中学生・高校生対象「動物園・水族園レポートチャレンジ 2025」年間最優秀作品決定!
ニュース
2026年03月19日 09:00
都立動物園・水族園では、展示している生き物をテーマにした研究レポートを毎年募集しています。中学生や高校生のみなさんに生き物の観察の楽しさや、ふしぎを探求する楽しさを知って欲しいというねらいではじめた企画です。5年目となる今年は、過去最多となる900件以上の応募がありました。
応募いただいたレポートのなかから、高校生部門1作、中学生部門3作を「年間最優秀作品」に、高校生部門1作、中学生部門5作を「奨励賞」に、高校生部門1作、中学生部門2作を「ユニーク賞」に決定しましたので、以下のようにお知らせします。
年間最優秀作品
年間最優秀作品
~ミズクラゲの胃の数はなぜ4つなのか~胃の数と各器官・消化・吸収の相関から考える
井上修大(高校1年生 朋優学院高等学校)
【選者コメント】
ミズクラゲは、胃の数(胃腔数)に変異があり、通常は4つである。異なる胃腔数の個体の形態的、生理学的、代謝学的な相違を明らかにする研究には、特別にセッティングした飼育環境や試供個体の準備が必要であるが、井上さんは葛西臨海水族園の展示水槽を一般来園者として詳細に観察し、分析を行った。摂餌・消化効率の測定では、胃腔に取り込まれたエサが消化される過程を2時間以上かけて観察し、通常の4つの胃腔数が最も適した数でることを考察した。井上さんの水族館で働く夢が実現したら、展示を通して生き物の面白さを伝えていく飼育係になってほしい。
夜行性のイメージを覆す?フクロウの昼間の世界~シロフクロウとフクロウの飼育下行動の比較と環境要因の影響~
飯坂太一(中学2年生 都立三鷹中等教育学校)
【選者コメント】
飯坂さんは夜行性のイメージをもっているフクロウの日中の行動に関心を持ち、生態が異なる2種のフクロウの行動観察を7月と8月の2日間の開園時間中に行った。通常、この時期は明るい時間帯の観察しかできないが、8月の観察は特別な開園時間延長日に行い、暗い時間帯の行動も分析に加えた。観察結果は、飯坂さんが立てたシロフクロウとフクロウの違いについての2つの仮説を支持していた。また、この探求を通して感じた、動物園での観察の意義についてもレポートで言及していた。飯坂さんには今後の観察の継続を期待したい。
ミーアキャットの二本足立ちはなぜ安定しているのか。
池田和真(中学2年生 都立三鷹中等教育学校)
【選者コメント】
20年ほど前に、今風に言うと、某動物園のレッサーパンダの立つ姿がバズったことを池田さんは知らないであろう。いつもは4本足でくらす動物が、2本足で立ち上がることが特別なこととして関心を向けられたのだが、レポートのテーマとしてこの行動を選んだ池田さんは、科学的に分析ができていた。生きた動物の観察で不足する、骨格のつくりについては、資料を引用し、ミーアキャットと比較したテンの2本足立ちの違いを明らかにした。筋肉の使い方、立ち上がることで得られる視野の広がりなどの残された課題にも今後取り組んでほしい。
ウシバナトビエイの泳ぎの工夫
末澤伶埜(中学2年生 都立三鷹中等教育学校)
【選者コメント】
レポートチャレンジでは、対象に選ばれやすい種や選ばれやすいテーマがあるようである。もしかしたら、何となく知っている生き物の種名をネット検索したときにヒットした話題からテーマを設定していることが多いのかもしない。一方で、末澤さんはウシバナトビエイを最初に観察した時に発見した垂直方向のユニークな泳ぎ方について、その後の探求を深めていった。実際の観察から設定したテーマは、その展示での観察で成果を出しやすく、オリジナル性の高いレポートにつながる。末澤さんも課題解決のための観察法の検討や考察のための資料調査といったプロセスを楽しめていそうなことがレポートから読み取れた。このようなレポートが増えていくことを期待する。
奨励賞
奨励賞
上野動物園における環境エンリッチメントの効果と可能性
星川晴香(高校2年生 鷗友学園女子中学高等学校)
アカクラゲの泳ぎ方とその利点について
大内優奈(中学1年生 東京都立大泉高等学校附属中学校)
マーラは人気があるか?
中村郁奈(中学1年生 富士見丘中学校)
多摩動物公園におけるキリンのグルーミング行動について
渡理陽斗(中学2年生 中央大学附属中学校)
歩くときに首を動かすハトの謎
大友辰馬(中学1年生 荒川区立尾久八幡中学校)
歩行方法から考察する類人猿とヒトの類似性
岡崎知紗(中学2年生 女子学院中学校)
ユニーク賞
ユニーク賞
ニホンコウノトリ
小牧莉奈(高校2年生 大妻多摩中学高等学校)
白いお腹のナゾを調査せよ!
大宮あかり(中学1年生 東京都立大泉高等学校附属中学校)
『エミュー戦争』で、なぜ人間は負けたのか
山本詩絵(中学3年生 富士見丘中学校)
2026年も作品募集!
なお、本年も「動物園・水族園レポートチャレンジ」研究レポートを募集しています。生きものを観察するヒントや、レポートのまとめ方などに関する質問があれば、Eメールでご相談ください。学校の課題でご応募いただく場合もサポートいたします。
問い合わせ先Eメール:edu-center@tzps.or.jp

