スイギュウ「さち」独り立ちへ
2026年11月6日
多摩動物公園では、このたびスイギュウの「さち」(メス)を愛媛県立とべ動物園(愛媛県伊予郡)へ移動することになりました。移動予定日は2026年12月2日です。
それに向け現在、搬出の準備を進めています。今回はさちの最近のようすとあわせて、その準備の過程をご紹介します。
さちは2026年7月に2歳になりました。体重は10月14日時点で406㎏でした。3月時点では285㎏でしたが、約7か月で120㎏ほど増えており、順調に成長しています。体つきがだんだんと大人のスイギュウへと近づいています。
さちは生まれてからずっと、母親の「まる」と一緒の部屋でくらしていましたが、新しい環境への第一歩として2026年7月から、柵越しにお互いの姿は見えるものの別々の部屋で生活する「親子分け」を始めました。
最初はさちが鳴くとすぐにまるが近くへ駆け寄ってきました。しかし、2~3日経つと、まるはさちが鳴いていても動じず、落ち着いてえさを食べるようになりました。
一方でさちは、まるの姿が見えないとえさをあまり食べなくなり、まるを呼ぶように鳴き続けていました。
それから時間はかかりましたが、えさを少しずつ食べるようになり、3か月経った今では扉を開けると展示場につけたえさに向かって勢いよく外に出て、まるの姿を気にすることなくもりもりと食べています。
搬出のための準備としてもう一つ取り組んだのが、牛を曳いて歩くための「曳き牛馴致」です。
親子分けの開始と同時にこの曳き牛馴致もスタートしました。
初めは人が同じ空間にいることに慣れていなかったため、こちらを警戒し近づかなかったり、時には角を振って威嚇したりするような仕草も見られました。危険が伴うためまずは柵越しのアプローチから始め、徐々に距離を詰めていきました。
今では角を振ることもなくなり、頭をこちらに預けて甘えてくるような姿まで見られるようになりました。さちの曳き牛を開始したころの反応を見ると、人に慣れてくれるか心配していましたが、予想より早く順応してくれました。曳牛をしながら輸送箱へ誘導することで、搬出当日を想定した練習になり、よりスムーズに移動することができます。
私たち飼育担当としては生まれたときから見守ってきたため、寂しい気持ちもありますが、さちが無事にとべ動物園へ移動できるよう、しっかりと準備を進めていきたいと思います。
多摩動物公園でさちに会えるのはあと少しとなりますので、ぜひ会いに来てください。
〔多摩動物公園南園飼育展示係 髙石〕

