京の野山」。クマ舎の全面改修にともない、「東京の野山」もクマ舎の一部として生まれかわります。
そこで、この鳥舎を五重塔のちかくに移転し、2005年1月2日から公開しています。
新生「東京の野山」は、これまでより展示面積が小さく(総面積 44.84平方メートル)、天井までの高さも低くなりましたが、各個体にも近づきやすくなり、個体識別も容易に。担当者の話では、これまで苦労していた捕獲作業も楽になったそうです(旧展示舎では、大きな網も持ち出して、追いかけなければなりませんでした)。
ケージは四つにわかれています。向かって右端にはモズ、そのとなりにはカケス、トラツグミ、ニホンリス、さらにとなりの大きなケージには、ヤマドリ、コイカル、キジバト、シロハラ、ツグミ、マミジロ、ヒヨドリ、トラツグミ、クロツグミ、マミチャジナイ、オナガなど、そして左端には、アカハラ、アカゲラ、ニホンキジ、ヤマシギ、タシギなどがいます。
裏側にもケージがあって、ここでは何種かを飼育し、繁殖をめざしています。五重塔が近いため、建物は防火の観点を考慮した建材等を使用しています。
飼育作業室内に入って、ちょっと変わっていたのが、ケージに出るドアのレバー。通常、ドアを開けるためのレバーは水平にのびていますが、ここのレバーは、真下に向かっています。じつは、これは鳥がとまらなくするため。作業室内はどちらでもよいのですが、ドアの向こうはケージになっているので、レバーを下向きに設置したのです。このレバーは、もちろん表側からでも見えます(最初は気づきませんでした……)。
名称は現行の案内マップに合わせて、今のところ「東京の野山」としていますが、東京産の鳥だけではないので、「日本の鳥II」と改称予定です。でも、そうなるとニホンリスの立場が……という点は不問にしておいてください(ちなみに、リスとカケスたちの同居をふしぎに思われる方もいらっしゃるようですが、旧「東京の野山」でも、とくにケンカをすることもありませんでした)。
ケージ内にはこれからさらに植栽などを追加します。旧「東京の野山」はまもなく取り壊しです。旧「東京の野山」は1986年4月に完成しました(当時の名称は「和鳥舎」)。ところが、ヘビが侵入して小鳥を食べてしまうため、1995年、ヘビが侵入できない構造の「日本の鳥」舎を開設し、小さな鳥をそちらに移しました。そして、「和鳥舎」はヘビの被害にあわない大きさの鳥を中心とした展示に変更し、「東京の野山」と改称したのでした。
見やすくなった新「東京の野山」は、東園五重塔のちかく、アメリカバイソン舎のそば、大きなプラタナスのすぐそばです。
《東京ズーネット「どうぶつ図鑑」より》
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トラツグミ
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ニホンリス
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アカゲラ
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ニホンキジ
(2005年1月14日)