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トキ、2014年は7羽が育ちました
 └─2014/08/19

 多摩動物公園では、環境省が進めるトキ保護増殖事業に協力するため、佐渡トキ保護センターからトキを預かり、非公開での飼育をおこなっています。2014年は、孵化した7羽がすべて無事に育ちました。

1.飼育中のトキのペアについて(すべて佐渡トキ保護センター生まれ)

Kペアオス:2001年5月21日生まれメス:2003年5月9日生まれ
ADペアオス:2004年7月3日生まれメス:2001年4月24日生まれ
Zペアオス:2008年5月24日生まれメス:2008年4月17日生まれ
ATペアオス:2011年4月28日生まれメス:2011年5月26日生まれ

2.産卵と孵化、育すうの状況

 KペアとADペアによる7羽が孵化し、全個体が育ちました。Zペアは9卵を産みましたが、すべて無精卵でした。ATペアの産んだ4卵のうち1個は卵が割れ、3個は有精卵でしたが、すべて発育が止まってしまいました。

No.性別両親産卵日孵化日育すう方法
1オスAD3月27日4月24日ADペアによる自然育すう
2メスAD3月29日4月25日ADペアによる自然育すう
3オスAD3月31日4月28日人工育すう
4メス3月28日5月5日Kペアによる自然育すう
5オス4月7日5月5日Kペアによる自然育すう
6メス4月10日5月8日Kペアによる自然育すう
7メス4月16日5月14日人工育すう
※産卵日はビデオモニターによる確認結果ですが、推定日も含みます。
※自然育すうの場合、孵化後約1週間は人の手で育て、その後で巣に戻しました。

3.多摩動物公園でのトキ飼育の経緯

 単独の施設で動物を飼育すると、感染症の発生にともない全滅の恐れがあります。トキについても、鳥インフルエンザ等の感染症対策として複数の施設に分散して飼育しています。
 都立動物園は40年以上にわたって佐渡トキ保護センターにおける飼育繁殖に技術協力をしてきた実績があることから、保全活動の調整機能をもつ野生生物保全センターがある多摩動物公園で、2007年12月からトキを飼育し、繁殖に成功しています。

※環境省の指示により非公開で飼育しています。

4.飼育状況

(1)日本の飼育状況(2014年8月1日現在。放鳥した個体を除く)
・佐渡トキ保護センター95羽(うち2014年生 9羽)
・佐渡トキ野生復帰ステーション51羽(うち2014年生 13羽)
・多摩動物公園16羽(うち2014年生 7羽)
・いしかわ動物園20羽(うち2014年生 10羽)
・出雲市トキ分散飼育センター17羽(うち2014年生 5羽)
・長岡市トキ分散飼育センター17羽(うち2014年生 7羽)
・佐渡市トキふれあい施設5羽(うち2014年生 3羽)
合計 221羽(うち2014年生 54羽)

(2)中国の飼育状況
 2013年、野生トキは1,096羽(推定)に達し、北京動物園や陝西省トキ救護飼養センター等の飼育下のトキと合わせて約1,767羽です。((公財)日本鳥類保護連盟資料による)


◎関連ページ
希少動物の飼育と保全
保全への取組

写真:2014年生まれのトキ

(2014年08月19日)



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