多摩動物公園では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するため、佐渡トキ保護センターからトキをあずかり、非公開エリアで飼育しています。
2017年も飼育個体が産卵し、5羽が無事に育っています。

今年生まれたひなとその仮親飼育中のトキのペア(すべて佐渡トキ保護センター生まれ)
Kペア | オス:2001年5月21日生まれ | メス:2003年5月9日生まれ |
ADペア | オス:2004年7月3日生まれ | メス:2001年4月24日生まれ |
Zペア | オス:2008年5月24日生まれ | メス:2008年4月17日生まれ |
ATペア | オス:2011年4月28日生まれ | メス:2011年5月26日生まれ |
産卵と孵化、育雛の状況
ADペアとZペアのひな、計5羽が育っています。KペアはADペアのひなの仮親となり、ADペアはZペアのひなの仮親となって、自然育雛に成功しました。また、ADペアのひな2羽は人工育雛によって育ちました。
No. | 両親 | 産卵日 | 孵化日 | 育雛方法 |
---|
1 | AD | 3月19日 | 4月18日 | Kペアによる自然育雛 |
2 | AD | 3月22日 | 4月20日 | Kペアによる自然育雛 |
3 | Z | 4月26日 | 5月25日 | ADペアによる自然育雛 |
4 | AD | 5月11日 | 6月9日 | 人工育雛 |
5 | AD | 5月16日 | 6月13日 | 人工育雛 |
※産卵日はビデオモニターによる確認結果ですが、推定日も含みます。 ※自然育雛の場合、孵化後約1週間は人の手で育て、その後で巣に戻しました。 |
多摩動物公園でのトキ飼育の経緯
単独の施設で動物を飼育すると、感染症の発生にともない全滅の恐れがあります。トキについても、鳥インフルエンザなどの感染症対策として、複数の施設に分散して飼育しています。
都立動物園は40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績があることから、保全活動の調整機能をもつ野生生物保全センターがある多摩動物公園で、2007年12月からトキを飼育し、毎年繁殖に成功しています。
※環境省の飼育方針により非公開で飼育しています。
日本国内の飼育状況(2017年7月26日現在。放鳥した個体を除く)
・佐渡トキ保護センター | 93羽 | (うち2017年生 12羽) |
・佐渡トキ野生復帰ステーション | 55羽 | (うち2017年生 17羽) |
・多摩動物公園 | 13羽 | (うち2017年生 5羽) |
・いしかわ動物園 | 20羽 | (うち2016年生 7羽) |
・出雲市トキ分散飼育センター | 9羽 | (うち2017年生 3羽) |
・長岡市トキ分散飼育センター | 9羽 | (うち2017年生 3羽) |
・佐渡市トキふれあい施設 | 2羽 | |
合計 201羽 | (うち2017年生 47羽) |
(2017年08月01日)