写真でふりかえる25

  • 現在のNo.5「南シナ海」水槽は開園当時「ベーリング海」の水槽で、マダラやマスノスケなど寒帯地方の展示。

  • 現在の「太平洋II」コーナーは開園当初は「南太平洋」コーナー。No.9「グレートバリアリーフ」の水槽に展示されていたメガネモチノウオが成長して手狭となったため、急遽「南シナ海」の水槽を作成し移動した。

  • それまで飼育が難しいとされていたサンゴの飼育・展示に取り組み、1992年から現在のNo.12「インド洋」の水槽で展示を開始した。その成功をへて、さらに大きな水槽「グレートバリアリーフ」でもサンゴの展示が可能に。

8「『世界の海』も発展中」

「世界の海」エリアもこの25年間にいくつもの水槽海域が変更になっています。現在なくなった海域としてはNo.5「ベーリング海」(マダラ、マスノスケなど)、No.11「ニュージーランド沿岸」(レッドモキ、タラキヒなど)、No.20「西アフリカ沿岸」(ウエストアフリカンエンゼルフィッシュなど)があります。
その代わり、新たな採集拠点が開発されたNo.20「南アフリカ沿岸」水槽やNo.11「バハ・カリフォルニア」水槽などが増えました。また、生きた本物のサンゴの飼育技術が確立できたことも、「世界の海」エリアの展示に大きな変化をもたらしました。

  • 「大洋の航海者:マグロ」水槽で展示されたヨシキリザメ。1999年に達成した飼育期間246日は、当時の日本最長記録。

  • ”ゴブリンシャーク”の名前でも知られる東京湾にすむ深海性のサメ、ミツクリザメ。最長の飼育期間は2週間と、まだ課題も多い。

  • 初期の頃は深海生物の採集に潜水艇も導入。

  • 船上には水槽を設置し、乗組員の方にトリノアシなどを飼育してもらった。

  • 鹿児島県笠沙の定置網ではバショウカジキの幼魚の採集にトライ。現地での水槽蓄養中には幼魚の餌付けに成功。いつかは…。

9「25年の間に挑戦しました。あんな生物、こんな生物。」

この25年間に水族園ではさまざまな生物の飼育展示、繁殖に取り組んできました。例えばマグロと同様、外洋性の魚類であるヨシキリザメやバショウカジキ。ヨシキリザメは「マグロ水槽」で約半年の日本最長(当時)の飼育記録を達成しました。
また、多くの水族館が狙っている「深海の生物」の展示には、当初は深海潜水艇をチャータしての採集も試みられました。ミツクリザメの飼育実験では非公開の加圧水槽も利用して挑戦中です。

  • 初めての南極調査では、現地の状況がほとんど判っていなかったため、釣り道具、簡単なはえ縄、カニかごなどを持ち込んで採集。

  • 第2回の調査では、たまたま持ち込んでいたウエットスーツでのダイビングにトライ。水温1℃の海にはさすがに3分が限界。たまらずビニール袋をかぶって保温。

  • 第3回からは、体がぬれない保温性の高いドライスーツ、ダイビングタンク、それにタンクに空気を詰めるためのコンプレッサーも持ち込んで本格的な採集へ。

  • スキューバダイビングにより、今まで採集できなかったヒトデやナマコなどがコレクションに加わったほか、様々な生物の生息環境の調査も可能に。写真は長さ10m以上はあるホヤの1種。

10「南極でも採集」

「世界の海」の海域で、最も過酷な採集となるのはやはりこの南極でしょう。現地の滞在は10日間ほどですが、南極に入るまでも時間がかかり、3週間ほどの調査出張となります。今まで水族園では10回の南極採集を行ってきましたが、その方法は現地の状況が把握できるにつれて変わっていきました。