スイギュウ「さち」の鼻紐交換
2026年4月24日
多摩動物公園では、現在3頭のスイギュウを飼育しています。オスの「幸吉」(こうきち)(7歳)、メスの「まる」(12歳)と「さち」(1歳、幸吉とまるの子)です。今回は2026年3月18日におこなったさちの鼻紐交換についてお知らせします。
「鼻紐」とは、スイギュウの鼻に通してある紐のことで、当園では鼻紐に手綱のロープをつけて牛を曳いて歩き、近くで体を観察したり、触ったりして日頃の健康管理をおこなうための「曳牛」(うしびき)で使用します。
幸吉とまるがいた沖縄県の由布島では、スイギュウは観光用の水牛車を引くなどして活躍しています。その際に鼻紐を使用するため、生後6か月ごろに動かないように押さえて鼻紐を子牛に付けます。鼻紐は、子牛の成長にあわせて紐が切れないように太く丈夫なものに交換していきます。
曳牛はまだ開始しないものの、当園でも由布島の例にならい、さちが約1歳になった2025年8月に最初の鼻紐を付けました。
それから半年ほど経ち、さちはすくすくと成長して、現在の体重は380kgになり鼻紐を交換する時期になりました。この大きさの子牛を動かないように押さえて、新しい鼻紐に交換するのは危険と判断し、麻酔下で鼻紐の交換をおこなうことにしました。
麻酔をする際には、胃内容物の逆流による誤嚥を防ぐために絶食が必要なので、前日から親のまるとさちを別々の部屋に分けました。麻酔当日のさちは何かを察したようすで落ち着きがなく、しきりに鳴いていました。そして獣医師が麻酔薬を投与し、さちが完全に寝たことを確認してから私たち飼育係が部屋の中に入り、鼻紐の交換を始めました。
鼻紐の交換は、さちへの負担を最小限にするために、すばやくおこないました。
20分ほどで鼻紐の交換が終わり、部屋の外からさちが起きるのを見守りました。5分ほど経ち、さちは目を覚まし起き上がりました。起きたあとしばらくは麻酔の影響もあり、私たちを警戒するようすが見受けられました。
また、その日はずっと目が虚ろで眠そうなようすを見せて、えさもあまり食べませんでした。私たちも動物に麻酔をしたあとは、いつも以上に観察をおこない、歩き方やえさの食べ具合などを注意深く確認しています。
その後、日が経つにつれてさちはえさをよく食べるようになりました。今ではいつもどおり放飼場でまるといっしょに遊ぶ姿も見られます。無事元気になって私たちも安心しました。
今後は、付けた鼻紐を使ってさちに曳牛をはじめ、健康管理をおこなっていきます。
〔多摩動物公園南園飼育展示係 石田〕

