ミナミイワトビペンギンの成長記録

2026年10月9日

今年(2026年)の5月3日に葛西臨海水族園で孵化したミナミイワトビペンギン1羽が、元気に育っています。ひなが孵化したときから9月末までの成長過程をお届けします。

親が巣でひなを抱いているようす(孵化して3日後に撮影。体重158g)
親が巣でひなを抱いているようす(孵化して3日後に撮影。体重158g)

おとなのミナミイワトビペンギンの体重が約2kgあるのに対し、孵化直後のひなは81.8gでした。ひなの体には、おとなの羽とは違い、ふわふわとした綿羽が生えています。

孵化して間もないひなは、基本的に親のお腹の下にいます。巣の近くで耳を澄ますと、時折親に向かって鳴く声が聞こえます。これは空腹を知らせる合図です。この鳴き声に反応して、親は一度食べたえさを吐き戻して柔らかくしたものを、直接ひなの口の中に移して与えます。

孵化して7日後には、ひなは親のお腹の下から出ることもあり、30日後にはさらに移動範囲は広がり巣から離れた所で跳びはねる姿も見られました。

孵化して40日でひなの体重は2kgを超え、おとなと同じぐらいの体格になります。また、綿羽が少しずつ抜け、おとなと同じ水を弾く羽(正羽)へと生え変わっていきました。

孵化して55日後には、プールで泳ぐ姿も見られました。このころには、ひながみずからえさを食べられるよう促すために、親はえさをだんだんと与えなくなり、その影響でひなが鳴きながら親を追いかけるようすも見られました。

ひなが親に向かって鳴いているようす(孵化して23日後に撮影。体重1,228g)
ひなが親に向かって鳴いているようす(孵化して23日後に撮影。体重1,228g)

巣立ち後の幼鳥がおとなのペンギンたちとすごすうえで大切なのは、えさを自分で食べられるようになることです。野生では水中で魚を捕らえますが、当園ではバットの上に魚を置いて与えます。しかし、はじめはバットに置いた魚をえさとして認識できないため、食べることができません。そのため、バットの魚を自分で食べられるように練習をする必要があります。

練習は、飼育係が魚を幼鳥の口に入れることから始めます。慣れてくると飼育係の手から食べるようになります。次に魚を少しずつバットに近づけて与え、バットから直接食べられるように誘導します。こうした練習を重ね、みずからバットに置いた魚を食べられるようになります。今年生まれの幼鳥は、バットの魚を食べられるまで約40日間辛抱強く練習しました。

バットの上の魚を安定して食べられるようになった日のようす(孵化して120日後に撮影)
バットの上の魚を安定して食べられるようになった日のようす(孵化して120日後に撮影)

今年生まれの幼鳥を見分けるポイントは、ミナミイワトビペンギンの特徴である目の上の黄色い飾り羽がおとなより短いことです。幼鳥の姿は、新しい羽に生え変わるまでの約1年間しか見ることができません。ぜひ、幼鳥とおとなを比較しながら観察してみてください。

おとなと比較したときのようす(孵化して150日後に撮影。左:おとなの個体、右:今年ふ化した個体)
おとなと比較したときのようす(孵化して150日後に撮影。左:おとなの個体、右:今年ふ化した個体)

〔葛西臨海水族園飼育展示係 佐々木優成〕

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